岸田政権の肝いり政策にリスキリングがあります。
少子高齢化もあり、これから労働力人口がどんどん減少します。
また、日本は他の先進国と比較して一人あたりの労働生産性が低いという話もあります。
そのあたりの改善が目的なのでしょう。
今回はリスキリングについて考えてみたいと思います。
私もリスキリングなんて言葉ができる前ですが、リスキリング経験者なんですよ。
このサイトでもリスキリングなんて言葉が出る前から、エンプロイアビリティ(雇用される能力)を高めようって書いてきました。
今回はそんなリスキリングについて考えてみたいと思います。
リスキリングとは
まずは今回の話の前提となるリスキリングについて解説しておきましょう。
政府発刊の日本経済2021-2022によると以下のようなことを指します。
リスキリングとは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
出典:内閣府 日本経済2021-2022 より
つまり、簡単に言えば学びなおしですね。
なぜリスキリングを政府は推奨しているのか
それではなぜ政府はここまでリスキリングを推奨しているのでしょう?
これは仕事に必要なスキルがどんどん変わって来ているからです。
とくにデジタル化が大きい。
AIやRPAの登場で単純作業で人はほとんど必要なくなると考えられているんですよ。
特にホワイトカラーの大半の仕事は、今後数年間でAIやRPAに置き換わっても不思議でないと感じています。
懐疑的な方はChatGPTを触ってみてください。
考えがかわるかもしれません。
リスキリングをすると年収が上がる?
ちなみに政府がリスキリングを推奨しる根拠の一つとして、自己啓発している方はしていない人より年収が高いっていうデータもあります。
出典:内閣府 日本経済2021-2022 より
ただし、これは自己啓発している人は意識高い方が多いので、仕事も頑張っているなんて部分もあると思われます。
ですからどこまで因果関係があるのかわからない統計の誤謬的な話しのような気もしないでもありませんが。。。
私は会社員時代はボロ株企業で経理責任者をしていましたが、他の上場企業で幹部を兼ねてた役員連中を除くと社員はパチンコや競馬、ゲームの話ばかりしていて会話が合わなかったですね。
しかし、自己啓発で通ってた資格の学校では同じ世代でも投資やビジネスの話が多かったです。
そのくらい自己啓発をしている人とそうでない人たちは意識が違うので、その部分が大きかったんだと思います。
私のリスキリング経験談
それでは私のリスキリング経験談を見ていきましょう。
資格の勉強をした
私の場合は資格の勉強をかなりしていました。
リスキリングは資格の勉強とは限りませんが、資格や大学院など形が残るものの方がおすすめですね。
ちなみに私が持っている主な資格は以下のとおりです。
社会保険労務士
日商簿記1級
1級販売士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小事業主資産相談業務)
年金アドバイザー3級
ビジネス会計検定2級
第二種情報処理技術者
初級システムアドミニストレータ
他にも3級程度とっている資格はたくさんあります。
たくさん資格を持っていますが、日商簿記1級と第二種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ以外は社会人になってから自己啓発で勉強したものです。
リスキリングですね。
ちなみに勉強はそれほど無理した感じもありません。
朝仕事に行く前のカフェとか昼休みの時間、通勤時間、休日など無駄な時間を勉強に充てて複数の資格を取得することができました。
そのおかげなのかどんどん出世していきましたし、年収も上がっていきましたね。
本当に当時リスキリングをしてよかったと感じています。
ちなみに資格マニアの私が考えるコスパ最強資格は簿記2級ですね。
私がリスキリングを始めたきっかけ
ちなみに私が勉強するきっかけは明確にあります。
それは自分より年下の優秀な上司に出会ったことです。
その方は出会った当時25歳くらい。
しかし、すでに上場企業の幹部として、私が中途入社したボロ株企業の役員を兼ねていました。(私が勤務してたボロ株企業はその上場企業から多額の出資を受けていた)
それまで自分はそれなりに優秀だと自負していたのですが、その方を見て圧倒的な敗北感を感じたのを忘れられません。
ドラゴンボールでベジータがフリーザに圧倒的な差を見せられて泣いたときのような感じです。
圧倒的な差を感じてしまったんですよ。
このままじゃ駄目だ。。。。とその日のうちに資格の学校に話を聞きにいったのを覚えています。
私が会社をやめてからは疎遠となっていますが、その方その後いろいろな会社の社長を歴任してますね・・・
ぜんぜん追いつけません笑
今でもこの出会いに感謝していますね。
おそらくその方に出会っていなければリスキリングもしなかったでしょう。
リスキリングは今後大きな長期的なテーマになる
個人的な見解としてリスキリングは今後大きな長期的なテーマになり得ると感じています。
雇用のミスマッチ
日本は他国と比較して労働生産性が低いと言われます。
日本の1人当たり労働生産性はOECD加盟36カ国中21位というデータもあります。もちろんOECD加盟国の平均を大きく下回っています。
その改善のために働き方改革というのもできましたが、正直これは枝葉の話と感じています。
労働生産性が低い一番大きい原因と思われるものは、終身雇用による中間管理職多すぎ問題だからです。
これは他の国と比較して日本は解雇法制が労働者有利なルールとなっているためです。
つまり、使えない社員でも簡単にクビを切れないんですよ。
アメリカのIT大手のリストラの話題が最近よく聞こえてきますが、日本では同じようなことが法律的に難しいんですよ。
そのため、日本でのリストラは解雇ではなく、配置転換や希望退職を募るのです。
一方、ここ数年は人手不足も騒がれています。
人手不足で閉店する店や倒産する企業なんかがあるくらいです。
建設業の大工不足なんてかなり顕著だそうです。
リストラが多いのに人出不足とか矛盾した話ですよね。
これは雇用のミスマッチによるものです。
今現在リストラになっているのはホワイトカラーを中心とした人たちで、AIやRPAでホワイトカラーは、余るだろうと言われているためです。
逆に人手不足になっているのはサービス業、建設業、介護、教師、保育、IT業界(プログラマー)などで拘束時間も長く、きつい仕事が多いんですよ。
その仕事にホワイトカラーの人たちはきつい仕事に回りたいとはあまり考えていないし、そのスキルもないためにこのような現象が起こってしまっているのです。
例:経理のリスキリング
私はリスキリングを開始した当初は経理でした。
例えば経理の方がリスキリングをするとしたらどのような勉強をすればよいのかを考えてみましょう。
個人的な意見としては経理として生き残っていくとすれば3つの路線だと思います。
一つは経営分野。
単純な経理作業や事務作業はAIやRPAで必要なくなるでしょう。(すでにその傾向あり)
ですから経理技術や知識を伸ばすよりも、出てきた数字を活かす分野の知識をつけるべきです。
例えば中小企業診断士とかは親和性が高いですね。
もう一つはIT分野
AIやRPA、DXなどを使う側になるということです。
これも社内にある程度必要な知識ですし、簿記の知識など経理が分かっていると有利な分野でもあります。
AIやDXなどは資格よりもその分野の講座などを受けるのが良いでしょう。
最後は税理士・会計士・社会保険労務士
税理士や会計士、社会保険労務士など経理分野で独占業務をもった資格まで極めてしまうというのも手でしょう。
例えば税理士なら税務相談や税務申告などが独占業務となっています。
AIが進歩すれば税務申告などもできるようになるとは思います。
しかし、そのAIを使いこなせる人は限られますから、独占業務がなくなることは想定しにくいです。
ですからそこまで極めてしまうというのも手ですね。(難易度は高いですが・・・)
このように自分が勉強スべき分野をしっかり見定めていくこともリスキリングをする上では重要です。
リスキリング関連銘柄
投資の観点からいうとリスキリングが長期的に重要な分野になるなら関連銘柄の株を買っておくのもおすすめですね。
例えばこんな銘柄があります。
- 4319 TAC(資格の学校)
- 7353 KIYOラーニング(資格の学校)
- 2464 ビジネス・ブレークスルー(通信制大学など)
- 7043 アルー(社員教育)
例えばKIYOラーニングはスタディングという通信制の資格の学校をやっています。
私も中小企業診断士の勉強のときに補助として使いましたが、他社にはないよくできた教材でしたね。
まとめ
今回は「岸田政権肝いりのリスキリングとはなにか?経験者が語ってみる」と題してリスキリングについて見てきました。
リスキリングはとても重要な話です。
ただし、どの分野の勉強をするのか、どの分野に進むのかというのをしっかり見定めないと無駄になりかねない気もします。
国としてもリスキリングを支援するならそのあたりも踏まえてほしいな・・って感じますね。
でないと無駄に税金垂れ流して終わりとなってしまうかもしれません。
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