夏や年末の大きなイベントの一つが「ジャンボ宝くじ」です。
毎年、発売日には長蛇の列が作られていますよね。
また、最近ではBIGなどTOTO(サッカーくじ)の当選金も高くなって人気となっています。
個人的には下記の記事のように宝くじは愚者の税金と呼ばれるくらい分が悪い勝負ですからおすすめしませんが、億が当たるというのは夢がありますね。
日本では高額当選者はあまり表にでませんので謎な部分が多いですが、海外では高額当選者が表にでて話題になります。
しかし、多くの高額当選者の後の人生はあまり幸せだと言えないそうです。
お金の上手な使い方を知らないまま大金を手にしてしまったからでしょう。
今回は折角あたった高額当選を無駄にしないため「宝くじに当たったらどうしたらよいのか」について考えていきます。
高額の宝くじに当選したらまずどうするか
少額の宝くじ当選は宝くじ売り場で交換ができます。(時効は支払開始日から1年以内)
しかし、高額の場合は宝くじ売り場では交換ができませんのでご注意ください。
売り場で購入:当選金額が1万円を超える場合
当選金額が1当選金または1口あたり1万円を超える場合には5万円マークのある宝くじ売り場もしくはみずほ銀行本支店でのみ交換が可能です。
私も大昔に当選したことがありますが、ほとんど手続きもなく窓口に申請をするだけでした。
売り場で購入:当選金額が50万円以上の場合
さらに1当選金または1口あたり50万円以上の当選金を含む場合には運転免許証などの本人確認ができる書類が必要となります。
受け取りができるのはみずほ銀行の本支店だけです。
売り場で購入:当選金額100万円以上の場合
さらに1当選金または1口あたり100万円以上の当選金を含む場合には運転免許証などの本人確認ができる書類と印鑑が必要となります。
受け取りができるのはみずほ銀行の本支店だけです。
昔、仕事でみずほ銀行の窓口に行く機会が多かったのですが、その際によく高額の宝くじが当たった方が来店されていましたね。
本当に高額な方は応接室に案内されていました。
あまりに高額の場合にはその場では受け取るすることができず銀行振込になるとのこと。(銀行の現金残高の問題でしょう)
高額当選の方向けの「その日から読む本」という本が配布されたり、資産運用の相談を受けているそうです。
インターネットで購入の場合
なお、Bigtotoなどのインターネット販売所で買った場合や宝くじ公式サイトで購入した宝くじの当せん金は登録しておいた当選金受取口座やクレジットカードの引き落とし口座に入金されますので特段の手続きは不要です。
ATMで購入の場合
ATMで購入した場合も当選金はその購入に使った口座へ自動的に振り込まれます。
宝くじは所得税・住民税が掛からない
なお、宝くじは競馬などと違い当選しても所得税等の税金はかかりません。
購入時の価格にすでに税金分が含まれているからです。
また、所得税を元に計算される住民税も非課税となります。
さらに宝くじ当選金についての確定申告も必要ありません。
税務署からの問い合わせがある可能性
税金もかかりませんし、確定申告も不要ですが少し注意しておく必要がある点もあります。
それは家を買うなど高額のお金が動くと税務署から資金の出所について問い合わせがある可能性があることです。
別に悪いことをしているわけではありませんが、すぐに回答できるようにしておくのがよいでしょう。
その対策として一番簡単なのが「当選証明書」のご用意です。
みずほ銀行で宝くじに当たったことを証明する書類を発行してもらえるのです。
ぜひ発行してもらっておいてください。
贈与税には注意
また、税金で注意しなければならないのが贈与税です。
宝くじに当たった当選金については税金はかかりませんが、誰かにお裾分けをするとそれが贈与税の対象となり税金がかかってしまう可能性があります。
贈与税は以下の計算式で計算されます。(一般贈与財産)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
基礎控除後の課税価格 | 200万円 以下 | 300万円 以下 | 400万円 以下 | 600万円 以下 | 1,000万円 以下 | 1,500万円 以下 | 3,000万円 以下 | 3,000万円 超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
税 率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | ‐ | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
出所:国税庁「贈与税の計算と税率」より
贈与税には基礎控除が110万円あります。
つまり、1人に対して年間110万円までの贈与であれば贈与税が掛かりません。
逆に言えば年110万円を超えるお裾分けをしてしまうと税金が掛かってしまうのです。
例えば10億円当たって友人に1億円贈与すると
9,890万円×55%-400万円=50,395,000円
実に贈与した金額の半分近くが税金で持っていかれてしまうんですよ。
共同購入の場合は受け取り方に注意
宝くじを共同購入している場合は受取時に注意が必要です。
普通に1人が受け取って分けようとすると上記の贈与税の対象となる可能性があります。
ですから贈与税が掛からないようにグループで受け取り、グループ買いであることを各自が「当選証明書」に記載をして貰う必要があるのです。
贈与税はかなり高いですからご注意くださいね。
当選金の使い方
それでは当選したお金はどのように使えばよいのでしょう。
ペイオフについて知っておこう
まず、知っておきたいのがペイオフ制度です。
ペイオフとは銀行が破綻したときにでも1000万円+利息までは戻ってくる制度です。
逆に言えばそれ以上預けている場合には金融機関が破綻したときに戻ってこない可能性があるということです。
最近は景気が良かったのでそれほど金融機関の破綻の話はありませんでしたが、急にリーマンショック級の経済変動が起きればバタバタ倒れてもおかしくないです。
できれば利用する金融機関は分散するのがオススメです。
生活水準を上げすぎない
お金は当然ながら使えば使うほど減っていきます。
多くの宝くじ高額当選者がその後の人生があまりよくなかった大きな理由が宝くじにあたったことによって生活スタイルを大きく変えてしまったことに起因します。
よく言われるのが「ラチェット効果」です。
ラチェットは一方向にしか回らない歯車(歯止め)のことです。
ラチェット効果とは一度生活水準を上げてしまうと歯止めがあるためなかなかもとには戻らないということを指します。
昔、一世を風靡した芸能人や現役時代は高給取りだったプロ野球選手が人気がなくなったり、引退してから破産したり、犯罪に手を染めてしまって転落人生を歩むケースをよくみかけます。
これらの多くは人気のあったころ現役時代、つまり所得が多かった時の生活水準を変えられず、それを維持するために無理して破産したり、犯罪に手を染めてしまうんですよ。
ラチェット効果はお金に困らないという観点からみると本当にかなり怖いものだったりするのです。
宝くじに当選した人もそれと同様のことが起こる可能性が高いです。
一度上げてしまった生活水準を戻すことは容易ではありませんから、上げないようにするのが良いでしょうね。
ラチェット効果の対策について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
コップの中の水を飲むな。こぼれてきた水を飲め
また、お金を減らさずに増やすことを考えることも重要です。
ふるさと納税生活で有名になった金森重樹さんはこんなことを言ってます。
例えば10億円を投資して運用利率3%で回せば年間3,000万円入ってきます。
運用利率3%なんて投資をしていない方からすると無理じゃね?と思うかも知れません。
しかし、実はかなり固い投資をしても実現できる数字なんですよ。
たとえば国の年金を運用しているGPIFの運用利回りは年4%近いんですよ。
GPIFの運用の模倣は簡単ですから実現可能な水準です。
また、3%以上の配当を出している会社はたくさんありますからそういうところの株を買うだけでも実現可能です。
つまり、運用利率3%はそれほど難しくないのです。
その運用利率3%で手に入る3,000万円の中で生活するようにすれば、元本の10億円は減りませんから、3%で回し続けられる限り毎年3,000万円入ってくるのです。
ピケティのr > gでも話題になりましたが今までも今後も資本家が資本から得る利益のほうが、労働者が働いて得る利益よりも常に大きいのです。
宝くじの統計に騙されるな
宝くじの公式サイトには宝くじの高額当選者の統計データが載っています。
これによると「宝くじ当選者の約4割はA型」とか高額当選者のイニシャルで一番多いのが「K.M」や「M.K」だとか載っています。
コレ自体に嘘はないのですが、見せ方がどうかと思うのです。
日本人の人口割合もほぼ同じなんですよ。
宝くじの公式サイトには他にも性別、年齢別、星座やイニシャル、職業など様々な統計データがでていますが、購入を促すために載せているものでほとんどが人口割合と同じなんですよ。
まとめ
今回は「年末ジャンボ宝くじで10億円当たった!!らどうしたらよいのか?」と題して宝くじがあたった場合についてみてきました。
まとめると以下の2点をぜひ意識してほしいところです。
コップの中の水を飲むな。こぼれてきた水を飲め
お知らせ:You Tubeはじめました。
You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。