吉本興業のギャラ配分問題

吉本興業のギャラ(給料?報酬?)配分が5:5や6:4はおそらく本当。こんなからくりになっている?

吉本興業を巡って様々な点で大荒れしていますね。

もともとは何人かのタレントが反社会的集団の忘年会に出席したことから始まりました。

しかし、雨上がり決死隊・宮迫博之氏やロンドンブーツ1号2号の田村亮氏の謝罪会見及びそれを受けての吉本興業の岡本昭彦社長の会見から風向きが大きく変わり吉本興業が叩かれる感じになっています。

特に話題になったのが吉本興業の岡本昭彦社長が会見で話した「ざっくりした平均値で言っても5:5から6:4です」というギャラの配分に対してのツッコミです。

これに対して吉本所属芸人たちがかなりヒートアップしている感じですね。

「俺はそんなにもらってねえぞ!っ」てことなのでしょう。

しかし、私はこの話は嘘はないのでは?と考えます。

今回はその理由についてみていきましょう。

吉本興業と芸人さんの関係は雇用関係ではない

まず、このギャラ問題を考えるときに押さえておく必要があるのが吉本興業と芸人との契約内容です。

今現在は口約束だけで契約書を結んでいないとのことですから詳細の内容は不明ですが、実態を考えて予想してみます。

まず、吉本興業と芸人さんの関係は雇用関係ではありません。

雇用関係であるならば給料/賃金や労働時間などの労働条件を明確にした書面である「労働条件通知書」の交付が必要となるからです。

また、雇用関係であるなら最低賃金がありますからね。

例え完全歩合制(フルコミッション)でも下記の通り、「出来高制払の保障給」という考えがありますからある程度の保障が必要となるのです。

出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。

芸人さんたちの発言をみているとそういった最低保証があるとは思えないです。

以上の点を踏まえると吉本興業と芸人さんとの関係は給料をもらう雇用関係ではないでしょう。

おそらく、芸人さんは個人事業主扱いで吉本興業と「業務委託」の関係だと思われます

つまり、仕事を出す側(吉本興業)と仕事を受ける側(個人事業主)の下請け構造ですね。


ギャラの取り分の平均値が5:5から6:4のからくり

それでは吉本興業の岡本昭彦社長が会見で話した「ざっくりした平均値で言っても5:5から6:4です」というギャラの配分に対してのツッコミが起こっている理由及びそこに嘘はない点を考えてみましょう。

この発言を受けて多くの吉本興業所属の芸人さんやもともと吉本興業に所属していた芸人さんから「9割9部9厘:1厘の間違いだろ」といった多くのツッコミの声が挙がっています。

芸人さんですから盛って話している可能性もありますが、実際にそういうギャラ配分の比率が少ない人がいるのも事実でしょう。

なぜこのようなギャップが生まれてしまっているのでしょうか?

これは出ている数字が平均値であるという部分が大きいのです。

平均値とは

平均値とはデータの合計値をデータ数で割った値のことです。

小学校で習いましたよね。

平均値では問題は実態をうまく反映出来ないケースが多いことにあります。

例えばこんなケースが考えられます。

ギャラ10億円もらっている人が1人
まったくギャラをもらっていない人が9人いたとします。
この10名のギャラの平均値は1億円となります。

計算は間違えていませんが、なんだか実態を把握できているような感じはありませんよね。

今回の吉本興業の岡本昭彦社長が話した内容もこれと同じような話なのです。

吉本興業所属芸人は6000人。大きく稼ぐのは100人

正式に契約を結んでいないため正確には把握できていないようですが吉本興業の所属芸人は6000人いるそうです。

そのうちテレビでよく見るようなかなり稼いでらっしゃる芸人さんは100人前後とのこと。

例えばこんな感じのギャラ配分になっていたらどうでしょうか?

※実際のデータがあるわけではありませんから、ギャラも配分も適当なあくまでもシュミレーションです


トップ10人

例えばその上位10人のギャラの取り分が芸人7:吉本興業3くらいだったとしましょう。

平均すると20億円稼いでたとします。(会社がテレビ局などから受け取った金額)

10人が稼いだお金は200億円。

芸人さんの取り分は合計して140億円、吉本興業の取り分60億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均14億円です。

大きく稼ぐ90人

大きく稼いでいる残りの90人のギャラの取り分が芸人6:吉本興業4くらいだったとしましょう。

平均すると3億円稼いでたとします。(会社がテレビ局などから受け取った金額)

90人が稼いだお金は270億円。

芸人さんの取り分は合計して162億円、吉本興業の取り分は108億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均1.8億円です。

それなりに稼ぐ900人

のこりの5900人のうち900人はそれなりに稼いでいたとしましょう。

ギャラの取り分は芸人5:吉本興業5

平均2000万円稼いでいたとします。(会社がテレビ局などから受け取った金額)

1000人で稼いだお金は180億円。

この場合には、芸人さんの取り分は合計して90億円、吉本興業の取り分は90億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均1000万円です。

サラリーマンくらいの1000人

次はサラリーマン程度稼ぐ1000人です。

ギャラの取り分が芸人4:吉本興業6

1000人が平均1000万円(会社がテレビ局などから受け取った金額)

1000人で稼いだお金は100億円。

この場合には、芸人さんの取り分は合計して40億円、吉本興業の取り分は60億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均400万円です。

なんとか芸人だけで暮らせる1000人

次はなんとか芸人だけで暮らせる程度稼ぐ1000人です。

ギャラの取り分が芸人3:吉本興業7

1000人が平均800万円(会社がテレビ局などから受け取った金額)

1000人で稼いだお金は80億円。

この場合には、芸人さんの取り分は合計して24億円、吉本興業の取り分は56億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均240万円です。

アルバイト併用で暮らせる1000人

次はアルバイト併用すれば芸人で暮らせる程度稼ぐ1000人です。

ギャラの取り分が芸人2:吉本興業8

1000人が平均600万円(会社がテレビ局などから受け取った金額)

1000人で稼いだお金は60億円。

この場合には、芸人さんの取り分は合計して12億円、吉本興業の取り分は48億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均120万円です。

アルバイト中心で暮らす1000人

次はアルバイト中心でたまに芸人の方1000人です。

ギャラの取り分が芸人1:吉本興業9

1000人が平均100万円(会社がテレビ局などから受け取った金額)

1000人で稼いだお金は10億円。

この場合には、芸人さんの取り分は合計して1億円、吉本興業の取り分は9億円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均10万円です。

駆け出しの1000人

最後は本当に駆け出してたまに仕事をしている芸人の方1000人です。

ギャラの取り分が芸人1:吉本興業9.9

1000人が平均50万円(会社がテレビ局などから受け取った金額)

1000人で稼いだお金は5億円。

この場合には、芸人さんの取り分は合計して5千万円、吉本興業の取り分は4億5千万円となります。

芸人さん一人あたりの取り分は平均5万円です。

この場合のギャラ取り分の平均は約5:5〜6:4

この数字を合計すると以下の通りとなり、芸人さんと吉本興業の取り分の比率は約469.5:436.5となります。

吉本興業の岡本昭彦社長の言っていた数字に近くなりましたね。

実際の比率は発表されているわけではありませんが、このように稼ぐ人には高い比率で配分

まだこれからの芸人さんには事務所の取り分を多くすればこのような数字となるのです。

事務所としても稼ぐ人は他の事務所に移籍されても困りますから芸人さんが高い配分にするのは当然です。

また、まだそれほど稼げてない方は仕事をとってくるのも大変ですから事務所側が高い比率にしているのでしょう。

芸人吉本興業
トップ10人140億円60億円
大きく稼ぐ90人162億円108億円
それなりに稼ぐ900人90億円90億円
サラリーマンくらいの1000人40億円60億円
なんとか芸人だけで暮らせる1000人24億円56億円
アルバイト併用で暮らす1000人12億円48億円
アルバイト中心で暮らす1000人1億円9億円
駆け出しの1000人0.5億円4.5億円
合計469.5億円435.5億円

ちなみに吉本興業は下記の記事のとおり、非上場企業です。

ですから売上等比率はわかりにくいですが、まだ上場していた2009年の売上は488.7億円でしたね。

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中央値や最頻値で見ると印象が全く違う

今回は平均値だけしかわかりませんが、中央値や最頻値を見るとより実態に即したデータがわかります。


中央値とは

中央値はデータを小さい順に順番に並べたときに真ん中(中央)にくる値のことです。

例えば前述のデータでギャラの中央値を見るならば6000人のうち真ん中の3000番目の方のギャラとなります。

なんとか芸人だけで暮らせる1000人とアルバイト併用で暮らす1000人の間くらいですね。

120万円〜240万円といったところでしょう。

ギャラの配分の中央値ならば芸人3:吉本興業7〜芸人2:吉本興業8といった感じですね。

最頻値とは

最頻値とは名前のとおりですが、もっともよく現れる数字のことです。

前述のデータはあくまでも仮のシュミレーションだけですから実際に数字が発表されているわけではありませんが、ギャラの最頻値は0円にかなり近いと思われます。

駆け出しの1000人の方に0円の方が多く含まれていると思われますので。。。

ギャラの配分の最頻値ならば芸人1:吉本興業9〜芸人1:吉本興業9.9といった感じですね。

今回ネット上で騒いでいる多くの芸人さんはそれほど稼げていない方が多いようです。

最頻値を考えれば今回の騒ぎの原因がわかりますね。

まとめ

今回は「吉本興業のギャラ(給料?報酬?)配分が5:5や6:4はおそらく本当。こんなからくりになっている?」と題して最近話題になっている吉本興業のギャラ問題について考えてみました。

吉本興業側の主張と芸人さんの主張に多いな相違が生じてしまっている理由がなんとなくわかっていただけたのではないかと思います。

まとめるとこんな感じです。(予想ですが)

稼いでいる人は芸人さんの取り分の比率が大きく
まだこれからの人は事務所の取り分が大きい
人数を考えるとこれからの人がかなり多いため大きな騒ぎとなっている
しかし、実際に報酬の取り分を平均して見ると5:5〜6:4くらいになる。

統計データを見るときは出されている数字がどのような意味を持つのか考えてみないと間違えた判断となってしまいますのでお気をつけくださいね。

詳しくはこちらの記事も御覧ください。

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