水道局から「漏水の疑いがあります」と言われると、かなり焦ります。
しかし、最初にやるべきことは業者探しではありません。
今回は実体験を元に漏水が疑われると言われたらやるべきことを見ていきます。
検針票に「漏水の疑い」の文字が
先日、我が家の水道の検針票(使用水量のお知らせ)を見て、思わず固まりました。
そこには以下の文章が入っていたのです。
メーター器内のパイロットが回っていますので、漏水の疑いがあります。蛇口を止めても回るようでしたら、指定工事店へ調査、修理を申し込んでください。なお。修理完了後は上下水道料金センターまでご連絡ください。
これはなかなか不安になる文言です。
今までこのような指摘はなかったのに突然でした。
水道局の検針員さんは、メーターの数字を読むだけでなく、蛇口を使っていないはずの時間帯にメーターが動いていないかもチェックしてくれています。
その結果として「お宅、どこかで水が漏れているかもしれませんよ」と知らせてくれたわけですね。
正直、最初に頭をよぎったのは「修理にいくらかかるんだろう」という不安でした。
しかし、落ち着いて調べて行動してみると、漏水対応で本当に大事なのは修理費の心配よりも、「早く確認すること」と「減免制度を使い倒すこと」の2つだと分かりました。
この記事では、私と同じように漏水の疑いを指摘されて不安になっている方に向けて、以下の流れで解説していきます。
- 水道の漏水を自分で確認する方法(5分でできます)
- 漏水箇所を探す切り分けの手順
- 水道の漏水修理を頼むべき業者と費用相場
- 多くの人が知らない「水道の漏水減免」制度
読み終わる頃には、「何をどの順番でやればいいか」が明確になっているはずです。
なぜ漏水を放置してはいけないのか
具体的な手順に入る前に、ひとつだけ大事な話をさせてください。
漏水対応で最大の敵は、漏水そのものではなく「先延ばし」です。
行動経済学では、人は目の前の面倒(業者を探す、見積もりを取る)を過大評価し、将来のじわじわした損失(毎月の水道料金の増加)を過小評価する傾向があることが知られています。
いわゆる現在バイアスです。
漏水は株式投資の含み損と違って、待っていても回復しません。
むしろ水が流れ続ける限り、料金は複利的とも言える勢いで積み上がっていきます。
しかも後ほど説明する減免制度には「修理が完了していること」という条件があるため、放置すればするほど取り戻せないお金が増えていく構造なのです。
つまり漏水の疑いを指摘された瞬間から、時間そのものがコストになります。
だからこそ、まずは今日、5分だけ時間を取ってメーターを確認してみてください。
水道メーターの場所を探す
「そもそも水道メーターの場所が分からない」という方も多いと思います。
普段の生活でメーターを見る機会はほぼありませんからね。
私も今回の件ではじめて場所を知りました。。。
住まいのタイプ別に、メーターのある場所の目安をまとめました。
| 住まいのタイプ | 水道メーターの場所の目安 |
|---|---|
| 戸建て | 敷地内の地面にある鉄製のフタ(「量水器」「水道メーター」と表記)の中 |
| マンション | 玄関横のパイプスペース(PS)と呼ばれる扉の中 |
| アパート | 玄関横のパイプスペース、または1階の共用部にまとめて設置 |
戸建ての場合、駐車場の隅や玄関アプローチの足元など、道路に近い場所にあることが多いです。
「量水器」と書かれたフタを探してみてください。フタは簡単に開けられます。
ただし、メーターボックス内は虫や土、水があるなど汚れていることも多いので、軍手があると安心です。
マンションやアパートで場所が見つからない場合は、管理会社や大家さんに確認するのが早道です。
水道メーターのパイロットを見る
水道メーターの場所が分かったら、いよいよ漏水の確認です。
手順はとてもシンプルです。
- 家の中と外の蛇口をすべて閉める(洗濯機、食洗機、トイレも使っていない状態にする)
- 水道メーターのフタを開ける
- メーター内にある「パイロット」を見る
パイロットとは、メーターの中央付近にある銀色の小さな羽根車のことです。
我が家に届いた通知にも「銀色で真中が赤い星」と説明されていました。
これはごく僅かな水の流れでも検知してクルクル回る、いわば漏水検知センサーの役割を果たす部品です。
判定はこうなります。
- すべての蛇口を閉めてもパイロットが回っている → どこかで漏水している可能性が高い
- パイロットが完全に止まっている → その時点では漏水していない可能性が高い
回転がゆっくりでも、回っていれば水は流れています。
「ちょっとだけだから大丈夫」とは考えないでください。
1分間にコップ1杯程度の漏水でも、24時間365日続けば相当な水量になります。
うちの場合
うちの場合は、この手順で確認したところ、パイロットは動いていませんでした。
朝晩両方確認しましたが、どちらも同様でしたので、おそらく問題なかったのだと思われます。
漏水疑いの紙が入っていたからといって、即アウトではありません。
検針員さんが見たタイミングで、たまたまトイレを使っていた。
洗濯機や食洗機を使っていた。
給湯器やエコキュートが一時的に給水していた。
そういうケースだった可能性が高いということなのです。
漏水箇所を探す切り分け手順
パイロットが回っていたら、次は漏水箇所を探すフェーズです。
プロに頼む前に、ある程度の切り分けは自分でもできます。
ポイントは「止水栓をひとつずつ閉めて、パイロットの動きを見る」ことです。
- トイレの止水栓を閉めて、パイロットが止まるか確認する
- 止まらなければ、キッチン、洗面台、給湯器など各設備の止水栓を順に閉めて確認する
- どこかの止水栓を閉めた瞬間にパイロットが止まれば、その設備まわりが漏水箇所
実は家庭内の漏水で多いのがトイレです。
タンク内のゴムフロート(ゴム玉)の劣化で、便器の中に水がチョロチョロ流れ続けるパターンですね。
音が小さく、水が流れている面も見えにくいため、何か月も気づかないことがあります。
逆に、すべての設備の止水栓を閉めてもパイロットが回り続ける場合は、地中や床下、壁の中の給水管からの漏水が疑われます。
こうなると素人の手には負えませんので、迷わず次のステップに進んでください。
ちなみに、目視でも分かるサインがあります。
- 水を使っていないのに、どこかでシューという音がする
- 特定の場所だけ床や壁が湿っている、カビ臭い
- 敷地内の地面の一部だけいつも濡れている、水たまりができる
- 最近、水の出が悪くなった
これらに心当たりがあれば、その付近が漏水箇所である可能性が高いです。
水道の漏水修理は「指定工事店」へ
漏水箇所の特定、あるいは「地中や壁の中らしい」というところまで分かったら、修理の依頼です。
ここで絶対に押さえてほしいのが、自治体の「指定給水装置工事事業者(指定工事店)」に依頼することです。
給水管の修繕などの工事は、水道法上、指定を受けた業者でなければ行えないことになっています。
我が家に届いた通知にも、「上下水道事業部指定工事店へ調査、修理を申し込んでください」と明記されていました。
指定工事店の一覧は、お住まいの自治体の水道局(上下水道部)のホームページで公開されています。
「お住まいの市区町村名 指定給水装置工事事業者」で検索してみてください。
なぜここを強調するかというと、水まわりの修理業界には残念ながら悪質な業者も存在するからです。
「基本料金500円から」のようなマグネット広告から依頼したら、出張費や深夜料金を上乗せされて高額請求された、というトラブルは消費生活センターにも多く寄せられています。
指定工事店であることは、最低限の技術と適正な施工を担保する公的なフィルターです。
さらに、後述する減免申請では「指定工事店による修理」が条件になっている自治体が多い点も重要です。
安さにつられて非指定業者に頼むと、減免が受けられず結果的に高くつく、という本末転倒な事態になりかねません。
気になる修理費用の相場ですが、漏水箇所や工事内容によって幅があります。
| 修理内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| パッキン交換など簡単な修理 | 1万円前後 |
| キッチン・トイレまわりの漏水修理 | 2〜3万円程度 |
| 浴室まわりの漏水修理 | 2〜5万円程度 |
| 地中・床下の給水管修理 | 漏水調査費込みで数万円〜十数万円 |
地中の配管などは掘削が必要になるため高額になりがちですが、それでも放置して水道料金を垂れ流し続けるよりは安く済むケースがほとんどです。
時間がコストになる、という冒頭の話を思い出してください。
調査費、見積費がかかるか
修理費用は利用者負担であり、漏水調査のみ、修理費用の見積もりのみでも費用がかかる場合があるため、事前に業者へ確認するのをお勧めします。
「見に来てもらうだけなら無料だろう」と思っていると、出張費や調査費でトラブルになる可能性があります。
電話時には最低限、次を確認しましょう。
| 確認項目 | 聞くべきこと |
| 指定工事店か | 自治体の指定給水装置工事事業者か |
| 出張費 | 来てもらうだけで費用が発生するか |
| 調査費 | 漏水箇所が見つからなくても費用がかかるか |
| 見積費 | 修理しない場合でも見積費がかかるか |
| 減免書類 | 修理後に減免申請へ使える情報を出してもらえるか |
特に最後の「減免書類」は大切です。
家を建ててそれほど経っていないならハウスメーカーに相談してみるとのもよいでしょう。
無料で見に来てくれる可能性もあります。
Google広告に注意
GoogleやYahoo等の検索サイトで上位に来る業者が良い業者とも限りません。
最近は詐欺まがいの悪どい業者が検索エンジンにお金を払って広告を載せているケースも多いからです。
詐欺まがいの悪どい業者は通常の検索だと上位に来ないと思いますが、広告でお金を払っていると一番上に表示されているケースもありますのでお気をつけください。
広告かどうかはよく見れば「スポンサー広告」と書いてありますのでわかります。
水道の漏水減免を必ず申請する
さて、ここからがこの記事で一番お伝えしたかった部分です。
漏水で増えてしまった水道料金は、「減免制度」によって一部が減額される場合があります。
漏れた水も使用量としてメーターに記録されるため、原則は契約者が支払う必要があります。
しかし、地下や壁の中など発見が困難な場所からの漏水については、「気づきようがなかった」事情を考慮して、各自治体が料金の一部を減額する制度を設けているのです。
私の住む市の例を見てみましょう。
漏水修理の完了後に上下水道料金センターへ修理完了日・修理業者名・修理箇所を連絡すると、減免基準に基づいて最大で修理前後の2検針分(4か月分)の料金が減免される場合があるとのこと。
減免対象外も
ただし、何でも減免されるわけではありません。
- 減免の対象になる主なケース
- 地下、床下、壁の中など、発見が困難な場所からの漏水
- 減免の対象にならないケース
- 蛇口の閉め忘れなど、使用者の不注意による漏水
- 給湯器、エコキュート、トイレなど水栓器具からの漏水
- 露出している水道管からの漏水
要するに「注意していれば気づけたはずの漏水」は対象外、ということですね。
トイレのチョロチョロ漏れが対象外なのは少し厳しい気もしますが、目視で確認できる場所だから、という理屈です。
減免の基準や対象範囲、申請手続きは自治体により異なる
ここで注意点をひとつ。
減免の基準や対象範囲、申請手続きは自治体ごとに異なります。
東京都水道局のように独自の基準を設けているところもあれば、申請書の提出や業者の証明が必要な自治体もあります。
必ずお住まいの自治体の水道局のホームページか電話で確認してください。
申請しないともらえない
そして最大のポイントは、この減免は「自分から申請しないと1円ももらえない」ことです。
修理が終わってホッとして、申請を忘れる。これが一番もったいないパターンです。
仮に漏水で水道料金が2か月で2万円余分にかかっていたとして、減免を申請すれば1万円前後が戻る可能性があるのに、連絡ひとつしなかったがために満額自己負担、ということが普通に起こります。
iDeCoやふるさと納税と同じで、日本の制度は「知っていて、手を挙げた人」だけが得をする設計になっています。
漏水減免もその典型例です。
修理業者さんに「減免の申請に必要な書類をください」と最初に伝えておくとスムーズですよ。
自分の家の水道使用量を世間平均と比較してみよう
自分の家の水道代の使用量を平均と比較してみるのも良いでしょう。
東京都水道局の令和2年度生活用水実態調査では、世帯人数別の1か月あたり平均使用水量は以下のとおりです。
| 世帯人数 | 1か月あたり平均使用水量 |
|---|---|
| 1人 | 8.1㎥ |
| 2人 | 14.9㎥ |
| 3人 | 19.9㎥ |
| 4人 | 23.1㎥ |
| 5人 | 27.8㎥ |
| 6人以上 | 34.1㎥ |
うちは平均より少し高めですね。
ただし、使う家電やお風呂の頻度によってかなり変動します。
我が家の場合、ドラム式洗濯乾燥機、食洗機、お風呂を毎日使っています。
この生活スタイルなら、数字だけで「明らかに漏水」とは言い切れません。
特にお風呂は水量が大きいです。
東京都水道局の資料でも、一般家庭の残り湯は約180リットルの量があるとされています。
毎日お風呂を張れば、単純計算で2か月あたり10㎥超の水を使うことになります。
さらにシャワー、トイレ、洗濯、台所、洗面が加わります。
東京都水道局の資料では、シャワーを3分流しっぱなしにすると約36リットル、食器洗いを5分流しっぱなしにすると約60リットル、家庭の残り湯は約180リットルとされています。
意外と使うんですよ。
なお、食洗機は水を多く使うイメージがありますが、実際には手洗いより節水になるケースもあります。
使用水量を大きく押し上げるのは、お風呂、シャワー、トイレ、洗濯です。
ここで大切なのは、金額だけを見ないことです
水道料金は自治体によって料金体系が違います。
さらに下水道料金も加わります。
同じ使用量でも、地域によって請求額はかなり変わります。
比較すべきは、まず金額より使用水量です。
今回使用水量
前回使用水量
前年同月使用水量
この3つを見ると、生活変化なのか、異常値なのかを判断しやすくなります。
まとめ
水道の漏水疑いを指摘されると、誰でも不安になります。
ここまでの流れを、時系列のチェックリストにまとめます。
- 検針票や通知で漏水の疑いを指摘されたら、その日のうちにメーターを確認する
- 水道メーターの場所を探す(戸建ては敷地内の「量水器」のフタ、集合住宅は玄関横のパイプスペース)
- すべての蛇口を閉めて、パイロットが回っていないか確認する
- 回っていたら、止水栓をひとつずつ閉めて漏水箇所を探す
- 自治体の指定工事店に調査・修理を依頼する(複数見積もりが取れればベター)
- 修理完了後、水道局(岐阜市なら上下水道料金センター)へ連絡し、減免を申請する
- 修理完了日・業者名・修理箇所・領収書などの記録は必ず保管しておく
この7つを押さえておけば、漏水による金銭的ダメージは最小限に抑えられます。
検針票の「漏水の疑い」の一文は、不安の種ではなく、損失を最小化するチャンスの通知です。
この記事を読み終えたら、まずはスマホを置いて、水道メーターの場所を確認しに行ってみてください。
フタを開けてパイロットが止まっていれば、それだけで今夜は安心して眠れます。
もし回っていたら、慌てず本記事のステップ通りに進めれば大丈夫。
あなたの家計が、見えない漏れから守られることを願っています。
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