新型コロナウィルス感染症対策が閣議決定されました。(再度の)
目玉は国民一律に10万円を給付する特別定額給付金や売上が大幅に落ち込んだ中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円を支給する持続化給付金でしょう。
この2つの新しい取り組み、ちょっと気になるのが給付金の税金の扱いです。
所得税や住民税、法人税、消費税の扱いがどうなるかってことです。
また、自治体も独自に休業要請に応じた企業に協力金(休業補償の一種)を20万〜100万円程度支給する制度を導入しています。
こちらも合わせて所得税や住民税、法人税、消費税について考えてみましょう。
4月23日時点の情報を元に考えてみます。
※5月1日加筆修正を加えました。
※6月16日:国税庁から正式な回答がでましたのでまとめてみました。
特別定額給付金は非課税
まず、国民一律に10万円を給付する特別定額給付金です。
こちらはまだ閣議決定段階なのもあり正式なものはでていませんが、おそらく非課税となります。
2009年の定額給付金は非課税
2009年に行われた国民に現金を給付した「定額給付金」も非課税でした。
定額給付金は非課税扱いとなっていますので、課税されません。
出所:総務省 定額給付金よくある質問
生活支援臨時給付金は非課税と明記
また、もともと出ていた閣議決定までされていた収入が落ち込んだ世帯に30万円給付という「生活支援臨時給付金」では非課税と明記されていましたしね。
該当ページはすでに消されてしまっていますので確認できませんでしたが、たしかに明記されていました。
菅官房長官が発言
さらに菅官房長官が20日の記者会見で記者からの質問に対して以下のように発言しています。
「今回の給付金は、これまでの給付金などと同様に、所得税や個人住民税は非課税とする予定だ」
出所:NHK 10万円給付「所得税や個人住民税は非課税とする予定」官房長官より
ですから特別定額給付金はよほどのことがない限り非課税で間違いないでしょう。
特別定額給付金について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
休業補償の協力金は課税
次は各自治体が実施している休業要請に応えて休業した店舗等への休業補償的な意味合をもつ「協力金」の扱いです。
例えば東京都では休業要請や時短営業の要請に応じた事業所や店舗に対して「感染拡大防止協力金」として1店舗なら50万円、複数店舗なら100万円が支給されます。
この協力金の扱いはどうなるのでしょうか?
結論から言えば課税対象です。
すでに東京都産業労働局から以下の発表がなされています。
感染拡大防止協力金の税務上の取扱いにつきましてお知らせします。都は、国に対して非課税としていただけるよう要望しておりましたが、国においては、法令に則ると、非課税事由に該当しないとの考え方であり、本協力金は非課税となりません。
出所:東京都産業労働局 感染拡大防止協力金における税務上の取扱いについて
つまり、東京都としては非課税にしてね、と要望したけど国に拒絶されて非課税扱いとはならないつまり課税対象となってしまうってことですね。
このあたりは補助金や助成金も同じ扱いですからそれに準拠した形となるのでしょう。
それを考えると理論上は妥当な判断となります。
ただし、このような特別な状況ですから非課税対象としてくれてもよいのでは・・・って思うんですけどね。
他の県も同様の協力金を出すと発表していますが税務上の扱いについて公表しておりません。
おそらく東京都と同じ扱いになると思われます。
法人の場合
法人の場合に協力金分について営業外収益もしくは特別利益に計上が必要です。
法人税計算上は益金となり法人税の対象となります。
また、その他の事業に掛かる税金等の対象となってきます。
ただし、新型コロナウィルスで売上が減少して赤字決算になるなら課税でも非課税でも税金額は変わりません。
ちなみに、消費税は不課税となります。
個人事業主の場合
個人事業主の場合でも法人と同様です。
事業所得の対象となり所得税やその他の事業に掛かる税金等の対象となってきます。
こちらも法人と同様ですね。補助金や助成金も同様の扱いですから理論上はおかしくありません。
また、個人事業主も赤字決算ならば課税でも非課税でも税金額への影響はありませんので同じです。
法人と個人事業主では赤字決算の意味合いが違う
ただし、法人と個人では赤字決算の意味合いが全然違います。
法人は社長の給料を経費になる役員報酬という制度があります。
対して個人事業主は残った利益が自分の取り分(給料みたいなもの)です。
つまり、個人事業主の赤字ってことは自分の給料も取れずに持ち出しをしている状況なわけです。
このあたりを考えると個人事業主の協力金が課税という判断はちょっと厳しいかな・・って思いますね。
持続化給付金、家賃支援給付金も課税か?
それでは売上が大幅に落ち込んだ中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円を支給する持続化給付金や家賃を給付する「家賃支援給付金」はどうなるのでしょう?
こちらはまだ正式な発表がありません。
しかし、持続化給付金の意味合い的には前述の協力金や補助金、助成金と同様ですので課税対象と判断される可能性が高いと予想されます。
※5月1日追記:以下の回答がQ&Aで出されていました。課税で確定です。
持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に成約のない資金を給付するものです。これは税務上、益金(個人事業主の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業主の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。
出所:経済産業省 持続化給付金に関するよくあるお問い合わせ
法人は益金、個人事業主は総収入金額に算入が必要ですのでお気をつけください。そうなると扶養の判断にも影響がありそうです。
例えば、旦那の扶養内で事業をしている方などは影響が出てくる可能性があります。
持続化給付金について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
今回は「特別定額給付金や持続化給付金、休業の協力金の税金の取り扱いはどうなる?課税?非課税」と題して特別定額給付金、持続化給付金、協力金の税金の扱いについてみてきました。
新型コロナウィルスで大変な思いをしている方への給付なんですから気持ちよく非課税としてくれないもんですかね・・・
ただし、このあたりの扱いは正式に決まっているわけでもないでしょうから世論次第で大きく変わってくると思われます。
生活支援臨時給付金も当初は住民税非課税世帯と収入が落ちた世帯とでていたのに、年金世帯がもらうのはおかしいだろという世論に押されたのか対象に収入が落ちたというルールが追加されました。
さらにもらえる世帯が少なすぎるという世論に押されたのか国民一律に10万円の特別定額給付金に変更になりましたからね・・・
おかしいと思う方はどんどん声をあげましょう。
また、さらに2次補正予算で以下の制度も導入されそうです。合わせておさえておきましょう。
このあたりの課税、非課税も気になる所。特別家賃支援給付金は課税、みなし失業は非課税かな・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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