MENU

moomoo証券は本当にやばいのか?勧告書を読んで分かった「4つの罪」と利用者がすべきこと

当ページのリンクには広告が含まれている場合がございます。
moomoo証券は本当にやばいのか?勧告書を読んで分かった「4つの罪」と利用者がすべきこと

「moomoo証券 やばい」

「moomoo証券 不祥事」

「moomoo証券 怪しい」

2026年6月5日を境に、こうした検索が一気に増えました。

きっかけは明確です。

証券取引等監視委員会が同日、moomoo証券株式会社を検査した結果、問題が認められたとして、内閣総理大臣および金融庁長官に対し、行政処分を行うよう勧告したからです。

証券取引等監視委員会:moomoo証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

ここで多くの記事が「中国系だから怪しい」「やっぱりね」という方向に流れます。

でも、ちょっと待ってください。

今回の勧告で本当に注目すべきは「どこの国の会社か」ではありません。

勧告書に書かれた具体的な事実関係そのものです。

この記事では、感情論を一旦脇に置き、SESCが公表した勧告書(一次情報)を最後まで読み込んだ上で、「moomoo証券は何をしたのか」「あなたの資産は大丈夫なのか」「勧めたインフルエンサーに罪はあるのか」を、順を追って冷静に整理します。

目次

そもそもmoomoo証券は「どこの国」の会社なのか

検索ワードに「moomoo証券 どこの国」がよく含まれているので、最初に事実を確認しておきましょう。

moomoo証券株式会社は日本の金融商品取引業者として登録され、ひびき証券を買収する形で日本でサービスを提供していると説明されています。

資本金は32億5000万円、常勤役職員91名、代表取締役社長は伊澤フランシスコ氏。

つまり、日本の金融庁に登録された、れっきとした国内の証券会社です。

ただし、その親会社をたどると話は変わります。

公式サイトによると、moomoo証券株式会社の親会社は米国Nasdaq上場のFutu Holdings Limited(富途控股)グループです。

創業者は中国出身で、テンセントが出資してきた経緯もあります。

つまり「日本で登録された証券会社だが、資本のルーツは中国・香港系のグローバル企業」というのが正確な答えです。

ここは誤解を招きやすいポイントなので、はっきりさせておきます。

今回の勧告は「中国企業だから処分された」のではありません。

日本の金融商品取引法に違反する業務運営があったから勧告されたのです。

ここで大事なのは、中国系だから危ない、日本企業だから安全、という単純な見方をしないことです。

国籍と法令違反は、切り離して考える必要があります。

勧告書が指摘した「4つの問題」を分解する

では本題です。SESCの勧告書は、大きく4つの問題を指摘しています。

一つずつ、できるだけ噛み砕いて見ていきましょう。

NISA対象外の商品を「NISA対象です」と偽って売った

これが今回の中核です。

moomoo証券は、NISAの対象商品をシステムへ登録する担当部署が除外要件を正確に認識しておらず、内部規程にも定めがなかったため、2025年2月21日から5月27日までの間、少なくとも米国ETFと米国ETN計77銘柄について、本来はNISA対象外であるにもかかわらず、自社サイトやアプリの注文画面で「NISA対象商品である」という事実と異なる内容を告げて販売した。

少し制度の話をします。

NISAの成長投資枠で買えるのはETF(上場投資信託)などで、ETN(上場指標連動証券、中身は外国社債券)や毎月分配型の投信などは対象外です。

これは租税特別措置法で定められたルールです。

moomoo証券は、この線引きを社内で正しく把握していませんでした。

結果として59人の顧客が、77銘柄のうち25銘柄について、NISA口座で売買を行ってしまったのです。

SESCはこれを金融商品取引法第38条第1号が禁じる「顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当すると認定しました。

ここで注目すべきは「故意の詐欺」ではなく「無知と態勢不備」だという点です。

誰かが利益のために意図的に騙したわけではなく、ルールを知らない・確認する仕組みがない状態で売っていた。

これはむしろ根が深い問題です。

悪意は是正できますが、態勢の欠如は組織文化そのものだからです。

間違いに気づいた後の対応が「著しく杜撰」だった

私が勧告書を読んで最も問題だと感じたのは、実はここです。

moomoo証券は顧客からの問い合わせで誤りに気づき、2025年5月27日に販売を停止しました。

普通の会社ならここで再発防止策を作ります。

ところが。

同社は内部規程の見直しやチェック態勢の構築といった実効性のある改善策を策定しなかったため、2025年11月19日から2026年1月14日までの間、再び対象外の米国ETF1銘柄を「対象」と偽って販売し、1人の顧客が買い付けた。

一度やらかして、半年後にまた同じことをやっているのです。

さらに顧客対応も問題でした。

同社は対象顧客に対し、課税口座への振替か約定取消かの二択しか示さず、銘柄ごとに別々の処理を希望しても対応しないと決定。

しかもこの決定は顧客の判断や税務申告に影響する情報であるにもかかわらず、個別に問い合わせた一部の顧客を除き、対象顧客に周知していなかった。

特定口座への振替を希望した顧客には、システム上一括処理ができないという自社都合のみを理由に対応しなかった。

加えて、対応の公平性も欠けていました。

1人の顧客の要望には応じて年間投資枠を是正した一方、人的リソース不足を理由に、残る58人の是正は2025年12月まで放置し、顧客によって異なる対応をしていた。

ミスは誰でもします。

問題はミスの後にどう振る舞うかです。

ここに、その会社の本性が出ます。

出庫が一律に拒否されていた

これは見過ごされがちですが、利用者には極めて重要な論点です。

証券会社には、顧客が「持っている株を別の証券会社に移したい(出庫したい)」と言えば、それに応じる義務があります。

保管振替機構(ほふり)のルール上、口座管理機関の責務だからです。

ところがmoomoo証券は、出庫の申請に応じることは「あくまでサービスの一環にすぎず、応じないことも許される」と誤認し、2024年4月以降、国内上場株式について顧客からの出庫申請を一律に受け付けていなかった(公開買付の場合を除く)。

2024年9月以降は、対応可能であるにもかかわらず公募投信の入出庫申請も一律に受け付けていなかった。

しかも自社サイトで「国内上場株式の出庫が可能となるよう対応する予定」と表示しながら、検査基準日時点でも実現に向けた対応を何ら行っていなかった。

SESCはこれを金商法第43条の「善良な管理者の注意義務」違反と認定しました。

平たく言えば、「入るのは簡単だが出るのは難しい」状態だったということです。

資産の出口を塞がれるのは、利用者にとって本質的なリスクです。

マネロン対策とシステム管理の不備

残る2つも軽くありません。

一つは犯罪収益移転防止法に基づく「疑わしい取引」の検討を、口座開設を断った顧客については「取引関係が生じていないので検討は不要」と誤認し、2023年9月から2025年7月17日までの間、少なくとも延べ1,531顧客について該当性を検討・判断していなかったこと。

もう一つはシステムリスク管理態勢です。

一部の基幹システムが情報資産台帳に明記されていない、脆弱性への対応に優先順位付けがされていない、システム障害の根本原因究明が不十分など、サイバーセキュリティを含むシステムリスク管理が広範に不十分と指摘されました。

情報セキュリティ委員会が問題を把握しながら改善を指示せず放置していたとも書かれています。

証券を巡っては不正アクセスが多発していたのにこの対応は怖いですね。

あわせて読みたい
ネット証券の不正アクセス対策を確認してみた|楽天証券の中国株事件から学ぶ安全な資産管理 先日もお伝えした通り、楽天証券でNISAを含めた保有資産を売却され、謎の中国株を買い多額の含み損になった方が発生しました。 この事件は、単なるシステム障害ではなく...

これは「中国企業の問題」ではなく「急成長スタートアップの宿痾」だ

ここまで読んで、何か気づきませんか。

4つの問題に共通する根っこがあります。

勧告書自身が、繰り返しこう書いています。

同社経営陣は新規口座開設の獲得など営業施策を優先する一方で、コンプライアンスの実践計画の策定・見直しに適切に関与しておらず、役職員のコンプライアンス意識の醸成に向けた十分な取組みを行っていない

これです。「成長優先、管理は後回し」。

私はここに、日本企業のガバナンス問題を長年見てきた者として、強い既視感を覚えます。

これは中国系企業に固有の話ではありません。

アクセルだけ全開で踏み、ブレーキの整備を忘れた急成長企業すべてに共通する病です。

歴史を振り返れば、ライブドアもそうでした。

事業拡大のスピードに内部管理が追いつかず、最後に足元をすくわれる。

新興のネット証券やフィンテック企業が、規模拡大の途中で監督当局の検査に引っかかるのは、実は珍しいパターンではないのです。

moomoo証券は株式の買付代金贈呈などの口座開設キャンペーンを展開して新規口座開設者数を増やしていました。

派手なキャンペーンで人を集める一方、その人たちを守る仕組みづくりが追いついていなかった。

今回の勧告は、その歪みが噴き出した結果だと、私は読んでいます。

つまり「moomoo証券 怪しい」の正体は、スパイ的な陰謀でも資金持ち逃げでもなく、地味で構造的な「管理態勢の未成熟」なのです。

陰謀論よりずっと退屈で、ずっと根が深い真実です。

では、moomooを勧めたインフルエンサー、ブロガーに「罪」はあるのか

ここが、あなたが本当に知りたい論点かもしれません。

事実から確認します。

moomoo証券にはアフィリエイト案件が存在し、口座開設1件につき数千円ほどの報酬がインフルエンサーやブロガーに支払われる仕組みがありました。

某ユーチューバーは多額のお金をもらって宣伝したことを公言していたましたね。

報酬が他の証券会社と比較してかなり高いんですよ。

そのため、2023年の時点ですでに、アフィリエイト目的で推奨する投資系インフルエンサーが急増していると指摘する声もありました

最近やけに「moomooがおすすめ」という投稿を見かけたな、と思った方。

その感覚は、おそらく正しいです。

ちなみにお金に生きるではmoomoo証券を紹介していません。

自分で良いと思ったものしか紹介しないようにしているためです。

ただし、ここで私は二つのことを公平に申し上げたいと思います。

アフィエイトはmoomooだけがでない

一つ目。アフィリエイト自体は国内の主要ネット証券のほとんどが採用している仕組みであり、moomooだけが特別というわけではありません。

紹介報酬を受け取ること自体は違法でも不道徳でもありません。

問題は「報酬があることを隠していたか」「リスクを伝えずメリットだけ煽ったか」です。

事前に実態を知るのは困難

二つ目。今回の勧告内容は、検査が入って初めて表に出たものです。

一般のインフルエンサーが、NISA登録業務の杜撰さや出庫拒否の実態を事前に知り得たかというと、それは難しい。

だから「処分される会社を勧めた」という結果論だけで全員を断罪するのは、フェアではありません。

インフルエンサー、ブロガーに問題があるケース

その上で、それでも問われるべき「罪」があるとすれば、それは次の一点に尽きます。

報酬を受け取りながら、それを明示せず、リスクやデメリット、運営体制への疑問に一切触れないまま「とにかくお得」「神アプリ」と煽ったかどうか。

ステマ規制(2023年10月施行)が始まった今、広告であることを隠した推奨は景品表示法違反になり得ます。

「PR」「広告」の表記なく絶賛だけを並べていたなら、それは情報の受け手に対する裏切りです。

発信者としての倫理的責任は問われるべきでしょう。

金融ジャンルの紹介は、通常の商品レビューより重い責任があります。

逆に、報酬の存在を開示し、機能の長所も短所も、運営元の素性も含めて誠実に書いていた発信者は、結果として処分があったとしても責められるいわれはありません。

罪があるのは「中国系を勧めたこと」ではなく「利益相反を隠したこと」。

ここを混同してはいけません。

ちなみにアフィリエイトするのにネガティブ表現は一切だめという会社もあるんですよ。

そういう会社は信用できませんよね。

あわせて読みたい
大手企業からアフィリエイト会社を通じて圧力が掛かった話。情報を全面的に信じるな【ステマ】 先日、かなり腹ただしいメールがあるアフィリエイト会社から届きました。 ある大手企業の商品について書いた記事を消せとの連絡でした。 この大手企業は記事の訂正や追...

インフルエンサーとの付き合い方

投資系インフルエンサーやブロガーの情報は役に立つこともあります。

私も、個人の体験談は貴重だと思っています。

ただし、証券会社の紹介については、基本的に広告として読むくらいでちょうどよいです。

インフルエンサーを全面的に信用するのではなく、自分で考えるクセを付けることが大事ですよ。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

あわせて読みたい
インフルエンサーを全面的に信用するな。自分で考える癖をつけよう 知り合いからある株を大量に買って損切りできずに困っているという話を聞きました。 その銘柄は私なら絶対買わないだろうという株だったのでなぜ買ったのか?と聞いたら...

moomoo証券利用者が今すぐ確認すべき3つのこと

では、すでにmoomoo証券を使っているあなたは、何をすべきでしょうか。

冷静に、次の3点を確認してください。

慌てて解約や全額出金に走る必要はない

今回はあくまで「行政処分の勧告」であり、業務停止や廃業ではありません。

この後に金融庁による業務改善命令などが出される段階です。

預けた資産が消えるという話ではありません。

取引履歴を確認しようつ

次にNISA口座で米国ETFや米国ETNを買った記憶がある方は、取引履歴を確認してください。

対象外商品を対象と誤認して買っていた場合、課税口座への振替などの処理が必要になります。

該当する59人+1人の顧客には個別対応が進むはずですが、自分から問い合わせる姿勢も大切です。

取引口座の選択基準の見直し

キャンペーンの豪華さやインフルエンサーの推し具合ではなく、内部管理態勢、出庫のしやすさ、コンプライアンスへの姿勢。

地味ですが、こここそが本当の「安全性」です。

まとめ

今回のmoomoo証券への処分勧告で、投資家が学ぶべきことは明確です。

証券会社選びを、キャンペーンやインフルエンサーの言葉だけで決めてはいけません。

もちろん、便利なアプリや低コストな取引環境は魅力です。

しかし、金融機関に求められる最も大事な価値は、派手さではありません。

正確さ。
安定性。
顧客保護。
トラブル時の誠実な対応。
制度を守る内部管理。

これらです。

投資は自己責任と言われます。

しかし、その「自己責任」の中には、どの商品を買うかだけでなく、どの証券会社を使うか、誰の情報を信じるかも含まれます。

有名インフルエンサーが勧めていた。
キャンペーンがお得だった。
アプリランキングが高かった。
広告でよく見た。

それだけで資産の置き場所を決めるのは危険です。

今回の件は、moomoo証券だけを責めて終わる話ではありません。

私たち投資家自身が、「紹介される金融商品」や「紹介される証券会社」とどう向き合うかを見直すきっかけにすべきです。

まずは、自分の口座を確認しましょう。

NISA口座で何を保有しているか。
年間投資枠は正しく処理されているか。
移管や出庫のルールはどうなっているか。
その証券会社をメイン口座にする理由は本当にあるか。

この4点を確認するだけでも、かなりリスクは減らせます。

投資で大切なのは、儲かりそうな情報に飛びつくことではありません。

自分のお金を置く場所を、冷静に選ぶことです。

今回のmoomoo証券問題は、その当たり前を思い出させてくれる出来事だったのではないでしょうか。

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
にほんブログ村
記事が参考になりましたらシェアお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
投資歴15年以上、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級、1級販売士、ファイナンシャルプランナー2級、年金アドバイザー3級持ちの私が「お金」についてどこよりもわかりやすくお伝えることを目指していきます。
詳しくこちらを御覧ください。>>運営者情報

目次