個人型確定拠出年金(iDeCO)の加入対象範囲が広がってから1年が経ちました。
その間に各社が競争を繰り広げていますので条件のよい金融機関、そうでもない金融機関、条件の悪い金融機関と大きく差が出てきています。
そこで考えるのが他の金融機関への変更(運営管理機関変更)です。
個人型確定拠出年金(iDeCO)の加入対象範囲から1年
今回は運営管理機関変更について考えて見たいと思います。
運営管理機関変更したほうが良いのか悪いのか
個人型確定拠出年金(iDeCO)で運営管理機関の変更を考えたことのある人もそれなりにいるでしょう。
例えばマネックス証券 iDeCoが信託報酬最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを引っさげて参入したときなどです。
最近だと松井証券もかなり良い条件で参入します。
後発になればなるほど相手の研究して参入できるので条件がよくなるという感じになっています(笑)
そのため変更を検討するのも仕方ありません。
しかし、ちょっと考える必要があることがあります。
それは運営管理機関変更に掛かる手数料4,320円(税込み)です。
まず問題はこの元が取れるかということです。
また、変更にかかる期間です。
携帯電話のMNPのように当日に移行できるわけではなく2ヶ月近くかかります。(タイミングによってはもっと掛かることも・・・)
その間の機会損失も存在します。
これらを踏まえて考える必要があるのです。
口座管理手数料がかかる金融機関を使っている場合
まず、現在口座管理手数料がかかる金融機関をつかっている場合から見ていきましょう。
この場合、結論から言うと変更したほうが良いかもしれません。
現在、口座管理手数料は無料のところが多くなっています。
しかし、地方銀行をはじめ結構高いところがあります。
一番高いところは月額450円とっています。
無料のところとの差は年額で5400円。
20年使うとすると108000円
30年使うと162000円
の差がでます。
4,320円(税込み)の手数料を払ったとしても1年もかからずに元がとれるのです。
また、口座管理手数料が有料のところは投資信託の信託報酬が高いところが多いです。
そこでも大きな差がでます。
そのため機会損失を考えても
口座管理手数料がかかる金融機関を使っている場合は変更をおすすめします。
口座管理手数料が無料の金融機関を使っている場合
次に口座管理手数料がすでに無料の金融機関を使っている場合です。
この場合はなかなか難しい選択となります。
口座管理手数料無料のところに移れば口座管理手数料は同じですから差は運用商品の信託報酬になります。
例えば現在各カテゴリーで1番信託報酬が安い投資信託を揃えているマネックス証券 iDeCoと加入者数1位のSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」の場合で見ていきましょう。
口座管理手数料等の条件は両方とも無条件無料です。
そのため差は投資信託の信託報酬のみです。
先進国株式に全額投資をしたとして考えてみましょう。
マネックス証券 iDeCoの先進国株のカテゴリーで信託報酬最安値はeMAXIS Slim 先進国株式インデックスで信託報酬は0.11826%(税込)です。
SBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」の先進国株のカテゴリーで信託報酬最安値はニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックスで信託報酬は0.20412%(税込)です。
差は0.08586%です。
これを運営管理機関変更に掛かる手数料4,320円(税込み)で割ると5,031,446円となります。
つまり500万円くらい運用資金があれば1年間で4,320円くらい差がうまれることを示します。
しかし、よく考えてみてください。
個人型確定拠出年金(iDeCO)に拠出できる上限は
自営業などで月額68000円(年間816000円)
サラリーマンの場合企業年金加入者で月額12000円(年間144000円)、企業年金未加入者で月額23000円(年間276000円)
公務員の場合も月額12000円(年間144000円)しかありません。
なかなか元がとれるほど運用することができないのですよね・・・
もしこのまま、マネックス証券 iDeCoとSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」の取扱投資信託が同じなら乗り換える価値はもちろんあります。
しかし、4,320円(税込み)の手数料部分の差が埋まるまでにそれなりにかかりますので、そこまでのスパンで考えると新しい投資信託の導入で一気に流れが変わる可能性もあるのです。
例えばSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」につみたてNISA向けで出ている投資信託SBIアセットマネジメントのEXE-i つみたて先進国株式ファンド(信託報酬0.1155%程度)が入れば互角ですし、ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックスが値下げする可能性もあります。
また、今はない新しい投資信託も出てくる可能性もあります。
これらの事を考えると口座管理手数料が無料の金融機関を使っている場合は変更は微妙。(今後次第なのでどちらが得かわからない)
という結論になります。
わたしなら手数料、手間、機会損失を考えてよほどの差がないかぎり乗り換えませんね・・・。
手数料、手間、機会損失をかけて変更したのに元の金融機関の方がよい運用商品でも出た日には目が当てられませんしね。
まとめ
今回は個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理機関の変更について見てみました。
いろいろな条件が絡んできますので一概には言えないでしょうがわたしの結論はこうです。
口座管理手数料がかかる金融機関を使っている場合は変更したほうが良い。
口座管理手数料が無料の金融機関を使っている場合は変更は微妙(今後次第なのでどちらが得かわからない)
慎重に検討してみてくださいね。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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