最近は政治家や公務員の不正のニュースが良く流れていますね。
仕事中に弁当を注文したくらいで問題になっていたりもしてある意味大変だな・・・って思うところもあります。
しかし、これって他人事ではないのです。
私も会社員時代、経理や総務、人事などをやっていましたのでこれらの話は結構聞こえてきました。
今回は本当によくある「会社から交通費をもらっているのに自転車で通勤したり、実は近くに引っ越していた」といった事例を考えて見たいと思います。
通勤手当の不正は本当に多い
通勤手当の不正は本当に多いです。
私が実際に対応した事例だけでも以下のようなものがあります。
・会社に申請した住所と違う住所から通勤(彼氏の家に同棲)
・会社に申請した住所から引っ越しをしたけど報告せずそのままの通勤手当をもらう
・会社に大回り経路で申告しているが実際は違う経路で通勤
・会社には最寄り駅から乗ると申請しているが歩いて2駅先から通勤
これらは実際に私が対応した事例になります。
通勤手当の不正でも懲戒解雇はありえる
まず認識しておきたいのが通勤手当の不正も罪であることです。
今回取り上げた事例すべてに言えますが、本人を問いただしてもほとんど罪の意識は持っていませんでした。
まずは通勤手当の不正も会社からお金を盗んでいるという点をしっかり認識しておきたいところでしょう。
また、こんなのたいしたことないだろ?と思ってらっしゃる方も多いですが、これは懲戒の対象となりえる事案です。
期間や金額にもよりますが、懲戒解雇(つまり首)にもなりえるのです。
実際に過去には裁判になっていたりします。
ある食料品製造会社が通勤手当の不正受給者に対して懲戒解雇しました。
しかし、それを不服と感じた社員が会社を地位保全を訴えましたが、会社側の勝訴となっています。
また、他の裁判でも同様に解雇は有効であると認められていますね。
日本は完全に労働者有利なルールとなっています。
そんな中で会社が勝訴するのですからそれだけ重いことであるということを認識しておきましょう。
また、民法703条に基づく不当利得の返還請求の対象であるため遡って不正に得た金額を要求されます。
ちなみに不当利得の返還請求の時効は10年です。
つまり、バレたら解雇されるかもしれませんしお金も返さないといけないのです。
リスクだけが高いということも分かっていただけると思います。
労災上の問題は?
通勤経路や通勤方法が会社に届け出た内容と違う場合にもう一つ考えたいのが労災の件です。
労災とは労働災害のことで通勤時間における怪我なども対象となります。
それでは今回のように通勤経路や通勤方法が会社に届け出た内容と違う場合に労災の対象となるのでしょうか?
結論から言えば合理的な経路であれば、会社に届け出ている手段と異なる方法で通勤した場合に交通事故にあって負傷したような場合も、労災の通勤災害に該当します。
ただし、合理的な経路という条件があります。
通勤手当を浮かすための方法やルートだとここにひっかかる可能性はありますね。
労災が認定されるかどうかは最終的には労働基準監督署の判断次第となります。
ですからそのあたりも考えるなら適正に会社に届け出をしつつその経路、手段で通勤するのが無難です。
どうしてバレる?
それでは通勤手当の不正はどうしてバレるのでしょうか?
これは下記の副業の件でも書きましたが大半は通報です。
最近、副業をすることのハードルがかなり低くなり副業をしている会社員の方も多いと思います。しかし、未だに会社によっては副業禁止を就業規則等にうたっている場合も少なくありません。もし、その場合に副業が会社にバレてしまえば何かしら[…]
私も管理本部の人間でしたから何度かその手を通報を直接受けましたね。
って具合です。
基本的に人は嫉妬深い生き物です。
人がズルして得をすることが許せないのです。
前述の私のところに通報に来た事例でも表面的にかなり仲良さそうな人からの通報でしたから・・・
管理部門としても通報の場合は動かざる得ないですしね。
交通費の精算も同様
また、同じように交通費の精算でずるをする方もいます。
これもいつかバレますのでやめましょう。
私が対応した事例だとカラ出張を繰り返した事例がありました。
宿泊費や交通費などを不正に取得していたのです。
これがバレたのも通報だったりします。
あの人仕事せずあそこいってるよ・・・って通報が来たのでその日の出張報告をみたらぜんぜん違う内容。
そこでしばらく泳がしてみたらほぼカラ出張。
中には飛行機で北海道まで行って得意先回ったことになっていたものの実は空港でチケットを換金しただけといったなんてことも。
その人は結局退職勧奨で退職になりましたし、カラ出張で判明した分はすべて返金してもらいました。
不正が多いと実費精算へ
また、このような不正が多いと会社のルールが変わり、実費精算や現物支給とするケースが増えてきます。
私がいた会社も不正が続いたことで実費精算や現物支給に変えましたね。
本来は性善説でいきたいところですが不正があまりに多いと性悪説にならざる得ないのです。
そうなればどんどん不便になります。
そういう観点からも不正はやめておきましょうね。
最近は会社の近くに済むと手当が出るケースも
また、最近は会社の近くに済んだほうが手当がたくさんもらえる会社や自転車通勤の手当が用意されているような会社もでてきました。
例えばアメブロでお馴染みのサイバーエージェントなんかは会社から2駅以内に住むと3万円の家賃補助が住む制度なんかを導入していますね。
また、ZOZOタウンも会社がある千葉に済むと報酬をだしています。
遠い所から通ったほうがたくさん通勤費が掛かって手当もたくさんもらえますが、会社からしたら近くに済んでくれたほうがなにかと便利です。
そういう方向にルール自体を変えるのも必要だと思いますね。
社会保険的な観点から考えてもその方が理にかなっていますね。
まとめ
今回は「会社から通勤手当をもらっているのに自転車で通勤したり、実は近くに引っ越していたら解雇される?」と題して通勤手当の不正についてみてきました。
どうしても罪の意識をまったく持てない方も見えますが懲戒解雇になる可能性がある事例ですし、利得した通勤手当も返還させられる可能性が高いです。
ちょっとした出来心で職や信頼など大事なものを失わないように気をつけてくださいね。
ちなみに現在非課税の通勤手当のルールを変えようって動きもあります。
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