ここのところアメリカも日本も新興国も株価は軟調気味です。そのため今年から始まったつみたてNISAをはじめた方や昨年から会社員にも開放された個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で株式を中心に運用している方の中には元本割れ状態、つまりマイナスとなっている方も多いと思います。
そのため今まで投資をしたことがない人の中には騙されたとか失敗したって思っている方もいるでしょう。そこでもう辞めてしまおうか・・・って考えても不思議ではありませんね。マイナスなんですから当然でしょう。
しかし、よく考えてほしいことがあります。
それはそもそもこの投資はどういう目的ではじめたのか?ってことです。
老後に儲かってればよいなって長期的な目的の方がほとんどでしょう。それを考えると実は元本割れの状態は安く買えるボーナスステージなんですよ。今やめたらもったいないな・・・って個人的には感じてしまいますね。
今回はiDeCoやつみたてNISAのような積立投資で元本割れのマイナスになったことで悲観的になっている方に向けて記事を書きたいと思います。
積立投資は長期思考の投資法である
まず、押さえていただきたいのがiDeCoにしてもつみたてNISAにしても積立で投資をするってことは長期で考えるべきものであるってことです。
長期で見れば基本的に大数の法則に従って期待値に収束するものなのです。
過去の米国と日本の株価指標はどうだったか
例えば下記は米国を代表する企業の株価指数であるS&P500と日本を代表する企業の株価指数である日経平均の10年チャートです。
出所:SBI証券 チャート
波はもちろんあるものの基本的に右肩あがりになっているのがわかると思います。特に米国はかなり長期で見てもずっとこの傾向となっています。つまり、買い時は今ってのかずっと続いているのです。もちろん短期的な目で見ればリーマンショックやITバブルの崩壊がありましたのでマイナスの時期もあります。しかし、それを踏まえても大きな括りでみればずっと右肩上がりだったんですよね。
これはあくまでも過去の話ではありますが、今後もこの傾向が大きく変わることはないと考えます。
日本についてはちょっと心配事項も・・・
ただし、日本の株式についてはちょっと心配な事項もあります。まず人口が今後減り続けるという予想であることが挙げられます。人口が増えているときは人口ボーナスといって労働力増加率が人口増加率よりも高くなることにより、経済成長が後押しされます。しかし、今後はそれが逆に作用していきますのでちょっと怖いところがあります。(実は米国は人口が増える予想なんですよ)
GPIF(年金積立管理運用独立行政法人)の成績
日本の年金を運用しているGPIFもかなり一時期マイナスとなって叩かれていましたが、実は長い目で見れがかなりの利益が出ていたりします。平成13年度(2001)に運用を開始して以来、年率3.12%で運用できているのです。運用益も63兆4,413億円とかなり大きくなっています。それでも年金が厳しいのは高齢化と過去の方の年金が多くなっている制度的な問題だったりします。
出所:GPIF WEBページ「管理・運用状況」より
これらをみるだけでも投資の期待値は長い目でみれば高いってことはわかっていただけると思います。
ドルコスト平均法の力
ドルコスト平均法とは毎回決まった金額を買うことで上がったときは少しの購入、下がった時はたくさんの購入となることで取得価額に分散効果を与えることです。
この考え方自体には賛否両論がありますが、今のような下げ状態のときには効果を発揮します。
iDeCoにしてもつみたてNISAにしても基本的にこのドルコスト平均法の考え方に基づいた投資法であり含み損が生じた、買い値より下がったときにも、淡々と買付できるので、平均取得単価を下げる効果があります。
それによりこの後訪れるだろう上昇相場の時に、大きな結果を生んでくれるのです。
ある意味今の株価が安い時期というのはボーナスタイムといってもよいかもしれません。株を安く買えるのですから。
ただし、安い時に自分で株を買おうと思っても普通の人は怖くて買えないでしょう。
リーマンショックを経験した方にはわかるでしょうが、ずっと株が下がり続ける気がして買いで入ろうなってまったく思えないでしょう。しかし、実際はその時期に買えた方はほくほく顔となっていることでしょう。積立投資ならそんな時期にでも強制的に購入してくれるのです。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
株やFXで最終的に勝てる人の割合は1割とよく言われます。(統計データ等はないそうですが)。たしかにBNFさんのように株で大勝ちする人も居ますが大半の人は少し勝っては大きく負けての繰り返しになるというのです。たしかにここ数年は[…]
iDeCoとつみたてNISAについておさらい
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)やつみたてNISAをよく知らない方のためにそれら制度についての説明も入れておきましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)とは
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は簡単に言えば自分の老後の資金を貯めるための制度です。そのためかなり税制優遇があります。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)のポイントは以下のとおりです
払った金額は所得控除(小規模企業共済等控除)
貰うときも税制優遇あり。(退職金控除、公的年金等控除)
運用時の利益も非課税
投資信託もしくは定期預金や保険で運用する
60歳まで引き出せない
まず、一番大きいのが所得控除が受けられることでしょう。自分が将来もらうために積み立てるのですが、それにより税金(所得税、住民税)まで安くなるのです。この効果が大変大きいです。
会社勤めの方は実感されていると思いますが、給料から引かれる税金や社会保険の金額は本当に多いと思います。
その代表的なのが所得税、住民税、社会保険ですが、そのうち所得税、住民税を減らすことができるのです。
なんか魔法みたいな話ですがこれは、国が将来の年金を自分で用意してほしいという願いを込めてこれだけ優遇していると言われています。
入らないと本当にそんな制度ですからまずは加入をおすすめします。
60歳まで引き出せないというデメリットもありますが、逆に考えれば60歳まで絶対開けれない貯金箱にお金をいれていると思えばメリットと言えるかもしれません。
ただ、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は加入できる上限金額が決まっていますのでご注意ください
自営業で月6万8千円(年間81万6千円)
サラリーマンの方で企業型DCのある会社員の場合は月2万円(年間24万円)
サラリーマンの方で企業型DCのない会社員の場合は月2万3千円(年間27.6万円)
公務員、サラリーマンの方でDBのある会社員の場合は月1万2千円(年間14.4万円)
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるにはまずどこの金融機関で始めるのかを決めなくてはなりません。
たくさんの金融機関、証券会社が取扱をはじめていますので迷う方も多いでしょう。
おすすめは下記の5社ですよ。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
つみたてNISAとは
まずは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を無理のない範囲をかけてそれでもさらに余裕があればおすすめしたいのがつみたてNISAです。
こちらも国が貯蓄から投資へと国民の意識が投資へ向くために作った制度で税金面で優遇されています。
毎月(毎日や毎週も設定できる証券会社もあります)決まった金額を預金口座から引き落とし設定した投資信託を買う仕組みとなっています。
(年間40万円まで)
つみたてNISAのポイントは以下のとおりです
運用時の利益も非課税(20年間)
投資信託等に投資をする
途中で解約は可能
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)と似た制度ですが大きく違う点としていつでも引き出せる点があります。
そのため強制力としてはちょっと弱めですがいざという時に使える安心感はありますよね。
そのかわりに個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)であった掛けた金額が所得控除の対象というのはありません。
お得度では個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に負けますがその次くらいにはお得な制度になっています。
また、つみたてNISAで安心なポイントがあります。
それは取扱のある投資信託はすべて金融庁の厳しい条件をクリアしたのだけであるってことです。
投資信託にはどうしても地雷と呼ばれる絶対儲からないだろう商品もあったりします。
しかし、つみたてNISAではそれらは排除されていますので安心して買えるのです。
まとめ
今回は「iDeCoやつみたてNISAのような積立投資での元本割れはボーナスステージである件」と題して積立投資でマイナスとなっても気にするな!!ってお話でした。
積立投資をするなら長い目でみていきましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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