先日、読者様からご質問をいただいた。要約すると以下のような内容でした。
しかし、どうやってテスラ株を買えばよいかわかりません。
アメリカ株を買うのはちょっと敷居が高いし、投資信託などで簡単に買える方法はないでしょうか?
テスラ(Tesla)に投資する方法についてのご質問です。
テスラは最近日本でも乗っている人を見かけるようになりましたし、株価急騰もかなり話題になっていますので、興味を持つ方が増えていますね。
2019年8月23日の時点では211.4ドルだったのが、2020年8月21日の時点で2,049.98ドルと1年で10倍近く上げるほど急激に株価が上がったのです。
特に最近は株式の5分割やS&P500に採用される噂も出てきて急伸していますね。
テスラはこの株価急騰により日本最大の企業で2019年の世界自動車販売台数2位のトヨタを抜いて、自動車業界世界一位の時価総額となったことも話題になっていました。
時代の変化を感じ取れる現象とも言えます。
今回はそんなテスラに日本から投資をする方法をご紹介します。
テスラの自動車販売台数はトヨタの30分の1だが・・・
テスラ(Tesla)はアメリカのシリコンバレーを拠点とした電気自動車(EV)メーカーです。
設立は2003年とまだ比較的新しい会社。
CEOのイーロン・マスク氏の知名度が高いですからご存知の方も多いでしょう。
それではテスラの現在をまず見てみましょう。
テスラの自動車販売台数
2019年の自動車販売台数は36万台でした。
2020年の目標でも50万台とまだ規模はそれほど多くありません。
ちなみに先日時価総額を抜かれたトヨタの2019年自動車販売台数は世界2位で1,074万台となっています。(1位はフォルクスワーゲンで1,097万台)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
テスラ | トヨタ | フォルクスワーゲン | |
2019年自動車販売台数 | 36万台 | 1,074万台 | 1,097万台 |
トヨタやフォルクスワーゲンと比較しても年間販売台数の実績は30分の1程度となっています。
つまり、テスラは実績というよりも期待で株価が上がっている状況と言えるでしょう。
テスラの業績
テスラの業績はどうでしょう?
販売台数だけをみれば異様なバブルな感じがしますが、業績を見るとそうでもないことがわかると思います。
赤字が長かったので業績が伴わない会社というイメージをもっている方が多いようですが、最近は黒字転換してるんですよ。
直近の2020年第二四半期(4月〜6月)は新型コロナの影響がありましたが1億400ドル(約110億円)の純利益となっています。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
単位:百万ドル | 2019年第二四半期 | 2020年第二四半期 | 前年同期比 |
売上高 | 6,350 | 6,036 | -0.49% |
営業利益 | -167 | 327 | 黒字転換 |
純利益 | -408 | 104 | 黒字転換 |
ちなみに同じ期間のトヨタの業績は以下のとおりです。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
単位:億円 | 2019年第二四半期 | 2020年第二四半期 | 前年同期比 |
売上高 | 77,212 | 46,007 | -40.4% |
営業利益 | 7,406 | 139 | -98.1% |
純利益 | 6,191 | 1,588 | -74.3% |
※単位が違い比較しにくいと思いますので、テスラの表は百万ドル単位、トヨタの表は億円単位として1ドル=100円で揃えています。
新型コロナの特別事情があったとはいえ営業利益だけをみればテスラがトヨタを上回っているんですね。
トヨタは図体が大きいですから固定費負担がこういった事態になると重くのしかかって来てしまうんですよ。
また、売上の落ちもトヨタと比較してかなり少ないのがわかります。
この2社を比較するとトヨタがかなり悪そうに見えますが、日本の他の自動車メーカーと比較してトヨタは一番ましな状況だったりします。
他の自動車メーカーの新型コロナの影響を受けた決算状況等はこちらの記事を御覧ください。
テスラに投資をする方法
それでは本題のテスラに投資をする方法を見ておきましょう。
大きく分けて4つの方法が考えられます。
アメリカ株取り扱いの証券会社でテスラ株を購入
一番わかり易いのはアメリカ株を購入できる証券会社で直接テスラ株(TSLA)を購入することです。
ご質問された読者様は敷居が高いとおっしゃってますが実はそうでもないのです。
最近はSBI証券、楽天証券、マネックス証券がかなりアメリカ株に力を入れており、日本株と同じとまではいきませんが、購入する敷居はかなり低くなっているんですよ。
手数料もネット証券で大きな値下げ競争があり、かなり低くなっています。
今回は私がおすすめするSBI証券でテスラ株(TSLA)を購入する流れをご紹介しておきましょう。
円をドルに転換
まず、米国株を買うためには「円」を「ドル」にする必要があります。
SBI証券内でも換えられますが、住信SBIネット銀行を利用するのが為替手数料が安くオススメです。
SBI証券と住信SBIネット銀行は連動しているため利用方法も難しくもありません。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
テスラ株を買う
ドルを保有したら次にSBI証券の米国株式取引ページで「TSLA」と検索してください。
アメリカ株は日本の証券番号と違い「ティッカーコード」というもので管理されています。
テスラは「TSLA」がティッカーコードとなります。Telsaが会社名ですからそこから作られた感じですね。
日本の証券コードよりはわかりやすいですね。
あとは買付を選択すれば通常の日本株を購入するのと同じ流れで購入が可能です。
なお、購入時に住信SBIネット銀行などを使って事前に外貨を保有している場合は「外貨決済」、まだ外貨にしていない場合は「円貨決済」を選択をします。
また、SBI証券の場合には成行、逆指値も利用が可能です。
なお、アメリカ株は日本の株と大きく違い1株単位で注文できます。
テスラを含む投資信託や国内ETFを購入
次は日本の投資信託やETF(上場投資信託)を購入する方法です。
ただし、テスラはダウにもS&P500にも入っていません。(S&P500に組み込まれる噂が流れていますね)
そのため、米国株へ投資をする多くのインデックス型の投資信託はテスラを含んでいないんですよ。
ただし、NASDAQには含まれていますのでそれを対象としたインデックスファンドや米国株を投資対象とした一部のアクティブファンドで組入されています。
テスラが含まれているもので人気となっている投資信託をご紹介しましょう(アクティブファンドは組入銘柄が頻繁に変わりますのでご注意ください)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
ファンド名 | テスラの組入比率 | 信託報酬率 |
iFreeNEXT FANG+インデックス | 12.8%(7月末) | 0.7755% |
iFreeActive EV | 9.0%(7月末) | 1.221% |
ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド | 8.5%(7月末) | 1.518%程度 |
グローバル・プロスペクティブ・ファンド | 8.4%(7月末) | 0.78% |
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド | 8.0%(7月末) | 1.6445%程度 |
iFreeレバレッジ NASDAQ100 | NASDAQ100の2倍(個別銘柄非開示) | 0.99% |
NZAM・ベータ NASDAQ100 | 2.5%(7月末) | 0.44% |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 2.3%(7月末) | 0.495% |
これら以外にも楽天・全米株式インデックスファンドなどアメリカ全体の株に投資をするタイプにも投資比率は少ないですがテスラは組み込まれています。
アメリカ株取り扱いの証券会社でテスラを含む米国ETFを購入
もう一つのやり方がテスラ株を直接買うのではなく、テスラなどの株に投資をしている米国のETF(上場投資信託)を購入することです。
米国にはたくさんのテスラに投資をしているETFがありますのでそれらを購入するのです。
購入の仕方は前述の米国株を買うときと基本は同じですね。
インデックス型のETFではVTIなどのアメリカ株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーするものには当然組み込まれていますし、NASDAQ100をベンチマークとしているQQQなどのETFにも組み込まれています。
また、アクティブ型のETFでは、ARKWやARKKなどテスラの投資比率が10%を超えているものもあります。
なお、ARKKは破壊的イノベーション企業に投資をするETF。ARKWは次世代インターネット企業に投資をするETFです。
テスラ組入比率 | 経費率 | |
ARKW | 10.97%(8月21日) | 0.75% |
ARKK | 10.02%(8月21日) | 0.75% |
QQQ | 3.24%(8月21日) | 0.20% |
VTI | 組入上位10銘柄に含まれず | 0.03% |
ちなみにARKK等はSBI証券や楽天証券など一般的なネット証券では取り扱いがありません。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
CSDで購入する
最後はCSDで購入する方法です。
CFD取引とは「Contract For Difference」の頭文字をとったもので日本語では「差金決済取引」と言われます。
株との大きな違いはレバレッジの高さでしょう。その分リスクも大きくなりますが・・・
CFDについて詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「テスラの株が買いたい!トヨタの時価総額超えの電気自動車メーカーに投資をするにはどうしたらよいか?」と題してテスラに日本に投資をする方法を見てきました。
ここ数年でアメリカ株への投資障壁が低くなっていますので、テスラの株への投資もそれほど難しくなくなっているんですよ。
個人的にテスラの株へはちょっと急激な上げであるため参戦しにくいな、と考えています。
しかし、非常に面白い会社であることは間違いないでしょう。
投資対象としてかなり魅力的なのでテスラへは投資信託やETFを通じて間接的に投資をしていきたいと思います。
テスラ株を買ったり、投資信託を買ったりするなら利便性が高く、手数料も安いSBI証券がおすすめですよ。
なお、You Tube、GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、Amazon、マイクロソフト)に投資をする方法はこちらの記事を御覧ください。
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