年金積立金の収益率は年率平均+3.97%。マスコミはあまり報道しないけど実は順調に増やしてくれている件

将来の年金支給に備えて「年金積立金」が運用されています。

その管理・運用を行う機関のGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が発表した2023年第1四半期の時点の運用収益の累計が127兆円と120兆円を突破しました。

マスコミは何故かGPIFが損失を出したときは大きく報道するくせに収益が出たときはほとんど報道しないんですよね・・・

テレビに出ている自称経済評論家の中には日銀がETF買う話と混同している方すらいます。

そのため、年金で集めたお金を国が溶かしていると勘違いしてる方が多いです。

しかし、本当はGPIFはもちろんトータルでみてかなりの利益をあげているんですよ。

むしろ、個人投資家のお手本となるようなわかりやすいインデックス投資をしているんです。

今回はそんなGPIFの運用状況について見ていきましょう。

GPIFの運用状況

2023年第一四半期GPIF成績

出所:年金積立管理運用独立行政法人 2023年度第一四半期運用状況より

今までの累計は上記のとおりとなっています。

収益額:127兆3,658億円収益率:3.97%(年率)
運用資産額は219兆1,736億円

運用開始は2001年ですから約22年で127兆円増やしたということになります。

ちなみに日本の一般会計予算は2023年度が114兆3812億円です。

日本の予算レベルの金額を増やしたということになりますからかなりの規模であることがわかっていただけると思います。

もちろん四半期ベースでみれば大きく落ち込む時期もありますが、グラフで見てわかるように右肩上がりで「年金積立金」を増やしてくれているんですよ。

2023年第一四半期の運用状況

2023年第一四半期の運用状況は以下のとおりです。

収益額:18兆9,834億円、収益率:+9.49%(期間収益率)

4半期(3ヶ月)で+9.49%ですからかなりいい勢いで増やしてくれているのがわかりますね。

過去にマイナスになったのは21年間で6年

ちなみに21年間でマイナスとなったのは以下の年度です。

  • 2001年
  • 2007年
  • 2008年
  • 2010年
  • 2015年
  • 2019年

21年間のうち6年間はマイナスなんですよ。

しかし、それ以外がプラスですからトータルでみれば120兆円以上増やしているということになるのです。

前述のように何故かマスコミも野党もマイナスのときだけ大きく騒いで利益が出ているときは全く報道もしません。

そのため、年金の運用は失敗していると思われがちですがぜんぜん違うんですよ。

GPIFは何に投資をしているのか?

それではGPIFはどのように「年金積立金」を運用しているんでしょうか?

かなりわかりやすいインデックス投資をベースとした投資をしているんですよ。

2023年第一四半期GPIFポートフォリオ

出所:年金積立管理運用独立行政法人 2023年度第一四半期運用状況より

GPIFは上記の通り、かなりわかりやすいアセットアロケーション(資産配分)をしています。

  • 国内債券25%+-7%
  • 国内株式25%+-8%
  • 外国債券25%+-6%
  • 外国株式25%+-7%

国内債券、国内株式、外国債券、外国株式をそれぞれ25%ずつを基本としています。

分散することによってリスクを低減させているのです。

GPIFがこの比率にしている理由はわかりませんが、おそらくかなり厳密なシュミレーションの結果リスクとリターンのバランスがよくなるのがこの比率なのでしょう

ですから個人投資家がそれを真似るのは理にかなっているといえるのかもしれません。

ちなみに具体的な保有銘柄も公開しているんですよ。(間接的な保有も含む)

資産毎のそれぞれの収益状況

2023年第一四半期全体の成績は+9.49%ですが、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式別でみると収益が全然ちがっています。

  • 国内債券: +0.36%
  • 国内株式:+14.37%
  • 外国債券:+8.08%
  • 外国株式:+15.43%

2023年第一四半期はすべてのカテゴリーがプラス。

特に大きく貢献したのが国内株式と外国株式ですね。

これだけみると国内債券なんて買うのやめろ!!って考える方も見えるかもしれません。

しかし、時期によってどの分野がよいのかは大きく異なるのです。

国内株は今まで足をひっぱっていた側でしたしね。

ですから分散して投資をするのには意味があるのです。

年金の運用しているのは1割程度

また、公的年金はすべて年金積立金で運用しているのではないことも知っておきましょう。

これも報道の偏りのせいで勘違いしている方が多いんですよ。

基本的にみなさんが掛けた年金は賦課方式といって現在の給付世代を支えているんですよ。

ただし、将来現役世代が少子高齢化の影響で減ってきます。

それに備えるために現在の給付の余剰分(1割程度)を年金積立金にまわして運用しているのです。

でこの余剰分で運用して増やした分は将来の少子化が進んで財源が足りなくなった際に使われる形となります。

賦課方式とは
賦課方式とは

出典:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」より

このあたりの制度は少々複雑です。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。




まとめ

今回は「年金積立金の収益率は年率平均+3.97%。マスコミはあまり報道しないけど実は順調に増やしてくれている件」と題して年金積立金の運用益が120兆円したというニュースを取り上げてみました。

かなり大きな利益をあげてくれていることがわかりますね。

マスコミはこういう話こそ報道してほしいものなのですが・・・

ちなみにイデコや2024年から始まる新しいNISAなどならGPIFの運用を真似することは容易ですよ。

方法は下記の記事にまとめてありますので合わせて御覧ください。

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