マイナス金利解除で普通預金の金利が20倍、30倍に。普通預金で良いの?

2024年3月19日にマイナス金利の解除が発表されました。

その影響はいろいろなところでありますが、特にわかりやすいのが銀行の普通預金金利ですね。

すでに三菱UFJ銀行、三井住友銀行などが0.001%だった普通預金の金利を0.02%に引き上げることを発表していますね。

今回はマイナス金利解除で普通預金の金利が20倍、30倍になったので、普通預金で良いのかという話をみていきましょう。

なお、マイナス金利の解除ってなんだ?って方はこちらの記事から御覧ください。

マイナス金利解除で普通預金金利はどうなった

まずは今回の話の前提であるマイナス金利の解除で普通預金金利はどうなったのかを見ていきましょう。

メガバンク

まずは3大メガバンクです。

  • 三菱UFJ銀行 0.001%→0.02%
  • みずほ銀行 0.001%→0.02%(4月1日から)
  • 三井住友銀行 0.001%→0.02%(4月1日から)

こちらは横並びで年0.001%だった普通預金の金利が年0.02%と20倍になります。

ネット銀行

次はネット銀行です。

PayPay銀行 0.001%→0.03%(4月1日から)
ネット銀行ではPayPay銀行が年0.001%だった普通預金の金利が年0.03%と30倍になります。
まだ発表していない銀行も多いですが、おそらく4月1日までには各社が引き上げを発表すると思われます。



20倍、30倍になっても高くはない利率

20倍、30倍と聞くとすごいですが、元の利率がかなり低かったというところが大きいです。

変更後の利率については、比較してみるとそこまで高いわけではないんですよ。

年0.02%でどれだけ利子がつくのか?

そもそも年0.02%、年0.03%でどれだけ利子がつくのか計算してみるとわかりやすいです。

銀行にもしもがあったときに保護されるペイオフ制度の上限である1,000万円を1年預けた場合で比較してみましょう。

  • 0.001%→100円
  • 0.02%→2,000円
  • 0.03%→3,000円

となります。

たしかに20倍、30倍とはなっていますが、元が100円と低いので絶対値はたいしたことがないんですよ。

ATMの営業時間外を気にせず下ろしていたり、振込を良くする方なら、手数料の方が多くなるかもしれないというレベルです・・・

ネット銀行の条件付き利率

また、条件付きなら高い利率の普通預金が前から存在していました。

例えばauじぶん銀行は自社サービスの利用という以下の条件をクリアすると以前から年0.2%です。

auカブコム証券とのマネーコネクト:+0.099%
au PAYアプリ、auじぶん銀行連携で+0.05%
au PAYカードの口座引落で+0.05%

他にもGMOあおぞら銀行はGMOクリック証券との証券コネクト口座にすると年0.11%

楽天銀行も楽天証券とのマネーブリッジを設定しておくと年0.1%(300万円超の部分は0.04%)となっていました。

ですから条件付きではありましたが、すでにその水準以上の普通預金金利は存在していたのです。

マネーコネクト、証券コネクト、マネーブリッジとは証券口座と銀行口座を連携するだけの仕組みですからハードルも高くはないですしね。

今の時点では発表されていませんが、今回のマイナス金利解除を受けてさらにこれら条件付きの普通預金金利は上る可能性もあります。

外貨定期預金、MMF

為替の影響を受けますので単純な比較はできませんが、外貨預金やMMFはさらに高い利率となっています。

例えば三井住友銀行のパーソナル外貨定期預金(米ドル)標準金利は以下のとおりです。

三井住友外貨預金金利

出典:三井住友銀行 パーソナル外貨定期預金(米ドル) 2024年3月21日時点

定期預金ですし、為替の影響もありますが、6ヶ月もので年5%とかなり高くなっています。

MMF(マネー・マーケット・ファンド)も同様です。

例えばSBI証券で取り扱いのあるブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンドは4.8490%(2024/03/21現在)です。

普通預金とは少し毛色は違うので単純比較はできませんが、一時的な外貨な置き場としてなら最適かもしれません。

国債、債券

また、国債や債券も普通預金金利と比較してまだまだ高い水準です。

例えば国債。

国債とは国の発行する債券のことで、簡単に言えば「国にお金を貸す」ということです。

貸した相手は日本国ですからよほどのことがない限り返ってきます。

ですから安定した投資先として人気があるのです。

個人が買える国債の利率は2024年3月で以下の通りです。(毎月多少変わってきます)

個人向け国債変動10(変動金利):年0.47%
個人向け国債固定5(固定金利):年0.33%
個人向け国債固定3:(固定金利)年0.16%
新窓販国債10年(固定金利):0.6%※応募者利回り0.674%
新窓販国債5年(固定金利):0.4%※応募者利回り0.309%
新窓販国債2年(固定金利):0.2%※応募者利回り0.141%

こちらも以前と比較してかなり高くなっているんですよ。

使い道がないお金ならそのまま普通預金に預けておくよりも、国債を買ったほうが良い場合が多いでしょう。

株の配当金

また、株の配当金は企業によって異なりますが、株価がだいぶあがった現在でも大手企業で年3%超えているところはまだまだありますね。

株価の変動リスクが当然ありますので普通預金と単純比較はできませんが・・・




まとめ

今回は「マイナス金利解除で普通預金の金利が20倍、30倍に。普通預金で良いの?」と題して普通預金の金利があがったという話を見てきました。

たしかに以前と比較して20倍、30倍となりましたが、雀の涙ほどの金利であることに変わりはありません。

円安、株高、インフレ、いろいろな要素を考えても普通預金に預けておくだけだと実質的には目減りしている状況に近いです。

普通預金以外の選択肢も検討する時期かもしれませんね。

マイナス金利解除の住宅ローンへの影響はこちらの記事を御覧ください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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