SBI証券が三井住友カードを使った投資信託積立設定サービスの設定金額が100億円を突破したと発表しました。
さらに積立口座数も10ヶ月で26万口座を突破とかなりの勢いとなっています。
今回はこのニュースを詳しく見ていきます。
SBI証券の投資信託積立設定サービスの設定金額が100億円を突破
2021年6月30日にサービスを開始したSBI証券の三井住友カードを使った投資信託積立設定サービス。
私も使っていますが、三井住友カードで投資信託を買うとクレジットカードのポイントが貯まるという大変オトクな物となっています。
SBI証券のクレカ投信積立概要
まずは概要を解説しておきましょう。
特徴は以下の通り
- 積立額の0.5%分〜3%分のポイント付与(クレカ や条件によって異なる)
- 貯まるポイントはVポイント、東急ポイント
- 最低100円から
- つみたてNISA、NISAも対象
- 対象となる購入方法は積立投資限定
- 上限は月額5万円
- 対象は積立可能な投資信託約2,600本
- 対象となるクレジットカードは三井住友カード、東急カード
クレジットカードで投資信託を積み立てるとポイントが付与されるという仕組みです。
普通に投資信託を購入するよりもポイントが付与される分だけお得ですね。
つみたてNISAなどで利用すればさらに運用益が非課税のメリットも享受できます。
三井住友カードの場合は貯まるポイントはVポイント。
積立設定金額の推移
積立設定金額の推移は下記のとおりとなります。
かなり右肩上がりで増えているのがわかりますね。
出典:SBIホールディングス 「三井住友カード つみたて投資」の積立設定金額100億円突破のお知らせ より
クレカ積立の現状
ちなみにクレカ積立は証券業界で大きく盛り上がっている分野なのです。
ただし、懸念材料もあるんですよ。
現状の状況も解説しておきましょう。
各社の参入状況
クレジットカードで投資信託を買うとポイントが付くサービスは2018年9月に丸井グループのtsumiki証券がエポスカードとの組み合わせで開始したのが始まりです。(たぶん)
その後、楽天証券が2018年10月に追随しています。
特に楽天証券は後述するように100万口座を突破するなど大成功となっています。
そのため、各社が追随しているんですよ。
まず、ネット証券大手のSBI証券です。
三井住友カードと組んで2021年6月から参戦しています。
その後、2022年に入ってマネックス証券+マネックスカード、auカブコム証券+auPayカードなどクレジットカードを使った積立投資に参入する証券会社が増えていますね、
条件別に整理すると現在は以下のような乱立状況となっています。
・SBI証券+三井住友カード プラチナ:2.0%
・マネックス証券+マネックスカード:1.1%
・SBI証券+三井住友カード ゴールド(NL):1.0%
・auカブコム証券+auPayカード :1.0%
・SBI証券+三井住友カード(NL):0.5%
・tsumiki証券+エポスカード:0.5%
・高島屋ファイナンシャルパートナーズ+高島屋カード:1年目0.1%、3年目以降0.2%、5年目以降0.3%
・セゾンポケット+セゾンカード:つみたて累計6回で5,000円について1ポイント(2022年8月分から最大0.5%還元)
ライバル楽天証券は100万口座を突破しているが、改悪続き
ちなみにライバルの楽天証券はグループ会社にクレジットカード会社を持っている強みもあり、2018年10月というかなり早い時期からスタート。
2021年4月には100万口座を突破しています。
ただし、楽天証券は改悪続きです。
投資信託保有時のポイント
まず2022年4月から投資信託保有時のポイント付与が大幅改悪しています。
■残高10万円ごとに3~10ポイント
※一部の銘柄は対象外
※対象月の月間平均残高で計算
↓
2022年4月1日以降:
■毎月末時点の投資信託の残高が、2022年4月末以降にはじめて一定の金額に到達した場合に、所定の楽天ポイントを進呈
今まで残高10万円ごとに付与されていたのですが、それが終了して以下の金額に達した時点でポイントが進呈される形となります。
出典:楽天証券 【楽天銀行・ハッピープログラム】ポイント進呈条件の変更に関するお知らせ より
保有している間は常にポイントが付いていたものが、残高に達したときに1回だけの付与となりますのでかなりの改悪となります。
また、ポイント進呈の対象となる該当残高を2022年4月末以降にはじめて達成した場合のみのポイント進呈となりますのですでに2,000万円以上保有している方はまったくポイントがもらえないという・・・
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
クレカ積立時の付与ポイント
また、クレカ積立時の付与ポイントも2022年9月の買付分よりポイント還元が下記の通りとなります。
出典:楽天証券 2022年4月以降の新サービス開始および各種ポイントサービス等見直しについて より
今まで1%のポイント還元だったのが、信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)以上のものは現状維持の1%(100円につき1ポイント)のポイント還元、それ以外の年率0.4%(税込)未満のものは0.2%還元(500円につき1ポイント)のポイント還元と大幅に改悪となります。
人気となっているインデックスファンドはほとんどが0.2%還元の対象となりますので、SBI証券に移行する人が増える可能性もありそうです。
楽天証券が改悪するのは一部ユーザーの利用モラルの問題か
クレカ積立はたいへん盛り上がっていますが、懸念材料もあります。
それは一部ユーザーのモラルの問題です。
先行していた楽天証券が改悪したのもその部分が大きいようで・・・
三木谷社長も以下のように語っています。
三木谷社長は、「(楽天証券のポイント還元は)少し寛容すぎるところがあった。お客様の中には我々の利益に貢献してくださらない方もいる。そこで顧客ごとに分析を始めた。ポイントのコストが多くかかっており、そこを変える。簡単に言うと通年で70〜80億円の話になる」と説明
出典:Yahoo!ニュース 三木谷社長が語る 楽天ポイント「改悪」の背景
つまり、ポイントだけ取ろうとするお客がかなり多かったということなのでしょう。
他社もこのような現実を目の当たりにすればなにかしらの対策をうってくることは予想できますね・・
一部YouTuberやブロガーなどがクレカ投信積立で値動きのあまりない債券を買ってポイントだけゲットしての即売りを勧めているようなんですよ。
クレカ投信積立は投資信託を買うことでポイントが貯まるというとてもありがたい制度です。
しかし、「クレカ投信積立でポイント狙いの即売り」という提供する証券会社のことなど全く無視で、自分たちの利益だけを追求するモラルのない方が増えれば増えるほど改悪リスクが高くなるでしょう。
自分たちのお得だけでなく、売り手も買い手も世間も良いという三方良しの精神でこのような良いサービスをみんなで守れるといいのですが・・・
まとめ
今回は「まだやってないの?SBI証券と三井住友カードのクレカ投信積立の設定金額100億円突破。口座数も26万口座超」と題してSBI証券のクレカ投資信託積立の設定金額が100億円突破したニュースについてみてきました。
クレカ積立は大変便利でお得な仕組みですからこれだけの口座数、設定金額が集まるのも理解できますね。
ただし、利用者のモラルが低い方ばかりですと楽天証券のように改悪にならないかが心配な部分です。
みなさんでこのお得なサービスを守っていきましょうね。
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