最近勢いのある証券会社と言えばSBI証券と楽天証券の2大ネット証券です。
口座開設数ではSBI証券が業界トップの野村證券を抜いてトップとなっています。
楽天証券も3位と野村證券に肉薄する位置まで伸ばしていますね。
そんなネット2大ネット証券のSBI証券と楽天証券がかなりバチバチ争ってて面白いです。
今回は報道を巡って両社の争いがありましたのでご紹介しましょう。
楽天証券が投信販売で首位報道
まず今回の争いの発端となったのが以下の報道です。
個人投資家の資産形成を担う投資信託で販売会社の勢力図が変わり始めている。2021年7~9月の個人向けの販売額はネット専業の楽天証券が、野村証券など対面大手を含む主要10社で初の首位となった。若年層が低コストの投信を積み立てで購入する動きが顕著だ。中高年層の投信の短期売買は影を潜め、ネットを通じた若年層の長期投資が主流になっている
出典:日本経済新聞 投信販売、楽天証券が初の首位 ネット経由が主流に
2021年7月から9月の投資信託販売で楽天証券が首位になったというのです。
楽天証券はクレジットカードで投資信託を買える強みあり
楽天証券には他社にない強みがありました。
それは楽天カードで投資信託が買えることです。
楽天カードで投資信託を買うと1%分の楽天ポイントが貯まるんですよ。
投資信託が0.何%の単位で信託報酬戦争をしている中で買うだけで1%のポイント還元はかなりインパクトが強いですね。
なお、楽天証券の楽天カードでの投信積立利用者はすでに利用は100万口座を突破しています。
SBI証券は異議を唱える
本日の日本経済新聞におきまして、証券会社の 2021 年 7~9 月の投資信託販売額に関する記事が掲載され ておりますが、当該記事中の各社の販売額の定義は、まちまちであり、当社の販売額については、楽天証券の販売額に含まれている外貨建 MMF 及び確定拠出年金(DC・iDeCo)の数値が含まれておらず、比較としては正確性を欠くものと考えられます。今後、当社は投資信託販売額の開示方法を変更し、外貨建 MMF 及び確定拠出年金(DC・iDeCo)を含む数値を販売額として開示させていただくことといたします。出典:SBI証券 本日の一部報道について
つまり、日経新聞は各社が発表した販売額の定義が違うのに比較して報道するのがおかしいぞってことが言いたいのです。
対楽天証券というよりも報道した日経新聞に対してですけどね。
SBI証券の話を聞く限り主張は当然なんですよ。
下記の前提条件で比較されてしまったということのようです。
- 楽天証券:外貨建 MMF 及び確定拠出年金(DC・iDeCo)を含む
- SBI証券:外貨建 MMF 及び確定拠出年金(DC・iDeCo)を含まず
外貨建MMFは私も外貨の一時的な退避先としてよく使ってますし、利用者も多いでしょう。
またiDeCoは下記記事の通りSBI証券が首位ですからこちらの影響も大きいですね。
ですから前提条件が違うのに比較するなってことなのです。
もしSBI証券が外貨建 MMF 及び確定拠出年金(DC・iDeCo)を含んで計算していれば首位はSBI証券だったのかもしれませんしね。
SBI証券はマーケット・リーダー戦略をとり続けている
ちなみにSBI証券は業界トップの口座開設数であるだけあってわかりやすい「マーケット・リーダー戦略」をとり続けています。
逆に楽天証券はマーケット・チャレンジャー戦略を取っていますね。
マーケット・リーダー戦略とは
マーケット・リーダー戦略とは経済学者フィリップ・コトラー氏が提唱する「企業の競争地位戦略」の一つです。
つまりどうやって企業がライバルとどうやって競争するかということです。
ちなみに競争地位戦略には以下の類型があります
- マーケット・リーダー
- マーケット・チャレンジャー
- マーケット・フォロワー
- マーケット・ニッチャー
ネット証券会社で考えると
・マーケット・チャレンジャー:楽天証券、マネックス証券
・マーケット・フォロワー:松井証券、auカブコム証券、
・マーケット・ニッチャー:LINE証券、SBIネオモバイル証券
こんな感じであてはまりそうです。(私の主観です)
マーケット・リーダーが取るべき戦略はいくつかありますが、とくにSBI証券の動きで目立つのが、競合が投入した新製品やサービスと同等品をすかさず投入する同質化ですね。
競合の強みとなる製品やサービスと同等のものを出してしまえば強みが消えて有利になるぞっ話です。
楽天証券が値下げすればすかさず値下げするのもその一環でしょう。
投資信託のクレカ積立も同質化
さらに6月からは今回の楽天証券の投資信託販売が大きく伸びた一因となったクレジットカードによる投資信託購入も対抗しました。
楽天証券と違ってグループ会社でクレジットカード会社を持っていないため少し対抗するのに時間は掛かったようですが、カードの種類によって還元率が変わるというカード会社にもメリットが大きいものとなっています。
マネックス証券のクレカ積立実施にはTOBで対抗
さらに同じネット証券のマネックス証券もクレジットカードでの投資信託積立ができるように計画しています。
しかし、SBI証券はマネックス証券が提携するクレジットカード会社(アプラス)の親会社の新生銀行をTOBするという状況で対抗しています。
これもある意味マーケット・リーダー戦略ですね。
いろいろ複雑な話ですが、TOBの結果しだいではマネックス証券のクレカ積立実施は暗雲を立ち込めそうです。
まとめ
今回は「楽天証券首位報道にSBI証券が噛み付いた。両社がバチバチ争ってて面白い」と題して楽天証券とSBI証券の争いについてみてきました。
両社がバチバチなのは利用者としては歓迎すべきことかもしれませんね。
サービスが良くなる可能性が高いですし。
とりあえずこれから株を始める方は証券口座はSBI証券と楽天証券の口座を作っておけばよいかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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