新型コロナウィルスの拡大が止まりません。
株価も連日乱高下しています。
まだ、世界中で新型コロナウィルスの問題は治まっていませんので当面はこの状況が続く可能性もありそうです。
そんな中、最近気になるのがTwitterやブログなどで配当利回り、株主優待利回りが高いからとナンピン買いや新規購入する人が本当に多いことです。
これは成功する可能性もあるでしょうが、非常に怖い行為なんですよ。
今回は暴落時の配当利回り、株主優待利回りの危険性についてみていきます。
配当利回り、株主優待利回りで株を買うのは危険な理由
今回の新型コロナウィルス感染症に端を発した大暴落で配当利回りや株主優待利回り、その合計した利回りがかなり高い銘柄がでてきました。
月曜から夜ふかしで有名になった桐谷広人さんの基準では配当利回りと株主優待利回りの合計が4%を超えると買いとしていましたが、現在そのような銘柄はやまほどありますね。桐谷さんはラッキーと思って買っているのかもしれません。
桐谷さんの投資手法についてはこちらの記事を御覧ください。
配当利回りの高い銘柄
例えばヤフーファイナンスで配当利回り会社予想ベスト3は3月30日現在以下の通りとなります。(Jリートを除く)
銘柄 | 株価(3月30日) | 1株配当(会社予想) | 配当利回り |
昭和飛行機工業 | 2,117円 | 636円 | 30.04% |
マクセルホールディングス | 1,081円 | 268円 | 24.79% |
明和産業 | 507 | 56円 | 11.05% |
やばいパーセンテージですよね。
例えば昭和飛行機工業ならば配当利回りが30.04%ですから3年と半年持てば株価の元が取れてしまう計算となります。
さらに株主優待までありますからね・・・
ちなみに昭和飛行機工業の株主優待はホテル「フォレスト・イン昭和館」宿泊割引優待券などです。
それらを加味すればさらに元を取るまでの期間が短くなります。
配当狙いの投資家の間で人気の高いJT(日本たばこ産業)あたりも7%超えの利回りとなっていますね。
しかし、問題はこの配当金や株主優待が継続できるのかという点です。
配当金や株主優待はあくまでも利益の分配である
上記の通り、かなりの利回りとなっていますが前提として知っておく必要があるのが配当金や株主優待は基本的に利益の分配であるという点です。
利益が出たから投資家に還元しようという制度なんですよね。
つまり、業績が悪化して利益がでなければ配当金や株主優待がなくなってしまうなんてことは普通にありえます。
特に配当金や株主優待が魅力的な株の場合はそれらがなくなってしまえば保有理由もなくなります。
そのため、配当金や株主優待の廃止が発表された途端に大きく売られてしまうんですよ。
つまり、少しばかりの配当、株主優待を狙ったばかりに株価の下げで大きな損をする可能性があるということです。
日産の場合
例えば2月13日に期末の配当を見送りと発表した日産自動車の例を見てみましょう。
日産自動車といえばゴーン氏の問題でゴタゴタしていましたし、業績も悪化しているとの話がでていました。
そのため、株価も下がり気味でした。
2019年年末終値は636.1円
それが期末の配当を見送り発表をする2月13日の終値では568.5円まで下がっていました。
期末の配当を見送りが発表された翌日2月14日には513.7円と1割近くの暴落。
そこから新型コロナウィルスの問題が本格する前の2月末の終値は463.6円とさらに1割近く落ちています。
新型コロナウィルスの問題が本格化した現在3月30日時点では384.9円と2割近くの減。
年末と比較して半値近くまで下がっているのです。
2019年の同時期は900円前後でしたし、2018年の同時期は1,100円前後でしたから恐ろしい限りですね。
配当をいくらもらっても株が下がってしまった部分でペイは難しいと思われます。
つまり、配当金や株主優待狙いで株を買っている人が多い銘柄はその前提が崩れてしまうと大きく株価も下がってしまうリスクがあるのです。
その点をしっかり認識しておきましょう。
配当利回り、株主優待利回りで株を買うなら分析をしっかり
もちろん配当金や株主優待を継続して出していただけるなら非常にお得なのがそれらの銘柄です。
ですから配当利回り、株主優待利回りで株を株を買うなら今後の分析をしっかり行う必要があります。
ポイントは以下の点です。
以下の問題をクリアした銘柄なら検討してもよいかもしれないというレベルです。
利益は出るのか?
まず、前述したように配当金や株主優待は利益の分配です。
ですから今回の新型コロナウィルスの問題でどこまで業績が落ちるのかというのをしっかり考える必要があります。
多くの企業で操業が止まってしまっていたり、営業していても売上が全然上がらないという話はたくさん聞こえてきます。
いくら操業を止めても営業を停止しても家賃や人件費などの固定費はかかり続けます(人件費は雇用調整助成金もありますが)
そうなれば思った以上に利益は減る、赤字になるということになるのです。
ですからその辺りも加味して検討して上げる必要があるのです。
売上が減ると想像した以上に利益は減る
例えば売上が1,000円の会社があったとしましょう。
変動費(原材料など売上に応じて変動する経費)が400円
固定費(売上が減っても増えても変わらず掛かる人件費や家賃などの経費)が500円
利益が100円です。
配当性向50%ならこのうち50円が配当に回ります。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
新型コロナ前 | 新型コロナ後(売上2割減) | |
売上 | 1,000円 | 800円 |
変動費 | 400円 | 320円 |
固定費 | 500円 | 500円 |
利益 | 100円 | -20円 |
配当(配当性向50%) | 50円 | 0円 |
このケースで新型コロナウィルスの影響で売上が2割減ったら利益はどうなるでしょう?
利益も2割減って80円になるのかな?って思った方甘いです・・・
まず、売上は2割ダウンだと800円となります。
変動費も同じ比率だけ減ったとすると2割減の320円となります。
しかし、問題はここからです。
固定費は基本的に変わりませんので500円のままです。
差し引きすると利益はマイナス20円と赤字転落となってしまうのです。
赤字では基本的に配当金も株主優待も出せません・・・
つまり、売上が減ると想像するよりも利益は減ってしまうのです。
資金繰りに余裕はあるか
当然、上記のような状況になれば資金繰りも悪化します。
ない袖は振れませんのでお金に余裕があるのかは確認しておく必要がありでしょう。
いくら利益が出ていても資金繰りが悪化すれば配当金や株主優待は当然ながら後回りにされがちです。
会社の存続が大事ですからね。
資金繰りを見るためには当座比率やキャシュフロー計算書などを確認するとよいでしょう
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
粉飾決算はしていないか
また、どうしても株主にヤバい人がいたりして配当をなんとしても出さないといけないケースがあります。
このようなケースで一番怖いのが粉飾決算です。
前回の大きな暴落リーマンショックの際もいろいろな理由があり粉飾をする企業が後を立ちませんでした。
今回もそのようなことが想定されますので企業の発表を完全に鵜呑みにするのは危険かもしれません。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「暴落時に配当利回り、株主優待利回りで株を買うのは大変危険な件」と題して表面上の配当利回りや株主優待利回りだけを見て株を買うのは危険だという話を見てきました。
特に新型コロナウィルスの件があってから株を始めたような初心者の方が陥りそうなケースですからお気をつけくださいね。
そもそも配当金や株主優待をたくさん出す会社は業績が低迷しているケースも多いですしね。。。。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
個人的にはこのような相場では配当利回りや株主優待を考えるのではなく安定した株を少しずつ買っていくのがおすすめですね。
特に下記2社の証券会社は1株単位で株を買えますのでそういうニーズにはぴったりですね。
まずはこの辺りから始めるとよいでしょう。
CHECK! SBIネオモバイル証券
CHECK! LINE証券
また、投資信託、つみたてNISA、100株単位以上で株を買うなど本格的に始めたい方は手数料が安く、注文方法、取扱商品なんかが多彩なこのSBI証券がおすすめです。
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