生命保険や医療保険、自動車保険などに加入されている方も多いと思います。
しかし、保険は基本的に損をする仕組みということを押さえておきましょう。
生命保険・医療保険などの保険加入のポイント
生命保険や医療保険などの保険商品は基本的に先日ブログにも書いた期待値で考えると一部例外を除いてマイナスとなる商品ばかりです。
期待値の考え方は下記をご覧ください。
「このゲームには必勝法がある」これはライアーゲームの主人公のキメ台詞です。同じように実は株式投資にも必勝法があるのです。絶対勝てる方法は存在しない。しかし・・・株式投資にかぎらず、投資の世界で絶対勝てる方法(聖杯)は存在しません。[…]
もちろん損をする仕組みだから保険に加入する価値がないのかというとそうでもありません。
そもそも保険は何かがあったときにみんなでカバーし合おうという仕組みです。
そのため本来は損得で考えるものではないのですが・・・。
期待値がマイナスであることをしっかり認識して選択する必要があるってことです。
今回は保険の選び方を考えて見たいと思います。
※加筆修正を加えました。
生命保険・医療保険の保険料の内訳
まずは保険の仕組みを見ていきましょう。
これを知れば保険が損をする仕組みであることが納得されると思います。
まず、みなさんが払い込まれた保険料の使いみちを見てみましょう。
使いみちは大きくわけて3つです。
・会社維持のための費用(人件費など)
・会社の利益、株主への配当など
1番上の保険金を支払うお金が純保険料
後者2つが付加保険料と呼ばれます。
実はライフネット生命というインターネット専業の保険会社がこの内訳を公表したことで保険業界が騒然としたのです。
ライフネット生命の保険料内訳
例えば10年の保険期間で保険料金額が3000万円の保険ならば30歳男性で保険料が3,190円です。
そのうち保険金を支払うために使われる純保険料が2,435円(76%)、会社維持のための費用(人件費など)や会社の利益、株主への配当などの付加保険料が755円(24%)という内訳となります。
実はこれ他のライフネット生命がセールスマンがいない保険会社で他の保険会社と比較して付加保険料がかなり安いから公開されているのです。
セールスマンがいる保険会社で同様の商品を選択すると約倍の金額となります。
これは付加保険料がかなりバカ高いからとなります。(セールスマンの取り分がかなり高い)
ちなみにある保険会社だと保険料として支払った金額の7割が付加保険料に充てられるそうです。
つまり、払った保険料のうち、保険金の支払いに回されるのが3割。
期待値的に支払った金額の3割しかない商品を買うことになるのです・・・
生命保険、医療保険は不要なのか?
これだけ期待値が低い保険。
加入する必要があるのか?
と疑問に思う方も多いでしょう。
これは私なりの答えとしては自分でヘッジ(回避)できる程度のリスクなら保険不要としています。
それぞれの保険毎に具体的にみていきましょう
自動車保険
まずは加入されている方が多い自動車保険からみていきましょう。
これは結論からいいますと加入したほうがよい商品です。
例えば小学生の男子を轢いてしまったとしましょう。
この場合、約2億円の賠償が発生すると言われています。
もし発生してしまえばなかなか自分ではヘッジできませんよね。
だったらば保険に入るしかないのです。
ほとんどの方は自動車保険に入ってもマイナスで終わってしまいますがリスクを考えると入らざるおえないのです。
逆に同じ自動車保険でも車両保険はどうでしょう。
事故をしても自分の車が壊れるだけ。
高い車でも数百万円です。
なんとかならない金額ではないですよね?
そういう判断で私は車両保険には加入していません。
これも期待値的には圧倒的にマイナスの商品ですから・・・。
火災保険
次に医療保険です。
火災も自動車と同様に多額の修繕費、隣の家に飛び火でもしてしまえば多額の賠償金も発生します。
それらを考えると自分ではヘッジできませんよね。
だったらば保険に入るしかないのです。
つまり、火災保険は入ったほうがよい保険となります。
地震保険も同様ですがちょっと割があわない条件となっていたりしますね。
生命保険
次に生命保険はどうでしょうか?
こちらも自分がなくなったときに子供や家族が困らないならば加入の必要性は全くありません。
むしろ期待値がマイナスの商品を買うことになりますから損です。
逆にもしなくなってしまったときに金銭的に家族が困るならばそれに備えて保険に加入する必要があるでしょう。
ただし、遺族年金なんてものもありますのでその辺りも加味して保障額は考える必要があります。詳しくは下記記事を御覧ください。
日本人は世界的に見ても心配性の人種とよく言われます。そのため、生活費における生命保険の割合が他の国と比べても高くなっています。生命保険会社の営業トークが上手いからかもしれませんが、不必要なレベルまで死亡保険に入っている方も多くいますね。生命[…]
医療保険
次に医療保険です。
医療保険は正直、期待値を考えると加入しない方が良いです。
日本には公的な医療保険があります。
また、高額な医療費が掛かったとしても高額医療費制度という制度があり自己負担はそれほどになりません。
それらを考えてある程度蓄えがある人には全く不要の商品であると言えます。
むしろ期待値マイナスですから入らないほうが良いです。
ガン保険
がん保険も考え方しだいです。
健康保険の対象外の放射線治療など高額な医療を受けた場合には数千万円かかることもありますのでそれを目当てに加入するならありかなと思います。
先進医療特約という制度ですのでがん保険に入られる方はそちらも入るようにしておくのをおすすめします。
先進医療特約以外はいらないといえばいらないですが・・・
がん保険については詳しくは下記記事をご覧ください。
保険会社が二人に一人はガンになる時代と大々的にCMしてがん保険への加入を誘っています。これは本当なのでしょうか?またがん保険に入る必要は本当にあるのでしょうか?今回は二人に一人はガンになるって本当なのか、また、がん保[…]
個人年金保険
これはiDeCoやつみたてNISAの方が有利ですから加入する必要はそれほどありません。
しかし、前述したように一部期待値がプラスのかなりお得な商品もありますのでこれらは加入しても良いかもしれませんね。
一部期待値がプラスになる保険は下記のじぶん保険という商品です。
これは保険料控除のことを考えてもありな商品ですね。
学資保険
学資保険も一部期待値が高い商品があります。
それらの商品ならば加入してもよいでしょう。
しかし、その資金をつみたてNISAや証券口座などで運用した方が期待値は高いですからそこまでおすすめはできません。
国民年金基金・トンチン年金などの終身年金
保険とは少し毛色が違いますが老後に備える保険という意味では国民年金基金も同様です。
期待値がマイナスとなりますのであまりおすすめできません。
国民年金基金は終身年金ですから将来の年金が増える制度ですが、平均年齢を超えるくらいまでいきないと元がとれません。
(つまりそれまでになくなってしまえばマイナス)
準備金不足も大きくなっており将来の年金給付にも不安があります。
老後の蓄えある程度見込まれる場合には加入しないほうが正解でしょうね。
老後の備えをするならiDeCoの方に加入するのをおすすめします。
とんちん年金の詳細はこちらをご覧ください。
あまり聞き慣れないかもしれませんが「トンチン年金」(トンチン保険ともいう)という保険商品があります。個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)と少し毛色は違いますが老後に備えるという点では同様の商品です。今回はこの「トンチン年[…]
まとめ
今回は生命保険や医療保険についてみてきました。
基本的に保険に入るのは何かが起ったときに自分でどうしようもできない場合以外はおすすめできません。
自分でヘッジ(回避)できる程度のリスクなら保険不要
ってことですね。
また、社会保険と合わせて考えることも重要です。
年金だけでは老後資金2000万円足りない問題があったこともあり、株式投資など資産運用に興味を持つ方が少しずつ増えてきているようです。実際に証券会社や銀行に行って株式投資を始める人や保険会社に言って保険に入る人が増えたとの話もあります[…]
何事も期待値で考える癖をもちましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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