年末調整で書類への記載を忘れたり、間違えてしまったらどうすればよいか。【iDeCo】【生命保険】【扶養者】

先日、読者様から個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)関連で下記のご質問がありました。

「年末調整でiDeCo分の支払いを書類に書き忘れてしまっていた。どうすればよいのか?」
※ブログへの掲載の許可はもらっています。

おそらく同じ悩みを持っている方も多いでしょうから今回はこの件について見ていきましょう。今回は個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を中心に書きますが、生命保険や扶養者などの書き忘れも基本的に同じです。

なお、iDeCoってなに?方は以下の記事をご覧ください。

この記事をみれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度」から「つみたてNISAとの違い」、「おすすめ金融機関」、「おすすめ商品」、「いくら積み立てればよいのか」などを網羅的に確認することができますよ。

年末調整で記載を忘れたり間違いに気づいたら・・・

意外と多い年末調整書類への書き忘れ。

多いのが10月以降に生命保険に入ったようなケースとか結婚、出産などですね。

この場合は年末調整に必要な証明書が来ませんので記載忘れがちです。

このような場合はひと手間かかりますがお金が戻ってくる可能性があります。

なにもしなければそのまま所得税や住民税を余分に払っておしまいですね。

そもそも年末調整とは何??

まずは年末調整の意味についてみていきましょう。

年末調整とは簡単に言えば1年間の給料額等を計算し所得税を確定させるルールです。

給料をもらっている方は毎月源泉所得税が天引きされて給料が支払われています。

しかし、この源泉所得税は給料額と扶養人数からだいたいこれくらいだろうと引いている所得税にすぎません。

それを年末に生命保険料控除や今回の個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の控除(小規模企業共済制度等掛金控除)などをちゃんと計算して1年間の所得税を確定して仮に天引きされた源泉所得税との過不足を調整する仕組みなのです。

これを年末調整といいます。




年末調整で記載漏れや間違いが判明した場合の対応方法

まずはすでに年末調整の処理が総務や経理側で終わってしまっているのかによって対応が変わります。

まだ年末調整が終わっていない場合

年末調整の書類自体を会社が税務署に提出しないといけない締切は1月31日までです。

そのため、従業員から書類を集めるのは11月や12月に集めますが、実際に処理するのは1月としている会社も多くあります。

その場合には間に合う可能性もあります。

この場合は総務や経理にお願いすれば書類を差し替えたり書き換えることが可能です。

処理が終わっていないのですから当然ですね。

問題なく間に合うのは年末調整の還付金を1月給料と一緒に還付する場合や1月に給料とは別に還付される場合ですね。

年末調整の還付金が12月の給料と一緒に行われている場合は微妙です。理論的には間に合いますが、総務や経理の仕事が増えるので嫌がられるでしょう・・・。

この場合には後述する確定申告を利用するのをおすすめします。

ただし、扶養者の間違いなど今後の源泉徴収に影響を与えるものもありますので連絡しておいた方が無難です。

1月31日を過ぎてしまった場合には間に合いませんので確定申告しましょう。

年末調整の還付のタイミングなどは下記記事を御覧ください。

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年末調整の処理が終了してしまっている

会社が年末調整の処理を終了してしまっている場合には、確定申告をすることで払いすぎた所得税を取り戻すことができます。

確定申告は面倒そう、難しそうというイメージを持つ方も多いでしょうが、最近は下記の国税庁のWEBページで簡単に作成できるようになっています。

年末調整の間違いレベルならば1時間も掛からず作成できるはずです。

>>国税庁確定申告書作成コーナー

確定申告の仕方

確定申告は基本的に会社からもらった源泉徴収票を見ながら国税庁のWEBページで入力すればできます。そこで漏れている箇所や間違っている箇所を正しい金額に記入しなおせば良いだけです。

そしてできた書類をe-Taxができる方は電子申告。できない方は印刷して郵送もしくは持っていけばよいだけです。今回の確定申告からスマートフォンを使った「ID・パスワード方式」を利用してe-Tax送信が可能となっていますのでそれらをできるように今のうちから手続きしておくとよいかもしれませんね。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)分の確定申告書の書き方は下記記事を参考にしてください。

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またそれ以外の控除は下記の記事を御覧ください。

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確定申告の所得控除

確定申告の時期

確定申告は2月15日〜3月15日までが確定申告期限となっています。

実は期限より前に出す分には問題はなかったりします。

1月以降なら問題なく受け付けてくれるでしょう。

私もまとまり次第早めに出しています。




年末調整で漏れやすい、間違いやすいケース

年末調整で漏れやすかったり、間違いやすく修正が必要となるケースについても事例をいくつか紹介しましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)などに加入していた場合

まず今回取り上げた個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)です。個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の加入ははじめに総務から印鑑等をもらってはいるでしょうが、月々の支払いなどは総務側では一般的に把握できていません。そのためこちらで記入しなければ漏れてしまいますので忘れないようにしておきましょう。

会社員の方は加入できませんんが、国民年金基金小規模企業共済も同様ですね。

転職してきた場合

途中で転職した場合で無職期間があった場合の健康保険や国民年金の支払いも漏れやすいです。

これらは勝手には控除されませんし、会社の総務や経理も把握していませんのでこちら側で記載が必要です。

社会保険料等控除欄に記載をします。

また、イレギュラーなもののため会社の総務や経理が見落としがちな部分でもあります。源泉徴収票をもらったらちゃんと控除されているのかチェックしたいところでもあります。

年末調整書類提出後に保険に加入

たまにあるのが年末調整書類を提出したあとに保険に加入したようなケースです。

この場合でも年内に保険料の支払いがあれば対象となります。

また、保険加入が10月以降だったりすると控除証明が届かなかったりするので忘れるケースも多くあります。これらも同様ですね。

年末調整書類提出後に離婚したり、子供が生まれた

例えば「年末調整書類提出後に離婚した」、「書類提出後に子供が生まれた」なども年末調整には影響してきますね。

あくまでも書類を提出した時点ではなく12月31日時点の話です。

たとえば極端な話12月25日のクリスマスに離婚したとしても扶養対象配偶者にはならなくなります。

その1年を見れば大半を扶養していたかもしれませんが、判断はあくまで12月31日時点です。




まとめ

今回は「年末調整で書類への記載を忘れたり、間違えてしまったらどうすればよいか。【iDeCo】【生命保険】【扶養者】」と題して年末調整の不備があった場合の対応を見てきました。

払いすぎた税金は少しでも戻って来た方が嬉しいですよね。

毎年同じ内容だと思わず、書類や自身の異動項目を確認して記入しましょう。

また記入漏れに気づいた場合は早めに会社へ申し入れ、年末調整のやり直しが難しい場合は確定申告を行いましょう。

また、ふるさと納税のワンストップ特例制度を忘れてたりオーバーしてしまった方も確定申告すればOKです。

確定申告はそんなに難しくありませんよ。

なお、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の年末調整書類の書き方は下記の記事を御覧ください

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また、実際に年末調整で個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)支払い分が適用されたのかの確認や節税額はいくらなのかを確認する方法は下記の記事を御覧ください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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