フリー(freee)がとうとう新規株式上場(IPO)

フリー(freee)がとうとう新規株式上場(IPO)。赤字だが将来性高いクラウド会計のトップ企業の投資判断は?

IPO フリー(freee)がとうとう新規株式上場(IPO)

かなり前からIPOが噂されていたフリー(freee)が12月17日に上場することがとうとう発表されました。

私はマネーフォワードクラウド派なので利用したことはありませんが、フリーはクラウド会計の分野でトップ企業となります。

クラウド会計は預金の取引などを自動仕訳(会計処理)ができるなどかなり便利で今後普及が一気に進むと言われている分野です。

クラウド会計はIPOで大きく上がりやすいSaaS、働き方改革、AI分野でもあります。

そこのトップ企業ですから注目度はかなり高くなっていますね。

IPOの注目度は新興企業の中ならメルカリ以来の大物といって良いでしょう。

ただし、フリーは先行投資が大きくかなりの赤字企業でもあります。

今回はそんなフリー(freee)のIPOについて考えてみましょう。

ショートカットはこちらかどうぞ

フリー(freee)とはどんな会社?

フリー(freee)は2012年7月に開業した会社でまだ創業7年目です。

事業内容は前述のようにスモールビジネス向けのクラウドERPサービスの提供をしています。

主にクラウド会計ソフトのfreee、会社設立の会社設立freee、クラウド給料計算の人事労務freeeを展開しているベンチャー企業です。

freee事業系統図
freee事業系統図

出典:freee 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)より

会計を中心に企業のバックヤード関連の業務のクラウドを展開している企業と言えば分かりやすいでしょう。


フリー(freee)のIPO詳細

主幹事は大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

メルカリなんかと同じ組み合わせですね。

注目は吸収価格です。334億円とかなり大きな規模となります。

【事業内容】スモールビジネス向けのクラウドERPサービスの提供
【主幹事】 大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
【幹事】 SBI証券、メリルリンチ日本証券、エース証券、水戸証券、東洋証券、いちよし証券、丸三証券、岩井コスモ証券、東海東京証券、みずほ証券、野村證券、楽天証券、ちばぎん證券
【仮条件】12月2日
【申込み期間(BB)】12月3日~12月6日
【上場日】 12月9日
【公募株式数】 公募5,435,200株 売り出し12,041,100株(売出株式比率68.9%)
【OA】1,089,700株
【想定価格】1,080円
【吸収価格】334億円(想定価格ベース)
【時価総額】839億円(想定価格ベース)
【資金用途】新規顧客獲得のためのセールス・マーケティング活動に係る広告宣伝費・販売促進費及び人件費。製品開発に係るエンジニアの人件費等の研究開発費。サーバーメンテナンス及びカスタマーサポートに係る人件費。

フリー(freee)の業績

フリーの直近の業績と経営指標も確認しておきましょう

スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

第三期第四期第五期第六期第七期
決算年月2015年6月2016年6月2017年6月2018年6月2019年6月
売上高(千円)216,327568,7991,202,1442,414,9134,579,049
経常損失(千円)-983,273-2,229,905-2,205,591-3,399,297-2,764,820
当期純損失(千円)-985,563-2,138,516-2,257,697-3,405,845-2,692,189
自己資本比率(%)59.581.877.319.457.3

売上はかなり急激な右肩上がりです。

対して利益は売上と比較してかなりマイナスが大きくなっています

公表されている期間すべてマイナス決算なのも気になるところです。

マイナス理由としては販売費及び一般管理費がかなり大きくなっていることが挙げられます。

内訳は具体的に公表されていませんのでわかりませんが、人件費及びマーケティング費用の増加が大きいようです。

フリー(freee) の強みは自動仕訳とその特許

freeeの最大の特徴は知識がなくとも会計処理できることにあります。

通常会計処理は、取引が発生したら仕訳(しわけ)処理という簿記上の項目に分ける作業が必要となります。

freeeは基本的にその仕訳作業を自動化することができるのです。

そのため、通常会計業務に携わるなら簿記の知識が必要でしたがそれらがなくてもある程度の部分までは出来てしまうんですよ。

つまり、freeeは既存の会計の概念を考え直したといっても良いのです。

また、freeeは自動仕訳に関する特許を取得しています。

マネーフォワードとの自動仕訳の特許を巡っての裁判なんかも話題になりましたね。

勘定科目の仕訳は当初はキーワード単位でのルールとなっており、必ずしも正確な仕訳が行われないことがありました。

結局は最終的なチェックは人間が行う必要があったのです。

しかし、特許を取得した仕訳登録AIを導入することより最適な勘定科目を推測できるようになりました。

AIは学習しますのでどんどん使う人が増えれば増えるほど制度が増していきます。

今後は経営分析や資金繰り、経営判断、意思決定会計などにも機能を追加していくそうです。

クラウド会計はかなり有望な分野

クラウド会計はまだまだ伸びしろの大きな分野です。

下記はMM総研が2017年に調査したアンケート結果ですが、従業員300人以下の中小企業のうち会計ソフトを利用している企業が54.1%、そのうちクラウド型を採用している企業は14.5%となっています。

私はクラウド型もインストール型も両方使った経験がありますが、雲泥の差でクラウド型のほうが便利なんですよ。

ですから今後、大きな伸びしろがある分野なのです。

まだエクセルなどで経理処理している企業が12.2%もいるのは驚きでしたが(笑)

しかし、エクセルなどでは今年10月から始まった軽減税率にはかなり対応しにくいですし、2023年から始まる予定のインボイスの導入でさらにその傾向は強くなります。

そのため今後はクラウド化をすすめる企業が増えていくでしょう。

クラウド会計利用者
クラウド会計利用者

出典:MM総研 「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査

ただし、クラウド会計に限らず会計の分野は一度利用しだすと他の会計ソフトへの移行はかなり面倒です。

ですから移動障壁がかなり高い分野です

他から乗り換えさせるのはかなり大変だと予想されますけどね。

しかし、逆に言えば一度乗り換えていただければ継続課金が期待できるチャリンチャリンモデルです。

また、会計と関係が深い給料計算などの横展開もしやすいですから利用者が増えれば増えるほどどんどん雪だるま式に売上が期待できるのです。


フリー(freee)はクラウド会計でトップシェア

そのクラウド会計分野でシェアトップなのがfreeeです。

MM総研の下記調査だとシェア32.3%まできていますね。

ただし、これ調査によって結果はマチマチです。

弥生会計オンラインがトップの調査もありますし、マネーフォワードクラウド会計がトップの調査もあります。

とりあえずこの3社が3巴なのは間違いないでしょう。

クラウド会計シェア
クラウド会計シェア

出典:MM総研「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査」

会計データを持つ意味

さらに大きいのが通常の会計ソフトと違いクラウド会計は会計データを握れるということです。

もうすでにマネーフォワードなどは実行していますが、クラウド会計のデータを利用して簡単に与信を掛けてお金を借りたりなんてことができるのです。

これも今後大きく伸びていく分野だと予想されます。

LINEヤフーがやっている信用スコアの法人版みたいな感じがすぐできるでしょう。

そういった意味でもかなりチャンスの大きい分野がクラウド会計なのです。

フリー(freee)がとうとう新規株式上場(IPO)
最新情報をチェックしよう!