国民健康保険が来年度からまたもや値上げへ。対策を考えよう

最近、毎年恒例になりつつありますが、またもや国民健康保険が値上がりしそうです。

厚生労働省は、自営業者や非正規社員らが加入する国民健康保険(国保)で、高所得層が払う保険料の上限を現在の年77万円から年80万円に引き上げることを決めた。加入者全体の1・99%が対象になる見込みで、来年度からの実施を目指す。高所得層の保険料上限の引き上げは2年連続。国保の財政改善が狙いだ。
出所:朝日新聞

年間3万円の値上げは結構痛いですね・・・今回はこの問題について考えてみましょう。

国民健康保険とは


国民健康保険とは自営業、フリーランスの方や社会保険に加入していない会社に勤める労働者、無職の方などが加入する健康保険です。

サラリーマンの方やその扶養の方が加入している健康保険は、会社により組合健保だったり協会けんぽ(全国健康保険協会)だったりしますがそれとはすこし扱いが違います。

今回値上がりするのは自営業、フリーランスの国民健康保険の法です。

もともと国民健康保険は割高である。

私も会社員から自営業者になった口ですが、実際払う段階になって国民健康保険の高さに驚きました。

この理由は大きく分けて2つあります。

会社の負担がなくなるため

まず一番大きいのがサラリーマンの方などが加入する組合健保や協会けんぽは会社負担が半分あるのに対して国民健康保険はそれがないことでしょう。

つまり、実は会社勤めのころは健康保険を会社が半分負担してくれてて自分自身は半額を払っているだけだったんですよね。それがなくなることで体感的に高く感じてしまう点が一番大きいと考えられます。

ちなみに会社によっては半分より多く負担してくれているところもあります。たとえばトヨタなどは6割超が会社負担ですね。転職や就職するときは給料だけでなくそのあたりの社会保険や福利厚生の部分もチェックしておかないと生涯を考えたらかなりの差となります。

加入者層の違い

体感だけでなく実際に金額も大きいのですがその理由としてあげられるのが加入者層の違いです。

会社員の入る組合健保だったり、協会けんぽは基本的に加入者は会社員の方及びその扶養者です。つまり、ある程度収入のある方がほとんどとなります。

対して国民健康保険の加入者は「自営業」、「社会保険に加入していない事業所に勤務する労働者」、「無職」、「高齢者」となります。つまり、国民健康保険は無職の方や高齢者の方が多いため相対的に見ると所得が少ない方や所得のない方が多いのです。

また、高齢者の場合には医療費が掛かる頻度や金額が多くなります。

そのため財政面が組合健保や協会けんぽと比べるとあまり良くなく、自営業者など所得がある人の負担が大きくなってしまうのです。

ただし、人材派遣健康保険組合が解散を発表するなど組合健保の中には赤字でかなり厳しい財政のところもあります。そんなところは高い保険料率が設定されています・・・。逆にIT系など加入者が若い人の多い組合健保は保険料率も安く福利厚生も充実している傾向にあります。

地区による大きな違いも

平成30年から都道府県単位化されましたが、国民健康保険は地区による違いもかなり大きいです。

医療費が多く掛かる高齢者が多い少子高齢化が進んでいる市町村と医療費があまりかからない若者が沢山すんでいる地域では保険料がかなり違います。

たとえば年収400万円であったとして一番高い地域だと国民健康保険は年間60万円オーバーとなります。

対して一番安い地域だと30万円を切ります。

つまり、倍くらい違うのです。

住んでいる地域でこれだけ違うと正直やってられませんよね。

高い地域はより少子高齢化がすすんでしまうかもしれません。

国民健康保険の上限の影響を受けるのは年収どれくらいからか?

前述のように地区により国民健康保険はかなり金額が違います。

そこで主要都市の単身者の年収がどれくらいの場合に今回の上限アップの影響を受けるのかを算定してみました。

だいたい1100万円くらいの地区が多いようです。

東京や神奈川、愛知などは1200万。鹿児島などでは900万円くらいからほぼ上限となっていますので今回の上限変更の影響を受けます。

詳しくはお住まいの自治体にお尋ねください。

国民健康保険を少しでも安くする方法

それでは健康保険を少しでも安くする方法はあるのでしょうか?

ちなみにこのサイトで何度もご紹介している個人型確定拠出年金(iDeCo)小規模企業共済国民年金基金に加入しても国民健康保険は減らすことができません。

これらの制度は所得税と住民税に対しては効果絶大ですが、国民健康保険にはまったく効果がないんですよ。

そのためこれらの制度を使って節税している方したら国民健康保険は本当に高く感じるのです。

ちなみに国民健康保険に直接は関係ありませんが、1人法人の方などは個人型確定拠出年金(iDeCo)ではなく中小事業主納付制度(iDeCo+)にしてiDeCo分を会社から捻出し、その分役員報酬を下げることで健康保険は削減できたりします。他の影響も考える必要はありますけどね。

個人事業主の方はフリーランスの方は国民健康保険があまり高くなるようならば他の部分も検討しなければいけませんが、法人化して協会けんぽや組合健保に加入するのも一つの選択肢とはなるでしょう。

また、前にこのブログでも取り上げましたが2025年問題などでも言われている通り、少子高齢化が進展することはほぼ確実ですから国民健康保険はどんどん高くなっていく可能性が高そうです・・・

そんな国民健康保険を少しでも節約する方法はいくつか存在します。詳しくは下記の記事を御覧ください。

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まとめ

今回は「国民健康保険が来年度からまたもや値上げへ。対策を考えよう」と題して国民健康保険の値上げについてみてきました。今年も都道府県単位化の影響もあり、値上げする自治体が多かったです。さらに来年もか・・・って感じですね。

そうはいってもどうしようもありませんから、自分でとれる対策をしっかり押さえて少しでも節約しましょうね。

今回ご紹介した国民健康保険の上限引き上げ以外の税制改正は下記の平成31年度税制改正大綱のポイントを御覧ください。

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