新型コロナウィルスでの株価暴落(最近は戻しつつありますが)でiDeCo(イデコ)を始める人が増えているという報道があります。
実際に一部証券会社では資料の送付に時間が掛かっているようです。
そこで今回はほんとうに新型コロナの株価暴落でiDeCoの加入者は本当に増えたのか、実際どれくらい増えているのかをデータを元に検証してみました。
なお、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ってなに?方は以下の記事をご覧ください。
この記事をみれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度」から「つみたてNISAとの違い」、「おすすめ金融機関」、「おすすめ商品」、「いくら積み立てればよいのか」などを網羅的に確認することができますよ。
iDeCo(イデコ)の加入者は新型コロナウィルスで増えたのか?
それでは実際のiDeCo加入者の推移を確認してみましょう。
結論から言えば
です。実はデータを見ると新型コロナウィルスでの株価暴落でiDeCo加入者がそんなに増えているとは考えられないんですよ。
それでは具体的に見ていきましょう。
月別のイデコ加入者数推移(前年比較)
最新発表されている4月までで実際にどれだけの方がiDeCoに新規加入しているのかを見てみましょう。
ちなみに新型コロナウィルスの話が報道されだしたのが1月終わりから2月のはじめ。
実際に大きな問題になってきたのが3月、4月です。(国民年金基金で処理のタイミングで新規加入者数に数字に入りますので多少タイムラグがあります)
なお、1号加入者とは第1号被保険者のことで主に自営業者、フリーランス、無職の人が該当します。
2号加入者数は第2号被保険者で会社員の方、3号加入者数は第3号被保険者で会社員の妻(専業主婦)です。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
2020年3月加入者 | 参考:2019年3月加入者 | 2020年4月加入者 | 参考:2019年4月加入者 | |
第1号加入者 | 3,400 | 3,110 | 3,164 | 3,621 |
第2号加入者 | 32,405 | 28,358 | 27,689 | 27,876 |
第3号加入者 | 1,587 | 1,217 | 1,336 | 1,187 |
合計 | 37,392 | 32,685 | 32,189 | 32,684 |
出所:国民年金基金 iDeCo公式サイト 最新iDeCo加入者数を元に「お金に生きる」で作成
たしかに3月の新規加者数は前年が32,685人だったのに対して2020年は37,392人と1割以上増えているのがわかります。
しかし、4月は前年が32,684人に対して2020年は32,189人と微減となっていますね。
これだけ見ると新型コロナウィルスで株が下がったからiDeCo加入者が増えたとは言い切れません。
2月との比較
また、iDeCoが徐々に浸透してきたこともあり、新型コロナウィルスに関係ないタイミングの時点からiDeCoの加入者は増加気味だったんですよ。
新型コロナウィルス問題が大きくなる前の2月の新規加入者を前年比較してみましょう。
2020年2月加入者 | 2019年2月加入者 | |
第1号加入者 | 3,916 | 3,230 |
第2号加入者 | 36,208 | 28,746 |
第3号加入者 | 1,818 | 1,194 |
合計 | 41,942 | 29,529 |
出所:国民年金基金 iDeCo公式サイト iDeCo加入者数を元に「お金に生きる」で作成
2019年2月のiDeCo新規加入者は29,529人であったのに対して2020年2月は41,942人と40%近く多くなっていますね。
これを考えると3月の新規加入者の伸びはむしろ少ないですし、4月は減少傾向であるといえるのかもしれません。
つまり、このデータからも新型コロナウィルスでiDeCo加入者が増えたとは言い切れない、むしろ減ってない?という結果となっているんです。
ネット証券が混雑気味であったのはなぜか?
実際の新規加入者のデータを見るとiDeCoの新規加入者数は取り立てて増えているとは言えない状況です。
しかし、SBI証券など多くのネット証券ではiDeCoの書類が遅れ気味だったという話もあります。
実際、現在もSBI証券のiDeCoページには以下のような案内が出ていますね。
※多くのお申込みをいただいておりますため、資料のお届けにはご請求から約1週間程度かかります。
出所:SBI証券 iDeCo申し込みページ
それはなぜなのでしょう?
ここからは仮説ですがこのようなことが考えられるのではないでしょうか?
調べる時間があったからネット証券に申込みが集中?
多くの方がテレワークなど自宅での勤務となり、時間に余裕ができました。
その結果、iDeCoについてをじっくり調べることができたのではないかと思われます。
実際に、本サイト「お金に生きる」も3月、4月はアクセス数も大きくなっていましたし、ページ滞在時間も長くなっていました。
iDeCoの場合は本サイトでも繰り返し書いていますが、金融機関ごとの差がとても大きいです。
手数料も全然違いますし、取扱商品の差も大きいです。
ですからしっかり調べると多くの場合、ネット証券が選ばれるはずなのです。
そんなこともあり、ネット証券に申し込みが殺到したのではないでしょうか?
ネット証券の処理が滞った可能性
もう一つ可能性としてはネット証券が在宅勤務などの影響で通常よりも処理が滞ったことも考えられます。
郵送作業等はなかなかリモートで作業しにくいでしょうしね。
また、始めから郵送作業が滞ってしまう可能性を考慮して混雑しているという案内を出した可能性もあります。
このあたりの詳しいことは中の人にしかわかりませんので完全に推測になりますが・・・
国民年金基金の処理が滞った可能性
もう一つ考えられるのが数字のズレです。
新規加入者数は国民年金基金が処理したのタイミングで計上されます。
ですから国民年金基金も在宅勤務などで処理が通常より遅くなりずれている可能性もあります。
そうなると5月くらいのデータをみないと実際に新型コロナウィルスでの株価暴落でイデコの加入者数が増えたのかは見えてこないことになります。
こちらも詳しいことは中の人にしかわかりませんので完全に推測になりますが・・・
報道をそのまま鵜呑みにするのは危険
多くの報道は始めに結論ありきで書かれているケースが多いです。
ですから報道をそのまま鵜呑みにするのは危険なんです。
今回の記事はどうかわかりません。
しかし、今回の実際でてきた新規加入者数を見る限りiDeCo(イデコ)の加入者が新型コロナウィルスでの株価暴落で増えているという結論が先にあり、使えそうなデータをひっぱって記事にしている可能性も考えられますね。
数字は嘘をつかない。嘘つきが数字を嘘に使う
この手の報道の多くに統計の嘘、ごまかしが入っているケースがあるんですよ。
統計の世界に有名な言葉があります。
って言葉です。
ちゃんとした新聞社や雑誌社、テレビ局などが報道していると本当のことだ。と思ってしまう方が多いです。
しかし、実際は結論が先にあり報道しているケースもおおいですから自分でしっかり元データを確認する癖をつけたいところですね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「新型コロナの株価暴落でiDeCo(イデコ)の加入者は本当に増えたのかを検証してみた」と題してiDeCoの新規加入者が新型コロナで本当に増えたのかをみてきました。
今回、見た所実際にはそこまで増えているということは言えないという結論になりました。
ただし、前述したように国民年金基金の処理が遅れていてまだ増えた部分が反映されていない可能性も少しありますので来月の新規加入者数も注目ですね 。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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