日本人は貯金(預金)が大好きです。
日本人の金融資産の52%が現金・預金であるというデータもあります。
これは世界的に見ても異様な数字なのです。
ちなみにアメリカだと金融資産のうち現金・預金は14%程度。
かなり大きな差ですよね。
実はこれかなり大きな問題なんですよ。
今回はなぜ貯金だけでは駄目で投資が必要なのかを解説していきましょう。
貯金(預金)だけでは駄目な理由
それではなぜ貯金だけでは駄目なのでしょうか?
先に結論から言えば
ここ数年、新型コロナウィルスの経済危機の影響もあり、世界各国がお金を刷りまくって、金利もどんどん引き下げられました。
簡単に言えばアベノミクスみたいなことを世界中の国が行っているのです。
このような状況で一番心配されていたのがインフレなんですよ。
その予想通り各国でインフレが急激に進んでしまっているのです。
日本でもさまざまな物の価格が上がってしまっていますね。。。
インフレとは
インフレとはインフレーション(inflation)の略です。
モノやサービスの価格が持続的に上昇する状態のことを表します。
簡単に言えば「モノの価値があがり、現金の価値が下がっていく」ってことです。
同じモノを買うのにたくさんのお金が必要になる。つまり、お金の価値が下がっていくってことになります。
元々の語源はマネーサプライの上昇、つまり出回る通貨の量が増加していることを意味します。
ちなみにインフレの日本語では通貨膨張と訳します。
この直訳が1番わかりやすいかもしれませんね。
お金が出回る量が増え通貨膨張状態になるってことです。
ちょうど少し前の世界中でおきていた状況ですね。
最近は多くの国で引き締めにあたっていますが、インフレの抑制には繋がっていないようです。
貯金はインフレに弱い
現在、日本では年間2%の物価上昇率を目指しています。
もし、実際に年間2%の物価上昇になれば実質的にお金の価値が年々2%下がることになります。
今まで100円で買えていたものが102円になるのですから当然といえば当然です。
現在、貯金していても金利はほとんど付きません。
楽天銀行のような高い利率を謳っているネット銀行でも年0.1%とかです。
物価は2%あがるのに貯金していて増えるのは0.1%なんです。
そうなれば徐々に預金の価値が実質的に目減りしていくことになるのです。
物価は今の政策を続けていけばゆっくりと長い期間上がり続けるでしょう。
もちろん経済は水物ですから絶対インフレになるわけではありませんけどね。
日本円の価値も変わる
また、ほとんどの方は日本円のみで貯金されていると思います。
これも結構リスクがあるのです。
これはどちらにも転ぶ可能性がありますが、例えば円安に大きく振れたとしましょう。
今現在は1ドル145円くらいです。
それがもし160円に振れたとすれば今まで1万ドルの商品を買うのに145万円出せばよかったものが160万円掛かるようになります。
つまり、同じ商品なのに対日本円では上がってしまうのです。
これはインフレと同様に日本円の価値が下がったことになりますので実質的に目減りしていると言って良いかもしれません。
特に長期でみるとその傾向を心配する必要があります。
日本は現在、どんどん人口が減り続けています。
対してアメリカは先進国としては珍しく人口が増えているんですね。
人口が増えればそれだけ国力が上がっていきますからドルが強く、円は弱くなる可能性が高いのです。
つまり、長期的にみれば円安方向になる可能性があるのです。(経済はそんな単純ではありませんので必ず円安になるとは限りませんが)
投資が必要な理由
今まで見てきたように貯金(預金)だけしていると資産は実質的にどんどん目減りしてしまうのです。
ですからその資産の目減りを防ぐためにインフレ対応型の資産をもつ事が必要なのです。
それが投資です。
おすすめはインフレに強い資産を分散してもっておくこと(分散投資)ですね。
インフレに強い資産の代表的なものをご紹介しましょう。
株式(投資信託)
インフレ対策といえば一番わかり易いのが株式投資ですね。
株式投資は全般的にインフレに強いと言われますが、中でも特にインフレに強いと言われるのが内需関連の企業の株です
例えば電力、不動産、保険などです。
また、金利が上がることを予想するなら金融株なんかも強いでしょう。
借金が少ない企業も有利になりそうです。
また、世界的に展開している企業もインフレの影響は少なくて済むことや、インフレになると円安になる傾向が強いことを考えるとおすすめですね。
投資信託も基本は同じですね。
不動産(リート)
次に不動産です。
不動産もインフレ対策に有効と言われています。
ただし、現状の日本は人口減が始まっており、不動産の需要は落ちていく傾向にあると予想されます。
つまり、インフレ対策としては有効だけど、分野や場所にもよりますが全般的に見ればそれほど将来性が期待できない資産であるのです。
その見極めが必要かもしれません。
もちろん分散投資の1つとしてはありだと思います。
債券
債券もある程度インフレ対策には有効です。
中でも人気があるのが「物価連動国債」です。(固定金利はインフレ対応しません)
例えば「変動10年の個人向け国債」などです。
国債とは国の発行する債券のことで、簡単に言えば「国にお金を貸す」ということです。
日本にお金を貸すわけですから、リスクをあまり取らずにインフレ対策をすることができますね。
ただし、現状の国債は利率がかなり低いですから微妙なのも確かですね・・・
外貨預金
もう一つインフレ対策で有効なのが外貨預金です。
インフレが進むと基本的に日本円の価値が低くなりますので、外国為替相場は円安方向に動きます。
つまり、外貨預金の価値があがるってことなのです。
特にドルなど安定した通貨を持っておくのが有効でしょうね。
ただし、前述のように世界的に低金利時代となっていますからあえて外貨といえども預金をする必要はないかもしれませんが・・・
また、同じような外貨建て保険はかなり悪どい商品が多いですからお気をつけくださいね。
インフレにもデフレにも金
金はちょっと変わった商品です。
これは金そのものに一定の価値があるものであるため、インフレにもデフレにも強い性質があるんですよ。
また、有事の金と言われるくらい世界情勢が不安定なときに上がる傾向にあります。
ただし、金そのものはお金を産むものではありませんし、成長するものでもありません。
当然配当も利子もつきません。
あくまでも分散投資対象の一つとして考えるくらいが良いでしょうね。
コモディティ(商品)
最後はコモディティです。
商品先物取引という言葉は聞いたこと有ると思います。
それです。
例えば原油やとうもろこしなど商品を買うのです。
インフレになればそれらの価値は相対的にあがりますのでインフレ対策としては有効です。
ただし、コモディティは値動きがかなり荒いので初心者にはあまりおすすめしませんけどね。
ウォーレンバフェット氏が日本の商社株を買ったのはインフレを予想していたからという話もあります。
コモディティに直接投資をするのではなく、コモディティの影響が大きい株を買うというのも手ですね。
投資をする方法
今まで見てきたような投資をする方法はかなりたくさんあります。
特に最近は100円から投資信託が買えたり、株が1株単位で買えるようになったり、ポイントで投資もできるようになっています。
まずはそのような敷居の低いものから取り入れていくのもよいでしょう。
特におすすめは税制優遇のあるiDeCoやつみたてNISAですね。
また、2024年からは新しいNISAも始まりました。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「貯金(預金)だけではだめ???投資が必要な理由を解説」と題して貯金だけでは駄目な理由をみてきました。
もちろん投資をする前に原資となる貯金もある程度必要ですが、貯金ばかりというのもインフレを考えるとリスクがあるということを知っておきましょうね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。