突然ですが、国民負担率ってご存知ですか?
あまり報道されていませんが、毎年財務省から発表されているデータになります。
令和2年度の国民負担率は46.1%、潜在的な国民負担率は新型コロナ対策でお金をばらまいた影響で66.5%と大きく50%を超えてしまっています。
今回は国民負担率について考えてみましょう。
国民負担率とは
国民負担率とは国民全体の所得に占める税金と社会保障費の負担割合の事です。
税金には国税や地方税、社会保障費には健康保険や介護保険、年金などが含まれます。
国民がどれだけ公的な負担をしているのかがわかる指標です。
潜在的な国民負担率とは
また、国民負担率に財政赤字分を含んで算出したものを「潜在的な国民負担率」といいます。
財政赤字を国民負担とまとめて計算するなって意見もあるとは思いますが・・・
国民負担率、潜在的な国民負担率の推移
国民負担率及び潜在的な国民負担率は財務省から毎年発表されています。
令和3年度の見通し
GDP比も年々増加
ちなみに国民負担率のGDP(国民総生産)に対しての割合も年々増えています。
令和元年で31.8%、令和2年で32.4%となっています。
令和3年の見通しでは31.2%です。
昭和45年時点では19.7%でした。
国民負担率はなぜ上がっているのか?
それではなぜ国民負担率がこれほど伸びてしまっているのでしょう?
直近で大きく伸びた理由は新型コロナ対策と消費税増税、所得税の給与所得控除の見直しなどです。
また、厚生年金が改定されたり、健康保険があがっているのも大きいでしょう。
国民負担が高くても問題ないが・・・
ちょっと勘違いしてほしくないのが、国民負担率は低ければ良いものではないということです。
国民負担率はあくまで国民がどれだけ税や社会保障を負担をしているかを示すデータにすぎません。
ですから負担した以上に社会保障などが充実していればまったく問題ないわけです。
他の国の国民負担率はどうなっているのか?
出典:財務省 国民負担率の国際比較より
他の国と比較して日本が飛び抜けて高いわけではないんですよ。
トップのルクセンブルクなんて100%です。
フランスなんかも68.3%とかなり高くなっています。
しかし、これら国は社会保障がトンデモなく充実しているんですよ。
例えばフランスでは住宅手当、家族手当、失業保険などがかなり充実。
それもあり、フランスの出生率は1.88人と先進国でかなり高くなっています。
その分社会保障の負担割合が多くなっている感じですね。
出典:財務省 国民負担率の国際比較より
今後も負担増は続くか?
国民負担率の増加に個人はどう対抗できるのか?
今まで見てきたように国民負担率の増加は今後も避けては通れないでしょう。
このあたりの話は個人ではどうしようもありませんよね。
ですからそうなっても良いように準備しておくしかないのです。
税金、社会保険の知識をしっかり持っておく
まず重要なことは税金や社会保険の知識をしっかりもっておくことです。
いろんな節税策や社会保険のルールを知っているか知っていないかで大きな差となってしまうんですよ。
例えば個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)です。
自分の将来もらえる年金を積み立てる制度ですが、うまく使えば老後資金の増えてさらに所得税や住民税の節税に繋がるんですよ。
使わないのはもったいない制度ですが、まだまだ認知が少なく令和3年3月時点でも193万人しか加入していないんですよ。
他にもいろいろ知っていただきたい制度や仕組みがあります。
そういった税や社会保険の知識をしっかり持っておくことは自己防衛となるでしょう。
知ってる人だけが得する、知らないと損する制度がありすぎるんですよ。
税金、社会保険それぞれ下記でまとめてありますので興味ある方はぜひ合わせて御覧ください。
健康に気を使っておこう
老後に掛かる大きな出費が医療費です。
医療費が掛かるかかからないのかは日頃から健康に気を使っているかどうかで変わってくると言われています。
健康はすぐにできるものではありませんから日々気をつけていきたいものです。
老後資金は準備しておこう
少し前に老後資金2000万円足りない問題が話題となりました。
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ(第23回)で発表された「高齢化社会における資産形成・管理報告書(案)」という資料に書いてあった内容です。
この文章は簡単に言えば人生100年時代で資産寿命をどう伸ばすのか?をテーマにまとめられた資料。
書いてあることはすごく真っ当なことばかりでしたが、選挙に都合が悪くなるためかその文章自体が撤回されました
撤回されても単に事実から目を背けてしまったに過ぎません。
この資料は今の世代は多くの人が90歳から95歳くらいまで生きるから、95歳くらいまでは年金だけで足りない生活費を用意しておこうぜとなっていました。
それが2,000万円くらいというわけです。
しかし、最近はさらに寿命がさらに伸びるなんて話もありますから、それも踏まえて生活資金をあらかじめ用意しておくことは重要な話なんですよ。
さらにインフレなんて話もありますからしっかり準備できていない人は厳しい老後生活になることを覚悟するひつようがあるかもしれません。
エンプロイアビリティを高めておこう
また、老後でも働けるなら働きたいものです。
それならば若いうちからエンプロイアビリティ(雇用される能力)を高めておきましょう。
簡単に言えば企業に欲しがってもらえる能力のことです。
これからフリーランスが増えるなんて話もありますが、フリーランスなら仕事を依頼してもらえる能力ですね。
これからAIやRPAがどんどん賢くなってきています。
単純作業ならば殆どの場合、人間がやるよりもAIやPRAのほうが正確になってしまうでしょう。
それらも踏まえて企業が欲しがってくれる能力を今のうちから磨いておくのです。
エンプロイアビリティを高めておけばそもそもリストラにあってしまう確率も低くなりますし、もしリストラにあってしまったとしても転職や独立も容易になります。
まとめ
今回は「令和3年度の潜在的な国民負担率が56.5%に。税金や社会保障のために働いているのか?」と題して日本の国民負担率がどんどん増えているという話をみてきました。
国民負担率がこれからも増えることは少子高齢化を考えると避けては通れないでしょう。
そうなっても大丈夫なように個人ができる対策を少しずつやっておきたいところですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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