先日、日経新聞が興味深い記事を出していました。
つみたてNISA対象の投資信託のすべてが含み益になっているというのです。
今回の試算によると、すべての対象ファンドが3年半の積み立て投資で評価損益がプラスだった。
出典:日経新聞 つみたてNISA対象投信、すべてが含み益に より
今回はこの件が本当なのか、統計上のごまかしなどがないのかを考えてみました。
つみたてNISA対象の全投資信託が含み益
投資信託は購入するタイミング、売却するタイミングによって当然利益が大きく変わります。
つみたてNISA対象商品も同様ですよね。
まずは今回の日経新聞の記事となっている前提条件から確認してみましょう。
日経新聞の記事の前提条件
つみたてNISA対象の全投資信託が含み益になったという計算の前提は以下のとおり。
18年1月に積み立てをスタートし、21年6月までの42カ月にわたり毎月月末の基準価格で買い続けたケースについて、21年7月末時点で評価した。年間の非課税枠40万円を目いっぱい活用し、毎月3万3333円ずつ購入したことにする。投資元本の合計は約140万円で、21年7月末の評価損益がいくらになったかを計算した
出典:日経新聞 つみたてNISA対象投信、すべてが含み益に より
つまり、今回の前提条件はつみたてNISAのスタートから毎月上限まで買い続けた場合ということですね。
日経新聞の前提条件での結果
その結果は以下の通り。
出典:日経新聞 つみたてNISA対象投信、すべてが含み益に より
最も含み益が大きいのは「楽天・全米株式インデックスファンド」で評価額は210,6万円となっています。3年半で元本は140万円くらいですから含み益は70.6万円以上になっています。
1,5倍くらいとなかなかの成績です。
ここ数年のアメリカ株の強さを表した結果となっていますね。
逆に最も成績が悪かったのは「東京海上・円資産インデックスファンド」です。
こちらは評価額142.7万円。元本が140万円ですから一応プラスではあります。
それでも含み益は2.7万円はでています。
なお、東京海上・円資産インデックスファンドは国内の債券や株式、REITに投資をするバランスファンドです。
投資比率を見ると70%国内債券、15%TOPIX、15%国内REITとなっていました。
国内債券は2020年でマイナスだったり厳しい状況のものですので70%も組み入れてればそうなりますよねって結果ですね。
この算出方法ならたしかに全銘柄が含み益というのは正しい結果ということになります。
つみたてNISAをはじめた人がすべてプラスとは限らない
ただし、つみたてNISAをはじめた人がすべてプラスとは限らないということは知っておくべきです。
全銘柄がすべて含み益なのはあくまでも18年1月に積み立てをスタートから積立続けた人というだけですからね。
例えば新型コロナが蔓延を開始した2020年3月頃にはほとんどのつみたてNISA対象の投資信託は大きなマイナスとなっていました。
そのため、
- コロナでの暴落時に全部売却した人
- コロナ暴落からしばらく積立を取りやめた人
- 始めるタイミングが株の高騰後
の方の場合にはマイナスとなっている方もみえると思われます。
それ以外でもマイナスの時期はありました。
投資の世界は山あり、谷ありなんですよ。
6ヶ月リターンをみるとマイナスの投資信託もチラホラ
実際に、直近6ヶ月のトータルリターンではつみたてNISA対象の投資信託でもマイナスとなっているのがチラホラあります。
例えば7月末時点の6ヶ月トータルリターンで最も悪いのは「野村インデックスファンド・日経225」で-0.95%となっています。
その他も日経225をベンチマークとした投資信託は軒並みマイナスとなっていますね。
つまり、いくらずっと積み立ててればプラスになる投資信託ばかりだとはいえ、切り取るタイミングによってはマイナスとなり得るということなのです。
売買のタイミングを図るのはプロでも難しいです。
特に人はそもそも投資に勝ちにくい心理面のハンディーがあるんですよ。
そのために悪いタイミングでの売買が多くなってしまうのが常なのです。
3年リターンだとすべてのつみたてNISA対象投資信託がプラス
しかし、今回の日経新聞のデータとほぼ同じですが、3年リターンで見るとつみたてNISA対象の投資信託はすべてプラスとなっています。(2021年7月末時点データ)
最も良いのは「楽天・全米株式インデックスファンド」で17.58%プラス(年率)、最も悪いのは「東京海上・円資産インデックスファンド」で0.79%(年率)と日経新聞の計算と全く同じです笑
まあ、3年のトータルリターンと3年半の毎月積み立ての結果ですから同じような結果となるのでしょう。
心理面に負けず、続けることが大事か?
今回の結果から言えることは心理面に負けずに続けることが大事であるということですね。
つみたてNISAは20年間非課税で運用できる制度です。
20年間という長い期間であることを考えれば今後も暴落などが何度か訪れる可能性があります。
その際も継続できるかが重要になりますね。
遅すぎることはない
また、つみたてNISAをはじめれていない方の中には「すでに株は高値圏にあるから・・・」と躊躇している方も多いようです。
しかし、20年という長い期間を考えれば遅すぎるということはないですよ。
前述のように売買のタイミングを図るのはプロでも難しいですから、暴落のタイミングを狙うというのはあまり得策とはいえません。
まとめ
今回は「つみたてNISA対象の全投資信託がすべてプラスなのは本当なのか?」と題してつみたてNISA対象投資信託の成績についてみてきました。
たしかにここ3年程度は一時的な新型コロナが広まったことによる暴落はありましたが、その後の高騰でかなり恵まれた投資環境でした。
そのため、このような全部がプラスというすごい状況となっています。
もともとつみたてNISAは金融庁が対象とする投資信託を選別しているのも大きいんでしょうけどね。
つみたてNISA・NISAに加入するなら2社が有力
つみたてNISA・NISAは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ほど証券会社の差はありません。
選ぶ際のポイントは取扱商品と注文の仕方です。その点を加味すると下記のSBI証券、楽天証券が有力となります。
SBI証券と楽天証券はつみたてNISAをクレジットカードで利用でき、ポイントが貯まるのが大きいですね。
SBI証券
SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などは一番優れていますので楽天カードを使っていない、使わない方には筆頭候補となるでしょう
SBI証券はなにより注文の自由度がかなり高いのがいいですね。
2021年6月30日から三井住友カードで投資信託が購入できるようになり、楽天証券と比較して負けている点がなくなりましたね。
そのあたりも加味して考えると現在最強と言ってもよいのがSBI証券でしょう。
なお、クレジットカードでの投資信託購入時の付与ポイントは楽天証券が1.0%なのに対して、SBI証券は通常の三井住友カード(NL)が0.5%、 三井住友カード ゴールド(NL)が1.0%、プラチナカードが2.0%です。
プラチナカードは年会費は55,000円(税込)ですからなかなかハードルが高いです。
しかし、ゴールドカードならは5,500円(税込)の年会費が掛かりますが、年間100万円(税込)のご利用で翌年以降の年会費永年無料となっていますので無料条件クリアできる人ならおすすめできるカードです。※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。
わたしも三井住友カード ゴールド(NL)にしましたね。
資料請求等はこちらから
SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。
楽天証券
楽天証券最大のメリットは楽天カードでつみたてNISAの投資信託等を購入できることです。
楽天カードを利用することでポイントが付きますので他の証券会社には真似がしにくいかなりのストロングポイントとなっています。
楽天カードを利用しているなら楽天証券がおすすめですね。
資料請求等はこちらから
楽天証券はなによりも楽天カードや楽天キャッシュで投資信託を購入すると楽天ポイントが付くのが大きなメリットです。さらにSPU(楽天スーパーポイントアップ)の対象になり、さらに楽天市場での買い物でポイントがつきやすくなります。
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