最近、ワイドショーなどでは「高齢化社会における資産形成・管理報告書」を金融庁が提示した話でもちきりとなっています。簡単に言えば老後に年金だけでは2000万円足りないぜって事が書いてあります。
本サイトでも取り上げましたが、金融庁が言っていることはごもっともな内容です。
金融庁が言いたいのはこのままじゃ老後資金が足りないからお金貯めようぜ、投資しようぜってことなんですね。
これだけ騒ぎになるってことは年金だけでどうにかなると思っていた楽観的な人がかなり多かったのかもしれません。
具体的には定年までに2000万円貯めるためにはこれくらいが必要となります。
先日もご紹介しましたが、金融庁が今の年金水準だと毎月5万円足りない。人生100年時代を考えると2,000万円くらい蓄えが必要だよとの調査結果「高齢化社会における資産形成・管理報告書」をまとめて大変話題となっています。これを受けて年金[…]
しかし、これだけ危機感を煽ってもなかなか投資に踏み出せる方は少ないでしょう。
今回はなぜ日本人が投資をしないのか?
また、なぜ金融庁は同資料で初めての投資にiDeCoかつみたてNISAを勧めているのかについてみていきます。
日本人はなぜ投資しないのか?
それではなぜ日本人は投資をしないのでしょう?
「高齢化社会における資産形成・管理報告書」にも掲載されていましたが有価証券(株式、債権、投資信託、REIT、ETF)の保有経験がない人へなぜ保有しないのかというアンケートの結果は以下の通りとなります。
出所:金融庁「国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査」より
2位が投資の知識がないから(投資は難しいものだと思うから)
3位が投資は損をしそうで怖いから
と続いています。
だいたいどのアンケートでもこの3つが上位を占めていますね。
実際にどれくらいの人がつみたてNISAやiDeCoをやっているのか
それでは実際に金融庁が推奨するつみたてNISAやiDeCoをどれくらいの人がやっているのでしょうか?
かなり増えたとはいえまだまだ人口比で見るとひどいものです・・・
出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より
つみたてNISA:日本の成人人口の約1%の104万口座、iDeCoも日本の成人人口の約1.6%%の172万口座しかないんですね。
NISA口座は10.9%とかなりありますが、これ全く使ってないけど銀行なんかの付き合いで口座開設だけした人がかなりいると思われます。(ノルマがすごかったんですよ)
このサイトで何度も取り上げていますが、iDeCo(個人型確定拠出年金)は払ったときに所得控除の対象となります。つまり、所得税や住民税が安くなる効果があるんですね。また、iDeCo、つみたてNISAとも運用に対しての利益は非課税となります。
つまり、双方とも老後資金を作るためにかなり優遇されている制度です。
まだまだその認知が低いのか、前述の投資をしない理由が大きく関係しているのかやっている方は少数なのです。
つみたてNISAやiDeCoが初めての投資に最適な理由
それではなぜつみたてNISAやiDeCoが初めての投資に最適なのでしょうか?
簡単です。
前述の日本人が投資をしない理由を払拭できるからです。
順番に見ていきましょう。
まとまった資金は必要ない
まずは、日本人が投資をしない理由の1位となっていた「まとまった資金がないから」はつみたてNISAやiDeCoを始めない理由となりません。
なぜならつみたてNISAやiDeCoも少しずつ投資をする積み立て投資スタイルであるため初期にまとまった資金はまったく必要ないからです。
ちなみにつみたてNISAやiDeCoの最低つみたて金額は以下のとおりです。
つみたてNISA:100円〜(証券会社により異なる)
つみたてNISAやNISAは証券会社にもよりますが最低100円から投資が可能なんですね。iDeCoでも5,000円から投資可能となっています。
つみたてNISA対象の投資信託は基本的に購入時手数料は掛かりませんし、1円単位で購入が可能です。ですから100円ずつ購入するなんてことも現実的に可能なのです。
つまり、まったくまとまった資金がなくても始めることが可能なのです。
これで投資をしない理由が一個消えましたね。
投資の知識はそこまで必要がない
次は日本人が投資をしない理由の2位「投資の知識がないから(投資は難しいものだと思うから)」です。
もちろん投資の知識はある程度あるに越したことはありません。
しかし、つみたてNISAもiDeCoの場合にはそこまでの知識は必要ないのです。
通常の株取引のようにチャートをみたり、決算書をみたりといった難しいことはなにもないんですよね。
なぜなら長期・積立・分散投資という手法をとる制度だからです。
毎月や毎日といった決まった日程で自動で投資信託などを購入するだけなんですよね。
ですから購入する人ははじめにどの投資信託を購入するのか決めるだけなのです。
どの投資信託を購入するのがいいのかも証券会社などがフォローする仕組みなんかもありますから難しいことはありません。
この投資方法は基本的に世界やその国の経済成長を期待して投資をすることになります。
世界経済は波はありますが順調に成長し続けています。
つまり、期待値だけを考えればぜひ始めておきたい制度なのです。
つまり、そこまでの知識は必要ないってことです。
これで投資をしない理由が一個消えましたね。
投資商品でどれを選べばよいのかわからない方は下記記事も参考にどうぞ。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はこのサイトでも何度も紹介している始めないのはもったいないかなりお得な制度です。しかし、自分たちで商品を選択してく運用しなければならないため投資初心者には少しハードルが高いのも事実です。[…]
投資が損をする?
次に日本人が投資をしない理由の3位の「投資は損をしそうで怖いから」という理由について考えてみましょう。
もちろん投資ですから絶対はありません。
損する可能性ももちろんあります。
しかし、長期・積立・分散投資をするとプラスになる可能性がかなり高いのです。
長期であればあるほど投資先を分散すればするほど収益のばらつきは少なくなりリターンが得やすくなるんですね。
実際に今回の金融庁が出した「高齢化社会における資産形成・管理報告書」でも下記のようなデータが提示されています。
出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より
保有期間5年だと100万円が72万円〜173万円となります。
保有期間が20年となると100万円が185万円〜321万円となるのです。
つまり、5年というスパンだと損する可能性はありますが、20年くらいの長い長期スパンで見れば過去のデータ上では損はしないってことになるのです。
もちろん絶対ではありませんが、頼もしいデータだと思います。
これで投資をしない理由が一個消えましたね。
日本人が投資に対するイメージが悪いのは過去に金融機関が自社の利益のために儲からないような商品を売りまくっていたことが大きな原因だと思います・・・
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
新NISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)といった積み立てを基本にした制度の登場で投資信託がかなり身近なものになってきました。しかし、まだ投資信託についての理解が足りず大きな勘違いをしている人も多いのです。先日も知り合いか[…]
また、経済評論家が投資は失敗するという変な印象を植え付けているのも大きいでしょうね。
投資はするな、貯金しなさいと勧める評論家を信じないのがおすすめです。
このサイトで何度も取り上げていますが、年金だけでは老後資金が足りないという話の話題が大きくなっています。連日、ワイドショーなどでも自称経済評論家が持論を展開しています。中でもひどいのが「投資はしないほうが良い、節約して貯金だ[…]
iDeCoとつみたてNISAを始めよう
以上みてきたようにiDeCo、つみたてNISAで考えると日本人が投資をしない理由の大きなものはすべて取り除けてしまうんですね。
老後のことを考えるとすぐにでもはじめたい制度なのです。
どちらもとてもよい制度なのですがこの2つには結構違いがあるのです。
どちらがよいのかは人それぞれですね。
私のように両方やるのもよいでしょう。
それではこの2つの制度について簡単に解説しておきます。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)とは
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は簡単に言えば自分の老後生活のために老後資金を自分で作るための制度です。
具体的にはこんな感じの流れになっています。
↓
その積み立てたお金で投資信託や定期預金、保険などの商品を選択して運用
↓
60歳以降にその運用した資産を受け取ることができる。
国民年金や厚生年金と合わせた年金制度の上乗せ部分を自分で運用できる制度として考えると良いでしょう。
最大のメリットは掛けた金額が全額所得控除の対象となり、掛ければ掛けるだけ所得税と住民税の節税効果があるところです。(種別により掛けられる上限があり)
また、運用で利益がでてもその部分について非課税となります。
つまり、税金面でかなり優遇された制度ってことですね。
個人型確定拠出年金(iDeCo)について詳しくは下記の記事を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はかなりお得で良い制度です。その反面、株式投資などの資産運用などの経験がないとかなりわかりにくく難しい制度でもあります。そのため「お金に生きる」でもかなり力を入れて記事を書いてきました[…]
つみたてNISAとは
つみたてNISAは簡単に言えば少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に似た部分もありますが、大きく違うのは途中で解約が可能という点でしょう。
ただし、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にある所得控除がありません。
また、大きな特徴として投資できる対象となる商品が金融庁が選別してくれている点があります。
金融機関等は顧客の利益よりも自社の利益を優先する傾向があり、地雷と呼ばれる悪徳商品を売りつける事案が多数発生していました。それを防ぐ意味もあり、金融庁が厳しい条件の元に長期、積立、分散投資に適した商品を選んでくれているのです。かなり初心者にもやさしい投資制度なんですね。
つみたてNISAについて詳しくは下記の記事を御覧ください。
先日、個人型確定拠出年金(iDeCo)のまとめ記事を書いたところ、好評でしたのでその続編としてつみたてNISA版を作ろうとしてあることに気づきました。それは今までつみたてNISAに関連する記事はたくさん書いてきましたが、そもそも「つ[…]
つみたてNISAとiDeCoのどちらがよいのか?
それではこのふたつの制度どちらをやるのがよいのでしょうか?
大きな支払いの予定があり→つみたてNISA
こんな感じですね。
基本的には掛けることで所得税や住民税の節税効果があるiDeCoの方がお得な制度です。
しかし、iDeCoは60歳まで引き出せません。
ですからその資金を引き出す必要がない場合はiDeCoがおすすめです。
対して、つみたてNISAは掛けることで所得税や住民税の節税効果はありませんが、いつでも引き出しが可能です。
ですから急に資金が必要になる可能性がある場合はつみたてNISAも選択に入ってきます。
出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より
上記のとおり、2つとも非課税枠に上限額がありますからその点も考えると両方やるのも選択肢としてありだと思います。
まとめ
今回は「「日本人が投資をしない理由」と初めての投資はiDeCoかつみたてNISAが最適な訳」と題して日本人が投資しない理由ははiDeCoかつみたてNISAなら払拭できるよってお話でした。
ぜひこの機会にiDeCoかつみたてNISAを始めることをおすすめします。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
つみたてNISAに加入するならこのSBI証券が有力
つみたてNISAは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ほど証券会社の差はありません。
選ぶ際のポイントは取扱商品と注文の仕方です。その点を加味するとSBI証券が有力となります。
SBI証券はなにより注文の自由度がかなり高いのがいいですね。
資料請求等はこちらから
SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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