通信障害が発生するたびに、複数回線の必要性を痛感される方も多いのではないでしょうか。
2022年のKDDI大規模通信障害や、頻発する局所的な通信トラブルを経験し、副回線への関心が高まっています。
副回線を持つことで得られる安心感は大きいものの、毎月の固定費が増えることには抵抗を感じるものです。
そこで注目されているのがpovo2.0を活用した副回線運用です。
基本料金0円という特性を活かせば、年間数百円という最小限のコストで電話番号を維持できます。
副回線・デュアルSIMとは?povoを検討する前に押さえたい基本
まずは副回線やデュアルSIMという今回の話の前提となる用語から確認しておきましょう。
デュアルSIMのイメージ
最近のスマホは、1台の端末に2つの回線(電話番号やデータプラン)を入れられる機種が増えています。
これが「デュアルSIM」です。
物理的なカードを2枚挿す場合もあれば、1枚+eSIM(スマホ本体に内蔵された“仮想的なSIM”)の組み合わせ、eSIMのみで2回線を持つタイプもあります。
povo公式でも、1台のスマホで2つの回線を同時に使える仕組みとしてデュアルSIMを紹介しています。
片方で障害が起きても、もう一方から情報を確認したりできるわけですね。
私が使っているiPhoneも当然に対応しています。
副回線とは?
ふだんメインで使う回線(主回線)とは別に、「もしもの時」や「用途を分けるため」に持つ予備の回線が副回線です。
副回線を持つメリットとして、povo公式サイトでは、
- 仕事用とプライベート用の電話番号を分ける
- SNSなどで複数アカウントを作るときに別番号を使う
- 海外旅行のときにおトクなデータプランを副回線で使う
といった使い方が挙げられています。
ここに、
- 通信障害時のバックアップ
- メイン回線のデータ容量オーバーを防ぐ“逃げ場”
という視点を加えると、投資家・節約志向の方にとても相性の良い仕組みになります。
povo2.0の基本スペックと料金をざっくり整理
次にpovoの基本条件をみていきましょう。
ベースプラン:基本料0円+0GB
povo2.0のベースプランは、月額基本料0円・データ容量0GBです。
この状態でも、
- 着信・SMS受信
- 低速(最大128kbps)でのデータ通信
などは可能ですが、高速通信はできません。
発信通話は、30秒あたり22円の従量制です。
「ほぼ使わないけれど、番号だけ持っておきたい」「障害時とデータが足りないときの“保険”にしたい」という副回線用途に、非常に相性の良い設計です。
高速データは「トッピング」で追加
高速データ通信を使うときは、その都度「トッピング」を購入します。代表例は次のようなイメージです。ラス
- 1GB(7日間)…390円
- 3GB(30日間)…990円
- 60GB(90日間)…2,163円相当(記事・キャンペーンにより変動)
- データ使い放題(24時間)…330円
また、期間限定で1GB(180日間)+データ使い放題●回分をセットにした「povoスターターセット」が“副回線向けトッピング”として提供されることもあります。
「普段は0円で寝かせておき、必要なときだけギュッと使う」という使い方がしやすいのが特徴です。
180日ルール:完全0円運用はできない
注意点として、povo2.0には「180日ルール」があります。
- 最後に購入した有料トッピングの有効期限日の翌日から
- あるいは、SIM有効化日から
180日間以上、有料トッピングの購入がない場合、順次「利用停止」の対象となり、その後も有料トッピングの購入などがなければ契約解除に至ることがあります。
完全に1円も払わずに延々と0円で持ち続けることはできない、という点だけ押さえておきましょう。
povo副回線が支持される3つの経済的理由
副回線サービスは各社から提供されていますが、povoが特に節約志向の方に選ばれる背景には明確な理由があります。
基本料金0円という圧倒的な価格優位性
povoの最大の特徴は基本料金が0円という点です。
他社の副回線サービスが月額429円から500円程度の固定費を要求するのに対し、povoはトッピングを購入しない限り料金が発生しません。
この価格設定の違いは年間で見ると顕著です。
月額429円のサービスでは年間5,148円の支出となりますが、povoなら年間330円から660円で運用可能です。
約4,500円の差額は、節約志向の方にとって無視できない金額でしょう。
au回線による高品質な通信環境
価格の安さだけでなく、通信品質の高さもpovoの強みです。
KDDIの回線を使用しているため、本家auとほぼ同等の通信速度と接続安定性を確保できます。
格安SIMの中には昼間や夕方の混雑時間帯に速度が大幅に低下するサービスもありますが、povoはそのような心配がありません。
副回線といえども、いざという時に使えなければ意味がないため、この品質の高さは重要な判断材料となります。
180日ルールの実質的な負担額
前述のようにpovoには180日以上トッピング購入がない場合に利用停止となる規定があります。
一見すると制約に思えますが、最安トッピングである24時間データ使い放題が330円で購入できるため、半年に一度この料金を支払えば回線を維持できます。
年間換算で660円、月額にすると約55円という維持費は、電話番号を保有するコストとしては極めて低廉です。
さらに100円のpovoガチャという商品が売り出される時期ありますので、そちらで条件をクリアできるケースもあります。
この経済的合理性が、多くの節約志向ユーザーに支持される理由となっています。
povo 副回線 やり方:申し込み〜デュアルSIM設定まで
ここからは、実際にpovoを副回線として導入する具体的な手順を、できるだけかんたんに整理します。
ステップ0:スマホがデュアルSIM対応か・SIMロックがないか確認
まず、今お使いのスマホが、
- デュアルSIMに対応しているか
- eSIMに対応しているか
- SIMロックがかかっていないか
を確認します。
これらができないとメインではつかえますが、副回線としては使えない形となります。
povo公式の開通手順ページでも、「SIMフリーまたはSIMロック解除された端末が必要」「eSIM非対応端末でeSIMを申し込むと手続きできない」と明記されています。
最近のiPhoneや多くのAndroid機種はデュアルSIM対応ですが、古い端末だと対応していない場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。
ステップ1:povo公式アプリから申し込み
povo2.0は、専用アプリから申し込みを行うのが基本です。
おおまかな流れは次の通りです。
- povoアプリをインストールし、アカウントを作成
- 新規番号か、他社からの乗り換え(MNP)かを選ぶ
- SIMカードかeSIMかを選択
- 本人確認書類(運転免許証など)を撮影し、本人確認orマイナンバー認証
- 初回の有料トッピングを選択(契約時に最低1つは必要)
- 支払い方法(クレジットカードやあと払い)を登録
申し込みが完了すると、eSIMの場合はそのまま開通手続きへ、物理SIMの場合は数日でSIMカードが届きます。
私はeSIMでマイナンバー認証で申し込みましたが20分程度でできましたね。
ステップ2:SIM/eSIMを有効化する
SIMカードが届いたら、またはeSIMを選んだ場合は、povoアプリから「SIMの有効化」手続きを行います。
公式の開通手順では、
- アプリ内の「SIMを有効にする」をタップ
- SIMカード台紙のバーコードを読み取る
- 指示に従って進める
といった流れが画像付きで説明されています。
iPhone・Androidそれぞれの具体的な画面遷移も公開されているので、「細かいところが不安だ」という場合は、開通手順ページを横に開きながら作業すると安心です。
ステップ3:スマホ側でpovo デュアルSIM設定(副回線としての登録)
SIM/eSIMを有効化したら、最後にスマホ本体側のデュアルSIM設定を行います。
iPhoneの例
iPhoneの場合は、おおまかに次のような流れです。
- 「設定」→「モバイル通信」を開く
- 「モバイル通信プランを追加」から、povoのeSIM情報を読み込む
- 2つの回線に分かりやすい名前(例:メイン/povo)を付ける
- 「デフォルトの音声回線」をどちらにするか選ぶ
- 「モバイルデータ通信」で、データをどちらの回線で主に使うか選ぶ
povo公式サイトの副回線説明ページでも、iPhoneの設定アプリから「モバイルデータ通信」→「povo2.0」を選ぶ流れが紹介されています。
Androidの例
AndroidはメーカーやOSバージョンによって表記が少し変わりますが、基本的な考え方は同じです。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」や「接続」などを開く
- 「SIM」や「モバイルネットワーク」からpovoのSIMを有効にする
- 音声通話に使う回線、データ通信に使う回線を選ぶ
povo公式のAndroid向けAPN設定ページにも、設定アプリからの具体的な操作手順が掲載されています。
povoのキャンペーン
povoは「基本料0円の副回線」としての使い勝手が良いだけでなく、キャンペーンをうまく活用すると実質負担をかなり抑えられるのが特徴です。
2025年11月時点で公式サイトなどに出ている代表的なキャンペーンを、副回線ユーザー目線で整理しておきます。
新規登録キャンペーン
povo2.0の新規登録時にキャンペーンコード「2MAIME」を入力すると、3日間有効な1GBのデータがプレゼントされます。
さらに、データ使い放題ボーナス(3日間)1回分、またはデータ使い放題ボーナス(24時間)2回分のいずれかが必ず当たる抽選に参加できます。
副回線として契約する場合でも、開通確認やデュアルSIM設定のテストにデータ通信が必要となります。
このキャンペーンを活用すれば、契約直後のトッピング購入を避けられるため、実質的な初期コストを抑えられます。
キャンペーンコードの入力を忘れると特典が受け取れないため、申し込み手続きの際に必ず入力欄を確認しましょう
契約手続き開始画面に「キャンペーンコード/紹介コード/エントリーコード」の入力欄が表示されます。
かけ放題デビューキャンペーンの活用
povo2.0契約後、通話かけ放題または5分以内通話かけ放題のトッピングを初めて購入すると、550円相当がau PAY残高で還元されるキャンペーンが実施されています。
5分以内通話かけ放題の月額料金が550円のため、このキャンペーンを利用すれば実質初月無料で通話かけ放題を試すことができます。
副回線でも緊急時に通話が必要になる可能性がある方は、この機会に通話オプションの使用感を確認しておくのも一つの方法です。
特典を受け取るには、SIM有効化から7日以内にpovoアカウントとau IDを連携し、対象トッピングを購入する必要があります。
期間が限られているため、契約後は早めに手続きを済ませましょう。
MNP乗り換え時の割引キャンペーン
副回線の方はあまり関係ないですが、番号をそのまま移行するMNPのキャンペーンもあります。
対象トッピング購入時にau PAY残高が還元されるキャンペーンが実施されています。
本気割キャンペーンでは365日間の大容量トッピング購入額の50%相当、ささやか割キャンペーンでは対象トッピング購入額の20%相当が還元されます。
副回線として新規電話番号を取得する場合は対象外ですが、既存の電話番号を副回線として移行する場合は活用できます。
例えば、現在使用している番号をpovoに移し、新たに契約する回線をメイン回線とする運用も可能です。
これらのキャンペーンも、SIM有効化から7日以内にau IDの連携と対象トッピングの購入が必要です。
還元されるau PAY残高は、SIM有効化の翌月末までに付与されます。
povoおともだち紹介プログラム
また、おともだち紹介プログラムもあります。
povo2.0をすでに使っている人(紹介する側)が、アプリで発行した「ご紹介コード」を家族や友人(紹介される側)に渡し、そのコードを使って新規でpovo2.0に加入してもらうと、両方にデータボーナスがつく仕組みです。
- 紹介した人:3GB(30日間)を人数分もらえる(上限10人)
- 紹介された人:100GB(3日間)を1回分もらえる
3日間限定ではありますが、100Gがもらえるのは大きいですね。
周りにpovo利用者がいれば紹介してもらうと良いでしょう。
もし、周りに利用者がいないけど特典が使いたい方は私の紹介コードを載せておきますのでご利用ください。
紹介コード:MI2J4O8J
※紹介コードを利用されても個人情報等こちらには来ないのでご安心ください。
まとめ
最後に、ポイントを整理します。
- povo2.0は基本料0円・トッピング追加型のau回線オンライン専用プラン
- デュアルSIM対応スマホなら、メイン+povo副回線という構成で回線リスクを分散できる
- 半年に一度のトッピング購入などで、実質「年660円前後」で番号を維持する運用も可能
- 一方で、180日ルール・トッピング管理の手間・店舗サポートなし、データ繰越なしといったデメリットもある
- 「通信障害やエリア問題による機会損失」を小さなコストで抑える保険回線として非常に相性が良い
povoを副回線として持つことは、通信費の最適化を図りながら、万が一の通信障害に備えたい方にとって合理的な選択肢となるでしょう。
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