IMFの世界経済見通し発表。2020年に投資するならあの国が狙い目?

IMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを発表しました。

世界経済見通しとは文字通りですが、今後の世界経済がどうなるのかを中長期的に予想したものになります。

今回のは国際通貨基金(IMF)が発表したものですが、他にも国連が発表したり、国際復興開発銀行が発表したりも・・・

また、JPモルガンなど一般企業も予想をしていますね。

>>JPモルガンの長期予想

これを見ることで今後の各国の経済予想、特に各国のGDP(国内総生産)予想がわかります。

経済がよくなれば株などにも好影響があるのは当然ですから、中長期の株式投資、特に世界をターゲットにインデックス投資をする場合には大変有益な資料となるでしょう。

今回は10月に発表された最新版のIMFの世界経済見通しを元に2020年の世界経済及び投資について考えて見たいと思います。

株価とGDPには一定の相関性がある

まず、今回の前提となる話から見ていきましょう。

GDPと株価の関係性です。

GDPが伸びれば株価が必ず上がるわけではありません。

しかし、GDPが伸びるということは経済が大きくなっているということですから株価にはプラス要因となります。

つまり、短期的にみればGDPが伸びる=株価が上がるというわけではありませんが、長期で見ればかなりそれに近いものになってくる可能性が高いのです。

ちなみに株価の割高、割安を考えるときによく用いられる「バフェット指数」も株式時価総額÷名目GDP×100で計算されます。

GDPを使って計算されるですよね。

つまり、GDPと株価の相関性もある程度考えられるのです。

実際に過去のGDPと株価の動きを比較してみましょう。

アメリカの名目GDPの伸びと株価指数の推移比較

例えばアメリカの過去10年の名目GDPとアメリカを代表する500社の株価指数S&P500の推移を比較してみましょう。

アメリカ名目GDPVSS&P500
アメリカ名目GDPVSS&P500

出所:IMFの名目GDPデータ及びbloombergのS&P500データより著者作成

GDPは順調に年々上がっています。

S&P500は上がる年もあれば下がる年もありますが、基本的に右肩上がりです。

GDPと株価には完全な連動ではありませんが一定の相関性はあるのです。

これはアメリカだけでなく他の国も同様な傾向にあります。

つまり、経済が成長すれば(GDPが大きくなれば)株価にもプラスの影響があるのです。


2020年の世界経済の成長・減速

それではIMFの発表した世界経済見通しを元に2020年の世界経済の成長・減速について確認してみましょう。

こちらはGDPの伸びを予想したものとなります。

前述のようにGDPの伸びと株価の伸びはある程度の相関性がありますから今後の投資先を選ぶ参考になるはずです。

世界経済見通しー世界経済の成長減速、
世界経済見通しー世界経済の成長減速

出典:国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」(2019年10月)より

世界全体ではGDP(国内総生産)が3.4%増加する予想となっています。

最近、投資信託の分野で「全世界株式型」が人気となっているのもこういう部分が大きいでしょう。

どこの国が良くなるとかは個別のリスクもありなかなか予想しずらい部分もあります。

しかし、世界全体を考えればかなり高い確率で成長するでしょう。

成長率も2020年は3.4%予想とかなり高くなっています。

だったらあれこれ考えるのではなく世界全体に投資をしてその成長を享受しようって考えるってことですね。

全世界株について詳しくは下記記事を御覧ください、

国別で考えるなら注目は以下の国です。

日本は0.5%増と最低水準

日本のGDP予想は今回発表された各国の中でイタリアと並んで最も低い0.5%増となっています。

2020年は東京オリンピックもありますが、2018年、2019年よりもかなり低い予想となっていますね。

日本は昨年一年間で人口が約43万減少、15~64歳の生産年齢人口も約61万減少と高齢化が進行していることが大きいですね。

どうしても人口が減り、生産年齢人口も減れば経済そのものが縮小しちゃうんですよ。

GDPはかろうじてプラスになっているものの・・・・

今後も日本人の人口は約40年後には8,673万人となる予想となっています。

個別株の話ではなく日本経済全体と考えればあまり先行きは良いとは考えにくいんですよね。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

アメリカは2.1%増で先進国トップ

アメリカは2020年は2.1%増の予想。

アメリカ株はNYダウが過去最高を更新するなど絶好調ですしね。

先進国の中では最も高くなっていますね。

アメリカは先進国の中で数少ない人口が増え続けている国です。

さらにアメリカの研究開発費は世界1位で世界の3分の1を占めています。

もちろんそれに伴う特許など知的財産を多く取得しているため、他の国の企業が新たに参入しようとしてもなかなかハードルが高くなっているんです。

ですから今後もアメリカ経済は強いことが予想されています。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

中国は減速傾向だが・・・

上記はGDPの成長予想ですから当然新興国が強くなります。

新興国全体で4.6%増

注目すべきなのが中国とインドです。

まずは中国からみていきましょう。中国5.8%増予想となっています。

2018年、2019年と比較するとGDPの伸びは減速傾向にありますが、まだまだ高い水準にあります。

すでに中国の企業も世界の時価総額ランキングで「アリババ」と「テンセント」が10位以内にランクインするなど世界でも無視できない存在となってきています。

中国の最大の特徴は内需の強さです。

中国だけでも人口が約14億人います。

GDPの6割くらいを内需が占めており、貿易戦争などがあったとしてもある程度の経済の下支えがあるのは強いですね。

中国への投資については下記記事も合わせて御覧ください。

インドは最高の成長

今回のIMFの世界経済見通しで最も高い成長が予想されるのがインドです。

7.0%増予想となっています。

インドは現在、中国についで世界2位の13億人の人口を誇っています。

さらに国連が発表した人口推計によると10年以内にインドは中国を抜き世界トップの人口になることが予想されているんですね。

日本が1年で43万人人口が減っていますが、インドは1年で2500万人が増えているんです。

人口が増えればそれだけ消費も増え経済も動きます。

そのため、インドはGDPの伸びも著しいのです。

ただし、現在、あまりインドの経済状況はよくありません。

失業率は過去最高ですし、格差の問題など人口増加の弊害が生まれているのです。

為替の問題も含めて経済状況は考える必要はあるでしょうが、魅力的な投資先の一つであることに間違いはないでしょう。

インド株について詳しくはこちらの記事を御覧ください。

まとめ

今回は「IMFの世界経済見通し発表。2020年に投資するならあの国が狙い目?」と題してIMFが発表した世界経済見通しについてみてきました。

GDPが増えた=株が上がるわけではありませんが、一定の相関性は見ることができます。

2020年の投資先選定に向けてIMFの世界経済見通しも参考資料の一つに加えてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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