2019年10月1日から消費税が8%から10%に増税されます。
また、それと合わせて一部の飲食料品、新聞の税率を8%に据え置く軽減税率も導入。
さらに中小企業でキャッシュレス決済をした場合に国の負担で5%還元されるキャッシュレス還元事業が実施
さらにさらに子育て世代や住民税非課税世帯にプレミアム付き商品券、年金を含めても所得が低い方の生活を支援するために、年金に上乗せして支給する年金生活者給付金が実施されます。
保育、幼児教育の無償化なども実施されます。
少し先ですが2023年からは小規模企業やフリーランスに大きな影響を与えるインボイス制度なるまた新しい制度も導入されます。
つまり、いろいろな制度が大きく変化するんですね。
変化があれば経済に当然影響があります。
経済に影響があれば株価にも影響があるでしょう。
今回は消費税増税が株式投資などに与える影響について過去の増税時の株価の動きなどを踏まえながら考えてみましょう。
過去の消費税増税時の株価推移
それではまず、過去の消費税増税時の株価推移を確認してみましょう。
今回は増税前からの増税を折り込んでいく部分も含めて確認するために前年の始値、前年の終値、増税直前、増税直後、増税年の最終営業日の日経平均株価を見ていきます。
1989年4月:消費税導入(税率3%)
まずはじめは消費税がはじめに導入された1989年4月です。
当時は消費税税率3%でした。
時代背景的にはバブル景気真っ只中です。
消費税導入前年の始値
消費税導入前年の始値は以下のとおりです。
消費税導入前年の終値
消費税導入前年の終値は以下のとおりです。
一年で8,607.8も上げているんですね。
つまり、景気がかなり良かった状態での消費税導入となります。
消費税導入の前月(3月)
消費税導入年の前月の始値は以下のとおりです。
1988年3月31日 終値:32,838.68
始値でみると年末から比較しても1,847.91上げています。かなり好調な株価です。
さらに3月だけでも831.77も上がっています。
消費税導入前で株価はむしろあがったんですね。
消費税導入月(4月)
消費税導入年の前月の始値は以下のとおりです。
1988年4月28日 終値:33,713.35
消費税が導入されても好調をキープ
1月で850.74も上げています。
かなり強いですね。
消費税導入年の年末(12月)
消費税導入年の年末はどうなったでしょう。
消費税が導入されても好調をキープ
1年間で8,756.87上がっていますね。
この当時はバブル景気でかなり個人も企業も羽振りが良かったですから消費税が導入されてもほとんど影響がなかったということがわかります。
1997年4月:消費増税(税率5%)
次は消費税が5%に引き上げられた1997年4月です。
消費税が3%から5%に2%引き上げられました。
今年の増税と同じ引き上げ幅です。
ちなみに時代背景的には就職難や失業が多くあまり景気が良くない時代ですね。
消費税増税前年の始値
消費税増税前年の始値は以下のとおりです。
消費税増税前年の終値
消費税増税前年の終値は以下のとおりです。
一年で584.33下げています。
消費税増税の前月(3月)
消費税増税の前月の始値は以下のとおりです。
1997年3月31日 終値:18,003.4
始値でみると年末から比較しても844.18下げています。
さらに3月だけでも513.77の下げです。
消費税増税月(4月)
消費税増税月の始値は以下のとおりです。
1997年4月30日 終値:19,151,12
4月1日は始値から前日の終値よりさらに下げています。
消費税増税のインパクトでしょうかね。
しかし、4月はむしろプラスになり1,126.33上がっています。
悪材料が出尽くしたというところなのでしょうかね。
消費税導入年の年末(12月)
消費税導入年の年末はどうなったでしょう。
消費税増税された1997年は1年間で4,102.61下げてしまいました。
その後、1999年まで下げて行くことになります。
今また注目されていますが、就職の超氷河期がこの時期ですね。
2014年4月:消費増税(税率8%)
次は消費税が8%に引き上げられた2014年4月です。
消費税が5%から8%に3%引き上げられました。
こちらの時代背景的にはアベノミクスもありそれなりに経済はよかったはずなのですが・・・
消費税増税前年の始値
消費税増税前年の始値は以下のとおりです。
消費税増税前年の終値
消費税増税前年の終値は以下のとおりです。
消費税増税の前月(3月)
消費税増税の前月の始値は以下のとおりです。
2014年3月31日 終値:14,827.83
始値でみると年末から比較しても1,625下げています。
ただし、3月は160.91上げています。
消費税増税月(4月)
消費税増税月の始値は以下のとおりです。
2014年4月30日 終値:14,304.11
4月1日は始値から前日の終値よりさらに下げています。
消費税増税のインパクトでしょうかね。
この年の4月は523,72の下げで終わっています。
消費税導入年の年末(12月)
消費税導入年の年末はどうなったでしょう。
消費税が増税された2014年は1,159.46の上げで終わっています。
日経平均だけを見ればアベノミクスの効果もあり意外に影響がすくなったとも言えます。
どうなる消費税増税による株価
それでは今回はどうなるのでしょう?
過去のデータを見る限り3回の導入時、引き上げ時で2回は日経平均が上がっています。
ただし、消費税増税が経済へ影響を及ぼすのはタイムラグがあります。
そのため単純に消費税の増税の影響がなかったとは言えません。
結局、株価は経済の先行指標みたいなものですからね。
今後、経済がよくなると思う人が増えれば上がりますし、逆なら下がりますから・・・
なかなか予想するのが難しいところではあります。
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また、個別の銘柄によってはプラスの影響を受けるもの、大きくマイナスになるものなどもありますのでその辺りも知っておく必要がありますね
特に今回は軽減税率でレジを変えなければいけない会社が多いこと、キャッシュレス還元が国主導で実施されることには要注目ですね。
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消費税増税による投資への影響
実は株価だけでなく消費税増税による投資への影響があります。
それは各種手数料に消費税が掛かっていますので手数料が実質上がるってことですね。
株式投資なら売買手数料
投資信託なら販売手数料や信託報酬などです。
これらも当然上がりますから影響は出てくるところです。
それぞれの手数料がどうなるかを見ておきましょう。
国内株取引の消費税増税への対応
国内株の取引の手数料も当然消費税増税の影響を受けます。
例としてSBI証券の手数料の改定について見ていきましょう。
下記が増税前後の手数料一覧です。
SBI証券の場合には消費税増税分がそのまま上げている感じですね。
ただし、一部の証券会社では便乗的に値上げ幅が消費税増税学よりも大きいところもありますね・・・
なお、国内株式の手数料は2019/9/30(月)までの約定分は消費税8%、2019/10/1(火)以降の約定分は消費税10%となります
お取引内容 | 1注文の約定代金 | 本体価格 (税抜価格) | 2019/9/30(月)まで | 2019/10/1(火)から |
---|---|---|---|---|
税込手数料 | 税込手数料 | |||
現物取引 スタンダードプラン | 5万円まで | 50円 | 54円 | 55円 |
10万円まで | 90円 | 97円 | 99円 | |
20万円まで | 105円 | 113円 | 115円 | |
50万円まで | 250円 | 270円 | 275円 | |
100万円まで | 487円 | 525円 | 535円 | |
150万円まで | 582円 | 628円 | 640円 | |
3,000万円まで | 921円 | 994円 | 1,013円 | |
3,000万円超 | 973円 | 1,050円 | 1,070円 |
お取引内容 | 1注文の約定代金 | 本体価格 (税抜価格) | 2019/9/30(月)まで | 2019/10/1(火)から |
---|---|---|---|---|
税込手数料 | 税込手数料 | |||
現物取引 アクティブプラン | 10万円まで | 0円 | 0円 | 0円 |
20万円まで | 191円 | 206円 | 210円 | |
30万円まで | 286円 | 308円 | 314円 | |
50万円まで | 429円 | 463円 | 471円 | |
100万円まで | 762円 | 822円 | 838円 | |
以降100万円増加毎に | 400円ずつ 増加 | 432円ずつ増加 | 440円ずつ増加 |
出典:SBI証券「2019/10/1(火)以降の税込みの手数料および手数料率一覧」より
投資信託の消費税増税への対応
投資信託については国内銘柄ならば9/30 14:59申し込みまでが8%
海外銘柄ならば商品により9/27もしくは9/26 14:59申し込みまでが8%の扱いとなります。
約定日で決まることになりますのでご注意ください。
ただし、これは販売手数料の部分だけです。
最近は販売手数料無料のノーロードタイプが多いですからそれほど関係ないかもしれません。
信託報酬は当然ながら10月以降にかかるものは10%の消費税となります。
8%の時に買ったとしてもずっと8%のわけではありません。つまり、いつ買ったとかは関係ないんです。
外国株の消費税増税への対応
外国株も考え方は同じです。
2019/9/30(月)までの約定分は消費税8%、2019/10/1(火)以降の約定分は消費税10%となります。
ただし、消費税率の切り替えは、国内約定日を基準としていますので多少ズレがあります。
例えば米国株式ならば9月28日5:00約定までが消費税8%の対象となります。
9月30日22:30約定からは10%となりますのでご注意ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の手数料
イデコの手数料も消費税増税に合わせて引き上げられます。
最近また、話題になっていますが、国民年金基金連合会に支払うイデコの手数料はなんとかしてほしいところですね。
楽天証券の例では以下のとおりです。
消費税率8%
手数料 | 口座開設 (初回のみ) | 口座管理 (月額) | 給付 (1回当たり) | 還付 (1回当たり) |
---|---|---|---|---|
国民年金 基金連合会 | 2,777円 | 103円 | – | 1,029円 |
事務委託先 金融機関 | – | 64円 | 432円 | 432円 |
消費税率10%
手数料 | 口座開設 (初回のみ) | 口座管理 (月額) | 給付 (1回当たり) | 還付 (1回当たり) |
---|---|---|---|---|
国民年金 基金連合会 | 2,829円 | 105円 | – | 1,048円 |
事務委託先 金融機関 | – | 66円 | 440円 | 440円 |
出典:楽天証券「重要】消費税率の変更にともない、取引手数料などの税込価格が変わります」より
他にもイデコの場合には投資信託の信託手数料も消費税分上がることになります。
まとめ
今回は「消費税増税が株式投資などに与える影響は?過去の増税時の株価の動きを調べてみた」と題して消費税増税が株式投資に当たれる影響をみてきました。
過去のデータを見る限り、3回の導入時、引き上げ時で2回は日経平均が上がっています。
ですから直接すぐに影響がでてしまったというわけではありません。
しかし、当然消費の冷え込みなど経済への影響は考えれますからその辺りも考えて動く必要はありますね。
また、単純に手数料などが上がりますのでその点でも影響はあります。
ちなみに金の投資への影響はこんな感じになります。
「有事の金(ゴールド)」とはよく言われますが、最近の米国、中国の貿易戦争の影響も大きいのか金相場がかなり上がっています。そんな状況ですから「金」の購入を検討している方も多いでしょう。また、最近では金に投資をする投資信託も増え[…]
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