12月18日に東証マザーズに新規上場するすららネットの財務分析をしてみたいと思います。
すららネットが12月18日上場
すららネットが上場する週はジーニー、歯愛メディカル、すららネット、森六ホールディングス、オプトラン、プレミアグループ、ミダック合計8社上場します。
その前の週もSGホールディングスやカチタス、アルヒなど大きいところを含めて10社新規上場とかなり集中しています。
そのため資金が分散する可能性がありますね。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
すららネットのビジネスモデル
すららネットの事業はオンライン学習教材「すらら」サービスの提供となっています。
それでは詳しく見ていきましょう。
すららネットの経営理念
すららネットの経営理念を見ていきましょう。
経営理念
教育に変革を、子どもたちに生きる力を。
世の中には、学力や所得、地域の格差などによって十分な教育を受けることができない子どもたちがいます。
私たちはそうした子どもたちにも、ひとりひとりに合った新しい学習体験を届けます。
この学習体験を通じて、子どもたちは、
「大人になっても役に立つ真の学力」と
「努力をすれば結果が出るという自信」を身につけることができます。
私たちはこれらを実現するために、新しい学びの形を、学校や塾、その他の教育機関と共に築いていきます。
すららネットのビジネスの内容
すららネットはオンライン学習教材の「すらら」サービスを全国の学習塾、学校法人等の「すらら」導入校、個人学習者に対して提供しています。
出所;すららネット目論見書より
すららネットの収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度71.52%
28年度74.72%
と少し上げています。
かなり高めの利益率ですね。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度12.81%
28年度13.93%
こちらも少し上げています。
上場前は販売費及び一般管理費が上場費用などで嵩む傾向にありますがそれらを上手くおさえたかんじですね。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度12.50%
28年度13.99%
こちらも少し上げています。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
27円度+21.29%
28年度+17.67%
と上げています。
急激な伸びではありませんが堅実に成長している感じですね。
すららネットみたいなビジネスはストック型なので会員が増えることで着実に成長します。
そのあたりから見ても楽しみな状況ですね。
収益性まとめ
売上の伸びは安定している、利益率もそれなりに高い
すららネットの安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年度199.56%
28年度173.82%
とこちらは少し悪くなっています。
しかし、流動比率の目安は100%ですから全く問題ありません。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
27年69.2%
28年72.5%
と少し上げています。
もともとかなり高い水準ですし自己資本はなんら問題ないでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュフローは27年度、28年度とも
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がマイナス
フリーキャッシュフローは27年度はマイナス、28年度はプラスです。
こちらも大きな問題がある感じはありませんね。
順調な感じです。
キャッシュフロー計算書の簡単な見方はこちらからどうぞ。
安全性まとめ
資金面ではとくに問題がなさそう。
すららネットの株価
PER、PBR
PER、PBRをみると割安感はありません。
売上も伸びていますし、利益も高めです。
ストック型のビジネスですし長い目でみたらぜんぜんありな水準です。
既存株主
ベンチャーキャピュタルの売出しの本上場ですが、それ以降もまだ株をもっています。
ロックアップが1.5倍で解除されますのでそのあたりからは注意が必要になります。
ストックオプションもそれなりにあり、初値がついた後はちょっと注意が必要な銘柄かも
まとめ
今回はすららネットの財務を中心に分析してみました。
株価的に割安感がありません。
しかし、順調に成長している感じがありますし、
なによりマザーズの小型株ですのでそれだけでそれなりの初値がつきそうな予感はあります。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
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