【個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)】知っておきたい「スイッチング」と「配分変更」

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は自分で将来の年金をつくるための制度で、税制優遇などもあることからすでに100万人以上の方が始めるなど大変人気となっています。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ってなに?って方はこちらの記事から御覧ください。

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個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は自分で老後資金を運用します。

当初しっかり運用方針を決めている方でも運用していると、運用成績により少しずつ当初のアセットアロケーションとズレが生じて来てしまいます。それを調整するリバランス(資産の再配分)が必要になるケースもあります。

逆に当初にしっかり運用方針を決めてない方でも「あれ?思ってたのと違う」とか、転職して年収が変わったとか、結婚してライフスタイルが変わったなどで運用を見直す必要が生じてしまうときがあるでしょう。

また、魅力的な投資信託が新規導入されたりしたときも入れ替えたくなりますね。

そんなときに武器になるのが「スイッチング」と「配分変更」です。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の「スイッチング」と「配分変更」は何回やっても手数料を取られるわけではありませんので気楽にできるんですよ。このあたりはつみたてNISAとの大きな違いでイデコのメリットになっています。

ただし、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)のスイッチングや配分変更にも知っておきたいデメリットもあります。

今回はそんな「スイッチング」と「配分変更」について考えてみましょう。

より効率的に運用するためにはリバランスが必要

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で長期的に分散投資する際の一般的な流れは以下のとおりとなります。

  1. アセットアロケーションを決める
  2. 決めたアセットアロケーションになるように投資信託を選択する(ポートフォリオを組む)
  3. 定期的に投資をする(イデコの場合は毎月)
  4. 運用により決めたアセットアロケーションの比率と崩れてきたらリバランスを行う

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

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その中で定期的にやる必要があるのがリバランスです。

リバランスとは

リバランスとは簡単に言えば資産の再配分のことです。

ちょっとわかりにくいですね。もう少し具体的に見ていきましょう。

時間の経過すると相場が変化します。そうなると当初予定したアセットアロケーション(資産配分)と実際の資産の比率にズレがどうしても生じてしまいます。それを当初予定していたアセットアロケーション(資産配分)の比率に修正する作業のことをリバランスといいます。

たとえば先進国株式50%、国内株式50%というアセットアロケーションを組んだとしましょう。

先進国株式は利回り5%を予定していて、国内株式は利回り2%を予定していました。合計3.5%の利回り想定となります。

しかし、その後の相場が大きく動いて保有比率が先進国株式40%、国内株式60%となると想定利回りは3.2%と大きく下がってしまいます。

利回りが変化してしまえば将来得られるはずの金額も変わってしまいます。

また、リスクも大きく変化してしまいますね。

つまり、計画が狂ってきてしまうんですね。

それではまずいですからこれを元の比率に戻す作業が必要となります。

これがリバランスの必要な理由です。

リバランスをしたほうが成績がよいとのデータもあります

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合には「スイッチング」と「配分変更」を使ってリバランスが可能となっています。

ちなみにリバランスが面倒だ・・・って人ははじめからリバランスを自動でやってくれる8資産均等などのバランスファンドを買うのも一つですよ。



個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)でのスイッチングとは

スイッチングとは預け替えのことですでに購入して運用している投資信託等を別の投資信託等に切り替える手続きのことです。

例えば株100%下記ポートフォリオを組んでいた方がいたとします。それをもう少しリスクを減らしたいなと下記のようなポートフォリオに変更するとかですね。

また、機動的に動ける人ならば株の調子がよいときは株の投資信託で運用して、調子が悪くなってきそうになったら定期預金などの元本保証の商品や債券などの価格が安定している商品にスイッチングするということも理論的には可能です。

スイッチングの流れ

スイッチングはこんな流れで行われます。

売却する商品と数量を指定

購入商品選択

運用している商品の全部または一部を一旦売却

指定した商品を購入

すでに運用している投資信託の全部または一部を一旦売却して、現金化した後、指定した運用商品を購入し直す流れですね。売却商品と数量、購入商品を指定するだけですからかなり簡単にできます。

株で言えば一旦利確して、その資金で新たな株を買うことを指定するだけで自動でやってくれると思えばよいでしょう。

スイッチングは手数料は無料だが信託財産留保額には注意

スイッチングには手数料等はほとんどの金融機関で掛かりません。無料です。(一部だけかかる金融機関もあります)

ただし、1点注意をしないといけないのが信託財産留保額です。

信託財産留保額は途中解約のペナルティーや売却手数料みたいなもの。

すべての投資信託ではありませんが、一部投資信託には掛かるものです。

信託財産留保額自体は0.3%程度ですから大きな金額ではありませんが、何度もスイッチングを行ってしまうとその都度、手数料が発生してしまいますので効率が落ちてしまうことになります。

信託財産留保額はイデコに限ったことではなく投資信託ごとに課せられていますから特定口座で買ってもつみたてNISAで買っても同じです。

ご自身が運用している商品が信託財産留保額が掛かるのか否かは目論見書などをご確認ください。

信託財産留保額は悪ではない

ちなみに信託財産留保額がない投資信託のほうがよいかというとそうではありません。

長期投資を考えている人にはプラスの要素だったりします。それは留保された資産額はファンドの保有する人たちに残されるため、運用会社が取る手数料ではないからです。

つまり、他の人が解約するとその都度その投資信託の資産が増えるってことですね。(多少ですが)

スイッチングは多少タイムラグが発生する

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で運用する商品は基本的に投資信託を買うことになります。

投資信託は株などと違って機動性に掛けるところがありますのでスイッチングすると少しタイムラグが掛かることも知っておきましょう。

売却する商品にもよりますが10日以上掛かるケースも有るようです。特に新興国株なんかが絡んでくる投資信託は長めの期間がかかりますね。

スイッチング(預け替え)は現在保有している運用商品を売却し、売却された現金で指定された別の運用商品を購入します。運用商品は売却の指図をしてから現金化できるまで大よそ3日から5日程度かかります。また購入して投資信託を受け渡すにも同程度の日数がかかるため、すべてのお取引が完了するまで運用商品によっては10日以上かかることもあります。
出所:SBIベネフィットシステム 「Q&Aより

細かい話をすれば売却して次の商品を買うまでの間は運用されませんので少し運用効率が落ちる可能性があります。(その間に暴落したりすればその逆もありえますが・・・)



個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)での配分変更

次に配分変更を見ておきましょう。

配分変更とはすでに購入した商品はそのままで今後、毎月の掛金で買う商品やその配分を変更することを指します。

前述のような100%株の投資信託から株50%、債券50%にするような大きな変更するのは配分変更では難しいですがちょっとした微調整には最適な方法ですね。

わざわざ既存の商品を売らなくても良いですから信託財産留保額の問題等も発生しません

配分変更の流れ

配分変更もやり方自体はかなり簡単です。

商品と配分を変更する
これだけです。
ちなみに配分変更は締め切り前であれば何度もやり直しが効きます。

配分変更は機動性には欠ける

配分変更はかなり簡単で気楽です。

しかし、実際に個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で購入されるのは月に1度だけです。

また、その月の分からしか変わりません。

ですから早くにリバランスしたいと考える場合には向きませんのでスイッチングを利用するのがよいでしょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の運用は定期的にチェック

今まで見てきたように「スイッチング」も「配分変更」もやり方自体は簡単です。

しかし、信託財産留保額の件やスイッチングに時間が掛かる問題点もあります。

ですから何度もスイッチングや配分変更を繰り返すのは手間の部分も含めてあまりおすすめしません。

年に1回とか自分でルールを決めてチェックするのをおすすめします。

ただし、大きな経済状況の変化が生じたときもチェックが必要です。

相場は基本的に行き過ぎてしまうのが常です。

相場の行き先が大きく変わったかな?ってときは長期投資といえどもそちらの方向にシフトしておく方が成績がよくなる可能性が高いでしょう。

私の場合は、週足をチェックして相場の大きな変化を捉えていたりしますね。



まとめ

今回は「【個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)】知っておきたい「スイッチング」と「配分変更」」と題して個人型確定拠出年金(iDeCo)のスイッチングと配分変更について見てきました。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は長い投資期間になりますので忘れてしまうくらいがちょうどよいという方も見えますが私は定期的なチェックをおすすめしますね。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の「スイッチング」も「配分変更」も税金が掛かったりはしませんので、つみたてNISAと比較してリバランスがしやすいのですから定期的なチェックと見直しで、リスクを抑えより安定したリターンの期待できる運用を目指しましょう。

つみたてNISAのりバランスについてはこちらの記事をご覧ください。

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つみたてNISAでリバランスする方法

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。

しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。

簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。

私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。

(※私が加入しているのはSBI証券です)

この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。

また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。

順番に見ていきましょう。

SBI証券

まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。

SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。

選択の楽しさがありますよね。

また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。

SBI証券iDeCo
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SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。

マネックス証券

次点はマネックス証券 iDeCoです。

こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。

iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。

マネックス証券iDeCo
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マネックス証券 iDeCo

マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。

松井証券

松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。

その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。

こちらも有力候補の一つですね。

松井証券iDeCo
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松井証券【iDeCo 口座開設申込】

2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。

大和証券

大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。

他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。

また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。

大和証券iDeCo
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大和証券 iDeCo

運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。

楽天証券

楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。

この2つのファンドは人気ですね。

楽天証券iDeCo
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楽天証券 401K用プログラム

楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。

総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。

他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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