インフレにより老後に必要資金は2000万円から4000万円に増えてしまう件

2019年くらいから大きな話題となった年金だけでは2000万円足りない問題

金融庁の市場ワーキング・グループ(第23回)で発表された「高齢化社会における資産形成・管理報告書(案)」というレポートが発端となった話ですが、結局は臭いものには蓋をする殺法でそのレポートがなかったことにされて話は有耶無耶となりました。

現実にはそのくらいの老後資金は必要なんですよ。

しかし、昨今のインフレでこのレポートの2000万円ではなく4000万円くらい必要になるとの試算が出てネット上で大きな話題となっています。

今回はこの件を取り上げてみましょう。

老後資金4000万円問題について考える

まずは、今回の話の前提となる老後資金2000万円問題の概要から確認しておきましょう。

老後資金2000万円問題の概要

簡単に言えば今生きている高齢者が90歳まで生きる割合は46.4%、95歳まで生きる割合は25.3%

その人が年金などで得られる社会保険給付が209,198円。

必要な支出が263,718円で毎月5万円程度赤字となるというところからきています。

高齢夫婦の家計
高齢夫婦の家計

出所:金融庁の金融審議会「高齢化社会における資産形成・管理報告書(案」より

それが65歳から95歳までの30年間続くと仮定すると5万掛ける12ヶ月の30年で最低1,800万円必要

大体2000万円ですからそこから老後2000万円問題と言われ出したってことですね。

ちなみに元のレポートでは対策なども記載されています。

興味がある方はこちらの記事を御覧ください。

老後資金4000万円にあがった理由

それでは老後資金が4000万円にあがる理由を見ておきましょう。

簡単に言えばインフレです。

元のテレビ放送を見ていませんが、回ってくる画像などによると、インフレが年3.5%してそれが複利で増えていくと20年後には4000万円になるという算定のようです。

政府のインフレ目標が2%ですし、昨今のインフレ状況をみればあながちないとはいえない水準ですね。

複利って活用するとすごいですが、この手の話になるとかなり脅威なんですよ。

ちなみに私はこれからはさらに寿命が長くなるから4000万円でもとても足りないと考えていたりします。




老後資金4000万円問題への対策

インフレで老後に必要な資金が増える。

じゃあどうすればよいのかを考えて見ましょう。

インフレで増える資産を持とう

まず、インフレ対策で最も重要なことは投資です。

貯金(預金)だけではインフレにはなかなか追いつかないんですよ。

実質的な資産は目減りをしていくことになります。

インフレで増える資産の代表は株式(投資信託含む)、不動産、金、コモディティ(商品)などですね。
あとは昨今の円安対策なら海外資産ですね。
これらで運用しておけばもし、老後資金4000万円問題の年3.5%のインフレがあれば大きく増えているでしょう。
つまり、老後資金4000万円問題はそれほど怖くないということになります。

NISAとiDeCoを優先してやる

幸い、今の日本は少額投資にかなり有利な制度としてNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)が用意されています。

この2つをやるだけでほとんど老後資金4000万円問題の解決が可能だと考えています。

簡単に解説しておきましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)とは

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は簡単に言えば自分の老後生活のために老後資金を自分で作るための制度です。

具体的にはこんな感じの流れになっています。

60歳までの間に自分で決めた金額を積み立てをする

その積み立てたお金で投資信託や定期預金、保険などの商品を選択して運用

60歳以降にその運用した資産を受け取ることができる。

国民年金や厚生年金と合わせた年金制度の上乗せ部分を自分で運用できる制度として考えると良いでしょう。

最大のメリットは掛けた金額が全額所得控除の対象となり、掛ければ掛けるだけ所得税と住民税の節税効果があるところです。(種別により掛けられる上限があり)

また、運用で利益がでてもその部分について非課税となります。

つまり、税金面でかなり優遇された制度ってことですね。

個人型確定拠出年金(iDeCo)について詳しくは下記の記事を御覧ください。

NISAとは

NISAは簡単に言えば少額からの投資を支援するための非課税制度です。

もともとあった一般NISAとつみたてNISAが2024年からは下記のように合体してより使いやすくなりました。

新NISA概要

出典:金融庁 新しいNISA より

通常、投資信託や株を売買して利益がでれば税金が20.315%(所得税15.315%+住民税5% 所得税に復興特別税を含む)発生します。

例えば10万円儲けても20,315円税金で持っていかれる計算となります。

それがNISA内での売買の場合で利益がでても税金が掛からないのです。

これはかなり大きいですよね。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に似た部分もありますが、大きく違うのは途中で解約が可能という点でしょう。

また、もう一つ大きな特徴として積立投資枠は投資できる対象となる商品を金融庁が選別してくれている点があります。

金融機関等は顧客の利益よりも自社の利益を優先する傾向があり、地雷と呼ばれる悪徳商品を売りつける事案が多数発生していました。

それを防ぐ意味もあり、金融庁が厳しい条件の元に長期、積立、分散投資に適した商品を選んでくれているのです。

かなり初心者にもやさしい投資制度なんですね。

上限が老後資金2000万円問題くらいの水準

なお、iDeCoとNISAは上限が決まっています。

iDeCoは月額上限がその人の属性によって異なりますが、月額12,000〜68,000円。

NISAはつみたて投資枠120万、成長投資枠240万円トータルで年間360万円。

総枠は1,800万円です。(成長投資枠は1,200万円まで)

ですから上限までやるともともとの年金だけでは老後資金2000万円足りない問題くらいのお金になるんですよ。

もしかしたら政府はこの数字を意識して上限を設定しているのかと思うくらいです。

それを複利で運用していけば今回の老後資金4000万円問題の水準になりますね。




まとめ

今回は「インフレにより老後に必要資金は2000万円から4000万円に増えてしまう件」と題して老後資金4000万円問題について考えてみました。

老後資金が足りないと感じている方は最低限イデコ、NISAをやるようにしましょうね。

ちなみに私は新NISA、イデコともSBI証券でやっています。
SBI証券
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SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。

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SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

老後に必要な資金は5100万円
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