ここ数年、株式投資界隈にも有料noteや情報商材の波が押し寄せています。
しかも、結構売れているようなのです。
しかし、私の個人的な意見として言わせてもらうならば「投資をするのに有料noteを必要ないし、買わないほうがよい」と考えています。
同じお金を出すなら海外の著名投資家の書籍を買うほうが有意義なんですよ。
今回はこの株式投資における有料noteについて考えていきましょう。
有料noteってなに?
まず、今回の前提となる「有料note」ってなに?って方も多いでしょうからそこからみていきましょう。
noteとは
noteとは公式の言葉を引用すると以下のようなサービスです
文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を投稿して、クリエイターとユーザをつなぐことができる、まったく新しいタイプのウェブサービスです。 つくった作品(ノート)は、通常のブログやSNSなどと同様に無料で公開することもできますし、手軽に売り買いすることも可能です。
出所:note公式
簡単に言えば個人が様々な情報発信ができるメディアってことですね。
多くはブログ形式で公開されています。
私もいくつか無料記事(投資系以外)を投稿してみましたが、はてなブログやライブドアブログと比較してもより手軽に発信できるブログメディアって感じました。
アクセスもそれなりにあり将来性あるメデイアであることは確かです。
手軽な分、制限も多いですけどね。
有料noteとは
前述のようにnoteは記事などを無料で公開することもできますし、有料で販売することもできるのが最大の特徴です。
例えばこのブログ記事は会心の出来だから有料で販売するとかそういった使い方がされるのが想定されているのでしょう。
また、途中まで無料、途中からは有料って形で提供されている方も多いですね。
仕組み的には別に悪いものでは決してありません。
後追いで登場したBrainも似たサービスですね。

投資系有料noteが抱える「3つの構造的問題」
有料noteというプラットフォーム自体は、何も悪くありません。
クリエイターが気軽に情報発信できる素晴らしいサービスです。
問題は、投資というジャンルと有料noteの組み合わせに、構造的な矛盾が存在することです。
誰が書いたの記事なの?
まず、誰が書いた有料記事なのか?というところがあります。
有料noteは誰でも発行できる
noteの魅力ではあるのですが、有料noteの作者は誰でもなれます。
そのため、投資のプロや投資実績がある人が書いたものばかりではないのです。
素人に毛が生えたような人が書いてある記事も多く存在します。
そんな人の投資法を聞いたところで・・・ってのは大きいです。
実績はいくらでも盛れる
投資系noteの販売ページには、しばしば「資産1億円達成」「月利30%」といった実績が掲載されています。
しかし、これらの実績を第三者が検証することは、ほぼ不可能です。
証券口座のスクリーンショットは、画像編集ソフトで簡単に作成できます。
収益グラフも同様です。
私自身、投資コミュニティで「実績画像の作り方」を指南する人を見たことがあります。
書籍であれば、出版社という第三者が著者の経歴や実績をある程度確認します。
しかしnoteには、そのようなフィルターが存在しません。
単に一発当たっただけ
もちろん中には本当に実績を出している方もみえるでしょう。
しかし、そういったケースでも短期的に運が良かっただけという場合も。
つまり、競馬で大穴当てた、宝くじで一等当選したって人の攻略法レベルの話のケースも。
株式投資の話ではありませんが、ほんの少しの成功体験を大きく謳い、有料noteを販売。
その有料noteの収益をネットで稼いだと載せてすげえだろ・・・
こうなりたいなら有料noteを販売しようぜって記事を有料で販売している有名な人までいますね。
レベルや内容が保証されていない
また、書籍などと違いレベルや記載内容に保証がないこともあります。
通常の書籍であれば出版社が間に入りますからあまりにレベルが低い内容だったり、問題のある記載内容だったとしたら出版させないでしょう。
しかし、noteの場合は基本的にそういったことがないのです。(犯罪行為等はnoteが取り締まっていますが・・・)
ですからレベルの担保が全くない状態といってよいのです。
そもそも本当に実績が伴って発信もしていれば出版社から書籍出版の話がきますしね。(私レベルでも何度か来てます)
本当に儲かる手法なら公開しない
株式投資の世界には、「エッジ」という概念があります。
市場に対して自分だけが持つ優位性のことです。
仮に、本当に高確率で儲かる投資手法が存在したとしましょう。
その手法を公開すれば何が起きるでしょうか。
多くの人が同じ手法を使い始め、その手法が機能しなくなります。
これは市場の原理です。
つまり、「現在進行形で有効な投資手法」を数千円で公開することは、合理的に考えてあり得ないのです。
本当に機能する手法を持っている人は、黙ってその手法で利益を上げ続けます。
わざわざnoteで小銭を稼ぐ必要がありません。
価格に見合うの?
多くの投資系有料noteは、数千円から数万円の価格設定です。
同じ金額を出せば、世界的に評価された投資の名著が何冊も購入できます。
例えば、バリュー投資の父と呼ばれるベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」は約4,000円。
400ページ以上のボリュームで、投資の神様ウォーレン・バフェットが「投資における最高の教科書」と評した一冊です。
一方、同じ価格帯の有料noteは、数十ページ程度のものが大半。
内容の深さ、体系性、そして時の試練に耐えた知識かどうか、比較になりません。
情報商材noteを見抜く「5つのチェックポイント」
すべての有料noteが悪いわけではありません。
本当に価値のある情報を提供している方もいます。
では、どうやって「買う価値のあるnote」と「情報商材」を見分ければよいのでしょうか。
私が20年の投資経験を通じて確立した判断基準をお伝えします。
チェック1:無料部分に「具体的な知見」があるか
情報商材の典型的なパターンは、無料部分が「いかに自分がすごいか」の自慢話で埋め尽くされていることです。
「私は○○万円稼ぎました」「この手法で人生が変わりました」
こうした文言が延々と続き、肝心の中身が見えない。
これは危険信号です。
価値のある有料noteは、無料部分だけでも「なるほど」と思わせる具体的な知見が含まれています。
無料部分を読んで何も学べなければ、有料部分を読んでも何も学べません。
チェック2:再現性の根拠を示しているか
「私はこの方法で成功しました」と「この方法は多くの人が再現できます」は、まったく異なる主張です。
投資において、一人の成功体験はサンプル数1に過ぎません。
それが運なのか実力なのか、判断できないのです。
価値のある情報は、なぜその手法が機能するのか、どのような条件下で有効なのか、論理的な説明があります。
チェック3:リスクや限界に言及しているか
投資に「絶対」はありません。どんな手法にも、うまくいかない局面があります。
情報商材は、都合の悪い情報を隠す傾向があります。「この手法のデメリット」「機能しなかった時期」といった情報が欠落しているものは、信頼性に欠けます。
誠実な発信者は、自分の手法の限界についても正直に言及します。
チェック4:煽り表現が多用されていないか
「今だけ限定価格」「残り○名」「このチャンスを逃すと…」
こうした煽り表現は、情報商材の常套手段です。
冷静な判断を妨げ、衝動買いを誘発することが目的だからです。
本当に価値のある情報は、煽らなくても売れます。煽り表現の多いnoteは、それだけで警戒すべきです。
チェック5:著者の「note販売」以外の実績があるか
著者のプロフィールを確認してください。
「noteで月収○○万円」「情報発信で独立」といった実績しかない場合、その人の本業は「noteを売ること」です。
投資ではありません。
投資の知見を求めるなら、投資で実績を出している人から学ぶべきです。
情報販売で実績を出している人からではありません。
投資詐欺被害は年間1990億円という現実
ここで、少し厳しい現実をお伝えします。
警察庁の統計によると、2024年のSNS型投資詐欺の被害額は約871億円、前年比約3.1倍に急増しています。
被害者の約70%は50代から70代ですが、若い世代の被害も増加傾向にあります。
もちろん、有料noteの購入と投資詐欺は別物です。
しかし、両者には共通点があります。「楽して儲けたい」「成功者の秘密を知りたい」という人間心理につけ込む構造です。
投資の世界で「秘密の手法」を教えてくれる人は、まずいません。
本当に有効な知識は、すでに書籍として体系化され、世界中の投資家によって検証されています。
わざわざnoteで探す必要はないのです。

株式投資をするなら有料note買うよりも有名な株本を買おう
有料noteを使う前に、以下の書籍を読んでみてください。
合計しても数万円程度。
しかし、得られる知識の質と量は、比較にならないほど充実しています。
ウォール街のランダム・ウォーカー 著者:バートン・マルキール
まずはすでに13版が発売されるなど全世界で読まれている投資のバイブルとでもいうべき本でぜひ読んでいただきたいのがウォール街のランダム・ウォーカーです。
森信親前金融庁長官が「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」にて積立NISAについて語った中で作者のバートン・マルキールの考え方の話をされていましたね。
つみたてNISA(現在のNISAつみたて枠)やiDeCo(個人型確定拠出年金)はこの考え方の元に成り立っていると言っても過言でないでしょう。
その有用性やなぜ株で儲からない人が多いのかという点もエビデンスを用いて説明してくれます。
つまり、NISAやiDeCoやるなら必ず読んでおけってことです(笑)
おすすめ投資本はたくさんありますが、はじめて投資をする人にはまずこの本を勧めていますね。
相場は生きている 著者:岩本 厳
こちらは今回唯一紹介する日本人作者の本です。
1956年に発刊された伝説の投資本。
この本は長らく廃盤状態でした。
そのため復刊する前はかなりのプレミアが付いていた本でオークションでは数万円から数十万円の値がついていました。
私もオークションをずっとチェックしていましたが、さすがに高くてなかなか手が出せませんでした。
しかし、ある県の図書館に取り扱いがあることを発見して地元まで取り寄せて読み漁ったのは良い思い出です。
その本はかなりボロボロでしたね・・・たくさんの方が読まれたんだろうと思います。
それくらい昔から注目されていた本なのです。
「相場は生きている」はその後、多くの要望に答え2007年に復刊しました。
中身は商品先物を中心に書かれていますし現在の株式市場などと違う点もありますのでそのまま使えるところばかりではないでしょうが相場の心理やチャートの話は基本的に同じです。
初心者のころにこれを読んでおくとぜんぜん違うかもしれませんね。
ちなみにこの本は分冊となっており2冊で1冊となっています。
千年投資の公理 売られ過ぎの優良企業を買う 著者:パット・ドーシー
次はパット・ドーシー氏の「千年投資の公理」です。
パット・ドーシー氏は元々モーニングスターの株式リサーチ部門のディレクターの方です。
「千年投資の公理」はこれから下げ相場が到来したときにぜひ読んでおきたい本になります。
本の謳い文句が「未曽有の金融危機に最適の投資法!100年に一度の経済危機は100年に一度の買いの大チャンス!」ですからちょうど現在の乱高下相場にぴったりなんですよ。
敗者のゲーム 著者:チャールズ・エリス
「投資で勝とうとするな、負けないことを目指せ」
この逆説的なタイトルの意味が、本書を読めばわかります。
プロでさえ市場に勝ち続けることは困難です。ならば個人投資家は何をすべきか。コストを抑え、分散投資を行い、長期で市場と共に成長する。
この「負けない投資」の方法論が、データに基づいて解説されています。
ラリー・ウィリアムズの短期売買法 著者:ラリー・ウィリアムズ
こちらも私がかなり影響を受けた本の「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」です
著者のラリー・ウィリアムズ氏はアメリカの有名なトレーダーで1987年のロビンスカップで11376%の驚異的リターンを出し優勝し世界にその名をとどろかせた人で、未だにこの記録は破られていないそうです。
ウィリアムズ%Rなどの数多くの投資手法を発案人でもあります。
こちらもリンダ本と同じようにトレードルールの構築の大事さやトレード研究のヒントが見つかる本です。
私もこの本を読んだおかげで相場の見方がかなり広がった感じがありました。
資金管理なども意識しだしたのはこの本からですね。
同様にトレード手法を構築したい方は読んでおきたい本ですね。
投資本を選ぶ際のポイント
投資本はたくさん発売されています。
そのため、どの本を読めば良いのか迷ってしまう方も多いと思います。
そんな方に選び方のポイントをご紹介しましょう。
版数を重ねたもの
まずひとつ目は版数を重ねたものです。
版数を重ねているということはそれだけ売れているということですからね。
もちろん人気がなくても名著もありますが、一つの目安にはなります。
特に海外の作者ならば原書がどれだけ版数を重ねているのかを見るのがポイントですね。
例えば「ウォール街のランダム・ウォーカー」は第13版。
「賢明なる投資家」は改訂を重ねて70年以上読み継がれています。
一時的なブームで売れた本と、時代を超えて読み継がれる本は、質がまったく異なります。
版を重ねている本は、それだけ多くの投資家が「読む価値がある」と判断した証拠です。
トレーダーズショップで人気か
知る人ぞ知る投資本専門の本屋があるのをご存知でしょうか?
トレーダーズショップです。
株式や投資本を多く発売しているバンローリング社が運営しています。
ここで人気となっていたり、勧められている本はかなりの確率で良い本だったりします。
また、他で売り切れていたりしてなかなか出回っていない希少本なんかも扱われていますのでおすすめですね。
海外のアマゾンのレビューを見よう
投資の本場はアメリカです。
アメリカで長年読み継がれている投資本は、世界中の投資家によって内容が検証されています。
翻訳されて日本で読めるということは、それだけの価値があると認められた証拠です。
もちろん、日本の投資環境に特化した本も大切です。
しかし、投資の普遍的な原則を学ぶなら、海外の名著から始めることをおすすめします。
「投資noteおすすめ」と検索する前に、考えてほしいこと
ここまで読んでいただいた方に、一つお伝えしたいことがあります。
「投資 note おすすめ」と検索する行為自体が、投資で成功することから遠ざかっている可能性があるということです。
なぜか。
その検索行動の背後には、「誰かの正解を教えてもらいたい」という受け身の姿勢があるからです。
投資の世界に、誰にでも当てはまる「正解」はありません。
自分のリスク許容度、投資期間、生活スタイル、性格によって、最適な投資法は異なります。
他人の手法をそのまま真似しても、うまくいく保証はありません。
名著が教えてくれるのは、「正解」ではなく「考え方」です。
グレアムは「企業の本質的価値に注目せよ」と教えました。
マルキールは「市場の効率性を理解せよ」と教えました。エリスは「負けない投資を目指せ」と教えました。
これらは「この銘柄を買え」という指示ではありません。自分で判断するための「思考の枠組み」です。
有料noteで「今買うべき銘柄」を教えてもらっても、それは一時的な情報に過ぎません。しかし、名著から学んだ思考の枠組みは、一生使えます。
有料noteを買ってもいい「唯一のケース」
ここまで有料noteに否定的なことを書いてきましたが、購入してもよいケースが一つだけあります。
それは、「その著者のファンとして応援したい」という場合です。
投資の知識を得るためではなく、好きなクリエイターを支援するための購入。
これは立派な消費行動です。
ただし、その場合でも「投資で儲けるための情報」を期待してはいけません
エンターテインメントとして、あるいは応援として購入する。そう割り切れるなら問題ありません。
まとめ
今回は「株式投資の有料note、情報商材を買うな!!同じお金を出すなら海外の著名投資家の書籍を買え!」と題して投資の世界における有料noteの話を見てきました。
投資で成功するために必要な知識は、すでに書籍として体系化されています。
世界中の投資家が実践し、検証し、磨き上げてきた知識です。
その知識は、わずか数千円で手に入ります。
一方、有料noteの多くは、出版社のチェックを経ず、実績の検証もできず、時の試練も受けていません。
同じお金を使うなら、どちらに投資すべきでしょうか。
投資とは、不確実な未来に対してお金を投じる行為です。
だからこそ、確かな知識を土台にして判断することが重要です。
その土台は、有料noteではなく、時代を超えて読み継がれてきた名著の中にあります。
まずは、書店に足を運んでみてください。あるいは、Amazonで「賢明なる投資家」を検索してみてください。
あなたの投資人生を変える一冊が、そこにあります。

