所得税の予定納税はクレジットカード払いがおすすめな理由

住民税国民健康保険自動車税など地方の税金等は最近、PayPayなど新たな支払い方法にどんどん対応しています。

しかし、国の税金は対応が遅れていてそれほど選択肢は多くありません。

もちろん予定納税も例外ではありません。

今回はそんな予定納税の納付方法について考えてみたいと思います。

先に結論から言えばクレジットカードが最もおすすめですね(利用するクレジットカードによりますが)

予定納税とは

まずは今回の話の前提となる予定納税とはどういうものかということからみておきましょう。

予定納税を簡単に言えば条件を満たした方は所得税の一部をあらかじめ納付しなければいけないという制度です。

なお、予定納税で支払った金額は確定申告時に確定した所得税から相殺することできます。

つまり、確定申告時にまとめて所得税を払うのではなく先に少し払っておいてねってことですね。

具体的な対象者等を見ておきましょう。

予定納税の対象者

予定納税は、予定納税基準額が15万円以上となる方が対象となります。

予定納税基準額とは例外的なことななければ基本的に前年分の申告の納税額のことです。

つまり、前年の確定申告時に15万円以上税金を納税している方が対象となります。(源泉徴収等で差し引かれて払っている分を除く)

予定納税の金額

予定納税の金額は予定納税基準額の3分の1の金額を1期分、2期分として2回納付することになります。

例えば前年の納税額が30万円の人ならばその3分の1ですから10万円を2回納付するということですね。

予定納税の期限

なお、予定納税の納付期限は以下のとおりです。

  •  第一期分・・・7月1日〜7月31日まで
  •  第二期分・・・11月1日〜11月30日まで

減額申請や納税猶予制度あり

ちなみに、予定納税はあくまで予定ですから今年の所得が減るようなケースは予定納税の減額申請をすることができます。

また、新型コロナウィルスの影響で納付することが困難な方は納税猶予する制度もありますので必要な方は税務署にご相談ください。

なにもしなくて予定納税を支払らわない場合には延滞税が付きますのでお気をつけください。

また、減額申請できる状況であっても還付加算金という制度がありますのであえてそのまま払うという方法もあります。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。




予定納税の支払い方法

それでは具体的に確定申告で確定した所得税の納付方法を見ていきましょう。

全部で6種類のやり方があります。

基本的に確定申告時と同じ方法となります。

ただし、確定申告時とちょっと違う点もありますのでご注意ください。

・ダイレクト納付
・インターネットバンキング
・クレジットカード納付
・コンビニ納付(QRコード、バーコード)
・振替納付
・窓口納付

それぞれメリット・デメリット、利用の条件等がありますので順番に見ていきましょう。

ダイレクト納付

まずはダイレクト納付です。

ダイレクト納付とはe-Tax(国税電子申告・納税システム)により申告書を提出したあと、預金口座から指定した日(もしくは即時)に口座引落しで電子納付する方法です。

一旦設定してしまえば手間はかなりすくない方式となります。

また、手数料も掛かりません。

ただし利用に以下の条件があります。

・e-Taxで確定申告書を電子送信した場合のみ
納税するおおむね1ヶ月前までに、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を提出済であること

特に国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書の提出は1ヶ月前までに終えておく必要があるので注意が必要です。

つまり、手間暇は少ないし手数料も掛からないけど事前準備が必要ということですね。

なお、こちらの方法で支払いをした場合には領収書等は発行されません

インターネットバンキング

次は金融機関のインターネットバンキングやATMを利用する方法です。

こちらはペイジー(Pay-easy)という仕組みを利用したものとなります。

やり方は前述のダイレクト納付と比較するとちょっとわかりにくいです。

まずは金融機関のインターネットバンキングもしくはATMで税金の払込を選択。

以下の番号を入力していきます。つまり、これら番号をあらかじめ控えておく必要があるってことですね。

金融機関のシステムでの欄の名称対応するe-Taxの番号の名称
「収納機関番号」欄収納機関番号(00200)
「納付番号」欄利用者識別番号
「確認番号」欄納税用確認番号
「納付区分」欄納付目的コード
「金額」欄申告等により納付すべき金額

出所:国税庁:「インターネットバンキング等からの納付手続き」より

なお、必要な番号はe-Taxの利用開始手続きをすると受け取ることができます。

これらの入力が終わればあとは画面の指示にしたがうだけで納付が完了します。

こちらも手数料も掛かりません。

また、インターネットバンキングも利用に条件はあります。

・ペイジー対応の金融機関でインターネットバンキング等の口座開設
・e-Taxの利用開始手続き

ダイレクト納付よりはちょっと手間となりますが、利用開始までのステップは少し少なくなっていますね。

なお、こちらの方法で支払いをした場合には領収書等は発行されません

クレジットカード納付

次はクレジットカードでの納付です。

こちらは国税クレジットカードお支払いサイトを利用することでクレジットカードで支払うことができます。

大きく2つのメリットがあります。

実際の支払いが遅くなる

クレジットカードの場合は実際の利用日と銀行口座からの引き落とし日がズレます。

そのため、他の支払い方法と比較して実際の支払日が遅くなるというメリットがあります。

その期間だけ資金が自由に使えるのは大きいですね。

クレジットカードのポイントが貯まる

また、クレジットカードによってはポイントが貯まるのもメリットです。

ただし、クレジットカードの納付の場合には以下の手数料が掛かります

ですから納付金額によってはポイント分でプラスのケースもありますし、逆に決済手数料が高くなるケースがありますのでご注意ください。

納付税額決済手数料(税抜)
1円~10,000円76円
10,001円~20,000円152円
20,001円~30,000円228円
30,001円~40,000円304円
40,001円~50,000円380円
以降、10,000円を超えるごとに決済手数料76円(税抜)が加算されます。

出所:国税クレジットカードお支払サイトより

例えば利用者が一番多い楽天カードは1%のポイントが付きます。

20,000円ちょうどの納税なら手数料は152円(税込み167円)ですから0.83%くらいの手数料ですからちょっとプラスです。

しかし、23,000円の場合には手数料は228円(税込み250円)で1.08%くらいと1%の還元ではちょっと足が出てしまいます。

つまり、納税額によってはプラスにもなるし、ちょっと足が出る可能性があることは知っておきたいですね。

還元率0.5%くらいのクレジットカードだとどのパターンでも足がでてしまいますね・・・

その場合、還元率が1.20%と高いリクルートカードなどを使うのもオススメです。

なお、kyashは税金の支払いはポイント還元の対象外ですのでお気をつけください。

クレジットカード利用時の注意点

また、クレジットカード納付の場合には上限にもご注意ください。

当然ながらクレジットカードの利用限度額までしか利用することはできません

なお、クレジットカードの利用金額の上限はカードによってもカード所有者によっても異なってきます。

カード会社によっては一時的に限度額を上げることも出来る場合がありますので、必要な方はサポートセンターにご確認ください。

また、予定納税の支払いは金融機関やコンビニ等でクレジットカード払いで支払うこともできません。

クレジットカードで納付できるのは「国税クレジットカードお支払サイト」のみです。

現在、国税庁も注意喚起をしていますが、フィッシング詐欺に引っかかる人が増えています。

検索してもフィッシング詐欺サイトが上位に出てきてしまうケースもあるようですから必ず国税庁のリンクから飛ぶようにしましょう。

>>国税庁 [手続名]クレジットカード納付の手続

なお、クレジットカードで納付した場合も領収書等は発行されません

コンビニ納付

次はコンビニ納付です。

税務署から送られてくる納付書にはコンビニ支払い用(バーコード付き)のものがついていますのでそちらを利用します。

こちらも手数料も掛かりません。

ただし、利用は納付金額30万円以下となります。

それ以上の納税の場合には利用できませんのでご注意ください。

また、所得税のコンビニでの支払いは電子マネーやクレジットカードは使えません

なお、こちらの方法で支払いをした場合は領収書等が発行されます。ただし、コンビニ納付の場合はシステムの都合上、納税証明のへの反映は3週間くらい経ってからしかできないそうですからお気をつけください。

急ぎで納税証明が必要な方は窓口納付がベストでしょう。

ペイジー

次はペイジーです。

ペイジーはバーコードを読み取るわけではありませんが、納付書に記載されている「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」「納付区分」という4つの番号を入力することでインターネットバンキングやATMから支払うことができる仕組みです。

ペイジーもポイントは付きませんが、手数料等は掛からず簡単に払えますから利便性は高いサービスですね

振替納税

次は振替納税です。

預貯金口座からの口座引落しにより、国税を納付する手続。

こちらも手数料も掛かりません。

また、振替納税は通常の確定申告時の納付であれば最も支払いが遅くなる方法となります。

しかし、予定納税の場合には第一期は7月31日、第二期は11月30日と最終日に支払いです。

ですから予定納税では実際の支払い日を考えるとクレジットカードが最も支払いが遅くなりますね。

手間暇の問題は楽ですがそれ以外のメリットはあまりありません。

なお、こちらの方法で支払いをした場合も領収書等は発行されません

窓口納付

最後は窓口納付です。

税務署や金融機関で用意されている納付書に金額等を記載して金融機関や税務署の窓口で支払う方法です。コンビニ納付用のバーコード納付書でも可能です。

こちらも手数料も掛かりません。

ただし、当然ながら窓口の納付は土日祝日は利用できませんのでご注意ください。

なお、窓口納付した場合は領収書等が発行されます



まとめ

今回は「所得税の予定納税はクレジットカード払いがおすすめな理由」と題して所得税の予定納税告の支払い方について考えてみました。

どの納付方法がよいのかは人それぞれの状況によって異なってきますが、私のおすすめはクレジットカード納付ですね。

ポイント還元率が高いクレジットカードをつかえば手数料を差し引きしても少しプラスですし、実際の引き落としが少し遅くなるメリットもあります。

ただし、クレジットカードなどで支払いをした場合に領収書等は出ませんからどうしても領収書が必要な方は窓口納付かコンビニを利用しましょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
所得税の予定納税は クレジットカード払いが おすすめな理由
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