キャッシュレス決済だと買いすぎてしまう

キャッシュレス決済でお金を使いすぎてしまうのは本当なのか?

10月から政府主導でキャッシュレス決済で支払うと5%還元されるキャッシュレス消費者還元事業が実施されます。

つまり、国を上げてキャッシュレス決済を普及されようとしているのです。

また、こういう類のサービスは早くにシェアをとった事業者が圧倒的に有利なのもあり、各社ともデファクトスタンダードとなるのを目指して当たり前のように大きなポイント還元を実施しています。

メルカリのメルペイの70%還元とかどんでもないレベルですよね(笑)

PayPayの決算を見るとかなりやばいレベルの闘いになっているのがわかります。

関連記事

キャッシュレス決済の覇権を巡っての争いがどんどん加熱しています。ゆうちょペイ、セブンペイ、ファミペイと参入企業もどんどん増えて札束での殴り合いがすごいです。10月からは消費税増税に伴う政府主導のキャッシュバックキャンペーンも[…]

PAYPAY決算内容

最近ではイオンカードが20%還元を実施したりJCBカードもそれに対応するなどクレジットカードなんかもその争いに加わるなど激しさが増しています。

しかし、そんな状況にも関わらずまだまだキャッシュレス決済の普及は進んでいません

お年寄りの方だけでなく若い方も抵抗がある方が少なからずいるのです。

その方たちの多くがキャッシュレス決済を導入しないのは以下の理由としています。

キャッシュレス決済はお金を使いすぎてしまう

というのです。

今回はこの件を考えてみましょう。

キャッシュレス決済でお金を使いすぎてしまうのは本当である

それでは「キャッシュレス決済はお金を使いすぎてしまう」という話について考えていきましょう。

先に結論から言えば、キャッシュレス決済でお金を使いすぎてしまうのは本当です。

これにはいろいろ理由があるのです。

また、そうならないための対策もあります。


キャッスレス決済にしない理由

まずは実際にキャッシュレス決済にしない方のなぜしないのかという理由を調査したアンケートからみていきましょう。

マクロミルが行った「キャッシュレス決済に関する調査」によると61.6%の方が「お金を使いすぎてしまいそうだから」と回答しています。

堂々一位の票を集めています。

キャッシュレス決済にしない理由
キャッシュレス決済にしない理由

出典:株式会社マクロミル「キャッシュレス決済に関する調査」より

つまり、実際にキャッシュレス決済を導入しない大きな理由が「キャッシュレス決済はお金を使いすぎてしまう」ということなのです。

キャッシュレス決済だとどのくらいお金を余分につかうのか

実際にどれくらいキャッシュレス決済だと余分にお金をつかうのでしょうか?

いくつかのデータをみてみましょう。


外国人観光客の平均消費額

下記は日本へ観光にきた外国人客のデータになります。

カードを利用した人の平均消費額と現金のみの平均消費額では30%近く差があります。

つまり、30%余分に買っているってことです。

元データの所得水準などの差がわかりませんので、このデータをそのまま信じていいのか一概に言えませんがかなり大きな差となっているのはわかりますね。

また、このデータは日本へ観光にきた外国人客ですから日本人に当てはまるのかという問題もありますが・・・

クレジットカード利用の効果
クレジットカード利用の効果

出典:VISA:外国人旅行者に関する調査(2016年7月)

小売店での客単価の増効果

また、クレジットカードを導入した小売店での調査結果では以下の通りの差が出ています。

実際、17%の小売店はクレジットカードを導入したことにより客単価向上効果を認識しています。

つまり、余分に買ってくれているか、高いのを買ってくれているってことです。

キャッシュレス決済平均単価上昇
キャッシュレス決済で平均単価上昇

出典:経済産業省:現金・キャッシュレス決済に関するアンケート調査(2018年1月)より

なぜキャッシュレス決済だとお金を使いすぎてしまうのか

それではなぜキャッシュレス決済だとお金を余分につかってしまうのでしょうか?


出費の痛みを感じないから

これは行動経済学でよく言われる話ですが、キャッシュレス決済だと出費の痛みをあまり感じないからです。

人はお金を使う度に心に痛みを感じていると言われます。

つまり、出費の痛みです。

それがあればあるほどお金を使うのが苦痛なのです。

ですから自然と節約につながるんですね。

一方、クレジットカードや電子マネーなどは現金を使いませんので出費の痛みをあまり感じません。

そのために余分にお金をつかってしまうことに繋がってしまうのです。

これは自動引落、スマホの課金なんかも同じですね。

つまり、無駄使いを辞めたければ出費の痛みをより感じる現金の方がよいのです。

ただ、現状キャッシュレス決済のほうがキャッシュバック等がありますし、お得ですけどね。

ゲームソフトは高く感じるが、ガチャだと課金してしまう

ゲームソフト1本の価格とスマホのゲーム課金(ガチャ)の価格を比べてみてください。

ゲームソフト1本が1万円すると高いなって思う方がほとんどだと思います。

しかし、ガチャだと何十万使ったという話はザラに聞きます。

ゲームの内容だけ見たらゲームソフトの方が良かったりお金も掛けて作っているにも関わらずです・・・

これも出費の痛みを感じやすいかそうでないかの差ですね。

ガソリン価格にはなぜシビア?

逆に出費の痛みをより強く感じやすいのがガソリンスタンドです。

土日など1円、2円安いと行列ができていたりします。

これって異常なんですよ。

2円安くても50リッター入る車でも100円しか違わないのです。

他の業界で100円やすかったくらいで行列ができるでしょうか?

これはガソリンスタンドは出費の痛みを異様に感じやすい業態となっており、価格にシビアな方が多いため起こる現象です。

特にセルフ形式でガソリンを提供しているとその傾向がより強くなります。

ガソリンを入れるとガソリンのメーターが回ります。

また、合わせて金額のメーターが回ります。

つまり、自分のお金が減っていくのが目に見えてわかるんですよね。

そうなるとチャリンチャリンと自分のお金がどんどん減っていきますからその都度、出費の痛みを感じてしまうのです。

そういうことが重なることでガソリンはシビアになっちゃうんですよね。

最近はそのあたりを加味して金額メーターにポスターを貼っているガソリンスタンドも多いんですよ。

なお、出費の痛みについてもう少し知りたい方は行動経済学を勉強してみましょう。かなり興味深い話がたくさんありますよ。

関連記事

行動経済学ってあまり聞き慣れないと思いますが、お金を考える上でとても重要な理論になります。これを知っているだけでお金持ちになる第一歩が開かれたといっても過言ではないです。行動経済学の歴史は浅く2002年にダニエル・カーネマン[…]

行動経済学おすすめ本

お金をいくらつかったかの体感がズレる

また、キャッシュレス決済だとお金を使った金額の体感がズレることも大きいです。

以前、NHKで放映されていたピースの又吉さん司会の経済学の番組「オイコノミア」で面白い実験をしていました。

それは1週間、現金のみを使って生活する場合と電子マネーのみで生活した場合の比較です。

それぞれ今日いくら使ったのかを体感で書いてもらいます。

それを1週間集計したのです。

すると衝撃のデータが・・・

現金のみで生活した場合の実際と体感の差924円
電子マネーのみで生活した場合の実際と体感の差5,194円

なんと電子マネーのみで生活した人の方が5倍近く、実際に使った金額と体感との差が生まれてしまっているのです。

体感がズレてしまえばそれだけお金を使いすぎてしまいますよね・・・

キャッシュレス決済でお金を使いすぎない方法

今まで見てきたようにキャッシュレス決済ではどうしてもお金を使いすぎてしまいがちです。

しかし、キャッシュレス決済は非常にポイントが貯まりますし、お得です。

また、利便性も高いですから今後利用せざる得ないものです。

ではどうすればよいのでしょうか?

実はちょっとした一工夫をするだけで使いすぎてしまうリスクを減らすことができます。


出費の痛みを感じやすいようにする

行動経済学の権威で2008年にイグ・ノーベル賞を受賞したダン・アリエリー教授が著書に面白い実験を書いています。

電子マネーを利用してても出費の痛みを感じてもらい貯蓄しやすくする方法の実験です。

7つの集団に分けてそれぞれ違う方法で喚起をしてみたのです

・週末に貯蓄額と貯蓄を促すメール
・「わたしたちの未来」のために貯蓄してくださいメール
・貯蓄に対して10%のボーナス
・貯蓄に対して20%のボーナス
・貯蓄に対して10%のボーナスを先に入金。上限額に達しない場合は引落し
・貯蓄に対して20%のボーナスを先に入金。上限額に達しない場合は引落し
・週末に貯蓄額と貯蓄を促すメール+貯蓄達成時に記念コイン

この結果、最も貯蓄が多かったのは「週末に貯蓄額と貯蓄を促すメール+貯蓄達成時に記念コイン」で週末に貯蓄額と貯蓄を促すメールよりも2倍以上貯蓄額が多かったそうです。

他のものもなにもしていない方よりも貯蓄額が増えたというデータも出ていました。

つまり、コインという目に見えるものがあると意識するってことなんでしょうね。

ですからお金を貯めるためのシンボル的なものを用意して残しておくとか、手帳やカレンダーに書き込みをするとかそれだけでも効果がありそうです。

見える化ですね。

なお、この実験について詳しくはこちらの本をどうぞ。

出費の痛みが感じやすいキャッシュレス決済

また、同じキャッシュレス決済でも種類によって出費の痛みを感じやすい、感じにくいものがあります。

例えばクレジットカードは出費の痛みが感じにくいものになります。

支払いは後にきますしね。

QR決済でも後払いのものは基本同じです。

チャージ式の電子マネーやQR決済でも自動チャージになっていると出費の痛みは感じにくいです。

ですから出費の痛みをより感じたければチャージ式のタイプをその都度自分でチャージするのがおすすめです。

その都度、出費の痛みは感じているはずです。

ただし、その分だけ面倒になります

この辺りはトレードオフの関係ですね。

それぞれのキャッシュレス決済の種類によりメリット・デメリット。

どれがどのような方式なのかは下記の記事をごらんください。

関連記事

最近、キャッシュレス決済の話題が多く出回るようになりました。特に年末のPayPayの100億円キャンペーンのインパクトは強かったですね。ある意味、社会現象的にまで発展しました。(その後のクレジットカードの不正利用なんて話もありましたが。。。[…]

キャッシュレス決済比較

体感とのズレをなくす

次は体感と実際のズレをなくすことです。

これの一番簡単な方法は家計簿を付けることです。

家計簿をつければ体感とのズレは確実に減らすことができます。

私も使っていますが、マネーフォワードMEとか家計簿アプリを使えば。銀行口座からの引き落としやクレジットカードの明細からほぼ自動に家計簿をつけることができます。

さらにクレジットカードやQR決済などキャッシュレス決済を活用すると家計簿を自動でできる範囲が広がりますから更に便利になります。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

関連記事

家計簿アプリ「マネーフォワードME」は便利「マネーフォワードME」なる家計簿アプリを使い始めて2年近くが経ちました。これが本当に便利なのでご紹介します。今まで私は家計簿なんてほとんどつけたことがありませんでし[…]

家計簿ソフト

まとめ

今回は「キャッシュレス決済でお金を使いすぎてしまうのは本当なのか?」と題してキャッシュレス決済でお金を使いすぎてしまう話しをみてきました。

まとめると以下のとおりです。

キャッシュレス決済でお金を使いすぎてしまうのは本当
対策のためには
・出費の痛みを感じやすいような仕組みを考える
・家計簿を付けるなど体感とのズレを減らす

最後まで読んでいただきありがとうございました。

フェイスブックページ、ツイッターはじめました。

「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです

キャッシュレス決済だと買いすぎてしまう
最新情報をチェックしよう!