金融庁が小学生向け「うんこお金ドリル」を公開。お金の勉強は早いほうがよい

金融庁がかなり面白いコンテンツを出していますのでお知らせします。

小学生の間で流行っている株式会社文響社が出版する、全ての問題に「うんこ」を使って作られた学習ドリルの「うんこドリル」。現在、シリーズ累計で820万部の発行とのことです。

そのお金の勉強版の「うんこお金ドリル(うんこドリル×金融庁)」を公表したのです。

大人からすると「うんこ」の必要性はあるのか??って思わないでもないですが、小学生からすると人気のある「うんこドリル」を利用したほうがとっかかりがよいのでしょうね。

今回はこの件をみていきます。

※追記:第二弾経済編も公開されています。

うんこお金ドリルとは

 金融庁では、金融経済教育の推進に取り組んでおり、大学・高校等での出張授業を実施していますが、「もっと早く金融のことを学びたかった」という声を多くいただきます。
このため、株式会社文響社の協力のもと、子どもたちに訴求力の高い「うんこドリル」と連携し、インターネット上でお金について楽しく学べる、小学生向けコンテンツ「うんこお金ドリル」(うんこドリル×金融庁)を作成しましたので公表します。

出典:金融庁 小学生向けコンテンツ「うんこお金ドリル」の公表について

お金の勉強は早いほうがよいと言われますが、そのお金の勉強を小学生のうちから実践しようという取り組みなのでしょうね。

幅広くお金の勉強をできる

私も実際にやってみましたが、大人からすれば当たり前だろ。。。って思うことがほとんどですが、小学生のうちからお金についてのこいった概念を勉強したり、頭に入れられるのはとても有益でしょうね。

もう少し設問を増やして欲しいところですが、今後に期待です。

なお、内容はネタバレを嫌う人もいると思いますので書きません。

興味ある方は実際に試してみてください、

なお、「うんこドリル」は今回ではじめて読んでみましたが、想像したよりもうんこ要素は感じませんでした笑

うんこお金ドリルはネット上で無料公開

「うんこドリル」はドリルですから書籍として販売されているものですが、今回公開された「うんこお金ドリル」はネット上で公開された無料コンテンツとなります。

下記の金融庁のウェブサイトの他、株式会社文響社でも公開されるとのこと。

後日、もしかしたら書籍としても販売されるのかな?


日本は世界的にお金の教育が遅れている

日本人は欧米各国の人々と比べるとかなりお金の知識(金融リテラシー)が不足していると言われています。

日本ではお金は汚いものといった認識がある親も多く、「子供の前ではお金の話はするな!!」といった話も聞きますね。

これは教育による部分が大きいと思われます。

実際に小学校・中学校の義務教育ではほとんど金融・経済教育に関する教育が行われていないのです。

親もそうやって育ってきていますのでお金は汚いものだという刷り込みがつよくなってしまっているのです。

今回の「うんこお金ドリル」のような取り組みが少しでもそういったお金に対しての概念を変えてくれると良いですね。

世界的投資家ジム・ロジャーズは子供に・・・

ちなみに世界的な投資家として有名なジム・ロジャースはお金の教育のために娘に成人するまでに必要なお金を一括で渡してあとは君の好きなようにしなさい。としたそうです。

それは極端な例ですがお金の知識は生きていくために本当に必要ですから今回のうんこお金ドリルはそういったきっかけになりそうですね。

なお、ジム・ロジャーズのお金の教育に興味ある方はこちらからどうぞ

日本の義務教育での金融・経済教育

ちなみに日本はかなり遅れています。

下記は「金融経済教育を推進する研究会」が行った調査「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」の結果の抜粋です。

質問内容:現在、金融経済教育を行っている年間の時間数はどの程度か、学年ごとにご回答ください。

中学1年生「0時間」74.2%
中学2年生「0時間」58.2%
中学3年生「「1時間〜5時間」44.6%
高校1年生「「1時間〜5時間」60.9%
高校2年生「1時間〜5時間」49.3%
高校3年生「1時間〜5時間」47.7%

つまり、ほとんど金融・経済教育(つまりお金周りの教育)が行われてていないということになります。

イギリスの義務教育での金融・経済教育

ちなみにこの分野で進んでいるのがイギリスです。

イギリスでは小学校低学年から高校生くらいまで継続して金融教育を行う仕組みを構築しています。

とくに14歳~16歳の学生は金融システムのあり方を 含む、経済の授業が必修必須教科となっているんですよね。

数学

例えば数学の金融リテラシーに重要であると位置づけられ金融における利率、単位価格なども数学の重要項目として学ぶことになります。

シチズンシップ

また、シチズンシップでも金融教育が行われてます。シチズンシップは日本では馴染みがない科目ですが市民としての資質・能力を育成するための教育のことです。

シチズンシップでは「生徒が毎日使うお金を管理できるようにするとともに、将来に必要となるお金を計画できるようにする」ことが目的の一つとして定義され貨幣の役割と使用、予算を立てることの重要性と実践、リスク管理が教育されています。

所得と支出、クレジットと借金、貯蓄と年金、金融商品と金融サービス、税金もカリキュラムに入っています。

ジュニアISA

また、イギリスにはジュニアISAという仕組みがあります。子どもの将来のための資産形成を目的とした制度のことですね。

いろいろ違いはありますが日本のジュニアNISAと同じような制度です。面白いのが口座保有者が16歳になると自ら運用することが可能となることです。

投資などのお金を勉強するには実践するのが一番ですからこれはとてもよい取り組みですね。

ISAのような素晴らしい制度が普及するのにはこういった土壌もあるのでしょうね。

ISAについて詳しくは下記記事をご覧ください。

日本人は実際に金融知識に乏しい

また、実際に金融知識も他国と比べると低いというデータもでています。

下記は知るスポットが行った「金融リテラシー調査2019」の結果です。

パーセンテージは正答率を示しています。

金融問題をどれだけ解けたのかの平均でみると日本は47%に対しアメリカは53%とかなり大きな差となっていますね。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

日本アメリカ
複利44%75%
インフレ55%59%
住宅ローン70%75%
分散投資47%46%
債券価格24%28%
72の法則42%33%

出所:金融広報中央委員会「知るすぽっと」金融リテラシー調査2019より

72の法則と分散投資以外はアメリカのほうが上となっており、アメリカと比べて日本はだいぶ金融知識が薄いと言えます。

特に複利の部分の差がかなり大きいですね。

ちなみにヨーロッパの国々と比べてもだいぶ劣る結果となっておりました。

2022年から高校の家庭科授業で資産形成

なお、国もこのような状況は問題があるとわかっているようで、義務教育ではありませんが、2022年度からは高校の家庭科範囲に投資信託などの「資産形成」が加えられるとのこと。

2022年度から始まる高校の新学習指導要領は、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定した。家庭科の先生が裁縫や調理実習に加え、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになる。教育現場では戸惑いも広がるなか、金融庁は「出張授業」や教材づくり、先生を対象にした投資イベントなどを通じて準備を後押ししていく。
出所:日経新聞 11/12 高校家庭科で「投資信託」 22年4月から授業

具体的には社会保険などお金全般の話に加えて「預貯金,民間保険,株式債券投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れるようにする」とのことです。

ただし、これ先生が教えられるのか?って疑問もありますけどね笑

ファイナンシャルプランナーとかが請け負うのかな?

私も公立高校から経営に関する授業の依頼を受けたことがありますが、あまりに報酬が安すぎて辞退したことがありましたので、外部から呼ぶのはなかなか難しい気もしますが。。。


まとめ

今回は「金融庁が小学生向け「うんこお金ドリル」を公開。お金の勉強は早いほうがよい」と題して「うんこお金ドリル(うんこドリル×金融庁)」についてご紹介しました。

小さいお子さんをお持ちの方はぜひうんこお金ドリルやってもらってみてくださいね。

また、日本は先進国でもお金の教育が遅れていると言われています。

今回のうんこお金ドリルは最初の一歩くらいのレベルですが今後もこういった国民の金融リテラシーを上げる取り組みには期待したいところです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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