利上げの実施で住宅ローンは変動金利より固定金利のほうがオトクなケースも

金利のない時代から少しずつ政策金利があげられています。

政策金利に影響を受ける住宅ローンの変動金利も少しずつ上っていっていますね。

そこでより魅力的になってきたのが固定金利。

中でもフラット35の子育てプラスです。

今回はフラット35の子育てプラスについて解説していきましょう。

住宅ローンは変動金利か固定金利どちらが得?

まず、住宅ローンは金利が変動する変動金利と借りたときの金利が固定される固定金利があります。

どちらが良いのかは後になってみないとわからないんですよ。

専門家、評論家、金融機関でも金利の予想は困難なためです。

どちらが得とか断定される有名な専門家も見えますが、予想は間違えてばかりだったり笑

短期の予想も当てられないのに、長期の予想が当てられるとは到底思えません。

具体名を出すと怒られそうなのでかなりぼやかして書きますが、先日かなり面白い事例がありました。

有名な専門家が翌日発表の住宅ローン金利を大外し

毎月住宅ローンの金利は変わっていきますが、直前になると多くの専門家が予想しています。

例えば2023年2月の金利が発表される前日に、あるその業界ではそれなりに有名な専門家がフラット35の金利を「据え置き」もしくは「多少下げる」と予想していました。

しかし、実際は大幅高

最低値は1月1.68%だったのが、2月は1.88%と1月で0.2%もあがったのです。

おそらくその専門家は前月が、実質利上げがあったのにそれほど上げず、それからは金利がちょっと落ち着いていたから上記のような予想をしたのでしょう。

結果として大外れ。

つまり、翌日に発表のある金利すらまったく当てられなかったのです。

これはこの専門家が駄目というわけではなく、金利にはいろいろな要素があるので予想が困難ってことなんですよ。

ちなみにその予想記事はこっそり修正されてましたね笑




フラット35とは

次にフラット35について簡単に解説しておきましょう。

フラット35を簡単に言えば政府系金融機関の独立行政法人住宅金融支援機構が300以上の金融機関と提携して扱う「全期間固定金利型住宅ローン」のことです。

フラット35とは簡単に

出典:独立行政法人住宅金融支援機構 初めての方へ より

もともとは住宅金融公庫(住宅金融支援機構の前身で直接扱っていたのですが、上記の仕組みになったことで多くの金融機関で扱うようになり、いろいろな種類やルールがあってかなりややこしいんですよ。

住宅金融支援機構とは

住宅金融支援機構とは住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するために作られた機関。

民間金融機関が全期間固定金利の住宅ローンを供給できるように支援しているんですよ。

固定金利で長期間に渡ってお金を貸すというのは金融機関にとってはかなりのリスク。

そのリスクを住宅金融支援機構を負うことによって金融機関が貸出ししやすくしているのです。

つまり、国が住宅の建設を促進するために作っている制度ということです。

全期間固定金利型住宅ローンとは

フラット35は全期間固定金利型住宅ローンです。

言葉のとおり、借り入れ全期間に渡って金利が固定となります。

返済期間は最長35年(物件の条件をクリアすると50年)となっているので、35年の固定金利という意味でフラット35という名前になっているのでしょう。

全期間固定金利型とは

出典:独立行政法人住宅金融支援機構 初めての方へ より

日本では低金利時代が続いていましたので、変動金利で借りる方が多かったです。

しかし、直近で政策金利の利上げが行われるなど低金利時代の考えが通用しなくなってきているんですよ。

例えばアメリカなどではインフレ対策で政策金利を上げていますが、それにより住宅ローンの金利が6%まであがっています。

それで返済額が増えてしまいローンを払えず家を手放す方も増えているそう。

そういう金利の変動リスクを減らせるのが固定金利のメリットですね。

住宅ローンは金額が金額も大きいですし、期間も長いので少しの金利差で支払う金額が大きな差となるんですよ。

フラット35の金利、手数料は金融機関で異なる

なお、フラット35を利用しても適用される金利や手数料は借りる金融機関によって異なります。

フラット35だったらどこでも同じなんて営業トークをする不動産屋やハウスメーカーがいたりしますが、それは間違いです。

同じフラット35でも金利や手数料がかなり違うんですよ。

おそらく営業マンか不動産屋などにバックマージンがあるか、ノルマがあるのでしょう。。。。

それかかぼちゃの馬車事件などで問題になったような裏工作があるのかもしれません。

どちらにしてもそのようなトークをする営業マンはあまり信用できないかもしれません。

また、借りられる期間は最長35年(物件の条件をクリアすると50年)

融資限度額は100万円以上8,000万円以下となっています。

一般の住宅ローンと違い団体信用保険への加入は任意となっています。

フラット35の使いみちは限定的

なお、フラット35はかなり有利な仕組みです。

そのため、借入金の使いみちは限定されており、本人か、親族の居住用の新築住宅の建設資金・購入資金、中古住宅の購入資金などとなっています。

最近、問題となっているのが自分で住む住宅と称してフラット35を利用するけど、実態は投資用の物件だったりするものです。

ワンルームマンション投資で多いとか

これは判明すると全額を一括して返済が必要となりますのでご注意ください。

この手の手法を誘導する悪どい不動産屋もみえるとのことですからお気をつけください。

このあたりは正直不動産の8巻、9巻でも書いてありましたね。




フラット35の子育てプラスなら変動金利とそれほど変わらない金利も

ここからが本題。

フラット35には条件を満たすと金利が安くなる仕組みがあります。

この条件を満たす方はリスクを取って変動金利で借りるよりもフラット35(固定金利)の方が金利が低いって現象もあるんですよ。

ちょっとややこしいですが、

子育てプラスの概要

子育てプラスは以下のような仕組みです。

ちょっとややこしいですが、いろいろな条件を満たすとそれに応じて金利が低くなります。

フラット35【子育てプラス】とは

出典:独立行政法人住宅金融支援機構 フラット35【子育てプラス】A3チラシより

例えば子供が2人いて、ZEHかつ長期優良住宅を建てた場合は6ポイントとなります。

その場合、5年目まで金利1%引き下げ、5年目〜10年目は0.5%の引き下げとなります。

かなり大きな引き下げですね。

フラット35【子育てプラス】ポイント

出典:独立行政法人住宅金融支援機構 フラット35【子育てプラス】A3チラシより

アルヒの場合

フラット35は前述の通り、金融機関により金利が違いますので、フラット35最大手のアルヒの場合の金利で見てみましょう。

アルヒにはスーパーフラット35という自己資金の割合に応じて金利割引する商品があります。

例えば自己資金2割の場合で見てみましょう。(住宅購入費用のうち2割は現金で支払った)

この場合の固定金利で1.73%(2025年1月時点)です。

子育てプラスで6ポイントに該当すると

はじめの5年間:年0.73%

6年目から10年目:1.23%
11年目から35年目:1.73%
となります。
はじめの5年間は現時点で地銀の変動金利とほぼ同じ水準です。
さらに2025年1月24日に政策金利の0.25%の利上げの発表されました。
これにより変動金利の方はあがりますので、子育てプラスで6ポイントに該当する方の場合は、地銀と比べれば今の時点でフラット35のほうが金利が安いんですよ。
なお、ネット銀行はもう少し金利が安いところが多いですが、短期プライムレート(政策金利)に連動していないところが多く、そのネット銀行の方針次第ではちょっと怖い部分も・・・
最終的にどちらが得になるのかは今後の政策金利次第ですので予想は難しいですけどね。
はじめから金利がわかっている安心感を考えるとフラット35はありな選択肢かと思われます。



まとめ

今回は「利上げの実施で住宅ローンは変動金利より固定金利のほうがオトクなケースも」と題して住宅ローンについてみてきました。

専門家でも判断の分かれる変動金利と固定金利の選択。

今の金利情勢や割引制度を考えるとはじめから返済金額がわかる安心感を考えると固定金利はありな選択肢になってきていると個人的には思います。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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