雇用関連・社会保険の支援策
次は雇用関連の支援です。
今回の新型コロナウィルスにより多くのイベントが中止になっていますし、閑古鳥が泣いているサービス業も多いと聞いています。
そうなると心配となるのが雇用の部分です。
その辺りの支援策になります。
雇用調整助成金
まずは雇用調整助成金です。この制度も前からある制度ですが新型コロナウィルスで特例措置が取られます。
雇用調整助成金とは経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた 事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、 休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
簡単に言えば従業員を休ませたりした会社が給料を払ったら国がそのお金を助成しますよってことです。つまり、会社は従業員をリストラすることなく給料を払える状況を作ってくれるってことです。
具体的な助成内容は以下のとおりです。
【助成率】大企業1/2、中小企業2/3
【支給限度日数】1年間で100日(3年間で150日)
【教育訓練の加算】1人1日あたり1,200円
つまり、従業員を休ませたり、教育訓練などを行った場合に大企業で1/2、中小企業で2/3まで休業手当や賃金等の助成をしてくるのです。
対象者
雇用調整助成金は不正も多いことから要件が少々厳しくなっています。
次のいずれも満たす必要があります。
(2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。
(3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。
(4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。
〔1〕休業の場合:労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。
〔2〕教育訓練の場合:
〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務(本助成金の対象となる教育訓練を除く)に就かないものであること。
〔3〕出向の場合:対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。
(5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。
出所:厚生労働省「雇用調整助成金」
新型コロナウィルスでの特例措置
以下の条件を満たした企業については新型コロナウィルスの特例措置が受けられます。
日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が 全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主
※追記:新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主と拡大されました
これにより、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となります。
②生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮。
③雇用指標(最近3か月の平均値)が対前年比で増加し ている場合も対象。
④事業所設置後、1年未満の事業主も対象。
お問合せ先
雇用調整助成金について詳しくは最寄りの都道府県労働局にお尋ねください。
なお、雇用調整助成金の代わりに従業員に直接給付する「みなし失業」という制度も検討されています。
傷病手当
今回の新型コロナウィルスに対しての特別な制度ではありませんが、傷病手当も利用が可能でしょう。
傷病手当金とは病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
今回の新型コロナウィルスも会社から特別休暇などの特別措置が受けられないなら有給休暇を使う以外の選択肢として傷病手当が考えられます。
傷病手当について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
高額療養費
また、長期の入院などになった場合に医療費が心配ですよね。
そのような際に使える制度である高額療養費についても知っておきましょう。
こちらも新型コロナウィルスに対しての特別な制度ではありませんが重要な制度となります。
⽣活福祉資⾦制度の特例貸付
次は⽣活福祉資⾦制度の特例貸付です。
最大80万円の無利息の貸付、無保証人です。
さらに償還時に所得減少が続いていれば償還免除されるという制度になっています。
詳しくはこちらを御覧ください。
保護者の休業支援
こちらはまだ正式に発表されたものではありませんが、学校が当面休みになったことにより保護者が休業する場合の支援も実施されそうです。
休業中も基本給などを支払うよう企業に要請し、応じた企業には負担額の5~7割ほどを助成する方向
出所 朝日新聞 デジタル「政府、企業側に最大7割助成を検討」より
おそらく仕組み的には前述の雇用調整助成金のような形もしくは内包されると思われます。
追記:具体的な内容が発表されました。
①又は②の子の世話を行うことが必要となった労働者に対し、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、 有給(賃金全額支給(※))の休暇を取得させた事業主。
① 新型コロナウイルス感染拡大防止策として、臨時休業した小学校等(※)に通う子 ※小学校等:小学校、義務教育学校(小学校課程のみ)、特別支援学校(高校まで)、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園等
② 風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある、小学校等に通う子
●支給額:休暇中に支払った賃金相当額 × 10/10
※ 支給額は8,330円を日額上限とする。
出所:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援(新たな助成金制度)について」より
まとめ
今回は「新型コロナウィルスに関連した補助金、助成金等の支援策まとめ」と題して新型コロナウィルスに関連した支援策をみてきました。
かなり多くの支援策が用意されています。
せっかくある制度や支援策ですが、知らないがために利用できない方も多くいらっしゃいます。
ほとんどの支援策は自己申請が必要ですからね。
もし対象となる方がお見えでしたらぜひ教えてあげてくださいね。
また、今回掲載した以外にもこれからどんどん新たな支援策が発表されると思われます。
それらについてのアンテナを張っておくことも必要でしょう。
また、新しい支援策などがでたら本サイト「お金に生きる」でもご紹介したいと思います。
※新たな緊急支援策が続々発表されています。
下記記事にまとめてありますので合わせて御覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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