昨年(2018年)の相場はかなり波乱なものとなりました。特に2月と12月は結構大きな下げもありましたので個人型確定拠出年金(iDeCo)をやっている方の多くがマイナスとなってしまった年だったでしょう。
そこで今回は2018年の相場を振り返る意味で個人型確定拠出年金(iDeCo)トータルリターンランキングを確認してみます。なお、今回は一番取扱商品の多いSBI証券の1年トータルリターンランキングを元にした集計です。
なお、つみたてNISAのリターンランキングは下記記事を御覧ください。
昨年(2018年)の相場はかなり波乱なものとなりました。特に2月と12月は結構大きな下げもありましたので昨年から始まったつみたてNISAをやっている方のほとんどがマイナスとなってしまった年だったでしょう。先日、個人型確定拠出年金(i[…]
1年トータル・リターンランキングがプラスなのは4商品だけ・・・
SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)取扱商品(オリジナルプラン・セレクトプラン両方)で1年トータル・リターンランキング(集計期間:2018/1/1~2018/12/31)でプラスであったのはなんと4つしかありませんでした。
それだけ昨年(2018年)は厳しい相場であったことがいえるでしょう。これはSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)だけの問題ではなく他の証券会社も同様な結果となっています。これでは全体でプラスになるのはかなり厳しかったですね・・・
1位:DCニッセイJ-REITインデックスファンドA
そんな中、1年トータル・リターンランキングで一番だったのが「DCニッセイJ-REITインデックスファンドA」です。1年トータル・リターンは10.65%のプラスとなっています。かなり厳しい相場であった直近6ヶ月でも2.46%のプラスと健闘しています。Jリートはインデックス投資をされている方の中でもあまり将来性がないとのことで避けられがちなカテゴリーですが、2018年は一番成績がよかったんですよね。相場を予想するのは本当に難しいということがわかると思います。
DCニッセイJ-REITインデックスファンドAの概要
国内の不動産投資信託証券(J-REIT)に投資することにより、東証REIT指数(配当込み)の動きに連動する投資成果を目標とするインデックスファンドです。
簡単に言えば日本国内の不動産に投資をする投資信託ってことですね。
信託報酬:0.27%以内
SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)ではオリジナルプランでのみ購入が可能です。
1位:<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
同率で1位は「<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド」です。こちらは前述のDCニッセイJ-REITインデックスファンドAと同じニッセイのJリートとで基本的に同じ種類の商品ですが、DCニッセイJ-REITインデックスファンドAがDC(確定拠出年金)向けの商品なのに対して<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンドは一般向けの販売商品という違いがあります。信託報酬は全く同じですね。
成績は1年トータル・リターンは10.65%のプラスと全く同じです。直近6ヶ月でも2.47%と少しだけこちらの方が良いですね。
<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンドの概要
国内の金融商品取引所に上場している不動産投資信託証券に投資することにより、東証REIT指数の動きに連動する成果を目標とします。
こちらも内容はDCニッセイJ-REITインデックスファンドAと基本的に同じで日本国内の不動産に投資をする投資信託ってことです。信託報酬も同じく0.27%以内となっています。
こちらはSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)ではセレクトプランでのみ購入が可能です。セレクトプランとオリジナルプランで取扱のJリート商品が違うってことです。ただ、投資先も成績も信託報酬もほぼ同じですからどちらでも大きな差はでないでしょう。
3位:三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)
3位は国内債券の「三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)」です。成績は1年トータル・リターンは0.81%のプラスとなっています。かなり厳しい相場であった直近6ヶ月でも0.29%のプラスと健闘しています。
こちらもマイナス金利なのもあり避けられがちな国内債券ですが他と比較すればマシな成績だったと言えます。
三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)の概要
国内の公社債を投資対象とし、NOMURA-BPI総合に連動する投資成果を目指して運用するインデックスファンドです。
信託報酬:0.1296%以内
SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)ではオリジナルプランでのみ購入が可能です。
4位:eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
4位も国内債券の「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」でした。こちらも同率1位の2つと同じようなパターンですが、前述の三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)と同じ三菱UFJ国際の国内債券とで基本的に同じ種類の商品ですが、三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)がDC(確定拠出年金)向けの商品なのに対してeMAXIS Slim 先進国債券インデックスは一般向けの販売商品という違いがあります。信託報酬は少し違います。
成績は1年トータル・リターンは0.78%のプラスとなっています。かなり厳しい相場であった直近6ヶ月でも0.28%のプラスでした。三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)と比較すると少し劣っているのは信託報酬の差や純資産の差でしょうか。
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスの概要
NOMURA-BPI総合と連動する投資成果をめざして運用を行ないます。
前述の三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)とベンチマークとするのは全く同じくNOMURA-BPI総合ですね。国内の債券を対象としています。
信託報酬:0.15012%以内
こちらはSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)ではセレクトプランでのみ購入が可能です。
1年トータルリターンランキングまとめ
SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)1年トータル・リターンランキングをまとめるとこんな感じになります。1年トータルがプラスがこの4つしか無いというのはかなり寂しい結果ですね。あとはマイナスで定期預金にも負けている感じになっています。
順位 | ファンド名 | 6ヶ月リターン | 1年リターン |
1 | DCニッセイJ-REITインデックスファンドA(オリジナル) | 2.46% | 10.65% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド(セレクト) | 2.47% | 10.65% |
3 | 三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)(オリジナル) | 0.29% | 0.81% |
4 | eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(セレクト) | 0.28% | 0.78% |
参考:6ヶ月トータル・リターンランキングがプラスなのは10商品
参考までに6ヶ月リターン(集計期間:2018/7/1~2018/12/31)も合わせてみてみましょう。こちらはプラスなのが10商品でした。こちらもJリートが上位を占めていますね。あとは債券が多くなっています。それだけ株が厳しいのがここ半年だったということになりますね。
順位 | ファンド名 | 6ヶ月リターン | 1年リターン |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド(セレクト) | 2.47% | 10.56% |
2 | DCニッセイJ-REITインデックスファンドA(オリジナル) | 2.46% | 10.65% |
3 | 三菱UFJ 純金ファンド(セレクト・オリジナル) | 1.11% | -4.46% |
4 | eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(セレクト) | 0.70% | -3.67% |
5 | 野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)(オリジナル) | 0.68% | -3.74% |
6 | iFree 新興国債券インデックス(セレクト) | 0.39% | -8.63% |
7 | 三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)(オリジナル) | 0.29% | 0.81% |
8 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス(セレクト) | 0.28% | 0.78% |
9 | 日興-インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)(オリジナル除外予定、セレクト) | 0.26% | -0.71% |
10 | 三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(オリジナル) | 0.16% | -9.01% |
参考:3カ年トータル・リターンランキング
個人型確定拠出年金(iDeCo)のようなものは基本的に長期的に見る必要がありますので3カ年トータル・リターンランキングも合わせて見ておきましょう。(集計期間:2016/1/1~2018/12/31)こちらはプラスが31商品あります。(35本制限の影響で除外されるファンドも含む)こちらもベスト10を見てみましょう。こちらは多くは株式となっています。2018年の成績はJリートを覗いてボロボロなのに年率でそれなりに稼いでいるものが多いですね。やはり長期的に見てあげる必要がありますね。
順位 | ファンド名 | 1年リターン | 3年リターン(年率) |
1 | 三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド(オリジナル) | -17.58% | 4.92% |
2 | SBI-EXE-i新興国株式ファンド(オリジナル) | -15.59% | 4.79% |
3 | 日興-インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)(オリジナル除外予定、セレクト) | -9.36% | 4.68% |
4 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド(セレクト) | 10.56% | 4.03% |
5 | セゾン資産形成の達人ファンド(セレクト) | -11.75% | 3.53% |
6 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(セレクト) | -11.09% | 2.69% |
7 | ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス(オリジナル) | -11.13% | 2.68% |
8 | SBI-EXE-i先進国株式ファンド(オリジナル) | -12.14% | 2.53% |
9 | 三井住友TAM-DC外国株式インデックスファンド(オリジナル) | -11.63% | 2.23% |
10 | スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(オリジナル) | -17.48% | 2.03% |
まとめ
今回は「2018年SBI証券のiDeCo取扱商品でプラスであったのは意外な商品4本だけだった件」と題してSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)取扱商品のトータル・リターンランキングをみて来ました。
今回のランキングはJリートと国内債券というあまり人気のなかったカテゴリーの商品が上位という結果となりました。この結果からも複数のカテゴリーに分散することは非常に大事であることがわかりますね。
また、3年リターンで見ると株式が結局多くなっています。個人型確定拠出年金(iDeCo)のような将来の資金を増やすための投資は長期的に見て上げる必要があるということも押さえておきましょうね。
今後の超長期的な視点からみた相場予想はこちらをごらんください。
2018年の相場は波乱な感じに終わりました。iDeCoやつみたてNISAをやっている方の大半はマイナスとなった2018年だったと思います。今後つみたて投資をするのに不安を感じてしまった方もいるかもしれませんね。それでは今後長い目で見[…]
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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