年金だけでは老後資金2000万円足りない問題があったこともあり、株式投資など資産運用に興味を持つ方が少しずつ増えてきているようです。
実際に証券会社や銀行に行って株式投資を始める人や保険会社に言って保険に入る人が増えたとの話もあります。
ちなみに勉強もせず証券会社や銀行、保険会社の窓口に行くのはカモネギみたいなもんですからお気をつけくださいね。
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もちろん、老後のことを考えるなら数年前に話題となったピケティのr>gでも結論付けられていましたが、株式投資などの資産運用でお金を増やすことはとても大切です。
また、保険も「もしもの時」にはとても有効な手段となります。
しかし、その前にぜひやっておきたいのが社会保険制度をよく理解しておくことです。
年金不安が叫ばれていますが、実は社会保険にはいろいろなオプション的な要素がたくさんあるのです。
それらを知っておくことでより適切な配分で資産運用や保険にお金を回すことができるようになります。
今回は資産運用や保険よりもまず社会保険を知っておこうぜって話しを見ておきます。
資産運用を始める前に社会保険を知っておきたい理由
日本の社会保険制度はかなり複雑になっています。
私は社会保険労務士やFP2級、年金アドバイザー3級の資格を持っており、社会保険についてある程度は詳しいのですが、それでもごっちゃになってしまうこともあります。
そこで今回は老後資金を考える上で特に知っておきたい社会保険制度をご紹介しましょう。
これら制度を知っておくことで余分な保険に入ったりすることなく固定費の削減できます。
また、自身に必要な老後資金もある程度見えてくるはずですから資産運用の目標も設定がしやすくなります。
知っておきたい老後の年金制度
まずは老後生活の中心となる年金です。
年金と一括に言っても国民年金、厚生年金と分かれています。また、iDeCoや企業型DCなどの上乗せ部分もあります。
また、国民年金・厚生年金にはそれぞれ付随するいろいろな制度があるのでかなりややこしいんですよ。

日本の年金制度
出所:厚生労働省「日本の公的年金制度」
国民年金と厚生年金
まずは国民年金と厚生年金について知っておきましょう。
この2つは似ているようでかなり違う性質をもった制度です。
簡単に言えば国民年金は上記の図の1階部分、つまり全員共通の基礎の部分ですね。
厚生年金は会社員の方などが入れるもので国民年金を含んだ1階と2階部分となります。
国民年金と厚生年金の違いについて詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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もらえる金額にも大きな差が
国民年金は1階建ての部分のみ、厚生年金は1階と2階部であるためもらえる金額にも大きな差があります。
2019年最新のデータだと年金の平均支給額は国民年金5.5万円、厚生年金14.7万円とかなり大きな差となっています。
まずは自分がいくら貰えるのかを知っておくことが大事でしょうね。
もらえる年金額について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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特別支給の老齢厚生年金
次に知っておきたい制度が「特別支給の老齢厚生年金」です。
簡単に言えば年金がもらえる年齢が60歳から65歳に引き上げられた際に導入された暫定的な移行期間用の制度です。
ですから対象となる方は限られていますが、該当する方はもらっておかないと損な制度でもあります。
この「特別支給の老齢厚生年金」は自動的に支給が始まるものではありません。
ご自身で手続き(年金請求)を行う必要があるので注意が必要なのです。
つまり、請求しないともらえないってことです。
「特別支給の老齢厚生年金」は対象者なのに申請しない人が加給年金と並んで多いと言われています。
該当される方は忘れずに申請しておきましょう。
「特別支給の老齢厚生年金」の対象者など詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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加給年金
次は「加給年金」です。
こちらも前述の「特別支給の老齢厚生年金」と並んでもらい忘れが非常に多い制度ですからお気をつけくださいね。
加給年金を簡単に言えば年金の「家族手当」のようなものです。
特に年の差夫婦にとってはかなりお得な制度ですからぜひ知っておきましょう。
加給年金も受給をするためには手続きをする必要があります。
忘れずにやっておきましょうね。
「加給年金」の対象者など詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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付加年金
次はあまり知られていませんが、公的年金制度の中で最強にお得な制度といっても過言ではない「付加年金」です。
付加年金とは簡単にいえば国民年金に少し上乗せして支払うことで将来もらえる年金が増える制度です。
付加年金は受給開始2年でもとが取れてしまうば設計ミスレベルにお得になっております。
厚生年金に加入していない方はまず検討すべき制度です。
「付加年金」の詳しい内容についてはこちらの記事を御覧ください。
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繰り下げ・繰り上げ
次は「繰り下げ」「繰り上げ」制度です。
簡単に言えば年金の受給開始を遅らせて金額を増やすのが繰り下げ、年金の受給を早めて金額が減るのが繰り上げです。
特に繰下げは平均余命が伸びている昨今ではかなり有効な年金を増やす作戦のひとつですね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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高年齢雇用継続基本給付金
最後は「高年齢雇用継続基本給付金」です。
高年齢雇用継続基本給付金を簡単に言えば定年後働く際に給料が下がった方にその一部を援助する制度です。
今後は人で不足や年金だけでは生活が大変であるというのもあり、定年後も働く方が増えていくでしょう。
そんな場合に知っておきたい制度ですね。
「高年齢雇用継続基本給付金」について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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知っておきたいその他の年金制度
年金は老後にもらうだけではないんですよ。
その他条件を満たすともらえる場合があります。
遺族年金
まずは「遺族年金」です。
遺族年金を簡単に言えば国民年金や厚生年金保険料の被保険者(今入っている人)の方や被保険者であった人(前に加入していた方)が亡くなったときに、その遺族が年金を受け取れる制度です。
つまり、遺族へお金を残すことができる制度なんですよ。
これがあるため実はそれほど生命保険が必要ないとも言われています。
「遺族年金」について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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また、生命保険を掛ける金額についてはこちらの記事を御覧ください。
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障害年金
次は「障害年金」です。
障害年金とは名前のとおり、障害がある場合に受給できる年金です。
国民年金から支給される「障害基礎年金」と厚生年金から支給される「障害厚生年金」があります。
誰でも事故や病気で障害となってしまうかはわかりません。
日本の年金制度は老後のためだけでなくこのような部分の保険的な意味合いも多く含んでいるんですよ。
これらの存在は一般の生命保険で同レベルの保険に加入しようとするとかなり高い金額になるレベルの補償となっていたりします。
もしものときの保険を兼ねているわけですから単純に年金は保険料の損得だけで計れない制度なのも知っておきたいところです。
「障害年金」についてはこちらの記事を御覧ください。
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年金分割制度
次は「年金分割制度」です。
現在、日本では3組に1組が離婚していると言われています。
離婚する際に財産分与の話はよく聞きますが、実は年金も分割できるんです。
厚生年金は給料額をベース(標準報酬月額)に支払う年金が決まります。
また、もらえる年金もそこから決まりますからバリバリ働いていないほうは不利なんですね。
しかし、この年金分割という制度を使うとそれを分割することができるのです。
専業主婦だった方はもちろん、共働きでも給料に差があった場合には有効な方法となります。
離婚を考えている方は要チェックです。
年金分割制度とは、名前の通り、離婚する時に夫婦が加入していた厚生年金や共済年金を分割する事ができる制度となります。
「年金分割制度」について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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国民年金や厚生年金は払い損ではない
マスコミが年金不安を煽っていることもあり、多くの方が国民年金や厚生年金は払い損と考えています。
しかし、財政検証などを考えてもすぐにどうこうなる話ではありませんし、上記の遺族年金や障害年金のような保険的な機能もついているんですよ。
ですから単純な年金の金額だけで考えるのは違うのです。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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また、そもそも論ですが国民年金を支払うのは義務です。払う払わないの選択をするものではありません。厚生年金の場合、給料から天引きですから未納はないでしょうが。
また、国民年金には連帯納付義務もあります。連帯納付義務とは世帯主や配偶者の片方は連帯して国民年金を納付しなければならないのです。最終的には強制執行されます。つまり、自分の預金や給料などの財産が差し押さえされちゃいますよってことですね。
前と違って今はかなり厳しく取り扱われているようですからくれぐれも納めないなんて考えないほうがよいでしょう。
国民年金の督促について詳しくは下記記事を御覧ください。
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知っておきたい健康保険制度
次は健康保険の制度です。
実は健康保険には様々な制度があり、それらを勘案すると多くの方が民間の保険に入りすぎなんですよ。
高額医療費制度
まずは「高額療養費制度」です。
これは簡単に言えば、医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。
これがあるため医療保険にたくさん入る必要はないんですよ。
「高額療養費制度」について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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傷病手当金
次は「傷病手当金」です。
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
簡単に言えば怪我や病気で働けない際に手当がもらえるってことですね。
最近、働けなくなったときの保険として「就業不能保険」や「給料サポート保険」というものが出てきています。
傷病手当金がもらえるなら「就業不能保険」や「給料サポート保険」は不要なケースもありますのでよく考えて加入しましょうね。
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介護保険
次は「介護保険」です。
介護保険は2000年に創設された比較的新しい社会保険制度です。
名前の通り、介護にかかる負担を社会全体で支えることを目的としています。
家族に介護が必要となった時に利用することが出来ます。
最近、民間からも「介護保険」が多数販売されています。
これも「就業不能保険」と同じでまずは社会保険制度の介護保険を理解して本当に必要なのかを考えてみてくださいね。
介護休業制度
また、「介護休暇制度」も「介護保険」と合わせて知っておきましょう。
介護をするために会社を休む必要があるときに受けられる介護休業制度です。
「介護保険」、「介護休暇制度」について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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知っておきたい雇用保険制度
次は雇用保険です。
雇用保険もいろいろな給付があります。
退職する際などにはぜひ知っておきましょう。
失業保険(基本手当)
まずは「失業保険」です。
失業保険とか失業手当、失業給付は一般的によく使われる言葉ですが、正式には雇用保険の中の基本手当のことを指します。
簡単に言えば雇用保険を掛けていた方が、離職した際に失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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特定受給資格者・特定理由離職者
前述の失業保険と合わせて知っておきたいのが「特定受給資格者」と「特定理由離職者」です。
失業保険は自己都合退職の場合に3ヶ月間の給付制限期間があります。
3ヶ月間お金が入ってこないのは痛いですよね。
しかし、自己都合退職でも「特定受給資格者」もしくは「特定理由離職者」の条件に合致していると7日間の待機期間満了後からすぐ受給が可能となります。
結構多くの方がこの二つのルール該当しているのに関わらず、普通の自己都合退職扱いになってしまっているんですよ。
ぜひ知っておきましょう。
「特定受給資格者」と「特定理由離職者」について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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まとめ
今回は「老後資金を考えるなら株式投資や保険よりもまず社会保険を知るところから始めよう」と題して知っておいてほしい社会保険制度をご紹介しました。
どうしても社会保険制度をしっかり理解せずに、老後資金が足りないからといって投資して増やそうとしたり、保険に入ったりすれば片手落ちのやり方となってしまいます。
まずは社会制度を理解した上で本当に必要な保険などれでいくら必要なのか。
また、老後資金はいくら必要なのかを理解した上で資産運用を行う必要があるのです。
証券会社や銀行も一人に掛けられる時間は限られていますし、ノルマがありますからそこまで考えてくれる担当者は少ないです。
また、ファイナンシャルプランナーも自分の生活のためにやっていますからそんなことまで考えてくれないケースが多いです。(多くのファイナンシャルプランナーは保険等の手数料がメイン収入)
社会保険制度があるから多くの保険を掛けなくてよいと分かっちゃうと儲からなくなりますからね・・・
ですから他人を信用するのではなく、まずは自分のお金は自分で守るという意識も必要でしょう。
そのためにもこの記事でご紹介した社会保険制度について知っておいてくださいね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。