読者様様からご質問を頂きました。
今回はこちらの疑問を解決していきます。
先に結論から書いておきましょう。
です。
逆にならないなら複数を選択するのがおすすめです。
1本だけを選択する場合、複数を選択する場合それぞれにメリット・デメリットがありますのでそのあたりを含んで考えるのがよいでしょう。
詳しく見ていきます。
iDeCoの投資商品決定まで大きな流れ
まずは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の投資商品決定までの基本的な考え方をみていきましょう。
一般的には以下のような流れで投資商品を決めるのがオススメなんですよ。
- 目標金額を決める
- 目標金額を達成できる掛金・利回りを考える
- 利回りを達成できるアセットアロケーション(資産配分)を考える
- アセットアロケーションを実現できる具体的な投資商品(ポートフォリオ)を考える
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はこのサイトでも何度も紹介している始めないのはもったいないかなりお得な制度です。しかし、自分たちで商品を選択してく運用しなければならないため投資初心者には少しハードルが高いのも事実です。[…]
利回りを達成できるアセットアロケーション(資産配分)を考える
掛金と利回りが決まったら次にその利回りが達成できるアセットアロケーション(資産配分)を考えます。
アセットアロケーションとは資産配分のことです。
どの資産にどれだけ資産を配分するかを考えるのです。例えば国内株10%、先進国株40%、国内債券10%、先進国債券40%といった具合に決められます。
ちなみにアセットアロケーションをどうするかで投資結果の9割が決まると現代ポートフォリオ理論では言われていますね。
それだけこの過程がとても重要なのです。
アセットアロケーションによってどの程度の利回りが実現できるのかを考える上で下記のツールを使うと便利です。
選択したアセットアロケーションによりどれくらいの利回りが見込まれるかがわかります。
例えば前述の国内株10%、先進国株40%、国内債券10%、先進国債券40%なら過去20年間の平均リターン5.4%、リスク11.5%、シャープレシオ0.47とでます。
まずは目標とした利回りを実現できる配分を探してみてください。
その上でリスクやシャープレシオや将来の予想などでどのようなアセットアロケーションにするか考えるのが良いでしょう。
なお、アセットアロケーションについては詳しくはこちらの記事を御覧ください
アセットアロケーションをどうするかで投資結果の9割が決まると現代ポートフォリオ理論では言われています。デイトレードやIPO投資などの短期的な投資の場合はそうでもないと思いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAは長[…]
アセットアロケーションを実現できる具体的な投資商品(ポートフォリオ)を考える
アセットアロケーションが決まったらあとは具体的な運用商品を決めるのです。
自分の決めたアセットアロケーションのアセット(資産)ごとに信託報酬が最安値の商品を選ぶのがよいでしょう。
iDeCoの場合は商品数がそれほど用意されていませんし、(上限35本と決まっている)アセット(資産)ごとの商品も1つか2つですので選択は難しくないと思います。
例えば前述した国内株10%、先進国株40%、国内債券10%、先進国債券40%というアセットアロケーションに決めたとするとSBI証券のセレクトプランなら
- eMAXIS Slim国内株式(TOPIX):10%
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス:40%
- eMAXISSlim 国内債券インデックス:10%
- eMAXISSlim 先進国債券インデックス:40%
という4本の投資信託が選ばれてくると思います。
今回ご質問の「iDeCoの投資信託は1本を選んだほうが良いのか、複数選んだ方がよいのか?」というのは自分が決めたアセットアロケーションにに1本でなる商品があればそれだけで当然OKです。
逆に言えばそうならないなら複数必要になってくるんですね。
アセットアロケーションを決めるのが面倒な方にはバランス型1本がおすすめ
アセットアロケーションを考えるのは結構大変です。
私みたいな投資を趣味としているような方は楽しいのでしょうが、そうでない方はなかなか決めきらないと思います。
その場合はあらかじめ各社が考えたアセットアロケーションになっているバランスファンドを選択すればよいでしょう。
それなら1本の投資信託で完結しますね。
例えば以下のような投資信託があります。
iFree年金バランス
SBI証券のiDeCoではGPIFをベンチマークとした投資信託「iFree年金バランス」なんかもあります。
「iFree年金バランス」を1本買っておけばこれとGPIFとほぼ同じアセットアロケーションとなるのです。
GPIFとは日本の年金などを運用する機関で以下のようなアセットアロケーションとなっています。
出所:年金積立管理運用独立行政法人 2020年度業務概況書より
- 国内債券25%+-7%
- 国内株式25%+-8%
- 外国債券25%+-6%
- 外国株式25%+-7%
国内債券、国内株式、外国債券、外国株式をそれぞれ25%ずつを基本としています。
8資産バランス
また、多くの金融機関で取り扱いのある8資産分散タイプもおすすめです。
こちらはかなり割り切ってます。
国内債券、先進国債権、新興国債権、海外リート、国内リート、新興国株式、先進国株式、国内株式の合計8資産をすべて平等に配分するというやり方です。
将来どの資産があがるかなんて正直わかりません。
それならもう割り切って全部同じだけ投資しようぜっとした感じですね。
出所:iFree8資産バランス 目論見書
どのiDeCo取り扱いの金融機関でもいくつかのバランスファンドはあるはずですからまずはそのアセットアロケーションを確認してみましょう。
年金だけでは老後資金が2,000万円足りないという問題が取り上げられてから証券会社や銀行に行って投資を始める人が増えたそうです。しかし、証券会社や銀行にいけば自社が儲かる地雷的な商品を売りつけられるなんてことも・・・[sit[…]
投資信託1本のみに投資するメリット・デメリット
個人的には特に投資初心者には上記のようなバランス型1本のみを選択するのをおすすめしています。
それにはメリットがあるからです。
メリット:管理が楽(リバランス不要)
最大のメリットは管理が楽ということです。
投資を長い期間していくとこっちのアセット(資産)は好調だけでどこっちはいまいちということが当然起こります。
そうなると少しずつ当初に決めたアセットアロケーションとズレが生じてくるのです。
例えば先進国株は大きく伸びているけど国内債券は現状維持となれば比率が当初考えていたアセットアロケーションとずれてしまいますね。
それを是正してより運用効率を上げるためには定期的にバランス調整が必要となります。(これをリバランスといいます)
そのリバランスをバランス型の投資信託の場合は自動的に投資信託内で完結してくれるのです。
しかし、いくつかの投資信託を組み合わせている場合は自分で行う必要があります。
特に投資初心者にはこの部分は大きいでしょう。
また、より良い投資信託がでた場合やアセットアロケーションの方針転換する際も1本の方が乗り換えやすいという部分も大きいですね。
複数の投資信託を購入している場合はこのあたりがデメリットとなります。
デメリット:収益状況がわかりにくい
複数の投資信託を選択してアセットアロケーションを組んでいる場合にはどのアセット(資産)が好調で、どのアセット(資産)が不調なのかかなりわかりやすいです。
それぞれの収益を見るだけですからね。
しかし、1本で完結している場合はトータルの数字となってしまいますからすぐにはわからないのはデメリットでしょう。
月間レポートなどにはでてきますのでそちらを確認すればわかりますけどね。
デメリット:償還リスク
もう一つ償還リスクも抑えておきましょう。
投資信託が途中で運用を辞めてしまう「繰り上げ償還」というのがあります。
運用会社からして資産が集まらなかったりすると儲からないので辞めてしまうのです。
1本だと償還になった場合は全部の資産が一旦運用が止まってしまうのでちょっとしたリスクですね。
別に償還となってもお金は返ってきますので大損するというわけではないのですがちょっと面倒ですし、どうしてもタイムラグが生じて機会損失となる可能性があります。
償還リスクを下げるためにはある程度「純資産」が大きい投資信託を選ぶのが良いでしょうね。
まとめ
今回は「iDeCoの投資信託は1本を選んだほうが良いのか、複数選んだ方がよいのか?」と題してiDeCoの投資商品の選び方について見てきました。
1本だけで運用するのも複数で運用するのもそれぞれメリット・デメリットがありますのでそれを踏まえて選択しましょうね、
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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