国土交通省、経済産業省、環境省の3省で住宅省エネ2023キャンペーンとして「こどもエコすまい支援事業」、「先進的窓リノベ事業」、「給湯省エネ事業」を発表しました
中でも国土交通省のこどもエコすまい支援事業は制度設計が甘かったこともあり、こどもみらい難民が大量に発生してしまうなど大きな話題となりましたね。
ちなみに私もこどもみらい難民になってしまっていました。笑
※なお、のちにツイッターのトレンドに入ったり、議員が動いたこともあり多くのこどもみらい難民は救済されました。
その影に隠れていますが、住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業(先進的窓リノベ事業)が逆の意味で制度設計間違えているのでは?というほどお得なものになっています。
今回は先進的窓リノベ事業について詳しくみていきましょう。
先進的窓リノベ事業とは
それでは先進的窓リノベ事業とはなにかというところから解説していきましょう。
先進的窓リノベ事業概要
先進的窓リノベ事業とは名前のとおり、窓の高断熱化を支援するための事業です。
あまり意識していない方も多いのですが、実は窓って暑さ、寒さにとても影響がある部分なんですよ。
日本建材・住宅産業協会のデータによると日本で一般的に使われているアルミフレームの複層ガラスの窓の場合、窓からの熱の流入出は夏が73%、冬が58%になるそう。
出典:日本建材・住宅産業協会
つまり、夏は熱くなる原因ですし、冬は寒くなる原因となっているんです。
家の中で一番熱の出入りが激しいんですよ。
節電策の一つにエアコンを省エネタイプに変えるというのはありますが、それよりも安く効果があるのは実は窓の変更なんです。
窓で部屋の温度がそれほど変わらなくなるならエアコンの設定温度なども変えられますからね。
こちらの方が節電効果が高いという話もあるくらいです。
最近は節電がとても重要な話になっていまし、国あげて窓を良くしていくために補助を出すということなのでしょう。
詳しくはこちらを御覧ください。
先進的窓リノベ事業の補助対象
先進的窓リノベ事業の補助対象は高性能な断熱窓への改修(リフォーム)です。
具体的には以下のように内窓設置や外窓交換、ガラス交換などが対象となります。
出典:先進的窓リノベ事業事務局 より
つまり、良い窓に変更する場合の補助が受けられるってことですね。
なお、この補助金を利用するには窓リノベ事業者(住宅省エネ支援事業者)でお願いする必要があります。
利用しようとしているリフォーム業者が窓リノベ事業者(住宅省エネ支援事業者)に登録をしているか予め確認するとよいでしょう。
先進的窓リノベ事業の補助額
補助額はこちらです。
先進的窓リノベ事業の対象期間
対象期間は以下の通り。
- 契約期間:2022年11月8日~遅くとも2023年12月31日
- 着工期間:窓リノベ事業者(住宅省エネ支援事業者)の登録以降
- 交付申請期間:2023年3月下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)
締切は予算上限に達するまでとなります。
予算は1,000億円とかなりの金額となりますが、前述したようにかなりぶっ壊れた設定の補助金となりますので利用者が殺到する可能性もあります。
ですから窓のリフォームを考えている方はできるだけ早めに動くのをおすすめします。
日本は窓が遅れている
ちなみに日本では窓をあまり重要視されてきませんでした。
そのため、先進国の中で窓が一番遅れている国とも言われているんですよ。
海外では樹脂製フレームや木製フレームが当たり前となっています。
日本ではむしろ樹脂製フレームや木製フレームを使っている住宅の方が少ないという・・・
そんな事もあって今回の補助金の大盤振る舞いとなっているのかもしれません。
窓の種類と断熱性
多くの方は意識したこともないと思いますが、窓にはいろいろな種類があります。
断熱が高い順で並べると以下の通り。(日本で一般的に発売されている主なものだけ)
- 5層ガラス(Low-E×4)+樹脂製フレーム
- ダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレーム
- ダブルLow-E3層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
- 3層ガラス+樹脂製フレーム
- 3層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
- Low-E複層ガラス+樹脂製フレーム
- Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
- 複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
- 複層ガラス+アルミフレーム
- 単板ガラス+アルミフレーム
さらに窓と窓の間を真空にしたり、ガスを入れたりして断熱性を高めているパターンもそれぞれあります。他にも色がついていたり、遮熱、断熱などの種類があるタイプもありますので厳密に言えばさらに種類はあります。
なお、上に行けば行くほど金額もしますので、そことのバランスでどう考えるかですね。
日本で一番使われている窓は・・・
ちなみに今日本の住宅で最もたくさんついているのは下から二番目の「複層ガラス+アルミフレーム」とのこと。
2枚合わせのガラスで、フレームにアルミが使われている窓ですね。
さらに古い家の方は「単板ガラス+アルミフレーム」となっています。
複層ガラスが普及はじめたのは1990年ごろからとのことですから、その前に家を建てて窓を替えてない方はこちらですね。
この2つの窓がついている方は今回の先進的窓リノベ事業を積極的に検討してみてもよいでしょう。
かなり今の窓は性能が上がっているんですよ。
窓の種類ごとの断熱性能
YKKのデータによると(縦すべり出し窓のデータ)窓ごとの断熱性能は以下の通り。(数字が小さければ小さいほど性能が良い)
- ダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレーム:0.91
- Low-E複層ガラス+樹脂製フレーム:1.67
- 複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム:3.47
- 複層ガラス+アルミフレーム:4.65
- 単板ガラス+アルミフレーム:6.51
※メーカーや機種によっても数字は多少異なります。
単板ガラス+アルミフレームとダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレームでは断熱性能が7倍も違うんですよ。
ちなみにYKKで商品がないので上記の表には載せていませんが、現在最も性能も価格も高い5層ガラス(Low-E×4)+樹脂製フレーム(リクシル:レガリス)は0.55とのこと。
0.55という数字はちゃんと断熱している家の壁くらいだとのこと。
断熱窓を入れると節電にもつながる
ちなみに窓を断熱窓にすると節電にも繋がります。
エアコンの効率が変わるからです。
下記はエアコンの年間冷暖房費の比較(エアコン温度設定 冬24℃、夏25℃の場合)です。
出典:YKK 窓の教科書 より
窓が違うだけでエアコンの電気代がこんなにも違いがでるんですね。
まとめ
今回は「使わないと損!!やばいほどお得な住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業(先進的窓リノベ事業)」と題して先進的窓リノベ事業についてご紹介しました。
先進的窓リノベ事業はかなりお得な補助金となっています。
家が寒い、暑いと感じている方はこの補助金を使って窓の交換も検討してみてもよいかもしれませんね。
かなりお得な補助金となっています。
なお、公式サイトはこちらです。
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