楽天証券がスマートプラスと組んで米株運用に特化した投資一任サービス「米国ETFラップ」の提供を開始することを発表しました。
今回は米国ETFラップについて解説していきます。
なお、本記事のYou Tube版はこちらからご覧いただけます。合わせてご利用ください。
米国ETFラップの概要
それでは米国ETFラップの概要を見ていきましょう。
以下のように投資一任契約(ファンドラップ)形式で提供されるサービスとなります。
楽天証券が提供していますが、実際に契約するのはスマートプラスってことですね。
出典:スマートプラス 米株運用に特化した投資一任サービス「米国ETFラップ」を9月17日(土)から提供開始~オンライン完結!個人向け米国ETFでの運用に特化したラップ~ より
運用方針
運用方針は以下の通り。
投資対象は米国上場ETFとし、NASDAQ100、S&P500等に連動する対象銘柄に投資します。基本的には、米国株式市場の長期的な成長を享受しつつ、市場混乱時には独自の数量モデルを活用し、キャッシュポジション等も活用することで安定したリスク・リターンの獲得を目指します。各資産への投資比率に関しては、運用環境の大きな変化などにより、必要と判断した場合にはジャッジメンタルな判断も行います。
出典:楽天証券 米国ETFラップサービスの提供を開始します(9/17~)より
米国株(ETF)に投資をしながら市場動向によってはキャッシュ(現金)にしますよってことですね。
SBIラップやWealth Naviと違って市場動向によって債券など他の投資対象に比率を高めるというわけではなさそうです。
相場が悪いとキャッシュを増やすレオスのひふみ投信の考え方に近いかもしれません。
なお、ジャッジメンタルな判断とは人による判断のことです。
最近流行りのAIが全判断というわけではなさそうです。
それが良いのかはなんとも言えない部分ですね。
運用対象、運用コース
運用コースは3つあり、それぞれ対象となるETFが決まっています。
②S&P500コース(対象ETF:IVV)
③米国高配当株式コース(対象ETF:VYM)
どれも人気のあるETFですね。
後述しますが、手数料があるのでこれらETFを直接自分でかった場合と比べて成績がどうなるのかが注目です。
投資可能金額
米国ETFラップの投資可能金額は
となっています。
ファンドラップの種類によっては最低契約金額3,000万円からみたいなものもありますからそれと比較してかなり始めやすい設定ですね。
米国ETFラップの手数料
米国ETFラップの手数料は以下のとおりです。
申込手数料:0円
手数料:年率0.88%+ETFの実質的な信託報酬。実質的な負担 年率0.91%~1.08%程度(税込)
為替手数料:入出金時に片道1ドルにつき24銭
つまり、年率0.88%が米国ETFラップで運用してもらうのに掛かる費用ってことですね。
自分で直接ETFを買えばその部分がかかりませんので、その費用をどう考えるかということです。
前述のように一般的に扱われているETFを購入する形ですしね。
個人的な感想としては
って感じですね。
ただし、ジャッジメンタルな判断も行うとしていますので具体的にどのような運用をするのか、どのような成績を残すのかはまだわかりませんけどね。
SBIラップなどと違い過去のバックテストも公開していませんのでそのあたりも怖いところ。
なお、ファンドラップというカテゴリーで見ればそれほど手数料が高いということではありません。
例えば野村證券のファンドラップ「野村ファンドラップ」は固定報酬制では最大で運用資産の年0.4180%、実績報酬併用制では最大で運用資産の年0.2090%+運用益の積み上げ額の11.0%それにプラスして信託報酬(最大で信託財産の年1.35%±0.70%(概算))が掛かります。
楽天証券のもう一つのファンドラップ「楽ラップ」は固定報酬年0.715%or成功報酬併用年0.605%+運用益の年5.5%の選択制+信託報酬です。
また、AIを使ったロボアド「Wealth Navi」の手数料は年1.1%+ETFコスト
SBIラップは0.66%(年率)+ファンドの実質的な信託報酬(平均年率0.295%)となっています。
参考:ファンドラップとは
なお、ファンドラップとは、投資家が証券会社や銀行などにある程度のまとまった資金を預け、資産管理・運用を行うための「ラップ口座の一形態」のことを指します。
簡単に言えば証券会社や銀行に資産運用を丸投げ(一任)する方法です。
投資初心者からすれば証券会社などが運用してくれるなら楽と魅力的に映るでしょうが、かなり高めの手数料を取っていることから評判はよろしくないケースが多いです。
なかには高い手数料を取った上で、さらに運用益に対して成功報酬を取るような手数料が馬鹿高いのも多いのです。
成績まで悪いケースも多く・・・
投資を専門家に丸投げすれば成績が良くなるのかというとそうでもありません。
例えばみずほファイナンシャルグループが2018年時点のファンドラップ利用者の損益を公開しています。
2018年3月時点で残高のある顧客のうち利益がでているのは48%、損失がでているのは51%と半数以上が損失状態となっています。
半分の方が損失出しちゃってるんですね・・・
出所:株式会社みずほファイナンシャルグループ「フィデュシャリー・デューティーに関する2017年度アクションプランの取組状況および2018年度アクションプランの公表について」より
ですから、手数料が高く、成績が良いとも言い切れないファンドラップは基本的におすすめしていません。
詳しくはこちらを御覧ください。
まとめ
今回は「楽天証券で「米国ETFラップ」始まる。運用報酬年率0.88%」と題して楽天証券で始まった米国ETFラップについてご紹介しました。
SBIラップなどと違い過去のバックテストも公開していませんので、実際の成績がどうなるのか注目したいところですね。
SBIラップはブログやYou Tubeのネタとして人柱になりましたが、これは人柱もパスかな・・・
なお、SBIラップの成績はこちらの記事で公開しています。
楽天証券はなによりも楽天カードや楽天キャッシュで投資信託を購入すると楽天ポイントが付くのが大きなメリットです。さらにSPU(楽天スーパーポイントアップ)の対象になり、さらに楽天市場での買い物でポイントがつきやすくなります。
お知らせ:You Tubeはじめました。
You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。