岸田文雄前首相が会長を務める自民党の資産運用立国を進める議員連盟が面白い提言を石破首相に提出しました。
確定拠出年金(iDeCo)の拠出額の大幅増額です。
今回はこの件を見ていきましょう。
iDeCoの拠出上限が最大20万円に
まずはニュースソースから見ていきましょう。
岸田文雄前首相が会長を務める自民党の資産運用立国を進める議員連盟は26日、「iDeCo(イデコ)」など確定拠出年金の大幅拡充などを求めた緊急提言を石破茂首相に提出した。同提言では、自営業など基礎年金だけを受給する第1号被保険者の拠出額上限を現在の月6万8000円から同20万円に、会社員で企業型確定拠出年金(DC)を併用する場合は、現在の月5万5000円から同10万円に引き上げる。物価上昇などの経済情勢も踏まえて加入者が合理的な商品選択を行える制度の導入も含め、「大胆な改革を年内に決定し、速やかに実行すること」を求めた。
簡単に言えば拠出上限を上げてというものです。
具体的には
自営業者(第一号被保険者)が68,000円から20万円に
社員で企業型確定拠出年金を併用する方の場合は55,000円から10万円
実現すれば老後資金はNISAとiDeCoで充分
もしこれが実現すれば老後資金はNISAとiDeCoだけで充分なレベルとなりそうです。
NISAは生涯投資枠1,800万円。
iDeCoは月20万ですから年間240万円掛けられるようになります。
20年かければそれだけで4,800万円。
NISAとあわせば6,600万円となります。
運用益を考えれば老後にはかなり大きな資産となりそうです。
懸念材料は受け取るときの税金
ただし、今回の話は懸念材料もあります。
それは受け取るときの税金です。
iDeCoは掛けるときに所得控除となり、節税になります。
運用は非課税。
受け取るときは課税されるという仕組みです。
しかし、受け取るときは退職所得控除もしくは年金控除が受けられますので基本的にお得になるという仕組みなんですよ。
退職所得控除とは
iDeCoをよりお得に受け取るためには退職所得控除を考える必要があります。
退職所得の税金は以下の計算されます。
(収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2 = 退職所得の金額
退職所得金額×所得税率=所得税額
つまり、退職所得控除額からはみ出たぶんについては半分が課税対象となるってことですね。
逆に言えば退職所得控除額内で収まれば非課税ということです。
現在の退職所得控除の計算は以下のとおり。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
勤続年数(=A) | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円✕A(80万円に満たない場合には、80万円) |
20年超 | 800万円+70万円✕(A-20) |
例えば勤続20年の人なら40万円✕20年ですから800万円が退職所得控除となります。
つまり、iDeCoの場合には800万円までなら非課税で受け取れるということです。
30年掛けると800+70万円×(30-20)で1,500万円となります。
このケースだと1,500万まで非課税で受け取れるということです。
しかし、今回の話のように掛けられる金額が増えていくとこの退職所得控除額を超えてしまうという可能性も高そうです。
イデコの退職金控除の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

退職所得控除を見直しする話が・・・
また、退職所得控除にも見直しの話が出てしまっているんですよ。
前述したように退職所得控除は長く働いた人がより得する仕組みとなっています。
20年の場合と30年の場合では退職所得控除かなり違いますよね。
20年を超えると退職所得控除額が急に増えていくという仕組みになっているのです。
それが今回見直しの対象となりそうなんですよ。
首相の諮問機関の政府税制調査会は15日に開いた会合で、退職金課税を見直すかどうかの論議を開始した。財務省は勤続20年を境に控除額が変わる現行の仕組みが、1989年から30年以上変わっていないと説明した。 会合に出席した有識者は、転職が増えたことで「(企業は既に)退職金を積み増すよりも、今の給与を手厚くする傾向にもなっている」と指摘。税制を働き方の変化に合わせるよう訴えた。
与党税制調査会でも月内に本格化する2025年度税制改正論議で、退職金課税を取り上げる。自民党の宮沢洋一税調会長は15日「議論をしていくことになる」と明言。25年度税制改正大綱への反映を模索する。
出典:共同通信 退職金課税、見直し議論が再始動 働き方変化、現役世代の減税も<
まだ、具体的には決まっていませんがiDeCoをやるなら知っておく必要がある税制改正となりそうです。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。

まとめ
今回は「iDeCoの拠出上限が最大20万円に??岸田前首相が石破首相に提言」と題して退iDeCoの見直しの話を見てきました。
拠出上限が増えることになればほとんどの人はNISAとiDeCoだけで老後資金は大丈夫なレベルとなりそうです。
ただし、受け取るときの税金の話はちょっと怖いですね。
未だに廃止されず凍結が続いている特別法人税の話と合わせて注視する必要がありそうです。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの3社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券の3択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この3つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
さらに2024年8月1日(木)より投資信託の保有でポイントが貯まるようになり、現在の条件なら本命といっても良いでしょう。
総合して考えるとこの3つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。