キャッシュレス決済の5%ポイント還元が6月末終了。今消費者が備えるべきことはこれだ

2019年10月の消費税増税に合わせて鳴り物入りで導入されたキャッシュレスで支払うと5%もしくは2%が還元される「キャッシュレス・消費者還元事業」。

利用できる店が中小・小規模だけと微妙な部分もありましたがだいぶ普及してきました。

しかし、当初の予定どうりに6月末で終了することになりそうです。

新型コロナウィルスの経済危機で延長する案もでていましたが、国民一人当たり10万円を給付する「特別定額給付金」、売上が半減した中小企業等に最大200万、個人事業主に100万円を支給する「持続化給付金」などが導入されたことやマイナンバーカード保有者増を目指して実施されるマイナポイントを普及させるために立ち消えとなったようです。

今回は「キャッシュレス・消費者還元事業」が6月末で終了する件を考えてみましょう。

キャッシュレス・消費者還元事業とは

まずは6月末で終了するキャッシュレス・消費者還元事業のおさらいをしておきましょう。

キャッシュレス決済還元事業概要
キャッシュレス決済還元事業概要

出典:経済産業省「キャッシュレス・消費者還元事業」より

ちょっとわかりにくい制度ですが、簡単に言えば中小・小規模事業者でキャッシュレス決済で支払うと5%の還元。中小・小規模事業者でもフランチャイズ加盟店だと2%を消費者が還元されるってことです。

一般の中小・小規模事業者:消費者還元5%
フランチャイズ等:消費者還元2%

街の小売店や飲食店はもちろん、ヤフーや楽天などでの出店店舗などのネット通販でも一部が対象となっていますので実際に利用していた方も多いでしょう。

他にも中小・小規模事業者に対しては加盟手数料の引き下げや端末導入負担ゼロ、手数料の補助もありました。

要は世界的に見て後進国となっていたキャッシュレス決済を日本で浸透させたいと試みた制度なのです。

この政策があたったのかはわかりませんが、多くの中小・小規模事業者でもPayPayなどのキャッシュレス決済が利用できるようになってきました。

6月末の終了は予定どうり

今回の6月末の終了は予定どうりなんですよ。急遽決まった話ではなく延長されなくなったというだけです。

2019年10月から2020年6月までの9ヶ月間

実施期間はもともと消費税が増税された2019年10月から6月末と決まっていたのです。

6月末となっていたのはオリンピックまでになんとかしたいという話でしたね。

オリンピックが延期したのでそのままこの制度も延長すると思っていたのですが・・・


キャッシュレス・消費者還元事業が終了するとどうなる?

このキャッシュレス・消費者還元事業が終了すると2つの点で大きな問題が生じることになります。

キャッシュレス決済の利用店舗が減るかも

あまり注目されていませんが、個人的に一番危惧しているのはこの点です。

キャッシュレス決済を利用できる店舗が減る可能性が大きいのです。

今回のキャッシュレス・消費者還元事業は消費者向けの5%or2%の還元が目立っていますが、店舗向けの手数料を負担してくれる部分もかなり大きかったんですよ。

端末代が無料だったり、加盟店手数料を実質2.17%以下にするようになっていたのです。

それがなくなるとなると高い加盟店手数料を回避して利用をやめてしまうお店が増えると予想されるのです。

クレジットカードの手数料はもともと高いところだと5%程度掛かっていました。(客層に若い女性が多く貸し倒れが多かったエステ店など10%取られていたところも聞いたことがあります)

これがキャッシュレス・消費者還元事業が終了して元に戻れば利益が3%近く減ることになりますからお店側からしたらかなり厳しいですよね。

特に新型コロナウィルスでかなり資金繰りが厳しくなっている飲食店や小売店はキャッシュレス決済をやめて現金オンリーにするという判断をしたとしてもわからないでもないのです。

すでにキャッシュレス決済の利用を辞める店も

すでに近所にある人気の寿司屋さん(個人店)もキャッシュレス決済の利用を先日から停止しています。

せっかくCMでおなじみのリクルートのAirレジ及びAirペイを導入していたのに・・・

おそらく新型コロナウィルスの影響で資金繰りが悪化したのでしょうね。

キャッシュレス決済を使うと前述のように手数料が発生しますし、現金でのやり取りと違って入金まで時間がかかりますので資金繰り的には厳しいものがあるのです。

キャッシュレス決済を利用することでお客さんが増えなければマイナス面の方が大きくなってしまうんですよ。

消費者側のお得度が激減

当然、消費者側も大きなマイナスとなります。

今まで5%もしくは2%還元されていたものがされなくなるわけですからね・・・

すでにキャッシュレス決済の還元争いもそれほどなくなってそれほどお得感もなくなってきた状況にさらに追い打ちとなりますね。


キャッシュレス・消費者還元事業が終了に備える

それでは消費者側として今回のキャッシュレス・消費者還元事業の終了にどのように備えればよいのでしょうか?

6月末までに買う

まず考えられることはキャッシュレス・消費者還元事業で買っている必要なものや欲しい物で日持ちがするものは極力6月末までに買うようにするってことです。

5%還元されるかされないかはかなり大きいですからね。

特に今は新型コロナウィルスでダメージを受けたお店も多いことから在庫一掃の大盤振る舞いのセールをしているケースも見受けられます。

マイナンバーカードを作っておく

政府ではキャッシュレス・消費者還元事業の代わりとしてマイナンバーカード保有している方向けのマイナポイントなる制度を導入するとしています。

マイナポイント制度概要
マイナポイント制度概要

出所:総務省「マイナポイント事業」より

マイナポイント事業とは簡単に言えばマイナンバーカードを使って決済をすると最大25%(上限5,000円)を還元される仕組みのことです。

その際に付与されるのがマイナポイントです。

5,000円あげるからマイナンバーカード作ってよ・・・ってのがこの制度の本音かもしれません(笑)

もらったマイナポイントの使い方等の詳細はまだ出ていませんが、どうやらPayPayなど一つのキャッシュレス決済を選択して紐付けするようです。

上限が5,000円ですからそこまで魅力的な制度ではありませんが、2020年9月1日からスタートですので混み合う前にマイナンバーカードを用意しておくのがおすすめですね。(マイナポイントの申込自体は7月からスタートとのこと)

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

まとめ

今回は「キャッシュレス決済5%還元が6月末終了で備えるべきこと」と題してキャッシュレス・消費者還元事業が6月末で終了する話をみてきました。

個人的な意見としては消費がこれだけ落ち込んでいるわけですから、Go toキャンペーンなど一部業種だけ優遇する政策で大金を使うよりもこのキャッシュレス・消費者還元事業を延長させるほうが重要だと思います・・・

なんとか延長してくれないかな・・・2次補正予算で案も出ていないので望み薄ですけどね。

具体的に本キャンペーンによりどれくらいのキャッシュレス決済が浸透したのかのデータはこちらを御覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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