アメリカなど海外株に投資する投資信託を買っている方に朗報です。
2020年1月1日から投資信託等の分配金に対しての二重課税調整制度が開始されます。
なんだそれ?って方も多いかも知れません。
ちょっとややこしい話なんですよ。
そこで今回は投資信託等の分配金に対しての二重課税調整制度について分かりやすく解説をしていきます。
ショートカットはこちらから
>>投資信託等の二重課税調整制度について
※加筆修正を加えました。
投資信託等の二重課税問題とは
まずは今回の話の前提となる投資信託等の二重課税問題から解説していきます。
今まで投資信託等について、外国株式への投資から得た利益が分配金に含まれている場合には、その投資信託等が外国において徴収された納税額(外国所得税額)と、受け取る分配金に対する所得税等(日本の税金)で、二重に課税が行われている状態にありました。

出所:日本証券業協会「投資信託等の二重課税調整制度開始のご案内」より
簡単に言えば外国へも日本へも所得税等を支払っていた状況ということです。
特に外国株を買う投資信託に大きな影響がありました。
これについては投資家が不利であるため金融庁や証券業界等が改善を毎年のように要望していたのですが、それがとうとう改善されることになったのです。
また、外国株式や外国債券、海外の投資信託、ETFやJ-REIT・JDR(株式数比例配分方式以外)については確定申告で手続きをすれば二重課税調整(外国税額控除)が可能でしたが手続きがかなり面倒だったんですよ。
それも改善されることになりました。
二重課税の例
国により税金は違いますのでアメリカを例に二重課税の影響を見ていきましょう。
アメリカ株の配当が出た場合はアメリカで10%課税されます。
さらにその投資信託が分配金を出すと外国で課税後の収益に対して日本で所得税や住民税等の合計20.315%が課税されるのです。
100円の配当が出てそのまま投資家に回している例を見てみましょう。

出所:日本証券業協会「投資信託等の二重課税調整制度開始のご案内」より
※上記図はイメージ化のために外国政府における税率を10%、日本政府における税率を15%としています。
まずアメリカで100円の10%の10円税金が課せられます。
差額は90円ですね、
それを投資家に全額分配するとすると差額の90円に対して所得税と住民税の合計で20.315%が課せられます。
住民税:90✕5%=4.5
合計約18.2円です。
つまり、投資家の手元に渡るのは71.8円
アメリカへ10円、日本へ18.2円の合計28.2円ですから28.2%もの税金が取られている計算となります。
>>次は投資信託等の二重課税調整制度について