債券投資とは。〜地味だが比較的安全な投資方法〜

債券投資ってご存知ですか?

昔からある投資先で厚生年金や国民年金などを運用するGPIFでも50%(残りの50%が株式)が投資されています。

株式投資と比較して地味なためあまり注目されていません。

しかし、今年に入り逆イールドが発生したり、タピオカが流行ったりして株式市場がちょっと心配の状況になったこともあり、金投資と同じく注目度が高くなってきているんですね。

今回はそんな債券投資について特徴や仕組み、投資方法などについてご紹介していきます。

債券とは

債券とは国や地方自治体、会社などが投資家からお金を調達(借りる)ときに出資してくれた人に対して作成するもののことです。

簡単に言えばお金を借りた証明の借用証書みたいなものですね。(現在はペーパーレスです)

債券は国債や社債などいろいろな種類があり多少仕組みやルールが違いますが、基本的に返済期日(償還日)が決まっていて元本が返金されます。

また、株式投資と違い配当はありません。

その代わりに利子がもらえます。

基本的にこの利子部分が投資家の儲けとなります。

債券投資の仕組み

それでは債券投資の仕組みについて見ていきましょう。

投資家が国や地方自治体、会社が発行する債券を買います。

国債や社債などですね。

これによりそれぞれの団体は資金を得ることができます。

債券は証券会社や銀行で買えますので、ここまでは株式投資となんら変わりません。

ここからが少し違ってくる点です。

償還日に元本が戻ってくる

債券は発行した時点で償還日が決められています。

償還日とは返済期日みたいなもので、その日になれば額面の金額が返ってきます。

ここでのポイントは債券は満期日に元本が返ってくることです。

つまり債券は基本的に元本保障の商品なのです。(後述する例外もあります)

保有期間中は利子がもらえる

また、債券は予め利率が決まっており、それに応じた利子が保有期間中受け取ることができます。

償還日を迎えるまで利子が途中で変わること無く基本的に定期的に受け取ることが可能です。

この辺りもかなり安全な投資法であるといえるでしょう。

途中で売買も可能

債券は株式などと同様に売買も可能です。

満期(償還日)を迎える前に売ってしまうこともできるのです。

ただし、債券は価格が変動します。

特に金利の動向や、経済状況、満期までの期間、国や地方自治体、会社の信用度などによって価格変動するのです。

つまり、途中で売却した場合には損失がでるリスクもあるのです。

また、外国の債券の場合には為替相場の影響も受けます。

ですから途中で売買すると確実に儲かるとは言えないのです。(プラスに働くことももちろんあります)

特に金利の影響をかなり大きく受けるのが債券です。

債券と金利の関係についてはこちらの記事を御覧ください。

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金利と株、債券の関係

債券の種類(発行体)

債券には発行体により様々な種類があります。

発行体や債券の種類により、償還日までの期間や利率も様々です。

ニーズに合わせて選択することが必要でしょう。

代表的な債券を見ていきます。

国債

まずは国が発行している債券である「国債」です。

ある意味一番メジャーな債券ですね。

国債といってもかなり種類があります。

個人向けでは3つの商品があります。

満期が10年で金利が変動するタイプの「変動金利型10年満期」、満期が5年で固定金利の「固定金利型5年満期」、満期が3年で固定金利の「固定金利型3年満期」です。

それぞれ毎月発行されています。

国が発行しているものですから、元本や半年毎の利子の支払いは日本国政府が責任をもって行います。

そのため安全性はかなり高いですね。

その代わりに他の債券と比較して利率は低くなっています

個人向け国債について詳しくはこちらの記事を御覧ください。

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あえて国債を買う意味はあるのか?

地方債

また、都道府県や市町村などの地方自治体が発行する債券もあります。

地方債」です。

こちらも条件等は自治体ごとに違いますが、比較的安全性は高く、その代わり利率が低いものが多いです。

ただし、ほとんどの場合には国債よりは条件が良くなっています。

社債

次は民間の事業者が発行する「社債」です。

発行する会社の信用度によりかなり期間や利率が違いますね。

基本的には国債や地方債よりも条件は良くなっています

ただし、発行者が倒産してしまうと元本が返ってこない可能性もあります。

ですから少し安全性で多少不安が出てくるところはありますね。



債券の種類(方式)

また、債券には方式がいくつかあります。

そちらも知っておきたいところです。

代表的な方式をご紹介しましょう。

利付債

まずは一般的な「利付債」です。

利付債は額面の金額で作成され、利子がもらえ、償還日には額面金額で返済されるタイプです。

一番オーソドックスなタイプですね。

また、利子は固定利率のタイプと変動利率のタイプがあります。

固定利率のタイプはあらかじめ利率が固定されています。

変動利率のタイプは利子を支払うタイミングの金利動向により変動します。

どちらが良いのかは金利動向次第ですからなんとも言えません。

割引債

次は「割引債」です。

こちらは額面より低い金額で発行されます。

そして償還日に額面金額で返済されます。

つまり、額面金額と発行時の価格の差額が利子のようなものですね。

また、プラスで利子がつくものもありますし、その差額分だけのものもあります。

転換社債

転換社債」とは社債に一定の条件のもとで株式に転換できる権利が付与されたものです。

株式投資と社債投資のハイブリッドみたいなものですね。



債券と債権は違う

よく間違いやすいのが債券債権です。

読み方はおなじ「さいけん」ですが、意味合いは違います。

債権とは誰かにお金を貸していて返してもらえる権利を要求することができるなど、他の人(債務者)に一定の行為(給付)をすることを要求することができる権利のことです。

ですから広く言えば債券は債権の一種なんですよね。

混同している方が多いのでお気をつけください。

債券に投資をする投資信託もある

また、債券を直接買う以外にも債券に投資をする投資信託を買う方法もあります。

こちらの場合には信託報酬が多少掛かりますが、多くの債券に分散投資をすることができますね。

大きな利益は得られませんが、株の投資信託などと比較して安定した値動きとなっています。

債券に投資をする投資信託といっても

国内の債券
先進国の債券
新興国の債券
アメリカの債券

など投資先はいろいろなパターンがありますよ。



債券のメリット

それではここからは債券投資のメリットについて見ていきましょう。

株式投資とは違った魅力があるんですよ。

利益が安定

債券投資の最大のメリットは利益がはじめから決まっていて安定しているということでしょう。

特に固定金利のタイプならばはじめからいくら貰えるか決まっています。

市中の金利が変わっても受け取る金利は変化しませんからね。

さらに多くの債券は一般的に銀行に定期預金をしているよりも金利が高いです。

この辺りも魅力でしょう。

安全性が高い

安全性が高いのもメリットですね。

前述したように償還日まで保有していれば元本が還ってきます。

ですからその発行体が倒産したなどよほどのことがない限り損をしないのです。

つまり、安全性かかなり高い投資方法であると言えます。

ただし、その分儲かる金額の上限は低めですけどね。

この辺りはトレードオフの関係ですから仕方ないところであります。

途中で辞めることも可能

債券は株式のように売買することもできます

償還日(満期日)前に価格が上がったら売ったりもできるのです。

うまくやめれば安い時に買って高い時に売るということも可能です。

また、償還日前にどうしてもお金が必要となったという場合でも現金化できるのはありがたいですね。

しかし、途中で売り買いする場合には元本割れの可能性がありますのでそこは注意する必要があります。

株式と値動きが違う

債券は株式と動きがあまり相関していません。

そのため、株式投資と組み合わせることでポートフォリオ全体のリスクを下げる効果があると言われています。

特にiDeCoつみたてNISAなどで長期投資を行っている方は少量でも債券を入れるのもおすすめですよ。

あくまでも理論上ではありますが、リターンが変わらずリスクを下げる効果があります。

そういうのもあり、最近ではグローバル3倍3分法ファンドやウルトラバランス世界株式のように、株式と債券に投資をする投資信託で債券部分にレバレッジを掛けるものなんかも流行っていますね。

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債券投資のデメリット

もちろん債券投資も万能な投資方法ではありません。

デメリットもあるのです。

投資をする前にこの辺りは押さえておきたいところですね。

発行体が倒産や財務状況の悪化

債券投資の最大のデメリットは発行体の倒産や財務状況の悪化です。

最悪は元本や利子を受け取ることができなくなります。

デフォルト(債務不履行)が発生する可能性があるのです。

ですから債券投資をする場合にはその発行体の財務状況を把握しておくなどをしておいたほうがよいでしょうね。

特にやけに条件のよい債券はそういうリスクがあることを知っておきたいところ。

信用度が高い発行体ならばそんなに条件を良くしないでもお金を調達できますからね。

途中の売却はマイナスになる可能性がある

債券は満期日前に売買することも可能ですが、その場合にはマイナスが生じてしまう可能性もあります。

また、発行者の信用力低下などがあると、すぐに換金できなくなる場合もありえます。

外国債券の場合は為替の影響あり

外国債券の場合には売却時はもちろん満期償還時に為替相場の状況によっては為替差損が発生する可能性があります。

ただし、これは為替差益が発生する可能性もありますからね・・・

外国債券の場合はこの辺りのリスクが追加されることは認識しておきたいです。

債券はどこで買えるのか?

それでは債券投資はどこでできるのでしょう?

これは多くの証券会社や銀行で取り扱いがあります。

ただし、扱っている債券の種類は金融機関ごとに大きく異なります。

個人的に債券投資するならおすすめはSBI証券です。

債券の種類が充実していますね。

CHECK!   SBI証券

また、最近では債券へ投資をする投資信託なんかも増えています。



まとめ

今回は「債券投資とは。〜地味だが比較的安全な投資方法〜」と題して債券投資についてみてきました。

債券投資は地味な投資方法ですが、安全性は比較的高いですからローリスクな投資方法を探されている方にはおすすめできますね。

株式投資しかやったことない方も債券投資という選択肢をぜひ取り入れて見てくださいね。

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