日本にはかなりややこしい団体が複数あります。
とくにわかりにくいのが商工会議所と商工会ですね。
同じものだと認識している方も多いですが違うんですよ。
さらに民主商工会(民商)や青年会議所など似たような名前の団体がたくさんあります。
今回は豆知識としてこれらの団体について見ていきます。
商工会議所とは
商工会議所とは昭和28年8月に制定された「商工会議所法」という法律によって運営されている特殊法人です。
管轄は経済産業省 経済産業政策局となります。
原則として市に設立された公的団体です。
活動内容
具体的な活動としてはその地区内における商工業の総合的な改善発展を図るとともに、社会一般の福祉の増進に資することを目的としています。
確定申告などの記帳指導が一般的なイメージですが、最近は金融、補助金の活用や経営セミナーなど経営支援などにも力を入れています。
また、簿記検定、販売士などの検定も実施していますね。
簿記検定は種類がいくつかありますが、その中で一番メジャーなのが日本商工会議所主催の簿記検定です。
また、国民年金基金や小規模企業共済、中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の窓口にもなっています。
市に設立されていますから、市等からの補助金と会員から集める会費で運営されています。
職員の扱い
なお、職員は公務員ではありません。
団体職員という扱いです。
ただし、法律に則って設立された団体ですから準公務員(みなし公務員)とされています。
給料は商工会議所によってことなりますが、同じ市の市役所職員に準拠した扱いになっているところが多いですね。
商工会議所の会員になるメリット
商工会議所の会員になるとどういったメリットがあるのでしょう?
以下のようにいろいろなメリットがあります。
記帳指導
商工会議所のメイン業務の一つが記帳指導です。
日々の会計処理や確定申告などのサポートをしてくれます。
記帳指導のために会員になっているかたも多いですね。
経営相談・サポート
もう一つのメリットが経営相談やサポートが受けられることです。
弁護士、司法書士、税理士、中小企業診断士、社会保険労務士などの専門家の相談が受けられるエキスパートバンクという派遣制度があったり、会員向けに無料相談窓口が開設されていたりします。
また、ミラサポの専門家派遣制度の窓口になっていたりもします。
なお、ミラサポの専門家派遣制度は2021年4月からは中小企業119となります。※中小企業119は2024年3月までで終了するそう。
補助金
商工会議所と商工会が扱う補助金に「小規模企業者持続化補助金」というのがあります。
この補助金は商工会議所と商工会の支援が前提となった補助金ですから会員になっている人の方が申請はしやすいと思われます。(会員でなくても申請は可能ですが)
マル経融資
商工会議所に加入している方向けの「小規模事業者経営改善資金融資」通称「マル経融資」が受けられます。
無担保、無保証で金利も低めと優遇された制度ですね。
福利厚生
健康診断や保険など中小企業だとなかなか従業員に支援しにくい福利厚生を提供してくれるサービスも行っています。
会員同士の交流
商工会議所の会員同士が繋がりやすいイベントを提供している場合もあります。
ビジネス交流会や商談会といった感じですね。
また、商工会議所によっては部会があり、部会ごとにイベントが開催されたりもしています。
私の元にも年に数回部会の旅行案内が来ますね。
一度も参加したことはありませんが・・・
一時支援金
新型コロナの緊急事態宣言で売上が落ち込んだ企業にお金を出した「一時支援金」の申請をする際に必要な事業確認も商工会議所はやっていますので会員なら無料で受けられましたね。
今後も同様なことがあった場合には助かりそうです。
会費
商工会議所の会費はその商工会議所や事業規模等により異なります。
例えば私が加入している商工会議所は年間12,000円からですね。
この金額が高いと思うか、安いと思うのかはどれだけ商工会議所を利用するかでしょう。
上記のメリットが上手く享受できるなら安いでしょうし、私のように全くつかわなければ会費を払うだけで終わってしまう感じです。
なお、会員になって退会も可能ですが注意事項があります。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
商工会とは
商工会と商工会議所は根拠となった法律がそもそも違う団体です。
商工会は「商工会法」に基づいて運営されている特別認可法人です。
管轄は経済産業省 中小企業庁となります。
管轄も商工会議所とは微妙に違うんですね。
また、原則として市の区域の商工会議所に対して、商工会は町村が対象です。
ただし、最近は市町村合併なんかがあり、同じ市に商工会議所と商工会の両方があるケースなんかもありますが・・・
活動内容
活動内容は商工会議所と商工会は活動内容はかなり似ていますが、多少違いもあります。
商工会議所は中小企業の支援だけでなく大企業なども含めた事業を行っていますが、商工会は主に地域の中小企業や個人事業主(小規模事業者)が対象となります。
ただし、ほとんど活動は同じですから一般的に市などに住んでいれば商工会議所、町村に住んでいれば商工会という感じで捉えれば良いでしょう。
職員の扱い
商工会の職員も商工会議所職員と同じで団体職員という扱いです。
こちらも法律に則って設立された団体ですから準公務員(みなし公務員)ですね。
ただし、商工会議所と少し違うのが準拠しているのは県庁の職員というところでしょう。(地区によるかも)
商工会議所は基本的に市ごとの運営ですから転勤等はあっても市内ですが、商工会は商工会連合会として県単位の所属となりますので県内でしたら転勤の可能性があります。
前に知り合った商工会の職員さんは家を建てたあとで転勤となり、毎日200キロ近く通勤していると言ってましたね・・・
商工会の会員になるメリット
提供しているサービスはほぼ同じですからメリットも商工会議所と同じですね。
記帳指導もしてくれますし、エキスパートバンクもあります。
経営相談も受けてくれます。
セミナー等も実施しています。
会費
会費は商工会によって異なります。
おおむね1ヶ月あたり1,000~2,000円程度とのこと。
民主商工会とは
もう一つ民主商工会(民商)という団体もあります。
こちらは商工会と名前は似ていますが、民間の団体で根拠となった法律等はないようです。
なお、別団体ではありますが、日本共産党と共闘関係にあります。
活動内容
自営業・小企業・フリーランスなど、小規模な事業者が助け合い、励まし合って、営業と暮らしを守る団体で「中小業者の利益をまもる」ための様々な運動を行っています。
職員の扱い
こちらも団体職員です。
ただし、商工会議所や商工会とは違い法律に基づいて作られた団体ではありませんから一般の会社員の方と同じ扱いとなります。
民主商工会の会員になるメリット
民主商工会も商工会議所と同様に記帳支援や資金繰りの相談にのっているようです。
会費
会費は地区によって異なるとのこと。
月額数千円程度とのことです。
青年会議所とは
青年会議所(JC)は他とかなり毛色が違います。
名前の通り、青年のための団体で20歳から40歳までという年齢制限が設けられた団体となります。
活動内容
活動内容は主にボランティアや社会的課題解決です。
あとは会員同士の親睦会的なのもよく行われているとのこと。
青年会議所の会員になるメリット
青年会議所はボランティアや社会的課題解決を目的として活動しているので直接のメリットはあまりないと思われます。
ただし、会員は中小企業の2代目とか新規開業した社長や個人事業主などが多くここで横のつながりを作るのが目的となっている方も多いようです。
青年会議所に加入していた知り合いはここ知り合った方からの仕事が9割くらいと言っていましたね。
横のつながりが上手く作れたのでしょう。
私もその方に誘われましたが、群れるのが嫌いのため加入していません。
会費
青年会議所は基本的に会費のみが活動原資です。
そのため、会費は少し高めです。
こちらも地区により異なりますが、私が住んでいる地区は入会金が6万円、年会費が12万円となっていましたね。
前述のように横のつながりができて仕事がたくさん取れるなら高くはないでしょう。
他も同じですが、上手く活用できなければ高い会費となってしまいますが・・・
まとめ
今回は「商工会議所、商工会、民主商工会、青年会議所の違いわかりますか?」と題して名前が似た4つの団体の違いを見てきました。
ややこしいですが、ぜんぜん違う団体ですから違いは知っておきたいところですね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。