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被害総額1990億円の闇。なぜ「怪しい」と分かっていても騙されるのか?投資詐欺の心理トリック

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被害総額1990億円の闇。なぜ「怪しい」と分かっていても騙されるのか?投資詐欺の心理トリック

最近、SNSを中心に投資詐欺(たぶん)の勧誘をかなりの頻度で見かけるようになりました。

どんどん手口が巧妙化していますし、身近に迫ってきている感がありました。

そこで今回はそんな甘い言葉に心が揺れたことがある方のために詐欺師たちが用いる「7つの心理トリック」、そして今日から使える具体的な防衛術まで、徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、怪しい情報商材を「嗅ぎ分ける力」が身についているはずです。

目次

なぜ今、投資系情報商材詐欺が爆発的に増えているのか

「自分だけは騙されない」

そう思っている方ほど、実は危険です。

警察庁の発表によると、2024年のSNS型投資詐欺とロマンス詐欺を合わせた被害額は約1271億円に達しました。

前年比で178.6%増という異常な伸び率です。

1日あたり約3億4700万円、つまり約3秒に1万円が詐欺師の懐に入っている計算になります。

おそらく2025年はもっと増えていると思われます。

なぜ、これほどまでに被害が拡大しているのでしょうか。

悪徳投資詐欺が増える社会的要因

背景には、3つの社会的要因があります。

まず、新NISA制度の開始により、投資に対する国民の関心が急速に高まりました。

「貯蓄から投資へ」という政府のスローガンのもと、多くの人が初めて投資の世界に足を踏み入れています。

しかし、金融リテラシーの向上は追いついていません。

次に、物価高騰による経済不安があります。

「このままでは老後が心配」「何かしなければ」という焦りが、冷静な判断力を奪います。

問題は、そこに刺さる売り文句が強すぎることです。

情報商材は、投資の中身を売っているようで、実は「不安の鎮痛剤」を売ります。

痛みが強いほど、短時間で効く薬に手が伸びる。ここを突かれます。

さらに厄介なのが、成功例がゼロではないことです。

少数の成功を大声で見せれば、「自分もいける」と脳が補完します。

詐欺と断言しにくいグレーが生まれ、警戒が緩みます。

そして、SNSの浸透です。

X、Instagram、Facebook、LINEといったプラットフォームを通じて、詐欺師たちは見知らぬ人と簡単につながれるようになりました。

投資歴20年の私から見ても、現在の状況は異常です。

これまでの投資詐欺とは質も規模も桁違いです。

情報商材noteが刺さりやすい理由

かつての情報商材といえば、数十万円もする怪しいUSBメモリや、粗雑なPDFファイルが主流でした。

しかし現在は、プラットフォームの進化と共に、その手口は洗練され、日常の中に溶け込んでいます。

記事投稿プラットフォーム「note」は、クリエイターにとって素晴らしい場所ですが、悪質な業者にとっては格好の隠れ蓑になっています。

note自体が悪いわけではありません。

問題は、仕組みとして「入口商品」に非常に向いていることです。

低価格で買えるから、判断が甘くなる

数千円は「授業料」として払いやすい。

ここで警戒が溶けます。

買った事実が、次の購入を正当化する

人は一貫性を保ちたいので、「買った以上は回収したい」と思います。

ここから高額化が進みます。

入口が安いほど、出口は高くなりがち

情報商材の多くは、薄利多売ではなく、後半の高額契約で回収します。

入口noteは、そのためのチケットになりえます。

個人的には投資系の有料noteを買うお金があるなら海外の有名投資家の書籍を買うことをおすすめしております。

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「儲かる情報」は市場に出回らない理由

まず知っておいてほしいのが「真に市場で優位性のある情報は、決して不特定多数に販売されない」

これが、投資の世界における絶対的な真理です。

「アルファ」の枯渇理論

投資用語に「アルファ(市場平均を上回る超過収益)」という言葉があります。

もし、ある特定の取引手法や情報に「アルファ」が存在する場合、それを知る参加者が増えれば増えるほど、その優位性は失われます。

例えば、「Aというチャートパターンの時に買えば必ず上がる」という情報があったとしましょう。

これを1万人が知って一斉に買い注文を出せば、価格は一瞬で適正価格まで織り込まれ、その瞬間に「利益の源泉」は消滅します。

つまり、「本当に儲かる情報は、他人に教えた瞬間に儲からなくなる」という自己矛盾(パラドックス)を抱えているのです。

販売者の「リスク転嫁」ビジネス

では、なぜ彼らは情報を売るのか。

答えはシンプルです。 「トレードで稼ぐよりも、情報を売って稼ぐ方が、リスクがなく確実だから」です。

相場は水物であり、プロの機関投資家でさえ負けることがあります。

しかし、「情報商材」の販売は、在庫リスクも市場変動リスクも負いません。

彼らにとっての商品(商材)は、市場から利益を得るための道具ではなく、「市場で勝てるという幻想」をあなたに売りつけ、確実な手数料(代金)を回収するための集金装置に過ぎないのです。

悪徳業者のビジネスモデルは「投資業」ではありません。「期待感の販売業」です。彼らは市場と戦っているのではなく、あなたの「射幸心」を相手に商売をしているのです。

悪徳情報商材が用いる「7つの心理トリック」

詐欺師たちは、人間の心理を熟知しています。彼らが使う手口は、単純なようでいて極めて巧妙です。

権威の仮面——著名人の名を騙る

堀江貴文氏、前澤友作氏、著名な投資家たち。

2024年に猛威を振るったSNS型投資詐欺の多くは、こうした有名人になりすました広告から始まりました。

「あの堀江さんが推薦しているなら」「前澤さんの投資塾なら安心」

私たちは、権威ある人物の言葉を無条件に信じてしまう傾向があります。

心理学でいう「権威への服従」です。

しかし、本物の著名投資家は、SNS広告で見知らぬ人に投資話を持ちかけることはありません。

当たり前のことですが、冷静さを失った状態では、この当たり前に気づけないのです。

meta社の広告の10%をこういった詐欺広告が占めていると言われて問題となっていますが、取り締まりをしていないようでまだまだよく見かける状況ですね。

希少性の演出——「今だけ」「限定」の罠

「本日限定、残り3名様」「今だけ特別価格」

こうした文言を目にすると、人は焦ります。

「今決断しなければ、このチャンスを逃してしまう」という心理が働くのです。

しかし、本当に価値のある投資情報であれば、「今すぐ決断しろ」と迫る必要はありません。

むしろ、冷静に検討する時間を与えてくれるはずです。

焦らせる理由は、考える時間を与えると詐欺だと気づかれるからです。

劇場型の手法——「みんなやっている」という幻想

Twitter(X)やInstagramでは、複数のアカウントが連携して信憑性を演出する「劇場型」の手法が横行しています。

憧れの演出

高級時計、タワーマンション、札束の画像(多くは拾い画やレンタル)、儲かった証券口座のスクショを見せつけ、「成功者」を演じます。

最近はFIREしたなんて設定の商材屋もよく見かけますね。

サクラによる称賛

別のアカウント(サクラ)が、「〇〇先生のおかげで勝てました!」「この手法は神です」とリプライを送り、社会的証明を捏造します。

LINEグループへの誘導

そこから投資勉強会的なLINEグループに招待されると、そこには「先月100万円稼ぎました!」「人生変わりました!」という喜びの声があふれている。

これらも多くは、サクラによる演出です。

あるいは、すでに騙された人が自分自身を正当化するために書いているケースもあります。

人は「みんながやっている」と聞くと安心します。

しかし、投資において「みんなと同じこと」をしても、みんなと同じ結果しか得られません。

本当に儲かる情報は、大々的に拡散されることはないのです。

マルチ商法と同じ性質

ちなみ劇場型はマルチ商法でも古くから使われてきたものです。

カフェに呼び出されると、「投資の先生」「成功者」「運営スタッフ」と名乗る人物が次々と登場します。

成功者は高級時計を見せびらかし、「私もこの方法で人生が変わりました」と体験談を語ります。

その雰囲気に飲まれ、よく分からないまま契約書にサインしてしまう。

複数人で畳みかけることで、被害者を思考停止に追い込む。

こんな流れですね。商材とやり方が変わっただけなんですよ。

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返報性の法則——無料のエサには毒がある

「まずは無料でノウハウを公開」「500円でお試しセミナー」 最初は無料や少額から始まります。

そして、ある程度有用に見える情報を提供して信頼を構築します。

「これだけ良い情報をもらったのだから、お返しをしなければ」

人間にはこうした返報性の心理があります。

そして、信頼関係ができたと思わせた頃に、「もっと詳しい情報は有料コースで」と高額商品への誘導が始まるのです。

ポンジスキーム——最初の「成功体験」が致命傷になる

これは最も巧妙で危険な手口です。

少額を投資すると、実際に利益が出て出金できます。

本当に儲かった!」という成功体験が、被害者の警戒心を完全に解除します。

しかし、この「配当金」の正体は、後から参加した人の出資金です。

新規参加者が増え続ける限り配当は続きますが、参加者の増加が鈍った瞬間に破綻します。

「最初は出金できた」という事実が、後に大金を投じる決定打になります。

まさに、成功体験が致命傷となる構造なのです。

ちなみにポンジ・スキーム自体は200年前以上前からある典型的な詐欺の手口なんですよ。

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サンクコスト効果(埋没費用)——損を認められない

最初に数千円の商材を買ってしまうと、人間の脳は「支払ったコストを無駄にしたくない」と考えます。

その商材が役に立たなくても、「使い方が悪いだけだ」「もっと上のコースに入れば取り返せる」と自分を正当化し、さらなる高額支払いに突き進んでしまいます。

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ロマンス投資詐欺——恋愛感情という最強の武器

最近急激に増えているのがロマンス型の詐欺です。

マッチングアプリやSNSで知り合った相手から、少しずつ好意を抱かせられます。

「二人の将来のために、一緒に資産形成をしよう」 恋愛感情に支配された状態では、冷静な判断はできません

「この人のためなら」という気持ちが、詐欺師の思うツボなのです。

2024年のロマンス詐欺被害額は約397億円。

「投資の話をしてくる恋人」は、まず疑ってかかるべきです。

情報商材詐欺を見抜く「5つの鉄則」

それでは、どうすれば詐欺を見抜けるのでしょうか。

鉄則1:「絶対」「確実」「100%」は存在しない

投資の世界に「絶対」はありません。

リスクとリターンはトレードオフ(等価交換)の関係にあります。

「絶対儲かる」「100%安全」「元本保証で高利回り」「ノーリスクでハイリターン」

これらの言葉が出た時点で、それは投資ではなく詐欺、あるいはポンジ・スキームの可能性が極めて高いと判断すべきです。

鉄則2:特定商取引法に基づく表示、金融庁の登録業者か確認

「有価証券の価値等」や「分析に基づく投資判断」に関する助言を行い報酬を受ける場合に投資助言・代理業の登録が必要とされています。

例えば次のようなことをする場合には金融庁へ登録している必要があるんですよ。

・個別銘柄や売買タイミングを、継続的に指示する
・対価としてお金を受け取る

もちろん、投資の学習コンテンツや一般論の発信まで否定されるものではありません。

問題は「売買判断への踏み込み方」です。

毎月お金を取って投資助言を行っているnoteメンバーシップなんかはこのあたりどうなっているんでしょうね?

なお、登録業者一覧は金融庁のウェブサイトで確認できます。

>>金融庁:免許・許可・登録等を受けている事業者一覧

また、日本国内で情報商材を販売する場合、「特定商取引法に基づく表記」が義務付けられています。

信頼できる販売業者であれば、必ずサイト上に「特定商取引法に基づく表示」を掲載しています。

事業者名、住所、電話番号、責任者の氏名が明記されているか確認してください。

この表示がない、または記載内容が曖昧で連絡先がメールアドレスのみという場合は、危険信号です。

有料noteの特定商取引法に基づく表示はどうなる?

noteのヘルプセンターによると、「営利の意思をもって、反復継続して取引を行う」場合は、個人であっても特商法上の「販売業者」に該当します。

つまり、継続的に有料記事を販売して収益を得ているアカウントは、特商法に基づく表示義務を負う可能性が高いのです。

noteの利用規約でも、クリエイターは「特定商取引に関する法律その他の法令に従った表示を行う」ことが求められています。

つまり、継続的に有料記事を販売しているにもかかわらず、氏名・住所・電話番号の記載がない場合は要注意ですね。

ただし、noteでは、購入者から開示請求があった際に「遅滞なく開示できる」場合に限り、事前の掲載を省略できる仕組みも取っています。

そしてその場合の開示請求は請求者からクリエイターへではなくnoteにするとのこと。

つまり、裁判等にならない限りはnote側が「販売業者」にあたるかを判断する形式ぽいですね・・・

>>note:特商法の表示について

鉄則3:根拠の検証が必要

実績として公開している数字が気持ちよすぎるのはかなり怪しいです。

このようなパターンですね。

・毎月安定して勝てる
・勝率が高すぎる
・誰でも再現できる

投資の世界で「安定して勝つ」は、プロでも無理な話ですからその時点で怪しむべきでしょう。

「〇億円稼いだ」と豪語しているにもかかわらず、改ざん不可能な公的な取引報告書(年間取引報告書など)を見せない場合、その実績は疑わしいです。

スクリーンショットやExcelの表は、今の技術なら数分で偽造できます。

また、デモトレードの画面をリアルトレードのように見せかける手口も横行しています。

鉄則4:SNSで知り合った相手からの投資話は疑う

見ず知らずの人が、なぜあなたに儲け話を教えてくれるのでしょうか。

本当に儲かる情報なら、人に教えずに自分だけで独占するはずです。

わざわざ他人に教える理由は、「教えることで自分が儲かるから」に他なりません。

X、 Instagram、Facebook、LINE、マッチングアプリ。どのプラットフォームであれ、SNSで知り合った相手からの投資話は、原則として疑ってかかるべきです。

このパターンでよくあるのが「家族に言うな」「疑う人ほど損をする」「反対する人は行動していない」など断り文句を先回りして潰してて信じ込ませてきます。

鉄則5:個人名義の口座には振り込まない

正規の投資サービスで、個人名義の口座への振込を求められることはありません。

「手数料を節約するため」「特別ルートだから」などと言われても、個人口座への振込は絶対にしないでください。

これは詐欺の典型的な手口です。

このあたりはプルデンシャル生命の話と同じですね

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もし被害に遭ってしまったら

万が一、情報商材詐欺の被害に遭ってしまった場合、諦めないでください。

証拠を確保する

まず、すべての証拠を保全します。

契約書、振込明細、LINEのやり取り、広告のスクリーンショットなど、関連するものはすべて保存してください。

削除される前に、画面保存と時系列メモが有効です。

追加の支払いは止める

出金のための手数料、税金、保証金などの名目で追加入金を求められるパターンが注意喚起されています。

ここで踏みとどまれるかが分岐点です。

まず、銀行口座への振込であれば、振り込め詐欺救済法に基づき、口座凍結を金融機関に依頼します。

詐欺師が出金する前に動くことが重要です。

クレジットカード決済の場合は、カード会社に支払い停止の抗弁をおこないます。

相談窓口へつなぐ

そして、消費生活センター(電話番号:188)や警察への相談も忘れずに。

契約から8日以内であれば、クーリング・オフが適用される可能性もあります。

一刻も早く行動することが、被害回復の鍵です。

まとめ

20年以上、投資の世界を見てきました。その中で確信していることがあります。

「楽して儲かる投資」は存在しません。

投資で成功している人は、地道に勉強し、リスクを管理し、長期的な視点で資産を育てています。

新NISAの普及によって、投資が身近になったことは素晴らしいことです。

しかし同時に、投資初心者を狙う詐欺師たちが、これまで以上に暗躍しています。

「スマホで月50万円」「誰でも簡単に」——こうした言葉を見かけたら、この記事を思い出してください。

あなたの大切な資産を守れるのは、あなた自身だけです。

もし周りに投資を始めようとしている人がいたら、この記事をシェアしていただければ幸いです。

一人でも多くの人が、詐欺被害から身を守れることを願っています。

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この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
投資歴15年以上、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級、1級販売士、ファイナンシャルプランナー2級、年金アドバイザー3級持ちの私が「お金」についてどこよりもわかりやすくお伝えることを目指していきます。
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