12月12日に東証マザーズに新規上場する一家ダイニングプロジェクトの財務分析をしてみたいと思います。
一家ダイニングプロジェクトが12月12日上場
一家ダイニングプロジェクトが上場する週は一家プロジェクト、カチタス、ヴィスコ、SGホールディングス、グローバルリンクマネジメント、エルティエス、アルヒ、イオレ、HANATOURJAPAN、マツオカコーポレーションと他に9社上場します。
一家ダイニングプロジェクト自体はそこまで規模はおおきくありませんが、同じ週に上場するSGホールディングス(佐川急便)などは今年最大の上場となります。他にカチタスやアルヒなどはかなり大きめです。
そのため資金が分散する可能性があります。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
一家ダイニングプロジェクトのビジネスモデル
一家ダイニングプロジェクトの事業内容は居酒屋「屋台屋博多劇場」「こだわりもん一家」等の運営、ブライダル事業となっています。
それでは詳しく見ていきましょう。
一家ダイニングプロジェクトの経営理念
一家ダイニングプロジェクトの経営理念をみていきましょう
経営理念
お客様、関わる全ての人と喜びと感動を分かち合う
誇りの持てる「家族のような会社」であり続ける
夢を持ち、限りなき挑戦をしていく
社訓
- 笑顔であれ
- どんな時も明るく元気に仕事をせよ。笑顔は活力の源である。
- 思いやる人となれ
- 人の喜びや悲しみを共有せよ。心優しき者が繁盛店を創る。
- 目標を定め、実行せよ
- 実行の前に目標がある。ゴールを定めない者は結果を出せない。
- やり抜く強さを持て
- 自分を信じ、決して諦めるな。希望は自身の中にある。己に勝て。
- 前向きに捉えよ
- 愚痴や言い訳を言うな。否定的な考え方はつまらない人生を呼び寄せる。
- 素直な心であれ
- 感動、感激、感謝せよ。吸収力は感受性の高さに比例する。
- 日々改善、改革せよ
- 失敗を恐れるな。進化し、変化し、大きく飛躍せよ。
グループミッション
あらゆる人の幸せに関わる
日本一の“おもてなし”集団
一家ダイニングプロジェクトのビジネスの内容
一家ダイニングプロジェクトの特徴はスタッフによる「おもてなし」にあります。
グループミッションにも日本一の“おもてなし”集団とうたっているくらいですから自信があるのでしょうね。
残念ながら私はこちらの店舗にいったことがないのでわかりませんが・・・
事業としては飲食事業とブライダル事業を手がけています。
飲食事業
飲食事業では
こだわりもん一家
屋台屋 博多劇場
Trattoria&Winebar
鮨 あらた
の4つを手がけています。
ブライダル事業
ブライダル事業ではブライダル施設「The Place of Tokyo」を運営しています。
一家ダイニングプロジェクトの収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
28年度64.49%
29年度65.31%
と少し上げています。
もともとかなり高い水準ですね。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
28年度2.53%
29年度2.90%
こちらは少し上げています。
上場前は販売費及び一般管理費が上場費用などで嵩む傾向にありますのでその影響をおさえたかんじですね。
ただし、それほど高い水準ではありません。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
28年度2.38%
29年度2.84%
こちらも少し上げています。
売上高営業利益率との差は有価証券利息や支払利息の部分が大きいです。
といってもたいしたレベルではありませんが。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
28年度+7.98%(連結)
29年度+24.99%(連結)
と推移しています。
特に直近が大きく伸びていますね。
収益性まとめ
売上の伸びがよい。とくに直近で伸びている、利益水準はそれほど高くないが上げている
一家ダイニングプロジェクトの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
28年度121.45%
29年度100.01%
とこちらは少し悪化しています。
流動比率の目安は100%ですからちょっとギリギリな感じですね。
ただし、飲食業界は基本的に現金商売でしょうからある程度低くても大きな問題にはならないケースが多いです。
流動資産の大半が現金及び預金ですしね。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
28年度12.2%
29年度16.0%
と大きく上げています。
少し低めではあります。
キャッシュフロー
キャッシュフローは28年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がプラス
でトータルプラス
29年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がプラス
でトータルマイナス
となっています。
フリーキャッシュフローは28年度、28年度ともマイナス
キャッシュフロー計算上で資金面ではちょっと気になる点が多いです。
フリーキャッシュフローが2年連続でマイナスとなっている大きな要因は有形固定資産の取得です。
おそらく店舗等を新規出店した時にかかった部分と思われれます。
上場もあったので新規出店を急いだ結果だとは思いますが、もうちょっと身の丈にあった新規出店が個人的には好きですね。
抽選ハズレてますし、ここに投資することはないかな・・・
キャッシュフロー計算書の読み方はこちらからどうぞ
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安全性まとめ
資金面でちょっと気になる点がありますね・・・
一家ダイニングプロジェクトの株価
PER、PBR
PER、PBRをみるとそれなりです。
株主優待などがあると一気に上る可能性がありますのでそれらを踏まえると妥当な範囲かと。
既存株主
既存株主にはベンチャーキャピュタルの保有は見当たりません。
既存株主は会社ばかりです。
おそらく名前から関連会社と思われますが・・・
株式会社ベクトルとサントリー酒類販売会社はロックアップなし
あとはロックアップ180日となっています。
その2社の動向は注目が必要かもしれません。
また、ストック・オプションもそれなりにあります。
まとめ
今回は一家ダイニングプロジェクトの財務を中心に分析してみました。
株価的にそれなりです。
規模は小さく初値はそれなりに期待できそうですが
ちょっと気になる点もあり私は抽選外れたらパスかな・・・
次回は初値予想をしてみたいと思います。
また、IPOをこれから始める方は下記ページを読んでいただくことをおすすめします。
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