「普通預金の金利なんて、どこも同じでしょ?」
そう思っている方は、もしかすると毎年数千円〜数万円の利息を逃しているかもしれません。
2024年から2025年にかけて、日本の預金金利は歴史的な転換点を迎えています。
日銀のマイナス金利政策解除、そして追加利上げを受けて、メガバンクの普通預金金利は0.001%から0.2%へと実に200倍に上昇しました。
さらにネット銀行の中には、0.5%〜0.7%という高金利を提示するところも登場しています。
ただし、ここで落とし穴があります。物価(インフレ)の伸びのほうがまだ強いことです。2025年11月の消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年同月比で+3.0%(全国)と公表されています。
普通預金が0.3%や0.5%になっても、インフレが3%なら「実質的には目減り」しやすい。
ここを押さえたうえで、普通預金の“使い方”を最適化するのが現実的です。
普通預金金利ランキングを見る際の注意点
普通預金の比較は、見方を揃えないと誤解が起きます。
ランキングを見るときは以下の点に注意してください。
「通常金利」なのか「条件達成で上乗せ」なのか
たとえば、通常金利が0.3%でも、条件を満たすと0.6%になるケースがあります(逆もあります)。
公式発表では、通常金利と上乗せの内訳が併記されることが多いです。
たとえばauじぶん銀行は、通常金利の改定と、条件達成時の上乗せ後金利(年0.65%)を明記しています。
実際は条件達成はかなり厳しいものがあったりするので、自分なら達成できるかの視点を持つと良いでしょう。
「残高に上限・段階」があるか
“100万円まで高金利、超えると下がる”のように、金利が段階的な普通預金があります。
例えばあおぞら銀行の「BANK」は、100万円以下の部分と、100万円超の部分で金利が分かれる設計になっていますね。
税引前で比べ、税引後もイメージする
普通預金利息には原則20.315%の税金がかかります。
銀行の金利表示の注意書きにも、この税率が示されています。
普通預金金利ランキングTOP10【2025年12月最新】
それではランキングを見ていきましょう。なお、2025年12月時点のランキングです。
すでに2026年の金利引き上げを発表している銀行もあります。
第1位:東京スター銀行 最大0.60%(条件付き)
給与・年金受取口座に指定するだけで0.60%という破格の金利が適用されます。
メインバンクとして使うなら非常に魅力的な選択肢です。
2026年1月からは最大0.70%にアップする予定です。
第2位:auじぶん銀行 最大0.55%(プレミアムステージ限定)
じぶんプラスのプレミアムステージ会員限定で0.55%。三菱UFJ eスマート証券やSBI証券との連携、au PAYアプリとの連携など、複数の条件を組み合わせることで高金利が実現します。
少し条件は厳し目ですね・・・
2026年2月からは0.65%に引き上げ予定です。
第3位:島根銀行スマートフォン支店 0.50%(無条件)
島根銀行のスマートフォン視点の注目すべき点は「無条件」ということ。
給与振込や証券口座連携などの条件なしに0.50%の金利が適用されます。
2026年1月からは0.70%に大幅アップが予定されており、今後さらに注目度が高まりそうです。
第3位:UI銀行 0.50%(条件付き)
UI銀行はきらぼし銀行グループのデジタルバンク。
「はたらくサイフ」(給与振込指定)、「まもりのサイフ」(年金振込指定)、または「女神のサイフ」(女性限定)のいずれかで0.50%が適用されます。
第3位:あおぞら銀行BANK 0.50%(100万円以内)
100万円以内の部分に0.50%、100万円超の部分は0.35%という二段階方式。
2026年2月からは100万円以内が0.75%、100万円超が0.50%に引き上げ予定です。
第6位:SBI新生銀行 0.42%(SBIハイパー預金)
SBI証券との連携口座「SBIハイパー預金」にするだけで0.42%になります。
この預金残高はSBI証券の買付余力としても使えるため、投資も行う方には便利です。
2026年1月9日からは更に0.5%にアップされます。
SBIハイパー預金の集まりによって100万円まで4.2%(1/9以降5%)の金利になるキャンペーンもあります。
1兆円を超えた時点でキャンペーンは終了しますので、検討している方は急ぎましょう。

第7位:MATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店) 0.41%
松井証券の口座開設が必要ですが、取引条件はありません。
他行宛て振込手数料が月5回無料という利便性も魅力です。
なお、2026年2月中旬から証券残高に応じて年0.41%/0.52%/0.65%にステップアップする仕組みが導入される予定です。(上位は1,000万円以上等)
第8位:ローソン銀行 0.40%
2025年10月に0.20%から0.40%に引き上げられました。
コンビニATMの利便性と合わせて、サブ口座としての魅力が高まっています。
第9位:PayPay銀行 最大0.40%(残高に応じて)
残高に応じて金利が変動する「ステップアップ円預金」方式。
29歳以下は100万円以上で0.40%、30歳以上は200万円以上で0.40%が適用されます。PayPayポイント受取を選択すると+0.1%の上乗せも。
2026年2月1日から最大0.5%に引き上げられます。
第10位:SBJ銀行 最大0.30%(普通預金プラス)
通常金利0.20%に特別付与金利0.10%が上乗せされ、最大0.30%に。
他行宛て振込手数料が月5回無料という点も見逃せません。
韓国系の銀行ですが、預金保険制度の対象なので1,000万円までは完全に保護されます。
メガバンク・大手銀行の普通預金金利は?
参考として、メガバンクの普通預金金利も確認しておきましょう。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは、いずれも2025年3月から普通預金金利を0.20%に設定しています。
2026年2月2日からは0.30%となります。
これは2024年3月のマイナス金利解除前(0.001%)と比較すると実に200倍の上昇ですが、ネット銀行と比べると見劣りするのは否めません。
ただし、メガバンクには全国に店舗やATMがあるという安心感、他の金融サービスとの連携のしやすさといったメリットもあります。
金利だけでなく、自分のライフスタイルに合った銀行を選ぶことが大切です。
ざっくり利息の差(税引後のイメージ)
税率20.315%で概算すると、100万円を1年置いた場合の税引後利息は次のイメージです(端数は概算)。
年0.20%:約1,594円
年0.31%:約2,470円
年0.50%:約3,984円
年0.65%:約5,180円
年0.75%:約5,976円
「数千円か」と感じるかもしれませんが、生活防衛資金が300万〜500万円ある家庭だと、差は年1万〜3万円規模になり得ます。
投資のリスクを取らずに積み上がる差としては、ばかにできません。
普通預金金利の推移|なぜ今、金利が上がっているのか
普通預金金利がここまで上昇した背景には、日本銀行の金融政策の大転換があります。
金利推移を振り返りながら、今何が起きているのかを整理しましょう。
長く続いた超低金利時代(1990年代後半〜2024年)
日本の普通預金金利は、1990年代前半までは比較的高い水準で推移していました。
たとえば1990年12月末時点の定期預金金利は年6.08%という水準でした。
100万円を預けていれば、1年で約6万円の利息がついていた計算です。
しかし、バブル崩壊後の不況に対応するため、日銀は金融緩和政策を進め、金利は徐々に低下。
1999年には「ゼロ金利政策」が導入され、2016年には世界でも珍しい「マイナス金利政策」が始まりました。
この結果、メガバンクの普通預金金利は0.001%という「ほぼゼロ」の状態が長く続いたのです。
100万円を1年間預けても、利息はわずか10円。ATM手数料を1回払えば赤字になるという、預金者にとっては厳しい時代でした。
2024年:マイナス金利解除と金利上昇の始まり
転機が訪れたのは2024年3月です。
日銀は約8年間続いたマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに政策金利を引き上げました。
さらに同年7月には追加利上げを実施し、政策金利は0.25%に。
これを受けて、メガバンク各行は普通預金金利を0.02%→0.10%へと引き上げ。
ネット銀行でも金利引き上げの動きが広がりました。
2025年は2回の利上げ
2025年1月の金融政策決定会合で、日銀は政策金利を0.5%に引き上げました。
さらに2025年12月に日銀は政策金利を0.75%に引き上げることを発表しました。
そのため、2026年から多くの金融機関で普通預金の金利が上がる予定となっています。
2025年は2回の利上げが行われましたが、2026年もさらなる利上げが予想されています。
普通預金金利とインフレ|預けているだけで損をする?
普通預金金利が上昇しているとはいえ、ここで考えなければならないのがインフレ(物価上昇)との関係です。
実質金利という考え方
「実質金利」とは、名目金利(表面上の金利)から物価上昇率を差し引いたものです。
たとえば、普通預金金利が0.5%でも、物価が年率2.5%で上昇していれば、実質金利は0.5%-2.5%=マイナス2.0%となります。
つまり、お金を銀行に預けているだけでは、購買力(モノやサービスを買う力)が年々目減りしてしまうということです。
2024〜2025年のインフレ率と預金金利の関係
日本の消費者物価指数(CPI)は、2024年に前年比2.5〜3.0%程度の上昇を記録しました。
日銀の見通しによれば、2025年度も2%台半ばで推移すると予想されています。
一方、メガバンクの普通預金金利は0.20%。つまり、実質金利はマイナス2%以上のマイナスということになります。
インフレが続く限り、普通預金だけでは資産の実質価値が目減りし続けるのです。
ただし、ここで誤解しないでほしいのは、「だから普通預金はダメ」ではないことです。
普通預金は“いつでも使える保険”です。インフレに勝つ役割は投資(あるいは別の商品)に寄せつつ、普通預金は「損を小さくする最適化」をする、が現実解です。
普通預金とペイオフ|1,000万円超えたらどうする?
預金額が増えてくると気になるのが「ペイオフ」の問題です。
高金利を求めて預金額を増やす際には、この制度をしっかり理解しておく必要があります。
ペイオフとは何か
ペイオフとは、金融機関が破綻した場合に、預金保険制度によって預金が保護される仕組みのことです。
日本では、1金融機関あたり、預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護の対象となります。
預金保険制度に加入している金融機関(銀行、信用金庫、信用組合など)であれば、万が一破綻しても、1,000万円までは全額保護されます。
普通預金はペイオフの対象か
普通預金は「一般預金等」に分類され、ペイオフの対象です。
つまり、1金融機関あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。
なお、「決済用預金」(無利息・要求払い・決済サービス提供の3条件を満たす預金)は全額保護の対象となります。
ただし、高金利を狙う普通預金は利息がつくため、決済用預金には該当しません。
1,000万円を超える預金のペイオフ対策
1,000万円を超える預金がある場合、以下の対策が考えられます。
複数の金融機関に分散する
最もシンプルな対策は、複数の金融機関に分けて預金することです。
たとえば、2,000万円の預金があれば、2つの銀行に1,000万円ずつ預けることで、両方とも保護の対象となります。
家族名義で分散する
預金保険は「預金者1人あたり」で計算されるため、配偶者や子供名義の口座に分散することも有効です。
ただし、名義だけを借りた「借名預金」は保護の対象外となるため、実際に贈与するなど実態を伴う必要があります。
個人向け国債や投資商品を活用する
1,000万円を超える部分は、個人向け国債や投資信託など、ペイオフの対象外となる商品に振り分けることも検討に値します。
国債は国が発行する債券なので、銀行破綻のリスクとは無関係です。
ネット銀行のペイオフは大丈夫
高金利のネット銀行やインターネット支店に預金する際、「本当に保護されるのか」と不安に思う方もいるかもしれません。
結論から言えば、日本国内に本店がある銀行であれば、ネット銀行も預金保険制度の対象です。
楽天銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、UI銀行、PayPay銀行など、主要なネット銀行はすべて預金保険制度に加入しています。
SBJ銀行のように韓国資本の銀行であっても、日本国内で営業する銀行として預金保険制度の対象となっています。
外資系だからといって保護されないわけではありません。

銀行選びのポイント|金利だけで選んではいけない理由
ここまで普通預金金利ランキングやペイオフについて解説してきましたが、銀行選びは金利だけで決めるべきではありません。
以下のポイントも考慮しましょう。
金利の適用条件を確認する
高金利を提示している銀行の中には、「給与振込指定が必要」「証券口座との連携が必要」「一定額以上の残高が必要」といった条件がある場合があります。
自分がその条件を満たせるかどうかを事前に確認しましょう。
たとえば、島根銀行スマートフォン支店のように「無条件」で高金利が適用される銀行は、条件を気にせず利用できるメリットがあります。
ATMや振込手数料をチェック
せっかく高金利で利息を得ても、ATM手数料や振込手数料で相殺されてしまっては意味がありません。
入出金回数を確認する: コンビニATMを月何回無料で使えるか?
振込無料回数を確認する: 家賃やカード引き落とし口座への資金移動は無料か?
例えばSBI新生銀行はダイヤモンドステージで月10回無料など、手数料面で優遇されている銀行もあります。
金利だけでなく、「生活コストを下げてくれる銀行か?」という視点も忘れずに持ってください。
使いやすさ・アプリの機能
ネット銀行を選ぶ場合、スマホアプリの使いやすさも重要なポイントです。
残高確認や振込、定期預金の作成などがアプリで簡単にできるかどうかを確認しましょう。
また、コンビニATMとの提携状況や、出金・入金の無料回数なども日常的な使い勝手に影響します。
メインバンク・サブバンクの使い分け
一つの銀行ですべてを完結させる必要はありません。
給与振込や公共料金の引き落としには利便性の高いメガバンクを使い、貯蓄用には高金利のネット銀行を使うという「使い分け」も賢い方法です。
こうすることで、金利メリットを享受しながら、日常生活の利便性も確保できます。
普通預金と定期預金、どちらを選ぶべきか
金利上昇局面では、「普通預金より定期預金のほうが金利が高いのでは?」と考える方も多いでしょう。
ここでは、両者の違いと選び方を解説します。
2025年の定期預金金利動向
2025年12月時点では、定期預金金利も上昇しています。
たとえば、1年もの定期預金では、SBJ銀行のミリオくん(100万円限定)が1.25%、UI銀行が1.00%(1,000万円未満)と高水準です。
新規口座開設者限定では、あおぞら銀行BANKの「BANK The Giftスペシャル定期」が1.25%、オリックス銀行が1.20%など、さらに高い金利も見られます。
普通預金を選ぶべきケース
以下のような場合は、普通預金を選ぶのが適切です。
近いうちに使う可能性がある資金
定期預金は中途解約すると金利が下がるため、流動性を重視するなら普通預金がおすすめです。
金利上昇を見込んでいる場合
今後さらに金利が上がると予想するなら、短期の普通預金に置いておき、金利が上がったタイミングで定期預金に移すという戦略も有効です。
高金利の普通預金を使える場合
東京スター銀行の0.60%やあおぞら銀行BANKの0.50%など、中途半端な定期預金より金利が高い普通預金もあります。
定期預金を選ぶべきケース
以下のような場合は、定期預金を検討しましょう。
使う予定が決まっている資金
1年後の旅行資金、3年後の住宅頭金など、使う時期が決まっている資金は、その期間に合った定期預金に預けると良いでしょう。
金利下落リスクを避けたい場合
定期預金は預入時の金利が満期まで固定されるため、今の高金利を確定させたい場合に有効です。
まとめ
本記事では、2025年12月時点の普通預金金利ランキングを中心に、金利推移の背景、インフレとの関係、ペイオフ対策、銀行選びのポイントまで幅広く解説しました。
日本は約30年ぶりに「金利のある世界」へと回帰しつつあります。
かつては「どこに預けても同じ」だった普通預金も、銀行選び一つで受け取れる利息に大きな差がつく時代になりました。
本記事の内容をまとめると
・普通預金金利は最大0.60%〜0.70%(条件付き)、無条件でも0.50%の銀行がある
・日銀の利上げにより、今後もさらに金利が上昇する可能性がある
・インフレ率が預金金利を上回る状況では、預金だけでは資産が目減りする
・1,000万円超の預金はペイオフ対策として複数銀行への分散を検討
・金利だけでなく、手数料・使いやすさも考慮して銀行を選ぶ
ぜひこの記事を参考に、自分に合った銀行を見つけ、少しでも有利に資産形成を進めてください。
金利情勢は刻々と変化しますので、定期的に各銀行の金利をチェックすることをおすすめします。
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