iDeCoの対象ファンドで過去3年でマイナスなのはどれくらいあるのか?SBI証券編

日経新聞がつみたてNISAが始まって3年経って対象ファンド140本中139本が含み益だという面白いデータを出してきて話題となっています。

つみたてNISAは金融庁が選別した投資信託だけが対象となっていますので納得の結果といえるかもしれません。

それでは金融機関が対象ファンドを決めている個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はどうなのでしょう?

今回はつみたてNISAの話と同じ12月末時点の3年でマイナスとなっているファンドがどれだけあったのかを見ていきます。

なお、iDeCoの対象ファンドは証券会社ごとによって大きく異なっていますので今回は利用者の多いSBI証券(セレクトプラン)に絞ってみていきましょう。

金融機関によってかなり結果に差が出そうな予感があります・・・

SBI証券イデコの対象ファンドでマイナスは4本

今回は2020年12月末時点の3年トータルリターン、騰落率で見ていきます。

結論としてはSBI証券のセレクトプラン対象のファンドで4本マイナスとなっていました。

ちなみに前述のつみたてNISAも3年トータルリターンや騰落率でみると6本がマイナスとなっていましたが、毎月積み立てしている場合はドルコスト平均法が働いて1本だけがマイナスとなりました。

イデコでも同様で毎月積み立ててならばマイナスファンドがもう少し少なくなると思われます

※3年で見ていますので設定から3年経っていないファンドは除外されていますのでご注意ください。

3年間の相場状況

それではこの3年間それだけ強い相場だったのでしょうか?

それではこの間の日経平均の値動きを見てみましょう。日経平均過去3年

出典:SBI証券 日経平均3年週足ローソク足 2020年2月1日現在

3年チャートの日経平均を見ると結構上下してますね。

2020年は新型コロナウィルスの関係で大きく下げて底を打ち、そこから右肩上がりとなっているのがわかります。

そこからの高騰部分がここ3年でみると大きかったと言えるでしょう。

もし、その時点でファンドを解約したりしていれば大きなマイナスとなっている可能性もありますね。

私のiDeCoの成績

ちなみに私もイデコはSBI証券のセレクトプランでやっています。

2020年12月30日現在で以下の損益となります。

2020年12月現在のiDeCo実績
2020年12月現在のiDeCo実績

2020年12月29日現在のiDeCo資産残高は3,302,911円です。

拠出金累計は途中でオリジナルプランからセレクトプランに変更していますのでちょっとおかしなことになっています。

プランを変更する前の資産残高が移換金にそのままはいってしまっているのですね。

オリジナルプランからセレクトプランへの変更は同じ証券会社ですから移換に伴う手数料は掛かっていませんが、手続き的には移換したという扱いになっているみたいなんです。

逆算して計算すると実際の移換前の私の拠出金は1,474,000円でした。

そしてセレクトプランに変更後の掛金が1,407,000円ですから合計するとトータルした拠出金累計は2,881,000円です。

収益は421,911円、14.6%プラス

ですので実際のiDeCo口座での損益は421,911円のプラスとなります。

損益率は14.6%ですね。

3年くらいでの成績ですから年平均5%弱で妥当な水準でしょう。

全部株にしているわけではないため、少しリターンが低くなっていますけどね。

詳しいアセットアロケーションなどは以下の記事にありますので参考までにどうぞ。




マイナスとなった4本は?

それではマイナスとなってしまっている4本を見ていきましょう。

※あくまでも2020年12月末時点の3年トータルリターン、騰落率がマイナスなだけで最終的には勝ち組の可能性ももちろんあります。

3年トータルリターンがマイナスのファンド(12月末)

12月末の3年トータルリターンがマイナスとなったファンドは4つありました。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

投資対象ファンド名3年トータルリターン(12月末)(年率換算)
新興国株ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド-5.45%
先進国リート三井住友・DC外国リートインデックスファンド-1.64%
日本株アクティブSBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>-1.17%
新興国株iFree 新興国債券インデックス-0.50%

出典:SBI証券 イデコ対象ファンド 3年トータルリターン

ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド

最もマイナスが大きかったのは「ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド」です。

フロンティア諸国といわれる、バングラデシュ、モンゴル、カザフスタン、スリランカ、ベトナム等の企業やこれらの国で事業展開する企業の株を中心に投資をするファンドとなります。

つみたてNISAでは採用されないと思われるニッチなファンドですね。

ただし、12月末時点の6ヶ月のトータルリターンは20.80%と最近は調子が良くなってます。

三井住友・DC外国リートインデックスファンド

次点は先進国リートの「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」です。

先進国リートは新型コロナでの落ち込みがすごかったんですよ。

その後の盛り返しはありますが、株ほど大きく上がっていませんのでマイナスとなっています。

ちなみにこのファンドは少しだけですが私もイデコで購入していますね。

現時点で唯一マイナスとなってしまっているんですよ(笑)

SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>

3位はアクティブファンドの「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>」です。

こちらは一時期好成績で持て囃されたファンドなのですが、直近3年では苦労していますね。

ただし、設定来でみると71.42%と大きくプラスです。

また、こちらも最近6ヶ月は19.62%のプラスと盛り返してきています。

iFree 新興国債券インデックス

4位は新興国債券の「iFree 新興国債券インデックス」です。

新興国債券もこの間は冴えませんでしたね。

ただし、こちらも設定来でみると16.55%のプラスとなっています。

3年騰落率がマイナスのファンド(12月末)

12月末の3年騰落率がマイナスとなったファンドも4つありました。

少し銘柄が入れ替わっていますね。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

投資対象ファンド名3年騰落率(12月末)
新興国株ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド-11.14%
日本株アクティブSBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>-6.25%
新興国株iFree 新興国債券インデックス-2.87%
世界株アクティブ朝日Nvestグローバル バリュー株オープン-1.51%

出典:SBI証券 イデコ対象ファンド 3年騰落率

前述のトータルリターンでマイナスだった「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」ですが騰落率だと+6.25%となっておりランクインしていません。

代わりに「朝日Nvestグローバル バリュー株オープン」が入っています。

朝日Nvestグローバル バリュー株オープン

朝日Nvestグローバル バリュー株オープンは日本を除く世界中の株式を対象としたアクティブファンドです。

投資銘柄数を30~50銘柄に絞り込むのが特徴となっています。

こちらも新型コロナでの落ち込みが大きかったですね。

投資対象銘柄が少ないファンドは1つ1つの上げ下げが大きく影響を与えますのでこのようなことも起こりやすくなるのです。(逆もありえます)

ただし、直近6ヶ月のトータルリターンは+32.39%とこちらも最近は大きく盛り返しています。



過去3年で強かったファンドは?

それでは逆に過去3年で強かったファンドはどれなのでしょう?

結構意外なものが上位となっています。

3年トータルリターンランキング(12月末)

2020年12月末時点のSBI証券イデコセレクトプランの対象となっているファンドの3年トータルリターン上位5本はこちらです。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

投資対象ファンド名3年トータルリターン(12月末)(年率換算)
米国株アクティブ農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね12.39%
三菱UFJ 純金ファンド (愛称:ファインゴールド)9.41%
先進国株インデックスファンド海外株式ヘッジあり9.35%
国内株<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド8.46%
世界株アクティブセゾン資産形成の達人ファンド8.04%

出典:SBI証券 つみたてNISA対象ファンド 3年トータルリターン

1位は最近人気となっている米国株を対象とした「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」です。

アクティブ型なため、あまり話題となりませんが安定した成績を残しているんですよ。

5位もアクティブ型の「セゾン資産形成の達人ファンド」ですね。

2位に金、3位に為替ヘッジありの先進国株とバラエティにとんだ上位となっています。

3年騰落率ランキング(12月末)

2020年12月末時点のSBI証券イデコセレクトプランの対象となっているファンドの3騰落率上位5本はこちらです。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

投資対象ファンド名3年騰落率(12月末)
米国株アクティブ農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね39.61%
国内株<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド30.27%
先進国株インデックスファンド海外株式ヘッジあり29.35%
三菱UFJ 純金ファンド (愛称:ファインゴールド)28.04%
先進国株eMAXIS Slim 先進国株式インデックス27.33%

出典:SBI証券 つみたてNISA対象ファンド 3年騰落率

トータルリターンと比較すると多少順位変動がありますね。5位に先進国株の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が入っています。

こちらはSBI証券のセレクトプラン利用者の中でも人気が高いファンドですね。

ちなみに6ヶ月の騰落率だと3年騰落率でマイナスになっていた「朝日Nvestグローバル バリュー株オープン」がトップなんですよ。

波が大きいファンドなのかもしれません。



まとめ

今回は「iDeCoの対象ファンドで過去3年でマイナスなのはどれくらいあるのか?SBI証券編」と題してここ3年のイデコの成績について見てきました。

ここ3年はかなり強い相場でしたからマイナスファンドも4本だけとかなりの好成績となっています。

しかし、ツイッターなどを見てると何度かあった下げ局面で耐えられなくなってイデコの積立を減らしたり、運用商品を定期預金に変えてしまった人も多くいるようです。

イデコは元々60歳まで投資して老後資金を準備するための制度ですから長い目で投資するのが吉でしょうね。

もし値動きに耐えられないなら自分の許容範囲を超えた投資金額やリスクかもしれません。

金額や投資ファンドを見直すことをおすすめします。

また、投資していることを忘れてしまう「気絶投資法」もイデコのような制度を利用するならありかもしれません。

イデコはつみたてNISAと違って途中でスイッチングや配分変更も可能なのでうまく利用したい部分ではありますが・・・
なお、今回の記事と同じマネックス証券編はこちらの記事を御覧ください。

SBI証券のイデコには選択の楽しさがある

SBI証券のイデコは信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドはもちろん。

雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある商品をたくさんそろえているところが他にない最大の魅力かもしれません。

今回のランキングでも上位となっているのも他の金融機関のイデコであまり取り扱いのない商品が多かったですしね。

選択の楽しさがありますよね。

また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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